“柳実 冬貴” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:柳実 冬貴 (21 件 / 3 ページ)

対魔導学園35試験小隊 1.英雄召喚

 
切符

魔力を持つ人間が滅びようとしている世界―武力の頂点の座は剣から魔法、そして銃へと移り変わっていた。残存する魔力の脅威を取り締まる『異端審問官』の育成機関、通称『対魔導学園』に通う草薙タケルは、銃が全く使えず刀一本で戦う外れ者。そしてそんなタケルが率いる第35試験小隊は、またの名を『雑魚小隊』と呼ぶ、劣等生たちの寄せ集めだった。しかしある日、『魔女狩り』の資格を有する超エリートの拳銃使い・鳳桜花が入隊してくる。隊長であるタケルは、桜花たちと魔導遺産回収の任務に赴くのだが―。甦る『英雄』を地に還すのは少女の銃か、少年の剣か!?学園アクションファンタジー。 (「BOOK」データベースより)

「草薙諸刃流皆伝、草薙哮。現時刻を持って此処を戦場と心得た——」
「——問答無用で征かせてもらう!」

 「量産型はダテじゃない!」「Re:バカは世界を救えるか?」の柳実冬貴さんが贈る異世界学園ダークファンタジー。“魔女”に全てを奪われ復讐に生きる少女と剣使いとしての実力はあるが銃器をまるで扱えず、“刀”を使うことに執着する少年と二人の所属する通称“雑魚小隊”が異端審問官を目指しながら敵と戦うお話。

 銃全盛の時代に時代遅れの剣術バカがいっくぞー!な、劣等生が優等生を打倒する的展開は前2シリーズと共通するけど、ひときわ重くて暗い世界観が印象的でした。桜花が復讐に生きる決意をした一件や圧倒的な力を持つ敵との戦いなど、全体的に凄惨な描写が目を引く。しかしサブタイの「英雄召喚」で某アニメ放映中のアレを思い出したらあながちまちがいじゃなかったね!!(エクスカリバー的な意味で)

 しかし、それでも全体に漂う中二のかおりと主人公達のアツいバトル展開は連綿と受け継がれてて、各所で中ニ心を刺激されてやばい。今回は「能力を生かせてないだけで、実は有能な人たち」のお話なので全体的に彼らが本領を発揮しだすと決め台詞キメキメの無双展開になることが多く、その際に行われる掛け合いや決め台詞の数々にいちいちニヤニヤが止まらなかった。あとうさぎはやっぱりロリ巨乳の血脈なんですね!

学園側も味方とは言い辛いし小隊員やタケルの家族にもいわくがありそうな感じで、まだまだこれから重い展開になりそう。色々な意味で、続きが楽しみです。


Re(アールイー):5 バカは世界を救えるか?

 

「…もう、走らなくていいよ」自分には何も救えない。世界の救い方すらわからないのに、世界を救えばアルルは消える、だなんて!あらゆる希望を砕かれ、光一は苦悶する。その手に手を重ね、薫は必死でさささやいた。「あんたがそばにいてくれれば、あたしそれでいい。それで幸せ」夕陽の中、健気に微笑む薫の告白が、光一の心を温める。そう、もうやれることはない。だから、せめて、つかの間の幸せを。アルルも兎乃も心路たちもみんな一緒に。滅びの日まで、ひとつの家族として残された時間を大切に生きよう…。夢追人最強伝説、まさかの諦めエンド―んなわけないよね。 (「BOOK」データベースより)

「五六億の嘆きを背負う悲しみを……」「バカが全てを救うことの証明を……」
二人は翼をはためかせ、そして——
「……思い知らせてやるッ!」「……突きつけてやるッ!」

「「かかってこい!——佐藤光一ッ!」」

完結編。最後まで凄く良かった。最後までどうしようもなく光一は中二病で、夢追い人で、バカだった。

思わぬラスボスからこれまでの希望を全て打ち砕かれるような残酷な真実を告げられ、苦悩する光一が仲間達からの時に暖かく、時に厳しい言葉によって再び立ち上がる展開が熱い。特に能力泥棒さんのツンデレ全開な喝に萌えざるをえなかった。

これまである時は敵として向かい合い、そして共に戦った仲間達が死力を尽くして戦う最終決戦の盛り上がりは本当にヤバい。やりとりも挿絵も何もかもが全力でヤバい。そしてラスボス戦が本気でやばい。56億もの気の遠くなるような思考錯誤の末に生まれた、唯一のイレギュラー。気の遠くなる数だけの絶望を与えようとする“彼”とその全てに救いを与えようとする“彼”という二人の対決がやばい。本当にやばい。

我侭で幸せでご都合主義なエピローグはいかにもこの物語の結末に相応しくて、胸が熱くなった。本当に本当に、最後まで追いかけてよかった。面白かったです。薫ともアルルともいい感じなリア充主人公様末永く爆発しろ!!!(個人的にはどっちか選んで欲しかった気がしなくもない)

本日のアンチテーゼェ……


Re(アールイー):4 バカは世界を救えるか?

 

佐藤光一は、打ちのめされていた。自慢だった銀髪に黒髪が生え始め、中途半端なプリン頭になるほどに。「―私は一度世界を滅ぼしたんだよ、コーイチ君」明日菜の声が、脳内で反響し続けている。それは残酷な真実。『一周目の世界』で自分はアルルも世界も守れなかったのだ!現実の重さに途方に暮れる光一を、心配する広美やアルル。折しもクリスマス直前、広美には、光一に思い出してほしい大事な「約束」があった。だが、光一は広美との「約束」を思い出す暇もなく、月陽奏麻との強制デートに連行されることに―。 (「BOOK」データベースより)

「……君がコーイチか」
全てを知った上で、明日菜はアルルがそう呼んでいたように、光一の名を呼んだ。
受け継いだ約束を??彼にもう一度返すために。

急展開のシリーズ4巻。前巻で真実が明かされたときも衝撃だったけど、明日菜の回想という形で語られる「一周目の世界」の姿が衝撃的。そしてそこから続く、終盤の展開に呆然。面白いっていうかもう、なんというか、この展開は凄い

『シェード』という言葉の意味と、「一周目」の光一達の姿を見た時の衝撃といったら。かつての世界の記憶をたった一人受け継いだ明日菜がどれだけの想いで『シェード』をつくり、この7年の間アルルの為だけにひたすら報われない孤軍奮闘を続けてきたのかと考えると、胸が苦しくなる。

一方で明日菜の記憶を覗いてしまったことで真実を知った光一が周囲の人々に励まされ叱咤され、再び立ち上がる姿が印象的でした。本当にどこにでも居る臆病な少年でしかないから、重すぎる現実には打ちのめされるし凹むし逃げ出したくなったりもする。それでもへっぴり腰でも前を向いて、日常と非日常、相反する両方を守ろうとする姿が熱く、頼もしい。

光一が「非日常」を愛するのと同じくらいにどれだけ「日常」を愛しているかが前半でたっぷり描かれているからこそ、終盤の展開が辛かった。ありとあらゆる意味で奪われていく「日常」の姿に、ただただ呆然とした。そして最後で明らかになったラスボス……『神』の正体がええええええええそうくるのかああああああ!?

しかし、こんなに面白いのに次巻で完結って……!!
光一の幼馴染達、明日菜と板介、すっかり光一と仲悪コンビとして定着した「能力泥棒」さん、そして思わぬ本性(?)を覗かせた矜持のアルル溺愛っぷり……と、メインキャラだけでなくサブキャラもどんどん魅力的になってきて、彼らの活躍をもっと見たい!と思うんですが……番外編でも短編集でもいいので、もうちょっと彼らの動く姿が見たいです。ついでにどんどん影が薄くなっていくロリ宮にも光を当ててあげてくださいお願いします。


Re(アールイー):3 バカは世界を救えるか?

 

その朝、佐藤光一は混乱と驚愕の極みに立たされていた。広美が甘えてくる。一樹が童貞じゃない。チダイが普通にちょんまげしてる。そして笑顔の兎乃は、透き通っている(比喩でなく)!!あり得ない。記憶操作系ネメシスか?平行世界に飛ばされたのか?己の知る「現実」―『木漏れ日現象』やシェードのことを必死で説明する光一に、年相応の美しい姿の薫が問いかける。「ねぇ…あんた、夢と現実の区別、ついてる?」それは、ネメシス“幸福夢幻”が映し出す理想の世界。誰よりも夢見る少年は、「現実」を取り戻すため、そしてアルルの居場所を守るため疾走する!夢と現実が火花を散らす、夢追人最強伝説。 (「BOOK」データベースより)

(バカになれ。じゃないと世界は救えない)

中二病まっただなかの高校生がビミョーな異能を得て、世界を巻き戻す異能を持つ少女・アルルを守るため日々頑張る、と言うお話第3巻。今回は自分の理想の世界を「夢」に見せ、夢の世界に引き込んでしまう異能を持つ能力者によって町の人々が夢の世界に囚われてしまう。おかしくなってしまった周囲に打ち砕かれそうになった光一の前に現れたのは意外な人物で……というお話。

光一と能力泥棒さんの背中合わせ&一時的な共闘関係YABEEEEEEEE!!!!!!!
シェードの人間の多くすら夢に囚われてしまった状況で、仕方なく秋雨達と協力関係を結ぶ羽目になる光一、そして「シェード」の司令・能登原。アルルの前では和やかな関係を装いながらも最初はぎくしゃくしていた4人がなんだかんだで共闘していくのがとても美味しい。特に光一・秋雨のコピー能力コンビの背中合わせは本当にもう、萌え殺す気か!!!仲悪いくせになんだかんだで息のあってるコンビ具合が美味しい。

光一の<付け焼刃>の特性「盗んだ能力が劣化する、そして1つだけ特性をオリジナル以上に伸ばす事が出来る」が戦闘で最大限に生かされていて、バトル展開も物凄く面白かった。盗んだ異能が能力を劣化させる・特性を伸ばすことで全く用途の違う能力として変化していくのが面白い。秋雨の<能力泥棒>と違って盗む異能の数には制限がないわけで、ある意味これって頭さえ使えば猛烈に強い能力なんじゃないの?精神攻撃→肉体攻撃へと変化した<切り裂きジャック>の劣化コピーとか、本当に凄かった。

「夢の中でヒーローになりたいのではなく、現実でヒーローになりたい」からこその中二病だと叫ぶ光一さんマジかっこいい。能登原の過去話から衝撃の事実も明かされて、ストーリー的にもバトル的にもキャラクター的にも最高に面白くなってきました。とにかく4巻が楽しみ!


Re(アールイー):2 バカは世界を救えるか?

 

「ずばり言おう。犯人は学生―そして転校生だ!」雨鶴来市内でシェード隊員が襲われる事件が相次いだ。それを知るなり、自称次期シェード班長・佐藤光一は犯人像を推理してみせた。「…根拠は?あの少ない情報で、なんでそこまでわかるの?」「バカだなぁ薫…学生かつ転校生が怪しいのは―」光一は言い放つ。念願の非日常組織に所属し、絶好調なのだ、「―こういうパターンのセオリーだろう!」…中二病が。折しも校内ざわつく学園祭間近。犯人の最終目的は(一握りの希望)をもつアルル。推理と妄想の境がつかない少年は、彼女を護れるか!?夢追人最強伝説、学園祭deコピー能力対決編。 (「BOOK」データベースより)

中二病まっただなかの主人公がうっかり(微妙な)異能を手に入れ、その能力で世界を救う(=巻き戻す)異能を持つ少女・アルルを守るため日々頑張る、と言うお話第二巻。今回はアルルを狙う新興宗教団体を追ううちに、本物の『能力泥棒(アビリティハッカー)』と出会って……というお話。

1巻より読みやすく、面白くなってきた印象。1巻の時に曖昧に感じたアルルとロリ宮のヒロインとしての立場わけがしっかりしてきたというか。シェードの中も一枚岩じゃなくて、アルルの持つ≪一握りの希望≫を狙う人達にも様々な思惑があり……と、少しずつ先が見えなくなってきました。

そしてなにより光一と≪能力泥棒≫さんの対決やべええええ!どうみてもどこかの禁書目録の幻想殺しと一方通行だろこれ、と思わなくもなかったですが。強引に作中キャラ自身に突っ込ませる事でパロディネタに転換していたけどネタとして昇華しきれてないだろ、これ。とも思った。

しかしそれ以上に、光一と≪能力泥棒≫の関係が美味しいんだよな。正体が明らかになる前から相容れなかった、犬猿の仲。本物と偽物、最強と最弱。お互い相容れない者同士なのに何故か途中から低レベルな言い争いに発展してるのには激しくときめいた。エピローグでのやりとりにもにやにやした!!

≪能力泥棒≫さんの立ち位置を見ているとどうしても著者の前作「量産型はダテじゃない!」のシュナイダーさんを思い出してしまうわけですが、今回は途中から盛大にかませ犬化するとかしないで頑張って主人公の好敵手ポジションを維持してほしいです。正直能力泥棒さんと光一の関係が美味しすぎて俺ダブルヒロインとか幼馴染とかどうでもよくなってきたぞ!!


量産型はダテじゃない!2

[著]柳実 冬貴 [絵]銃爺

先日の闘いで重症を負い、それ以来出力が思うように上がらなくなってしまったシュナイダーの元に、再び前線への派遣命令が下る。シュナイダーが本調子ではないことを危惧し、必死に反対するヘキサだが全く取り合ってもらえない。キレたヘキサはナンブを連れ、シュナイダーを追って前線にある都市へ向かうのだが…
   個人的お気に入り度数
気合と根性で量産型のポンコツ・ナンブが頑張るストーリー、第二段……なんですが、ナンブがもう全く“量産型”に見えないのは何かの目の錯覚でしょうか。

…いや、私はどちらかというと某クロスオーバーなSLGでは主人公格の機体ばっかり育てちゃう人なのであまり量産型にこだわりはありませんが、だんだん内容が「タイトルに偽りアリ」になってきてしまったのはどうかと。やはり量産型はかっこいい最新型新鋭機の陰で頑張ってこそ「量産型」だと思うわけですが……まあそれだとちっとも主役じゃないという説もあるか…。

個人的にはやはり、このタイトルだとナンブとその仲間の量産型のオンボロロボット達が徒党を組んで、敵を圧倒するくらいの展開を期待してしまうような。ナンブは確かに骨董品レベルでボロっちく、生まれは「量産型」と言えるかもしれませんが、逆に古すぎてもはや修理箇所を直すのにもパーツを探すのが大変という“特殊”なロボットとして描かれますし、1巻でちょっと危惧したとおりなんだか秘密があるようで……

かっこいい最新型高性能機の筈のシュナイダーが、毎回素晴らしいほどのかませ犬で、量産型のはずのナンブが毎回気合と根性を唄いながらも不思議パワーで大活躍!!というのは確かにある意味新しいかもしれませんが。

…とまあ、苦言から始めてしまいましたがタイトルと内容のギャップ以外、物語自体は非常に面白かったです。天才少女・ヘキサの孤独な姿を見て、その先を案じてしまうナンブはすっかりヘキサの保護者ポジション(及び漫才コンビのボケポジション)を確立。また、ヘキサと同じ天才少女でありながらどこか対照的なテルルの凸凹コンビっぷりも非常に良かったです。二人の天才少女達が、大人ぶってはいても年相応の少女らしくそれぞれの葛藤する姿がまた、凄くいい。

そんな二人を自らの意思によって護ろうとするナンブが、あまりにも圧倒的な敵の手勢を前に絶望しかけてしまうというくだりが非常に最高です。1巻ではなんでも「気合と根性」で押し切ってきたナンブの姿を知っているからこそ、そんな彼に“それだけではどうにもならないこともある”と思わせてしまう敵の姿は、とんでもなく圧倒的に感じる。それでも、その絶望を振り切ってまた「気合と根性」で立ち上がるナンブは、文句なしにかっこ良かった。

そしてヘタレヘタレ言われまくりつつ、決めるところは決めてくれるヘタレ(元)中佐。序盤「こいつら、物語的にいらなくね?」とかこっそり思っててほんとすいません。終盤のあの非常時でもなんだかのんびり?っとした、とんでもない昼行灯ぶりはかなりツボに来ました。素晴らしいやヘタレ。ついでに、すっかりギャグキャラへと転落してしまった最新パーツ・グロリアスはどこへいってしまうのか…。

色々ひっかかるところはあるのですが、それもそこまで気にせず読ませてしまうパワーのある作品です。とりあえず続編では今度こそシュナイダーを活躍させてあげてください。最新型なのにこのかませ犬っぷりは流石に可哀想だ…!!


量産型はダテじゃない!

[著]柳実 冬貴 [絵]銃爺

人間は自らが生み出した“UD(アルティメット・ドール)”に叛乱を起こされ、彼らと戦う日々を送っていた。天才少女科学者・ヘキサは自らの作り上げたUD「シュナイダー」にパーツを届けるため、自ら前線にある砂漠の村へと赴く。ところが乗ってきた輸送艦が敵に襲われ、命からがら逃げ出す羽目に。絶体絶命かと思われた瞬間、廃棄されたUDの研究所を発見して…
   個人的お気に入り度数
プライドが高くて高飛車で生意気な天才科学者のヘキサと、廃棄された研究所で発見した量産型のUD・ナンブが色々とドタバタしながら敵のUDと戦いながら“シュナイダー”にパーツを届けようと奮闘するお話。

粗を探せば色々と見つかりそうな気がしますが、そんなものもぶっとばすようなハイテンションな勢いに押されてラストまで一気読み。生産コンセプトは「低コスト」、一番の武器は「気合と根性」と恥ずかしげも無く言ってしまう、全くロボットらしくないナンブのどこかズレた発言と、そこに容赦無くツッコミを入れるツンデレ少女・ヘキサのやりとりがとにかく読んでて楽しいのです。また、輸送艦の生き残りコンビ二人も美味しい所ではしっかり締めてくれて…とにかくキャラクターが魅力的で彼らの掛け合いは読んでいて楽しくてたいまりませんでした。

後半になるとストーリーはかなりシリアスになって、ヘキサが頑なに“守られたくない”と言う理由や逆にナンブが命令を無視してでも“守りたい”と思う理由が明かされます。正反対の考えをもつ二人の闘いが凄く熱くて、どんどんストーリーに引き込まれる。圧倒的な強さを誇るEXDシリーズに対して、全くオンボロで量産型なナンブが100%の不可能を気合と根性だけでひっくり返すような強引な展開が物凄くツボでした。

とにかく物凄くツボとしか言いようの無いストーリー展開だったのですが、唯一不満点があるとすればラストでナンブのコアにちょっとヒミツがあるような展開になってしまったことですかね。これで「実はナンブには凄い秘密が隠されていたんだよ!!(な、なんだってー!!)」って展開になったらめちゃくちゃ興ざめだなあ…。「量産型のオンボロ」ナンブに「気合や根性が力となる最新パーツ」グロリアスのコンビでいい具合に釣り合いが取れていると思うので、続編が出るならぜひともそのコアがどうのこうのって話は無かった事にして欲しいです。だってこれでコアが特別製だったらちっとも量産型じゃないJAN!!

この気合と根性だけで乗り切っていくようなノリが激しくツボだったので、是非とも続編が出て欲しいなぁ。


このラノベの男男間の巨大/複雑感情が好きだ2022決定盤

タイトル通りの記事です。

このラノベの男同士のクソデカ感情いいよね!!というタイトルを独断と偏見で25タイトル紹介します。長年まとめ記事作るよ作るよって言い続けて気がついたら10年経ってたよ……関連記事の方に昔の同系統のまとめをリンクしておりますので良かったら併せてどうぞ。一応関係性で「親友・相棒」「ライバル・共闘」「因縁・敵対」の3つに分けてます。

関係性のみに焦点を絞っているので内容があまり女子読者向けじゃないものや未完のまま数年止まっているものも含まれます。予めご注意ください。

親友・相棒

楽山 「俺の召喚獣、死んでる」→感想
「友人を馬鹿にされて、僕が笑って許すようにみえるのか?」
苦学生でありとある事情から自分の召喚獣の正体を隠して戦わざるをえない主人公フェイルとそのチームメイトであり名家の子息でもあり一番の理解者でもあるシリル。フェイルが巻き起こす常識外の行動にダメ出しやお説教をしたりする反面その実力を誰よりも信頼していて、他人がフェイルを理不尽な理由でバカにするのは許せないシリルの姿にニヤニヤしてしまいました。
有象 利路「サキュバスとニート」→感想
「和友とオレの間に割り込むのは姐さんといえどもマジでキレますよ」
引きこもりの主人公・和友と彼の高校時代の親友でありコンビニ店長の琥太朗。高校時代の女房役(野球的な意味で)でもあった彼がとある事件によって夢を失って絶望した和友のことを影に日向に心配しつつ、本人の居ない所で彼に対して強い執着を見せる姿が大変良かったです。
大樹 連司「ボンクラーズ、ドントクライ」→感想
そんな彼を裏切る算段を僕は立てている。たかが、桐香なんて存在のために。
男二人だけの映画研究会にやってきた新入部員。友達同士の気軽なだけの部活動はその日から姿を変えていく。新入部員・桐香に恋心を抱いてしまった主人公の肇が彼女に振り向いてもらえないことに絶望し、その一方で親友・藤岡との楽しいだけだった関係性を「恋心」なんてものによって壊されてしまうことを恐れる、という葛藤が印象的でした。
壱月龍一「ラ・のべつまくなし」→感想
「……あいつが書いて、オレが編集やって……なんて。まあ、俺らの夢っつーかなんつーか、はは、超青臭いっすけど」
純文学からライトノベル作家に転向した主人公の矢文学と、彼の学生時代からの親友で編集者志望の北見圭介。ふたりの夢は、コンビを組んで最高の作品を送り出すこと。腐女子のヒロインがうっかり誤解しちゃうくらい仲の良い男二人の、熱い友情が美味しかったです!(あとブンガクくんの作風絶対わたしの好みだから現実に降臨してほしい〜〜)
井上 堅二「Lady!? Steady,GO!!」→感想
「お前にできないことは俺がやる。俺に出来ないことはお前がやる」「そうしたら、俺たちにできないことは何もないだろう?」
名家の分家に生まれて下男のような扱いを受ける圭と、本家の長男でありながら「出来損ない」と見捨てられた燐之介。完璧な人間でありながら大きな欠落を抱える燐之介と平凡だがその欠落を補って支えることが出来る圭という2人の関係性がとても良かったです。最大の問題は2巻が出なかったことだけど2人の関係性としては1巻で綺麗にまとまってるので……。
瘤久保 慎司「錆喰いビスコ」→感想
「俺が矢で、お前が弓だ。俺たちは弓矢だ!そういう、二人だった!」
お尋ね者の賞金首・赤星ビスコと心優しき町医者・猫柳ミロ。一見正反対のふたりが同じ目的のためにコンビを組んで旅を始め、やがてかけがえのない相棒となっていく。相棒ならではのお互いに気を使わない関係と、深い「愛」によって結ばれた関係性が良かった。アニメは原作1巻分だけなので、2巻以降も読んでほしい。
羊 太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」→感想
「……行こうか。頼りにしてるぜ、相棒」「抜かせ、誰が相棒だ。寝言は寝て言え」
かつて特務分室で汚れ仕事や裏仕事を行っていたグレンと、特務分室時代の相棒であったアルベルト。現在は別々の組織に身を置く彼らですが、それでも手を組めば最強という構図が最高。グレンの甘い理想とは相容れないと思う反面、かつての自分が切り捨てた理想を背負い続けるグレンに期待せずにいられない姿がよかったです。
鏡 貴也「伝説の勇者の伝説」→感想
「……引き戻すぞ。おまえがどこにいても、引き戻す」
『複写眼』という異能を持ち子供の頃から過酷な環境で生きてきたライナと、後ろ盾のない母から生まれて兄王達に命を狙われ続けてきたシオン。生まれも育ちも違うふたりは、やがて「悪魔」と「勇者」という世界の行く末を握る運命に翻弄されていく。仲の良い親友であるふたりが運命に引き裂かれながらも手を伸ばさずにはいられない姿が印象的でした。本編のシリアスな彼らも、短編でのコミカルな掛け合いも良。
井上 堅二「バカとテストと召喚獣」→感想
「確かに点数は低いが、秀吉やムッツリーニのように、お前にも秀でている部分がある。だから俺はお前を信頼している」
学園でも有名なバカの主人公・明久と、問題児ばかりのFクラスをあの手この手でまとめ上げる雄二。考え方も得意分野も正反対で普段は喧嘩してばかりの悪友ふたりが共通の目的のためとなれば最高のコンビネーションを発揮するのがたまりません。相手が落ち込んでいれば何も言わずに背中をぶん殴るような言葉で言わなくても通じ合う関係性が最高。

ライバル・共闘

紫 大悟「魔王2099」→感想
「君は……まだ僕を勇者と呼んでくれるんだな……」
魔術と科学が融合した近未来都市新宿で500年ぶりに目覚めた不老不死の魔王ベルトールと、望まぬ形で人としての枠を超えた不老の勇者グラム。すでに時代から忘れら去られたグラムの「勇者」としての役割を、宿敵であったはずの「魔王」ベルトールこそが求めるという関係性が良かった。あくまで不倶戴天の敵同士である彼らの一時共闘が美味しい!
九岡 望「地獄に祈れ。天に堕ちろ。」→感想
「……共同戦線だ。あーあ」「手ぇ組むぞ、畜生が!」
生き残った妹のために死者を狩る聖職者嫌いの死者ミソギと、死んだ姉に心を囚われたまま死んだように死者を狩る死者嫌いの聖職者アッシュ。絶対に相容れないふたりが亡者の街・東凶を舞台に共同戦線を張るというお話。何もかも相容れないふたりが自分の想いを貫くためにある時はぶつかり合い、ある時は共闘する展開が良かった!
望公太「最強喰いのダークヒーロー」→感想
ルイ=ミシェル・ヴィレット。(中略)いかなる者にも最悪の蔑称を授ける阿木双士郎をして、『王子』と呼ぶ他なかった男である。
ソードウォウ最弱の選手でありながら、強敵も味方も手のひらの上で転がす奇策な作戦で勝ち続ける双士郎と、そんな双士郎に救われて以来、その奇策を全部良い方に解釈して持ち上げていくルイ(強くて善人)という関係性がコミカルで良かった。双士郎が、ルイだけ微妙に転がしきれてない感じが楽しいんですよねえこれ…。
渡航(Speakeasy)「クオリディア・コード」→感想
昔も今もこの先も、きっと違う方向を向いて、違う道を選ぶのだろう。それでも、今は確かに、並び立っていた。
異形によって脅かされている世界を守るため、そして大切な少女達を守るために戦うふたり。性格も考えも正反対で本来ならば手を取り合うこともなかったであろう壱弥と霞が、自分にない部分に憧れ、誰よりも強く信頼し合っているという関係性が良かった。ノベライズ版はアニメと内容ほぼ同じなのですが、特に3巻の壱弥・霞の心象描写がとても濃厚で良いので副読本としても是非!(過去話も良いです)
師走 トオル「ファイフステル・サーガ」→感想
今でこそカレルは王家の味方だが、数十年後に余計な野心を抱かないという保証はどこにもないのだ。
来るべき魔王の襲来に立ち向かおうとする英雄達が時に手を組み、時には対立しながら人間たちをまとめようとしていく物語。アレンヘムの傭兵団の若き団長・カレルとフーデルス王国の摂政・ヴェッセルの関係が良かった!序盤から手を組んでいる彼らなのですが、それぞれお互いの国の思惑の下で動いていて、完全な味方ではないんですよね。稀に覗かせる剣呑な雰囲気がとても良かったです。
柳実 冬貴「Re:バカは世界を救えるか?」→感想
その闇の中で、心路は──(略)現実世界で唯一負の感情を抱くことのできる、好敵手の声をはっきりと聞いた。
他者の異能の「劣化コピー」を作る異能を持つ主人公・佐藤光一と、他人の異能を完全にコピーできる秋雨心路。最初は相容れない敵同士だった彼らが、少しずつ「好敵手」へと変化していく課程がたまらない。能力の代償として感情が薄れていく心路の心を唯一揺さぶることが出来るのが光一というのがまた。
賀東 招二「甘城ブリリアントパーク」→感想
(『汚いことをしなければならない』か。ならば、それをするのはぼくだよ)
ポンコツ遊園地の支配人代行となった主人公・可児江西也と遊園地のキャスト代表を務めるマスコット・モッフル。犬猿の仲だが遊園地の未来を誰よりも真剣に考えている彼らの目的が一致するがゆえの共闘が大変美味しいのですが、特に原作1巻終盤に起こったとある事件をきっかけにしたある種の「共犯関係」が、とても良かった。アニメ版とは全く違う展開ですが、どちらも良いので両方見てほしい。
渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」→感想
俺はもうとっくに気づいている。葉山隼人が、けしてただの善人ではないことを。
渡航が描く「お互いに相容れないからこそ誰よりも深く理解し合う」男男間複雑感情が大好きなので、例によって葉山隼人と比企谷八幡の関係性も大好きです。普段は優等生の仮面を被っている葉山隼人がそんな表の顔が通用しない比企谷八幡にだけは時折素顔で接しているのがたまらない。
田尾 典丈「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」→感想
「これから何があっても、みんなを愛し続けてほしい。それが、俺の望みだ。任せたぜ、初めての、親友」
とあるギャルゲーのヒロインたちが現実世界に投影され、彼女達が抱える問題をゲームの1ファンである都築武紀が解決する物語。クリア後のハーレム展開を謳歌していた武紀が明確に「全員を幸せにする現実のハーレムエンド」を目指して行動し始めるのが4巻のゲーム主人公・正樹との対決でした。同じヒロインを愛する主人公同士として・親友として次元を超えた友情を築いていく展開が熱い。

因縁・敵対

落葉 沙夢「─異能─」→感想
あいつは俺を赤根凛空ではなく、友人のアカとして扱ってくれていた。その存在は俺にとって小さくなかった。
複数の人物の視点から事件が描かれる群像劇形式のサバイバル異能バトル。過酷な展開の中でうっすら語られる「主人公」の祐樹とその友人・赤根凛空の関係性が印象的でした。物語で起こった惨劇を考えるとお互いにさっぱりしすぎと感じる部分もあるんですが、描写が短くてもお互いにリスペクトしあっていたことが伝わるふたりの独白が良かったなあ。
水瀬葉月「ぼくと魔女式アポカリプス」
「宵本澪っていうクソッタレな友達は──どうやら、俺が思ってたよりも少しだけお人好しらしい。」
絶滅寸前の魔術種達が生き残りを掛けて行う生存競争に巻き込まれた「死者」達が繰り広げる異能系サバイバルバトル。『普通』に埋没したくなくて学園生活からはみ出していた主人公・澪と可愛いショタの皮をかぶった女に見境ないクズ・草太の友人関係が独特で面白かった。二人の出会い話がどっかに合ったと思うんだけど収録されてないんだよな……。
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ」→感想
ああ、それだ龍園。おまえにも見えたんだろう?恐怖という感情は、己の中に確かに存在する、ということを。
Dクラスの黒幕として暗躍する綾小路と黒幕の存在を追うCクラスのリーダー・龍園。1年生2学期をたっぷり使って水面下で行われる長いかくれんぼ、その末に待つ直接対決がとても良かった。この直接対決の後の微妙に共闘的な関係になっていく綾小路と龍園の関係性も美味しいけど、やっぱりとりあえずは原作4〜7巻をよろしくお願いします!!ってなりますね!
賀東 招二「フルメタル・パニック!」
「カシム、カシムと……。馴れ馴れしいんだ、クソ野郎」
主人公である相良宗介に強く執着する、序盤にして最悪の強敵ガウルン。自分が恋い焦がれてやまない「殺人聖者・カシム」に宗介を引き戻すために自身の命すらも厭わない様はめちゃくちゃなインパクトがありました。フルメタ、なんだかんだで彼以上にヤバい敵出てこなかった気がするの凄いよね……。
ツカサ「銃皇無尽のファフニール」→感想
切れ長の目が画面の向こうから俺を射る。それだけで感覚が引き戻される。彼の部下だった長く暗い日々へと。
男性で唯一ドラゴンの力を持った“D”の少年・物部悠。同じ異能を持つ少女達が集まる学園・ミッドガルに入学するが……ミッドガル入学する前、軍事組織ニブルでの元上司であるロキ少佐がミッドガルに入学した後も悠に対して強い執着を覗かせていく展開が大変美味しかったです。いやこれ、俗に言う「元彼」概念なんですよね……美味い……。
羊 太郎「ロクでなし魔術講師と追想日誌」→感想
「今は、曲がりなりにも母屋を同じくする同志だけど……いつか、必ず僕らは決別する。……互いの信じる正義ゆえに」
相棒概念の所でも取り上げたロクアカですが、どうしてもジャティスの話したかったなどと供述しており……アルベルトと同じく元特務分室での同僚であったジャティスが特務分室を離れて犯罪者となり、事ある毎にグレンと衝突していく本編での展開も大変美味しいのですが、そんなジャティスがグレンを初めて宿敵として認めた追想日誌5巻がとてもよかったです。あとほんと本編は次巻が楽しみ…!!
月夜涙「回復術士のやり直し 〜即死魔法とスキルコピーの超越ヒール〜」
変だな。一周目では、あいつに怯えて、逃げたい、怖いとばかり思っていたのに、二周目の今はあいつに会いたくて仕方ない。
人生をやり直しながら1周目の人生で自分を虐待した勇者達に復讐を行ってきた【癒】の勇者ケヤル。その復讐も残るは【砲】の勇者で少年性愛者ブレットを残すのみとなるが、その復讐は国を巻き込み人類の存亡を掛けた戦争へと発展していく。メインは凌辱メインのエッチな復讐劇なのですが、その合間でケヤルとブレッドが見せる互いへの執着と、裏の裏までを読み合う心理戦が大変良かったです。ブレットの行方を追う回が「想い人を探す」なのとか最高。


読了記録まとめ[2012年5月分]

5月の読了数は感想書いてない再読本2冊を含め21冊でした。
……うち12冊がBL……もう何のブログだかわからない……ラノベの感想を求めてうちに来てくださってる方にはほんとうにすいませんでも自重しない。

今月のオススメマンガ

プラナス・ガール(5) (ガンガンコミックスJOKER)
 今更過ぎるくらいの定番だけど「プラナス・ガール」最新刊が絆可愛すぎて死んだ。「魔法のアメ」からはじまってまさかのメイド祭に転がり、ウェディングドレスに飛び跳ねるよ。「男の娘」という単語はあまり好きじゃないけど、こればかりは至高の男の娘モノとして全力で押したい。絆かわいい。
月刊少女野崎くん(1) (ガンガンコミックスONLINE)
あとなんか色々な人からオススメされて手に取った「月刊少女野崎くん」が猛烈に面白かった!無骨でごつい外見なのに少女漫画家の野崎君に惚れてしまった女の子がなぜかアシスタントにされてしまうお話。少女漫画家なのに恋する乙女の気持ちなど1ミリもわからない野崎君のすっとんだ発言の数々にふきださざるをえない。あとみこりんマジヒロイン。

5月の読書メーター

読んだ本の数:29冊 / 読んだページ数:6193ページ

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2011年読んだ本まとめ

年末はコミケに参加されたかた、お疲れ様でした&うちのスペースに遊びに来てくださったかたありがとうございました!
2011年の年間まとめ記事です。

2011年の読了冊数
 2011年 1月: 7冊 [まとめ] 2011年 2月:10冊 [まとめ]
 2011年 3月:19冊 [まとめ] 2011年 4月: 6冊 [まとめ]
 2011年 5月:10冊 [まとめ] 2011年 6月: 9冊 [まとめ]
 2011年 7月: 6冊 [まとめ] 2011年 8月: 9冊 [まとめ]
 2011年 9月: 4冊 [まとめ] 2011年10月:11冊 [まとめ]
 2011年11月: 13冊 [まとめ] 2011年12月: 8冊 [まとめ]
合計:112冊

年々着実に減っております。というか再読とBLを抜かすと3桁にも多分届いていないというこの体たらくだよ!

2011年のオススメ10選+α
ムシウタ11. 夢滅ぼす予言
バカとテストと召喚獣9
STEINS;GATE‐シュタインズゲート‐ 円環連鎖のウロボロス(2)
花咲けるエリアルフォース
岩井 恭平「ムシウタ11. 夢滅ぼす予言」(⇒感想
 2011年はとりあえずムシウタの最新刊が出たのがもう本当に嬉しすぎて……続編が出ただけでも嬉しいのに表紙はかっこうさんだし本編もドンデン返しにドンデン返しを繰り返す凄い展開でとにかく凄かった。物語はクライマックス目前でいよいよ完結まであと一息か……というところで、今年くらいに完結してくれるの待ってます超待ってます。

井上 堅二「バカとテストと召喚獣9」(⇒感想
 過去話収録の9.5巻も個人的にはアツかったけどここ何巻かで一番熱い展開だったのはやっぱり9巻ということで!雄二の戦略の上を行く上級生+Cクラス勢力と、劣勢を強いられるFクラスをそれとなく応援してくれるAクラス組と、雑草魂で劣勢を覆すFクラスの面々に胸が熱くなりました。とりあえず明久と雄二のハイタッチだけでこの先3年は戦えると思いました。

海羽 超史郎「STEINS;GATE‐シュタインズゲート‐ 円環連鎖のウロボロス(2)」(⇒感想
 去年アニメ化した人気ノベルゲーム「シュタインズゲート」のノベライズ完結編。ほぼ原作と同じだけどやや違う展開になっているので原作プレイ済・アニメ視聴済でも問題なく楽しめると思います。とりあえずバレル・タイターと綯様のかっこよさに悶え苦しみ転がればいいと思う。年末に出たファンディスクのノベライズ「比翼恋理のアンダーリン」もまだ読めて無いけどとても楽しみです。

杉井 光「花咲けるエリアルフォース」(⇒感想
 「桜」を媒介に意識を繋げた少年少女達が2つに分裂した日本を舞台に戦う「戦争」の物語。初期の杉井光作品を髣髴させる、残酷だけどはかなくて美しいお話でした。

女子に読ませたいよ枠

はたらく魔王さま!
奥様は貴腐人 旦那様はボイスマイスター
金星特急1
バカとテストと召喚獣10
和ヶ原 聡司「はたらく魔王さま!」(⇒感想
 異世界では魔王として恐れられていた男が勇者との戦いに敗れ、異世界に逃げ込み……マクドナルドのA級クルーを目指すお話。色々はしょったけど大体間違えてない。魔力の使い方間違えてる!そして生活感覚が元魔王のクセにみみっちい!!という親近感あふれる生活の数々に何か塩水とか出そうになるのもご愛嬌。魔王軍の男3人六畳間暮らしとか素晴らしいですよね。引きこもり系ニートショタのルシフェルくんが可愛すぎて困る。

森 美紗乃「奥様は貴腐人 旦那様はボイスマイスター」(⇒感想
 だいたいタイトルとおり。さえない新人声優の主人公がBLゲームの主役を貰って……!?というお話なんですが、作中作として随所に登場するBLゲームが美味しすぎて生きるのが辛いレベル。バッドエンドの豊富さが売りのゲームらしいなんですがどっちも報われない監禁調教BADエンドとか普通にやりたいじゃないですか!!イケメンツンデレ医者と人気声優(♂)に目をつけられちゃった主人公カップルの今後も気になるのですがこの作中作で一作出してほしい。合言葉は「バッドエンドもえ」。

嬉野 君「金星特急」(⇒感想
 絶世の美少女「金星」の婿取り列車・金星特急。乗り込んで戻ってきた人間はいないという曰くつきの特急に乗り込んだ人間達の物語。少女小説らしからぬスリリングな展開が凄すぎて性別問わず読んでほしい作品なのですがとにかく主人公の錆丸が着実に成長していく姿がかっこよくてニヤニヤする。金星特急の内外を問わずに繰り広げられる人間模様・恋愛模様も美味しくて、読み始めたらページをめくる手が止まりません。まだ既刊5冊しか出てないので追いつくなら今だと思う。

井上 堅二「バカとテストと召喚獣10」(⇒感想
 バカテスは9巻の燃えっぷりが本当に凄かったんですが10巻どうしてこうなった(特に最終ページ)。 すっかり残念キャラと化してた久保君の活躍とか秀吉・ムッツリーニの思わぬ活躍とか明久・雄二の無二の信頼関係とか男子の魅力が如何なく発揮された巻でした。とりあえず最終ページどうしてこうなった(大事なことなので2回ry)

完結シリーズ

彩雲国物語 紫闇の玉座(上/下)
Re(アールイー):5 バカは世界を救えるか?
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc8
雪乃 紗衣「彩雲国物語 紫闇の玉座(上/下) 」(⇒感想
 全22巻完結。彩雲国を2つに割るかと思われた内紛の結末。「王」としての器を持つには少し足りないけれど、それでも少しずつ成長していった劉輝と命を削って彼を支えた秀麗の元に仲間が集まっていく姿が胸に熱い。一部割を食った人たちも居ましたけど(笑)、ちゃんと大団円な結末にたどり着いてくれて満足でした!

柳実 冬貴「Re(アールイー):5 バカは世界を救えるか?」(⇒感想
 全5巻完結。次々と明らかになる残酷な「世界の行く末」と、その結末に絶望したもうひとりの自分。何度もくじけそうになりながら、それでもどこまでも我侭にご都合主義に、最後には絶望をぶっ飛ばして願う通りのハッピーエンドを勝ち取った主人公の姿がバカバカしくて超かっこよかった。どのキャラも本当に魅力的で5巻で終っちゃうのは本当に残念だったんですが……短編集とか後日談とかでませんかね?ね?

田尾 典丈「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc8」(⇒感想
 全12巻(本編8+番外編4)完結。現実の世界と「フェアリーテイルシステム」によって生み出されたにせものの世界。2つの世界の選択権を握らされて、それでも「両方の生存」を望む主人公の姿がかっこよかった。彼の目指す「ハーレムエンド」には女子としては色々思うところがありますが、ここまで徹底的にその実現を目指す為に努力する姿を見せられるともう応援するしかないでしょう。武紀とは対称的なもうひとりの主人公・秀之の活躍を描く「シルバーブレット」も楽しかったです。っていうか正樹と武紀の友情が最後までウマーだったので私とても満足です。

BL/エロス

だけど、ここには愛がある
嘘と誤解は恋のせい
義兄 明治艶曼荼羅
栗城 偲「だけど、ここには愛がある」(⇒感想
 2011年はいつもよりも多めにBLを読んだのでそちらのまとめも……お勧めもらってちょくちょく読んでいたBL小説ですが、今のところ読んだ中では一番これが萌えました。「豆腐メンタル女装攻×ちょっとズルい包容力のある男前可愛い受」って!!ナルシストな攻がだんだん受に本気になるにつれ「自分が一番」じゃなくなることに不安を覚えて……という展開が大変美味しかったです。まあそんなことより一番ツボに入ったのは番外編の可愛い攻×ゴリマッチョ女装受だったわけですが。

小林 典雅「嘘と誤解は恋のせい」(⇒感想
 可愛い受→イケメンノンケ攻、だとばかり思っていたらシリーズを経てどんどん残念になっていく攻の受大好きっぷりにどうしたらいいのか真面目にわからなくなる件。続編となる「恋する遺伝子」の2編目とかもう、ここまで笑いの止まらなくなるエロシーンがあっていいのかと真面目に悩むレベル。とりあえず結論としてはバカップル早急に爆発しろ。

丸木 文華「義兄 明治艶曼荼羅」(⇒感想
 頭が良くて頭のおかしい義理の兄にどこまでも歪んだ愛を注がれてどんどん調教されちゃう妹のお話。言葉で追い詰められ、立場で追い詰められ、逃げ場を無くしたところで今度は肉体面でも囚われ……と四方八方救いのない展開は好き嫌い分かれる作品だと思いますが、救いのないバッドエンドが好きな人には一度読んでいただきたい。義兄の愛がどこまでも一方通行でしかなく、どちらに対しても救いの与えられない終り方なのがまた素晴らしいと思いました。