ページ 128 | 今日もだらだら、読書日記。

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2008年11月のまとめ&読了記録

11月に読んだ本は21冊でした。
原稿に集中する為意図的にペース落としていたのはあるのですが(感想書く時間が意外に時間泥棒さんなので)、やっぱ全体的に以前よりペース増えたなあ…と思いつつ、せっかく新刊が少ない月だったのでもうちょっと読みたかった気も。
そして先月から続いていた「杉井光強化月間」がようやく終了。どれもおいしゅうございました。
…え?ここまで来たら「さくらファミリア!」も読んでコンプすべき?

2008年11月のページアクセストップ4


とらドラ9!
⇒感想

とらドラ8!
⇒感想

とある魔術の禁書目録SS2
⇒感想

バカとテストと召喚獣5
⇒感想

先月から引き続き「とらドラ!」フィーバー中。全然アクセスが下がる様子がないのですが、何が起こっているのですか……。

そして追随するのは同じくアニメ化中の「禁書目録」最新刊。新キャラ・新設定乱立でそろそろ設定資料片手に読む時代になってしまうのか。何度も言ってますが電撃文庫は、次から禁書文頭にキャラクター及び世界設定紹介をですね……?

それにしてもアニメ化3作品には叶わなかったとはいえ、最後の3日で禁書に追いつきそうなアクセスを集めた「バカとテストと召喚獣5」。次期アニメ化候補のトップエースパワーはやはり凄い。私としてはもうちょっと女性読者が増えて欲しいと切実に願うものであります。5巻は久保君がイケメン男子であることが発覚して、雄二×明久にノリきれない美形スキーがニヤリとすること請け合いですよ!?とりあえずエンターブレインは冬コミでアキちゃんの抱き枕を出してください。むしろ「裸ワイシャツ上目遣い涙目ボタン上2つ空け」の明久をお願いします。2万までなら出す。


2008年11月に読んで面白かった本


ダブルブリッド Drop Blood
⇒感想

火目の巫女
⇒感想

桐原家の人々3 恋愛統計総論
⇒感想

魔王城一限目
⇒感想

今月読んだ中では…というかむしろラノベ全体の中でも「ダブルブリッド」と「バカとテストと召喚獣」は愛着のあるラノベとしては5本指に入ると思うのですが、その2つが2回連続同じ月に出るのはどんな運命の悪戯か!多分これがホントに最後の短編集、とても美味しく戴きました。というかダブルブリッドは思い入れありすぎて困る。未収録の短編をまとめた本が出るであろう事は予想してましたが、よもや本編終了後のお話が読めるとは夢にも思っていなかったです。最後の最後に素敵なプレゼントを本当にありがとうございました。ていうかこの調子で来年には「ソウル・アンダーテイカー」の続きが出るといいなあ…

杉井光強化月間からは平安系欝グロ巫女ファンタジー「火目の巫女」。結局2ヶ月がかりで「さくらファミリア」以外の杉井光作品をコンプしてしまったのですが、結局火目が一番ツボだったなあ……続きが絶望視されているのがとても残念です。「このラノ」ランクインのご祝儀かなにかで出ませんかね…できればメモ帳4巻より火目4巻を……。

そして杉井光強化月間とともに密かに裏で行われていたルビー文庫積読崩しキャンペーンから「桐原家の人々」。友情以上愛情以下BLと弟×兄スキーとしては大変美味しいお話でした。ああ、そういえば4巻まだ買えてない……ここまで来ると「デルフィニア戦記」が俄かに気になってくるわけですが、今月来月は新刊予定が詰まってるから来月以降かなあ…

魔王城一限目」はガーゴイルとはうってかわってしょっぱなから重い展開の物語ですが、「ガーゴイル」から続く家族の暖かさが根底に流れる優しいお話。今月読んだ新シリーズ系では一番オススメです!


2008年11月の読了記録

MediaMarkerさんでちょくちょくつけてる読了記録がHTML出力できるようになったので、読書メーター組に対抗して使ってみたいと思います。…個人的に、欲を言えば、カテゴリを絞っての表示とコメント出力ができれば完璧なんだけどなあ。ラノベの読了はいらないのでそれ以外だけで出力したい…
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【告知】コミックマーケット75参加します。

というわけで、今回もコミケのスペースをいただけましたので、バカテス本出します。
軽い腐女子要素含のほぼオールキャラギャグ本。明久とか明久とか明久とか多めかも。
詳細は「続きを読む」からどうぞ?。
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魔王城一限目

 
朝未

司令官に逆らい、ド田舎に左遷された軍人のエイゴ。彼を待ち受けていた任務は、何と魔王の申し子と呼ばれる歩く災厄―「魔人」たちの先生役だった!異形の身体と、生まれた瞬間に村ひとつ消し飛ばす魔力を持つ魔人。事実そうしていくつもの村を消滅させ、命を奪った存在を相手に、この自分が先生役!?と動揺するエイゴ。けれど、彼らの姿を知る中で、エイゴはある決断をすることに―。残酷な世界に抗う青年と子供たちの、痛みと優しさの物語、開幕。(「BOOK」データベースより)

「吉永さん家のガーゴイル」の田口仙年堂さんの新シリーズ。家族を"魔人"の暴走によって失い、軍人となった熱血直情型の青年が"魔人"の子供たちと出会うというお話で、「ガーゴイル」とはうってかわってかなりシリアスな雰囲気のファンタジー作品です。

熱血で直情的で一見ちょっと子供っぽいエイゴがその一方で着実に人間不信気味だった"魔人"の子供たちを手なずけていく手段が実に巧妙で、そのギャップが非常に魅力的。とにかく次の行動が読めないキャラで、エイゴが次に何をやらかすのかとワクワクしながら読み進んでいきました。子供たちに悪戯を仕掛けられたら「悪戯は楽しいものだと教える、でもそれはそれとしてちゃんと叱る」というような、柔軟な姿勢が面白かったです。子供たちだけではなく、"魔人"への偏見や恐怖に縛られてしまっている部下・バズのわだかまりも少しずつ解いていってしまうのだから凄い。天職としか思えないエイゴの先生っぷりから目が離せませんでした。

しかしその一方で、魔人への差別の問題や戦争中という時代背景もあり、エイゴたちにはしょっぱなから残酷な事実ばかりが降りかかっていきます。「ガーゴイル」で言うと9巻・10巻の頃の雰囲気に近いものがあるかも。あれを読んだときにも思いましたが戦争という存在のおぞましさとかその中で必死に生きる人々の描写がとてもリアルで、重い。自然に「戦争って嫌だなあ」と思わせてしまうような何かがあると思う。

ただ、救いの無い展開の中でも根底に流れるどこか優しく暖かい雰囲気があって、それがとても心地よかったです。ガーゴイルやコッペもそうだったけど、敵にも味方にも基本的に「悪い奴」がいないんですよね。魔人たちは好きで魔力を暴走させるわけじゃないし、軍人達にしても妙に人間味溢れていて、憎む気持ちになれない。ああ、でも、子供たちの不幸な境遇に対する怒りをどこにぶつけたらよいのやら…心はぽかぽか暖かいけどとてももどかしい!!責任転嫁できる悪役が居ないのが地味にもどかしい!!

子供たちを守ると決意したエイゴたちの前にはこれからも様々な困難が立ち向かっていきそうですが、どんな奇策でその困難を乗り越えていくのか、とても楽しみです。二限目が楽しみ…!!

ああ、その前にガーゴイルおるたの続きよまなきゃ…(と1月の刊行予定見てちょっと思った)

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死図眼のイタカ

 

伊々田市に於いて絶大な権力を持つ朽葉嶺家の婿として養子に入り、小さな頃から朽葉嶺家で育てられてきたマヒル。兄弟のように共に育った4つ子の姉妹の中から彼の婿を選ぶという儀式「継嗣会」が間近に迫る頃、街では女子高生ばかりを狙った猟奇事件が発生していた。そんな中マヒルは、真っ黒い衣装で身を包んだ少女・イタカと出会い…

街を実質的に支配する旧家「朽葉嶺家」の跡取りとして育てられた主人公が、閉鎖的な田舎町で巻き起こる猟奇殺人事件と、なぞめいた朽葉嶺家の秘密に迫るという伝奇サスペンスもの。作風としては「火目の巫女」に近い欝展開で、「お兄ちゃん大好き☆な4姉妹モエー」とかいってるともれなく痛い目見る事請け合い。火目の巫女的な意味で。

朽葉嶺という古くから続く家の謎と、猟奇事件の真相に迫っていくと、段々自分に身近な人間達が死にはじめて……不審な態度を取る義理の母とその家によって掌握され、逃げ場のない閉鎖的な村の雰囲気、いかにもあやしげな“儀式”などなど、おどろおどろしい雰囲気とおぞましい事件のハーモニーが素敵。短いながら、各ヒロインそれなりに印象に残るエピソードがあるが故に死んでしまうとショックが大きいんだよなあ…情け容赦なくメイン級のキャラクターがガンガン死んでいく上メインヒロインらしき人物がしっかり他にいるので、4姉妹のうち誰が犠牲になってしまうのかなかなか先が見えない展開がまた良かったです。そして何より、事件の真実を明かされたときの衝撃が!ミスリードにあっさりひっかかってしまっていたので思いもよらぬ真実に愕然としました。

ただ、主人公の性格上仕方ないのかもしれないけど、主人公がイタカ・藤咲と4姉妹のどちら護りたいと思っているのかはっきりしないのがちょっともどかしかったかも。最終的には双方が対立してしまうため、特にそのヘタレっぷりが悪目立ちしてしまったような気が。やっぱり王道モノ好きとしてはきっぱりはっきり誰か特定の一人についてほしかったかな。

しかし、こういう物語はものすごく好みだし一応続けられそうな終わり方にはなってて続きが出たらぜひ読みたいけど、続きが出たらただの伝奇系現代異能モノになっちゃいそうな予感がして、1巻完結でちょうど良いような気も。少なくてもこのおどろおどろしい雰囲気を続けていくのは難しそうだよなあ。

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「いつか天魔の黒ウサギ」が気になりすぎる件について。

「今後、月光がデレてくれると素晴らしい男ツンデレキャラに成長すると思われます」」
   (みりおんぐらむさん

「問題は紅月光だ。完璧超人として描写されていても隠しきれない小物臭。(中略)
 どう見ても弟へのコンプレックス丸出しのの中二病患者です。」
   (ウォーターバードさん

「月光の根拠のない自信はむしろ小者感があってどうかとも思いますが、この子、
 読み進めるほどに男ツンデレの真価を発揮してくるので?」
   (FULL MOON PRAYERさん

「腐女子的な意味では月光×大兎か。俺の奴隷とか言っちゃうもんなw
   (ぶらほわ読書日記さん




あとたぶん腐女子も必見。
   (まいじゃー推進委員会さん





4829133473いつか天魔の黒ウサギ1 900秒の放課後 (富士見ファンタジア文庫)鏡 貴也
富士見書房 2008-11-20

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紅月光のために読めということですねわかりました!

いや、11月末から1月にかけて新刊ラッシュだから我慢してたんですが、原稿中だから我慢してたんですが……ここまで自分のツボっぽい感想文が続くと…こんちくしょー!今日の帰り、スニーカー&ビーンズ新刊と共にゲットしてくる。

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バカとテストと召喚獣5

[著]井上 堅ニ [絵]葉賀 ユイ

のどかな日曜の昼、必死にゲームに興じていた明久の元に母親から放たれた刺客がやってきた!?次の期末試験で良い点を取らなかったらのどかな一人暮らしも終了してしまう。しかも怠惰な生活も"不純異性交遊"(※同性は可)も減点対象!?様々な意味で追い詰められた明久は期末試験に向け、いつもの面々に助力を請うのだが……!?
   個人的お気に入り度数
3.5巻から約一年、密かに(私の脳内で)その正体が活発に議論されてきた明久の姉・玲が登場なシリーズ5巻。FBオンラインに掲載されている「試し読み」の明久の爆弾発言で、一日仕事が手につかなかったのですが謝罪と賠償を略。

シリアスラブコメ展開になって、文句なしに面白かったもののギャグ方面ではイマイチはっちゃけきれなかった印象を受けた前回の反動か、今回はしょっぱなから全開です。来襲する天然姉の愛情攻撃、加速する雄二×明久同性愛疑惑、調子に乗りまくりなムッツリ商会、アキちゃん可愛いよアキちゃん、カミングアウトして以来変態度が加速しまくっている久保利光などなど。1個違うの混ざってる気がするけど気のせいです。…ていうか久保くんはもういっそ、明久を一度誰も居ない教室に連れ込んで押し倒してしまえばいいと思うんだ。抱き枕よりはよほどその方が健全だと思うのは私だけか……。

明久と玲の微妙な姉弟関係をはじめとして、各家庭のバックグラウンドが透けて見えるという点が興味深かった。明久が自身のことに対して過剰なまでに卑屈になった理由とか家庭環境とか、以前から気になっていた部分が少しずつ見えてきて、どんどんバカテスという世界が広がっているなあと。ラストの姉弟仲良し会話が本気でたまらんです。あと、明久が料理上手というのは興味深い設定でした。これで姫路さんの家にお嫁に行っても食べるものには困らないね!!!(え

トップギアで繰り出されるギャグも文句なしに面白いのですが、同時にラブコメ部分も丁度良い感じに含まれていて、コレまでに無くラブとギャグのバランス感覚が素晴らしいと思いました。とにかく4巻以降、両ヒロインが可愛すぎて困ります。挿絵と合わせて殺傷能力高すぎる。あと今回は二人平等に見せ場があったので、姫路派としてはとても安心でした(…しかし、姫路さんが一歩引き気味なのがとても気になる…)。玲がどういう具合にラブコメに絡んでくるのかが非常に気になっていたのですが、あくまで姫路・島田両名に対する奮起剤という形になっていたのが個人的には良かったかな。あと姫路さんと明久の小学生時代が気になる!!気になるよ!!!FBオンラインでも本編でもいいから是非とも小学生時代の短編を切望します!!ものすごく…ものすごく……見たいです!!!

ああしかし、挿絵で一番殺傷能力高かったのはネクタイなしワイシャツボタン2個空けの明久だと思います。男子キャラのサービスカットには何も期待していなかったのでインパクト高かった!!しかもワイシャツボタン上2個開けとか、わかりすぎてて困る。明久可愛いよ明久ああああああ!!!!

というか、今回の展開を見てつくづく思ったんですが……明久が総受け過ぎる件について。そ、そのシーンは普通男女逆だろー!!明久が無防備すぎる!!最近「明久×雄二もアリだよね!」とか思ってましたが、今回の件で明久はやはり天然誘い受け体質の総受であると再確認しました。雄二に送ったメールの文面といい、後半の姫路さんとのアレといい、素晴らしい誘い受っぷりに鼻血でる!!!井上先生は次のお話までに是非とも 誘 い 受 け という言葉を学習されるべきだと思います。マジで今の明久のためにあるような単語だと思います。

……総受けって言葉を学習したのはうちの感想及び腐日記が原因じゃないよね!?誰か違うといって!

【追記】
なんか名指しされてたっ!

いや、「総受けボルト」に関しては無機物カップリング萌えが出来るほど腐脳が発達してないのでなんともかんともです。精進します。どっちかっていうと「総受けボルト」とか言っちゃって、それを年配のお偉方にインプットさせちゃってわたわたする井上先生に萌えました。



最後にアニメイト特典のドラマCD「スペシャルぷちドラマCD —DO THE ADVENTURE!—」について軽く。

内容としては新刊及びドラマCD2巻の紹介で、値段が値段だけにということもありますが私のように既刊新刊読破済、ドラマCD購入済、2巻購入確定済の私にはちょっと物足りない内容だったかもしれません。一方、ドラマCDの購入を悩んでいる人は、わいわいがやがやした雰囲気がつかめると思うので是非入手すべきだと思います。あと、ドラマCD2巻のオリジナル話の予告はまだ公式に載ってない情報だったかな。

ただ、ラストのオチが本気で笑えません。
アニメ化したら全員声優代わっちゃったりしてー♪」はマジ笑えないよ下野さん!!!

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容疑者Xの献身

 

数学のみを生き甲斐にして生きてきた高校教師・石神。そんな彼はアパートの隣に住む花岡靖子が勤める弁当屋に毎日弁当を買いに行く日々を送っていた。顔が見られれば幸せと思っていたのだが、彼女は別れた元夫を衝動的に殺してしまう。石神は花岡母子を助ける為、事件の隠蔽工作を始めるが…

母親からなにやら読み終わったものが回ってみたので読んでみました。憧れの女性が衝動的に犯してしまった殺人を天才数学者がとある大胆な手段を用いて隠蔽しようとするお話。あらすじを読んだら「探偵ガリレオ」シリーズの一冊のようなので激しく身構えてしまったのですが、普通に楽しく読めました。

いつぞやの感想でも書きましたがぶっちゃけわたし、かなりの推理系ミステリアレルギーなので、中盤で湯川博士や警察の人々と石神が様々な場面で推理を披露しながら駆け引きを繰り広げる部分が色々な意味で辛かったのですが、思いっきり素直にそれまでの展開を鵜呑みにしてた分、真相が明かされたときの衝撃がハンパ無かったです。大胆すぎる隠蔽トリックに驚愕。

そして同時に、自分の身を犠牲にしてでも花岡親子をあらゆる意味で護ろうとした石神の気持ちに胸を打たれました。ラストはもうちょっと救いのある展開になって欲しかったなあ…と思いつつ。ていうか最後が結局どうなったのかがよくわからなかったのですが、あれはわざとぼやかしていると思っていいのかな。

個人的には全く推理もミステリも関係ありませんが、時々挿入される石神の高校での授業風景がとても印象的でした。生徒達との何気ないやりとりやらなにやらから石神の数学への愛情がじんわり伝わって来る。なんだかんだいって、この人は案外周囲が思っている以上に『教育者』という職業に向いていたのではないか。様々な思惑が絡み合ってただ生徒達を教えるばかりではやっていけない『高校教師』という職業には向いていなかったのかもしれないけど。

余談ですが東野圭吾なら現在ドラマ放映中の「流星の絆」を読んでみたいと思う最近の私です。ドラマを見たら面白そうだったので。ただハードカバーを読むのは色々と辛いので(主に腕と懐が)、文庫落ちを地味に待ちたいと思います。


4062145901流星の絆東野 圭吾
講談社 2008-03-05

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迷宮街クロニクル1 生還まで何マイル?

 
津雪

京都、迷宮街。 ここでは、人は簡単に死ぬらしい。
一昨年、突然京都を襲った大地震。それをきっかけに口を開いた大迷宮からは怪物たちがあふれ出し、当初自衛隊に掃討させようとした政府はそれが有効でないと悟るや、一般人の志願者に迷宮の探索を委ねた。 怪物を倒し、その身体の一部を換金することで莫大な利益を得る現代のゴールドラッシュ。そのリスクは死亡率14%といった数字になって、志願者のもとに返ってくる。 京都・迷宮街。今日もここで様々なドラマが幕を開ける。命を預けるメンバーは、たとえば恐ろしく綺麗な双子の少女。人は様々な思いを持ち、今日も迷宮に降りる――。 Webで好評を博した群像劇に大幅な加筆修正を施し、ついに書籍化。

大地震をきっかけにして京都に大迷宮が発生し、そこから怪物たちがあふれ出した。政府は迷宮の探索と怪物の掃討を一般人に任せる事に。14%という高い死亡率の代わりに怪物の身体の一部を集める事によって簡単に大金を得る事が出来るこの"迷宮街"には、様々な想いをもった人間達が集ってきて──現代を舞台に、日々迷宮にもぐっていく"普通の人々"の姿を描いた群像劇。「和風Wizardry純情派」というネット小説に加筆・修正を加えて書籍化されたものだそうです。

"エーテル"という力を用いて魔法じみた能力を行使し、まるでゲームのようにパーティを組んでダンジョンにもぐっていくのですが、これだけ現実離れした設定がふんだんに盛り込まれていてまるでダンジョン探索ゲームのような設定なのに、登場するキャラクター達はあくまで「普通の人々」。キャラクターの描き方がとてもリアルで、本当に自分の周りにこういう人が居そうだなあと思ってしまう。そのため、いつも以上に各キャラクター達に感情移入してしまっていたように思えます。

どんなに現実離れした力を扱えても彼らはあくまでリアルな人間で、だからこそどんなに強いキャラクターでも運が悪ければあっけなく死んでしまう。作中で以下のような表現があるのですが、この文章がこの作品をそのまま表している気がする。迷宮に潜っている彼らは誰も彼も同じように死と隣り合わせの危険に身を置いていて、迷宮に潜るシーンでは常時ハラハラしっぱなしでした。

ゲームならレベルが上がったキャラクターはスライムに殺される事は無い。しかし、現実の世界は違う。
どんなに経験を積んだところで、どんなに格下の相手であっても、当たり所が悪ければ死ぬのだ。それは当然の事だ。
人間は転んだだけで死ねるような弱い生き物なのだから。

迷宮街にやってきたばかりの主人公とそのパーティメンバーを中心に、熟練者の先輩達や次々とやってくる後輩達、そして彼らに纏わる様々な人の視点から物語が語られるのが面白いです。凄く丁寧に描写されている分、逆に盛り上がりに欠けるかなあと感じる部分はあるのですが、ある意味派手な盛り上がりが無い事が逆に登場人物たちがあくまで「普通の人」であることを強調させているかなあとも。個人的にはプロローグが普通に鳥肌立つほど衝撃的で、そこでガッツリ心を掴まれた後はもう一気に読んでしまった感じでした。

普段自分が好んで読むような作品とはかなり毛色が違ったのですが、とても面白かったです。まだまだ迷宮街のことや各キャラクター達の人間関係など、語られていない部分も多いので続編が楽しみ。

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火目の巫女 巻ノ三

[著]杉井 光 [絵]かわぎしけいたろう

火垂寮にいる御明し達がそろって不思議な“歌”を聴いた。その歌は初代火目・霞の鳴箭の音。火目達を、そして化生を呼び寄せるその音に呼応するように都には紅い雪が降る。どうやら彼女の遺骨を盗み出した者がいるようなのだが…。豊日と共に、今回の件の調査を始めた伊月は次第に妙な"声"を聞くようになって…。
   個人的お気に入り度数
シリーズ第三弾。とある人物の陰謀により火目の力の源である火の神である"ヨビ"が降りてきて、京の都がかつてない災害に見舞われるというお話。豊日の過去とかもちょっと明かされます。

伊月と豊日の関係にニヤニヤしてしまうのは相変わらずなのですが、2巻でちょっと浮上して3巻はまた重い展開に…様々な意味で四面楚歌な伊月が必死に奔走するのですが、彼女を含めて伊月も豊日も佳乃も茜もみんなが皆、自分を省みない自己犠牲判断の元に行動するものだからいつどこで誰が死ぬかとハラハラしっぱなし。自己犠牲を思い留める時ですら自分のためではなく、『自分が死んだら○○は悲しむだろうか』という思考になってしまうあたり、もうみんなして筋金入りです。

久しぶりに出てきた常和のシーンには泣かされたけど、そこでそう来るのか!なんて悪趣味な!(※褒めてます)それにしても、1巻の頃からどういう事になっているかは大まかに明かされているわけだけど、実際に決定的な描写を見てしまうと改めて惨い…一瞬でも救いを見せられてしまっただけに、余計に悲しく感じてしまう。

豊日に関するミスリードには思いっきり騙されましたが、それ以上に茜の本命がこの巻における最大のミスリードなのではないかと思いました!!そりゃあもうまんまと騙されたよ!!エピローグ読んで噴出しました。もういっそ佳乃と茜と豊日で仲良く伊月を取り合えばいいと思います!この4人でコミカルな鞘当て模様とか凄く見てみたいです。そしてそこにいらぬ首をつっこんで騒ぎを大きくする為子様を蝶希望。

最終的にはそれなりに綺麗に落ちてますが、火目という重い宿命を背負った彼女達がその後どうなっていくのかや伊月の能力等気になるところも満載で、これで完結と言われたら納得せざるをえないけど読めるものなら続きが読みたいと思ってしまいます。ほんと、続編でないのかな?…ここでおしまいといわれるのは凄く残念です。

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火目の巫女 巻ノ二

[著]杉井 光 [絵]かわぎしけいたろう

火目が代替わりした後、火護唯一の弓衆となった伊月。1年後、役目を終えた前代火目・時子の埋葬に弓衆として立ち会うことになったのだが、その最中に時子が化生として覚醒・逃亡してしまう。自らの無力さを目の当たりにしながら新たな御明しになった茜と共に彼女を追う伊月だが…
火目の巫女 巻ノ二
シリーズ第二弾。1巻であれだけ衝撃の事実が明かされまくったので前巻に比べてちょっと物足りないなあと思う部分もあったけど、“火目”という存在に縛られていた伊月と佳乃が少しずつ変わっていこうとするお話として手堅く王道な面白さになってきた印象。

新御明し・茜をとりまく人々の気持ちが胸に痛いです。なにかと常和を思い起こさせる言動を見て、真実を知らないまま火目を目指させて良いのかと自問する伊月はある意味予想とおりなのですが、佳乃のもらした言葉がとても印象的。彼女も彼女なりに、常和のことを気に入っていたんだなあと思わせる一言でした。

伊月&佳乃、佳乃&双葉などなど各所で乱立する百合フラグも悪くないですが、やはり豊日と伊月のビミョーな関係が凄く良い。わだかまりは消えてはいないけど、色々理由をつけていつのまにか女御扱いになってたり、夜に二人きりで色気のない相談話とかしちゃうこの二人の関係がとてもツボ。ああ、ぜひ次ではちょっとだけ進展してほしい!

個人的にはここで持ち上げておいて3巻では再び突き落としにかかるのか、そのままハッピーエンド方向に続くのか気になる所。まだ不穏な火種は残ってるしな?…。というか過去話が入りそうな勢いだけど3巻で終わりなんだよね?凄いいやな予感がするぞ!

あと、矢加部のあの挿絵は反則だ。
死亡フラグにしか見えなくいよ!!

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