ページ 58 | 今日もだらだら、読書日記。

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東京レイヴンズEX1 party in nest

 

緊急事態発生!平和な陰陽塾に突如、謎の『敵』襲来!!陰陽師を育成する陰陽塾。そこは、強力な結界に守られた日本屈指の安全な学舎、の筈だった。しかし今、その平和は破られた。謎の『敵』は数々の術を駆使し陰陽塾を攪乱、生徒の中には負傷者も発生する異常事態に!狙いは、稀代の陰陽師・夜光の生まれ変わりと噂される土御門夏目なのか!?塾内に響き渡る警戒警報を背に『敵』は愛刀の刃をキラリと光らす。ふさふさしっぽに狐耳…どっかで見たようなその『敵』の正体は!?陰陽塾でのてんやわんやな日常のほか、春虎と北斗、夏の日の出会いを描いた書き下ろしを含む、シリーズ初の短編集! (「BOOK」データベースより)

 ドラマガ連載分+書き下ろしを加えた短編集シリーズ1巻。主人公である春虎以外の面々の視点から語られる、日常のちょっとした出来事やドタバタ騒ぎを描いた短編集。

 冬児メインの短編『阿刀冬児のロジック』が大変良い悪友だった!!かつて自らが住んでいた町で、とあるモグリの陰陽師の開いている“集い”に冬児がもぐりこむ話なんだけど、かつての悪友・そして現在の悪友との絆が透けて見える大変美味しいお話でした。冬児を信頼してるから過剰な心配はしないけどそっと影から自分の出来る事を模索する春虎の水面下での行動がたまらない。また、作中では危なげなく陰陽塾の授業についていっているようにみえる冬児が影でどれだけ努力を重ねているのか、その一端が透けて見えたのもアツかったです。

 一番笑ったのは天馬視点の短編『ペガサス・ファンタジー』。誕生日ネタの話にありがちなサプライズパーティネタで楽しくもほんのりあったかく終わらせてくるのかとおもったらまだ一段階オチがあった!!誕生日で色々な意味でソワソワが隠せない天馬も可愛すぎるんだけど、友人の誕生日を祝おうとして気合入れすぎて盛大に空回りするみんなの姿にニヤニヤがとまりませんでした。

 そして甘酸っぱさでは京子視点の『倉橋京子の挑戦』も負けてはいなかったけど、やはり夏目の視点から北斗と春虎の出会いを描く『トライアングル・ミステイク』が可愛かったなあ…!!北斗を操るのに四苦八苦して何度もギリギリのところで春虎の目の前で致命的なミスをやらかしそうになる北斗の姿にも笑ったけど、それを操る夏目さんの七転八倒ぶりたまらない。夏目さんまじ残念可愛い!!

 どの話もとてもほんわかするんですけどその反面、すでに失われた日常にじんわりする。この本をこのタイミングで出すのはいろんな意味でズルい。本編は第一部を終わらせていよいよ第二部へ。バラバラになった彼らが再びこんな日常を取り戻せることをそっと祈りつつ、続きを楽しみにしたいと思います。

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東京レイヴンズ9 to The DarkSky

 

「オーダー!」信じない。死んでなどいない。まだ取り戻せるはずだ。枯渇しかけた力をひたすらに治癒符に込め、春虎は呪を注ぎ続ける。主を―大切な幼なじみを呼び戻すために。遂に夜光としての力を覚醒させた春虎。だがその代償は大きく、暴走する『鴉羽』から春虎を庇った夏目はその命を落とす。「泰山府君祭だ。泰山府君祭なら夏目を生き返らせられる…!」一方、千年にわたりこの国を統べてきた陰陽術、その真なる復権を掲げる双角会が姿を露わにしたことで、大友や木暮ら『十二神将』たちもまた、それぞれの信念のもと呪術界を巻き込んだ戦いへと身を投じていく―。 (「BOOK」データベースより)

めちゃくちゃ面白かった…!!

 8巻までで積み上げてきた様々な伏線の多くがこの巻のために結実している感じで、次々と伏線を回収して、たたみ掛けるようにキャラクター達の見せ場がやってくるのが凄すぎる。もう転がるしかない。燃えの同時多発テロすぎました……。

 春虎や冬児やコンといったメインキャラたちの活躍は勿論なんだけど、これまであくまでクラスメイトとして描かれてきた彼らの覚醒っぷりがすごかった。特に天馬がこんなに活躍するなんて夢にも思わなかった。陰陽塾の面々が、確実にこれまでの物語の中で成長していっているのが見て取れて胸が熱くなりすぎてやばい。あと冬児から春虎への信頼がいちいちアツすぎるんですけど冬児さんどんだけ春虎の事好きなんですかね!白馬で来た!!!(錯乱)

 そして大人組の活躍がまたイチイチ酷いんですけど鏡さんはもうツンデレなんですよね大友先生の事好き過ぎて対決してるときの輝きっぷりが酷い安定のかませ犬感つらい。木暮vs大友の親友対決おいしすぎる辛い。ネタバレネタバレなあの人と大友先生のまさかのコンビ結成に胸が熱くなる辛い。なんかさっきから大友先生のことばっかいってますけど仕様です辛い。

 それにしても、「第一部完」といいながらも酷いところで終わったなあ。覚醒した春虎の真意が見えないまま、物語は新章へ。彼らの物語がまたどこに繋がっていくのか、楽しみでなりません。

 しかしアニメここで終わるんですかこれは酷い!!!

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東京レイヴンズ8 over-cry

 

白日の下に晒された夏目の本当の姿。「約束の男の子」は夏目ではなく春虎―。真実を知った京子は春虎たちを避け続けていた。一方、シェイバとの戦い以来、春虎は呪力を制御できず不安定な状態に陥っていた。幾つもの不安を抱える春虎たち。そんな折、土御門宗家が何者かによって襲撃される事件が起こる。動揺する夏目のもとに現れたのは、あの赤毛の少女、多軌子だった。「ぼくが目覚めさせるんだ。―夜光の生まれ変わりを」運命の歯車は、軋みを上げて回り始める。後戻りすることのできない、未来へと向かって―。 (「BOOK」データベースより)

 夏目の正体を知って以来、春虎達を避け続ける京子。陰陽塾に現れた相馬多軌子。呪術の制御が出来ず思い悩む春虎のところに、土御門宗家が襲撃され焼失したという報が飛び込んでくる。様々な事態が動き出す中、鈴鹿達の提案で墨田川花火大会に行く事になり……。

 春虎の正体に関しては1巻の序盤くらいから実はそうじゃないかなあと思っていたし、それをにおわせる描写は7巻以降各所であったのでなるほど納得という感じなんだけど、考えていた以上に土御門家の事情は入り組んでいたなあ。『しきたり』がそんなところに繋がっているとは思わなかった。そして最後が衝撃過ぎる……。

 裏で暗躍しはじめる大人たちの動きが凄い。土御門家の大人たちや夜行信者側の重要人物も次々に登場して、これまでばら撒いてきた伏線を次々と回収していくのがアツい。しかし、同時に解けかけてしまった糸を一生懸命手繰り寄せ、元通りにしようとする子供達の思惑を無視して動き始める彼らの思惑には、やるせないものを感じました。なんだかんだで春虎夏目や京子が心配な鈴鹿さまが可愛すぎて死ぬ。そして衝撃のラスト。9巻まで一気に読んだからいいですけど、ここで止めるのは卑怯ですよ…!!

 それにしても、親世代の活躍に今後を期待せざるをえません。鷹宏と千鶴の空気を読まないバカップル夫婦ぶりにも萌えましたけど泰純とのツーカーぶりなんなんですか!!親世代が式神契約結ぶまでの過去編ください!!!

「私の出る幕はあるまい。こういうとき、私の式神は極めて優秀だ」
泰純が平然と答えたときだった。

「いやいや。千鶴の言う通りだ。ちったあお前も働け、泰純」

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ハルカせんせいと絵本の中の王子

 

『王子様は約束しました。1000日の間に必ず運命の相手を見つけると。』幼稚園教諭の晴夏が大学時代に課題で作った絵本は、未完成のまま実家の納戸の中…だったはずが!絵本の中の王子が見つけた運命の相手は晴夏だった!煌めく薔薇のような笑顔で、自分を創り出した晴夏へ愛を紡ぐ王子。しかし、晴夏が王子のために完成させた絵本の結末に、王子は傷付き、さよならを告げ―。(「BOOK」データベースより)

白 馬 で 来 た(攻が)

 うまくいかなかった合コンの帰り道、幼稚園の先生をしている晴夏の前に現れたのは、文字通り白馬に乗った王子様だった。歯の浮く台詞の数々に最初はただただ困惑していたが、彼の正体がかつて晴夏が大学の課題で制作し、未完のままとなっていた子供向け絵本の主人公であると気づいて……。

 王子の歯の浮くような言葉の数々に爆笑していたら最後はきっちり泣かせる展開にもっていくのがズルい!中盤のアクシデントからはじまる展開で一山越えたかとおもったら、絵本の結末に関してでまた一波あって。最初はただ迷惑していたのに、人懐こくて良い人な王子に段々愛着がわいて、そのうちかけがえのない大切な相手になっていく課程にニヤニヤが止まらなかった。

 性格は男前なんだけど「いっそ王子に迎えに来て欲しい」なんてボヤきだしちゃうハルカ先生の行動がほんとかわいかった。そして、王子にはちゃんとした「お姫様」と幸せになってほしいと嘯くハルカ先生にきっちり気持ちを自覚させちゃう王子、ズルい。本人も言っている通り、決して綺麗なだけの純粋王子ではないところがよかった。

 カラー挿絵が女装受だったのでどうなるのかとおもっていたら最後の展開で爆笑。(女装が)似合わないからこそかわいいんだ!と言い切る王子とは美味しい酒が飲めそうです。あと、女装エロは脱がせちゃだめなので!!!素敵な挿絵ごちそうさまでした!!

 …それにしても、サブキャラだった晴夏の通う幼稚園のおませな園児・蓮君とシルキーの出番がもうちょっとみたい。もういっそこの2人で番外編とかありませんか。蓮君は良い年下攻(属性そのままで実際は男前受だとなお美味しい)になれるとおもうんですがどうですか。

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魔王と姫と叡智(えっち)の書

 
Syroh

転職して美人のお嫁さんと静かに暮らしたい。 そんなささやかな夢を抱いた、世にもやる気のない魔王様。 魔王らしく悪事を働けと迫るウザい側近を どう殺そうかと悩むだけの絶望的に不毛な日々を送っていたが―― 「魔王様、お会いしたかったです! 」 攫われてきた姫・アンジェの可憐な容姿が超タイプ! まさに理想の嫁候補キター!! しかもなぜか初めから好感度激高で、遂に春到来!! と、思いきや、姫様のご趣味は…… 「陵辱もののエロ漫画を少々! 」 「は!?」 魔王もドン引きするレベルの成人向け漫画(汁多め)を描くことで!? 痴的好奇心旺盛の残念姫と、 なし崩し的に原稿まで手伝っちゃう魔王のイチャラブファンタジー、開幕!!

 絶大な魔力を持つのに世界征服の野望など微塵もなく、夢は「転職して愛する妻と小さな家で幸せな生活を送ること」……という、魔王らしくない魔王の元に(臣下が勝手に)攫われてきた姫君。自分を恐れることもしない彼女の態度にときめきを見出したのも束の間、彼女の趣味が陵辱物のエロマンガを描くことであると聞かされてしまう。しかもなぜか、彼女の原稿を手伝う事になってしまい!?というお話。

 ファンタジー世界を舞台にしてるけどファンタジー的なことは殆どしてなくて(触手が大活躍するくらい)ひたすら男性向け同人作家の姫様とマイペースな魔王城の家臣達にどこまでも常識人な魔王が振り回されるお話。ウブな魔王がお姫様や配下のレクトールに触手陵辱やらエロやら言われて顔を赤く染めながら「破廉恥な!!」と叫ぶ姿にニヤニヤが止まらない。臣下には毎夜お盛んですねとかいわれてるのに、実際何もないどころか魔王の方が完全に精気抜かれてる感じなのやばい。

 あと、お姫様のネット同人活動に関する細かい描写が妙にリアルなのがヤバイ。ツイッター(らしきもの)で自作絵アイコンで嬉々として状況中継をしていたお姫様が魔王と喧嘩して、アイコンをデフォルトの卵に戻して誘い受け全開な鬱postしてるのに凄いジワジワきた。身内用の愚痴吐き出し専用裏ブログとかなんかこう……リアルです……!どうしてこんな細かい所をリアルにしてしまったのか!!面白かったですが!!

 しかし、ファンタジーというよりも同人創作モノとしての側面が強かったのでタイトルから内容が見えてこないのは正直もったいないなあ。アキバブログのコラムで当初のタイトル案としてでていた「魔王と姫と薄い本」のほうがわかりやすかったとおもいます。次巻があるならイベント参加ネタな予感しかしないので、続編を楽しみにしています。

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クレイジーな彼とサバイバーな彼 〜嘘と誤解は恋のせい〜

 

*歩いていたら、ふと無線式のイヤホンを拾ったあなた。何とはなしに耳に挿してみたら──
『……ああ、結哉……俺のマーメイド……』『あ…ヤダ、生クリームで僕に習字なんて……』
『ユイユイのパイパイ、モミモミチュッチュする! 』『あぁっ…仁お兄様っ、ぁあああ……!!』
──ハイ。これを聞いたあなたのリアクションは?
a.和久井と結哉がトチ狂っているワケを探る b.同じものを聞いた騎一と尚の動向を知りたい
OK、ならば本書必読!! 愛と笑撃の第3弾★

 所属する劇団で、主役を演じる事になった尚。だが、内容はBLで相手は同じ劇団に所属するいけすかない男・六車騎一だった。プライベートと演劇では別、と精一杯良い演技をしようとするがどうしてもうまくいかない。男同士の恋愛を学んで来いと、騎一と共にリゾート島で男同士のバカップルの覗きをしてこいと言われてしまう。「嘘と誤解は恋のせい」シリーズの第3巻。

 一応メインのストーリーは前作で登場した騎一×尚の「リアル編」。一枚上手の騎一に少しずつほだされていく尚のツンデレっぷりがとても可愛いんですけどそんなことより和久井さんと結哉の更にパワーアップしたバカップルぶりどうしよう(震え声) 双方恋人バカ全開な頭の悪い会話を繰り広げ、他に人が居ない(と彼らはおもっている)のをいい事に孤島の真ん中で愛を叫びまくり、そして隙あらば事に及ぼうとする貪欲な姿勢に震えた。とりあえず和久井さんは一度落ち着いて自分の姿を見直していただきた……いや面白いからもっとやっていいんですよ。

 そんなふたりを観察(覗き)しながら的確なツッコミを入れてくる騎一と尚の姿に笑いが止まらないんだけど、それと並行でなんだかんだで少しずつ縮まっていくふたりの距離にもだもだする。というか、騎一自身は旅行の前段階から気のあるそぶりがあって、尚が上手いこと言いくるめられた感ぬぐえないけど。

 「演技のため」といって既成事実を作ってしまった頃には既に尚も内心では殆どデレてた感あって、その後のお約束的なすれ違い展開含めて大変かわいらしかったです。しかし、尚さんせっかくのクールビューティツンデレキャラなんだから喘ぎ声はもうちょっと抑え目でもよかったとおも……ゲフンゲフン。


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 ところで、BL系のドラマCDはどうしても苦手意識が強くて、未だに1人で聞けたことないのですがこれのドラマCDだけはちょっとだけ気になってしまっています。

 だって、騎一の声が鈴木達央さんて……物凄いナチュラルに脳内で騎一が鈴木ボイスで再生で来てしまって、つらい(色々な意味で)

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バカとテストと召喚獣12

 

ここで勝たなきゃ男じゃない!あわや敗北か!? という劣勢の中、遂に年貢を納――否、開き直った雄二の策により、首の皮一枚繋がって試召戦争の一日目を終えた二年生。依然戦力差が大きく開いたまま突入した二日目だったが、雄二の指揮の下、二年生は勢いを取り戻す。そんな激戦の最中、作戦行動中の明久の前に三年生代表の高城が立ちはだかる。瑞希の悩みとその真意を聞かされ、明久は……!?「なぁ、明久」「なに、雄二」「――面白ぇな、俺たちの学校」バカたちの狂宴、ついに終幕!

 本編完結編。これだけの熱量を持って追いかけ続けた作品は今まででも早々なかったので何か本当に感慨深い。そして期待を裏切らない、最後までバカテスらしいおバカでアツくてちょっとホロリとする、最高のシリーズ完結編でした。

 2年生vs3年生の試験召喚戦争の間に水面下で繰り広げられてきた、明久と高城先輩の姫路さんを巡る鞘当てと、美波の日記帳を巡る一連のハプニング。これまでずっと不穏な動きを見せてきた高城の策謀にまんまとはまってしまう明久。シリーズを通してどんな事があっても決して折れることがなかった明久が打ちのめされ、絶望の中を彷徨う姿は前巻のやさぐれ雄二以上に衝撃だった。

 そして高城先輩のラスボス感が凄い。彼は明久と似たような立場の「バカ」でありながら(まさか観察処分者的な意味でまで立ち位置一緒だとは思わなかったけど(笑))、同時に明久とはどこまでも絶対に相容れない人間として描かれているのが鮮烈でした。同じ「学年1のバカ」でありながら2年生のヒーローとして描かれる明久と、一貫してシリーズ最悪の敵として描かれる高城の対比が面白い。

 自らを犠牲にしても明久に再起の機会を与えた姫路さんと、不信と絶望に囚われた明久をどん底から救い出した美波。どっちのヒロインにも華を持たせる展開で、良かったなあ。挿絵の2人の表情が本当に凄くて。2人とも可愛い、本当に可愛いよ。あと個人的に今回の美波の立ち位置が本当に好きなので……!!!一応3人の恋路に決着はついた感じだけど、なんだかんだで逆転の目がある終わり方なのがさりげなく嬉しい。

 そして何より、悪友よりも一足先に吹っ切れた雄二の立ち位置が本当に好きだ!!再起するかどうかもわからない明久を守る為に多大な犠牲を払い、それでも役に立たないとなれば突き放してそれでもなんだかんだ最後は全部明久においしいところを持っていかせる作戦を立てて待ってる雄二がマジかっこいい!!メインは明久・姫路・美波の恋路の決着でしたが、絶望し倒れそうになる明久を影から支える雄二の活躍が本当にたまらない。11巻の展開は正直色々おもうところがありましたが、そのもやもやを全部吹っ切ってくれるような雄二の活躍ぶりでした。そんな面々に支えられて、なんとか復活した明久のヒーローっぷりがやばい。あと最後の最後で悪友挿絵ありがとうございます!!!

 バカテストから本編の展開まで、過去の巻のエピソードを拾いながらそれと対になるような展開が絶妙にちりばめられていて、これで本当に終わりなんだなとしみじみしながらかつての展開を思い出したり、本当に感無量の1冊でした。バカテストで泣かせてくるのは本当にズルい。

 本編は完結だけど、この後短編集もあるそうなので、あと1冊のお祭騒ぎを楽しみにしていたいとおもいます。個人的に、最後のオチで「一昔前の青春ドラマか!!!」と爆笑したのでその後の彼らの話に期待したいです。あと明久の過去編もうちょっと詳しくやってほしいのとスポットの当たらないキャラの短編=久保君とか期待しちゃっていいんですかね!!!!

 最高に楽しい物語を、ありがとうございました。

……ところで、最後のリンネ君どうみても久保君のご同類にしか見えないんですけどそこんとこ詳しく!!
しかも久保君と違ってたちの悪いやつだこれー!!

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東京レイヴンズ7_DARKNESS_EMERGE_

 

『D』による陰陽塾襲撃事件からしばらく。その傷跡は大きく、陰陽塾は一時閉鎖に追い込まれ、退塾する生徒も続出していた。そんな中、『D』と大友の熾烈な呪術戦に心を奪われたままの春虎は、夏目とともに訪れた陰陽塾屋上の祭壇で、一人の少女と出会う。「君たち二人のことはよく知ってる。初めまして―ぼくは相馬多岐子」。その出会いが、のちにもたらす意味を知らないままに。時同じくして、呪捜部公安課による双角会掃討作戦が密かに始動。陰陽庁内部に潜む“敵”の炙り出しが行われるのだが!?―。 (「BOOK」データベースより)

 『D』と大友先生の呪術対決を見て以来、胸のうちに違和感を感じてぼーっとすることが多くなった春虎。そんな中、双角会のあぶりだしが行われる事になり、その間の夏目の護衛としてあの鏡がやってきて……。

 6巻でこれまでずっと戦ってきた『D』との決着がつき、色々不安要素はあるもののひとだんらくついた印象を受けていたんだけどむしろここからが本番だった!意味ありげな新キャラ達が登場しての新展開なんだけど、盛り上がりがすごい。

 新キャラクター・多軌子の登場や春虎の能力覚醒、夏目の件も含めて本当に動きの多い回だったんだけど、子供達の知らないところで動き出す大人達の思惑がとても不穏。誰を信用すれば良いのかわからない展開にこれからどうなってしまうのかとてもドキドキする。そして京子の件は……内心事態を悪くしようとする気はないのに、どうしても言わずにはいられなかったであろう最後の言葉が悲しい。

 しかし、鏡さんはどんだけツンデレなんですか憎んでるとかいいつつ大友先生好きすぎるじゃないですか!!Dとの術比べの話を春虎とするときのまるで憧れのヒーローの話でもするようにって表現にハートを打ち抜かれざるをえないんですけどどういうことですか!!憎んでるのに憧れてるとかどういうことなんですか!!(大事な事なので3回いいました)

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(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚の裏に隠れた秘密!?〜

 

本物のシレイネにより(仮)花嫁をクビになったフェルは、故郷に強制送還!のはずが、鬼畜な旦那さまクロウの策略により、召使として黒龍城に引き留められていた。そんなある日、クロウが突然、シレイネは別人じゃないかと疑いだした。焦るフェルをよそに、なんとクロウがシレイネを拷問!慌てて止めに向かうフェルだったが!?秘密がついにバレ…る?うっかり婚ラブコメ逆襲の第5弾! (「BOOK」データベースより)

 前巻からの続き。シレイネ姫本人から身代わり解消を言い渡されたフェル。故郷に帰ろうと考えるがシレイネの体調を心配して一端黒龍城に戻ることに。ところが、召使の姿で遭遇したクロウから城に引き止められてしまい、召使「フェル」として城に留まる事に。ところが今度はクロウがシレイネが別人ではないかと疑い出して!?というお話。

 ずた袋仮面のインパクトが!!!ここの所の展開がかなり「シレイネ」寄せというかラブコメ寄せだった気がするので、久しぶりに破天荒なフェルの勇姿を見た気がします。恩人であるシレイネ様の危機となったら自らの危険も顧みず(怖いけど)飛び込んで行っちゃうフェルかっこ可愛い。

 これまでの物語では不気味なヤンデレ臭ばかりを漂わせていたシレイネ様の素顔が可愛かった!蓋を開けてみれば、本当の自分を見せることを怖れるシレイネ様も一人の恋する乙女。正直、本命・フェルなんだとばかりおもってたので意外な流れでした。そしてなんかわかりやすく火花を散らしてる義兄弟が可愛かったです。

 でもシレイネ様黒幕だとばかり思っていたので今回の展開はとても意外というか最後に出てきたあのひとで色々叫ばざるをえない。フェルとクロウの関係もあわせて、今後どうなっていくのか楽しみです。

 しかし、個人的にはフェルがクロウへの気持ちを自覚する前の本気の嫌がりっぷりがとても好みだったので今回の展開はちょっと残念でもあり……なんだかんだで元鞘もどった感じなので2人の関係性がどうなるのかは次巻読んでみないとわからないですけど。店舗特典ペーパーやフェア冊子で読んだ短編くらいのじゃれあいの距離感が一番好みなので、あの編の短編まとめて短編集出してくれないかなあ。

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隣人は真夜中にピアノを弾く

 

出会った男は悪魔だった。彼は私に言った。望みを叶えてやろうと―。ひとりの男が殺された。“悪魔”だと名指しされたその男の死について調べるため、とある街へと派遣されたバド。同僚のリッチとともに、不可解な殺人事件に関わっていくうち、彼らは仕掛けられた罠にはまり込んでいく。悪魔に魅入られた権力者、悪魔と関係する女、さらには悪魔を狩る組織…。人間社会に寄り添い、『隣人』として生きる悪魔たちには厳しい掟があった。契約に縛られた元人間の悪魔の生き様を描くサスペンス・ハードボイルド。 (「BOOK」データベースより)

 こちらも表紙につられてホイホイ購入。性格の違う悪魔2人がバディを組まされて殺人事件の謎を追う、ハードボイルドなミステリー小説。様々な人間と人間ならざるものたちの思惑が絡み合っていく展開が面白かったです。

 人間として生まれ、悪魔としての二度目の“生”から抜け出そうと足掻き、未だ後悔の中にあるバドと、悪魔として生を受けてその職務に忠実な男・リッチ。生きかたも性格も対称的な2人が本当にちょっとだけコンビらしくなっていくのが楽し……いのですが、個人的にはもうちょっと主人公2人は絡んでもいいのよ!?と思いながら中盤までもだもだしていました。あんまり絡む(深い意味は無い)とハードボイルドじゃないのかもしれないけど。最後の背中合わせの挿絵でとてもテンション上がったので満足ですありがとうございます。

 ピアニストのシェリにかつての自分を重ねて助けたいと葛藤して後手後手に回ったり、犯人の思惑に乗せられてピンチに陥ったり……とイマイチ有能ぶりの伝わってこないバドなんだけど、最後の犯人との対決には思わずにやりとしてしまう。彼の“有能”さは決して戦闘でも能力的な方向でなく、良くも悪くも人間らしい「生き汚さ」にあるのではないかと思ってしまうのでした。

 大変どうでもいいはなしだけどこれ、一般レーベルから出るかニトロプラスあたりのエロゲだったら絶対シェリとの濡れ場があるなと思ってすいませんでしたそういう話じゃない。

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