ページ 161 | 今日もだらだら、読書日記。

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なつき☆フルスイング! 2 真夏の夜のケツバット

[著]樹戸 英斗 [絵]ほんだ ありま

夏希に夢魔の研究協力を依頼しにやってきた虚像機関のスタッフに憑いていた夢魔が逃げ出した!虚像機関に協力するのは面白くないが夢魔の被害を広げるわけには行かない…と夢魔の捜索をはじめる二人だったが、先日の戦いで停止寸前に追い込まれたアルブバスターは、あと1回しか使えなくて!?
 

前巻と比べるとはっちゃけぶりが足りない気もしたけど(ケツバット描写が殆ど無い…!)、落ち着いた分爽やかな青春小説ぶりが増してるように感じるシリーズ第二段。夏希とその周囲の出番が抑え目な分、ストーリーが1つ1つ独立して「短編集」という印象が強くなりました。前回サブヒロイン格だった美姫子に至っては殆ど出番無い状態で、その辺はちょっと寂しいかも。

虚像機関からやってきた二人のうち、なりゆきでオズワルドに着いて来る事になったジェシカがオズワルドや夏希に振り回される姿が哀れ。毎晩の飲み比べを通して(?)最終的には夏希ともすっかり良い喧嘩友達状態になっていたけど、かっこいいお姉さんだけどどこかドジッ子で振り回され体質だなんてツボすぎます。今後の活躍に密かに期待w

1話は面白いけどそれなりという感じでしたが、2話以降右上がりで面白くなっていきます。泣かせて来る3話も面白かったですが、個人的には2話がお気に入り。就職活動が失敗続きの女子大生と、以前ダウジングで有名になった小学生が友達になるという話でしたが、最初後ろ向きだった二人がお互いの存在に感化されて前向きになっていくという過程が良かったです。直接的ではないけど何気に絡んでくる、夏希とジェシカの飲んだくれコンビも最高でした。

3話に登場する赤羽さおりの話は、展開が、露骨に智紀が夢魔に取り憑かれた時と同じだったのできっとそうなんだろうなあ…と思っていたら予想以上に重い話で、どんどん話に惹き込まれました。ラストはいい具合に夢魔に取り付かれていた事が良い方向に作用してくれて、ほっと一息。

毎回後ろに向かうにつれて加速度的に面白くなっていく感じのシリーズなんですが、ちょっと高低が激しい気がしなくも無いかな。1話も面白かったのですが、2・3話が飛びぬけて面白いからちょっと残念な気がしなくも無いです。

今回の最後で虚像機関の中でも過激な一派が登場してストーリーが大きく動き出す予感。今回みたいなのんびりした爽やか青春ストーリーが気に入っていたので良くも悪くも楽しみという感じですが、続編期待しています。

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「2007年上半期ライトノベルサイト杯」投票します

■ 「2007年上半期ライトノベルサイト杯」を開催します(平和の温故知新さん)
↑詳しいルールや投票の仕方等はこちらから↑

というわけで、今年も参加です!忘れそうだから連休中に片付けておこうかと(笑)
タイトルクリックで当サイト内の感想ページに、書影クリックでBK1の該当ページに飛びます。
また、基本的にオススメ度の高い順に並んでいます。
(つまり、上半期で一番オススメのシリーズは単発は「連射王」、シリーズは「殺×愛」という事ですね)

シリーズ部門はあっさり決まったけど単発部門の「連射王」「ヴァーテックテイルズ」以外が
どれも微妙なラインで並びすぎてまじめに困りました…
余程2作品で終了しようかとも思ったのですが、最終的にはこんなかんじに。

シリーズ部門は、ほんと迷いなかったな自分。

単発部門

【07上期ラノベ投票/単発/4840237344】
連射王(上・下)(川上 稔著/メディアワークス/2007.1)

どんなことにも本気になれないと悩む少年・高村コウが、シューティングをワンコインクリアしている青年に出会い、自分も“ファーストプレイ・ワンコインクリア”を目指す物語。題材的に異色に思えますが熱?い「青春小説」。テンポ良く畳み掛ける文体が更に熱さを煽ります。コウと岩田の恋愛模様にも要注目!


【07上期ラノベ投票/単発/4829163828】
麗しのシャーロットに捧ぐ ヴァーテックテイルズ
  (尾関 修一〔著〕/富士見書房/2007.1)


ある人形作家の屋敷で、シャーロットというメイドの少女を中心に巡り繰り広げられるゴシックホラー小説。3つのストーリーが時系列バラバラに展開され、大きなミスリードも仕掛けられており最後まで全く先が読めないミステリーでした。絵柄の雰囲気的な問題で挿絵画家の人選間違えてる気がしたけど。


【07上期ラノベ投票/単発/4840237182】
なつき☆フルスイング! ケツバット女、笑う夏希。
  (樹戸 英斗〔著〕/メディアワークス/2007.2)


故障の為野球部を休部中の少年・智紀と破天荒で強引でヘンテコなケツバット女・夏希が人に取り憑いた夢魔を払っていく物語。夏希のキャラクター性やゲストキャラクター達の一生懸命な生き様もよかったのですが、それだけに3章で明かされる夏希の過去話は衝撃的でした。


【07上期ラノベ投票/単発/4894255383】
ゴッデス! 1.女神さまって大変なの♪
  (ひかわ 玲子著/ホビージャパン/2007.4)


突然飛ばされた異世界で“女神さま”をやることになってしまった少女二人のお話。そこ世界は神々の力をお互いが奪い合うという弱肉強食の世界で?!?と、予想以上にシビアな物語でした。騙し合い・裏切りもしょっちゅうで先が見えません。そして凶悪な次巻への巻引き…続編はいつ出るんだー!

【07上期ラノベ投票/単発/4757733283】
声で魅せてよベイビー(木本 雅彦著/エンターブレイン/2007.2)

昔ながらのマイコンオタク少年とイマドキで声優志望な腐女子のラブコメ。同じ“オタク”でありながら考え方が全く違う二人が感化しあっていく様子が凄く良かったです。続編が読んでみたいシリーズのひとつ。ただ、やっぱしヒロインの腐女子設定はいらないと思うわけですが。

シリーズ部門

【07上期ラノベ投票/複数/4829119330】
殺×愛?きるらぶ?(風見 周著/富士見書房/2007.6)

遂に完結。5巻目くらいから目に見えて面白くなってきました。遂に迎えた“卒業式”での出来事、そして大どんでん返しとしか言いようが無い最終巻のエピローグは涙無しには読めません。ヒソカと咲夜だけじゃなく、この物語全ての登場人物にエールを送りたくなるような、最高のエンディングでした。前半の巻で止まってる人も、この機会に是非読んで欲しいです。


【07上期ラノベ投票/複数/482911911X】
フルメタル・パニック!(賀東 招二著/富士見書房/2007.3)

「つづく?」「燃える?」と劣勢気味だったミスリルのメンバーが集結、大反撃をはじめる最新刊。破壊されたARX-7の後継機も登場し、宗介とかなめも…な、熱すぎる展開。…なんてのは置いといて、宗介×かなめ萌えとしてはラストのバカップル全開なやりとりだけでもう100票位投じたい勢い。

「何人死んだって???何百、何万、何億人死んだって構わないから。だから、あたしを迎えに来なさい!あんたの持てるすべて??そのクソの役にも立たない、非常識で迷惑極まりない兵隊の技能を総動員して、どんなにヤバい相手でもギッタギタにやっつけて、あたしを抱きしめに来なさい!!」

は今年一番の名言だと思います。

【07上期ラノベ投票/複数/4840238820】
レジンキャストミルク(藤原 祐〔著〕/メディアワークス/2007.6)

今までラノサイ杯の候補に毎回挙げておきながらどうにもあと1押したりなくて、次点落ちの常連シリーズと化していたこのシリーズですが、今回は殊子先輩ひとりの為に全力で1票投じます。7巻での殊子・蜜姉妹のやり取りがどうしようもなくツボでした。ちなみに次点は6巻佐伯ネア先生のボンテージ白衣w

【07上期ラノベ投票/複数/4840238499】
扉の外(土橋 真二郎〔著〕/メディアワークス/2007.5)

閉塞感溢れる宇宙船の中に閉じ込められ、何者かに生与剥奪件を握られた高校二年生の生徒達が、提示されたゲームに挑まされる物語。1巻を読んだときは、アイデアはとにかく主人公に全く感情移入できず、ラストも駄目だったんですけど2巻で一気にツボな作品に化けました。進むごとに度を増していく人間同士の裏切り・騙しあいも秀逸で、続きが楽しみなシリーズです。

【07上期ラノベ投票/複数/4829119187】
黄昏色の詠使い(細音 啓著/富士見書房/2007.5)

5色の媒介を元に自らの心を形にする「名詠式」を学ぶ学校を舞台に、母の志を継ぎ5色どれにも属さない色“夜色名詠”の確立を目指す少年・ネイトの物語。綺麗で優しい気分にさせてくれるシリーズです。特に名詠式の詠唱呪文が凄く綺麗で、何度も読み返したくなるような魅力です。

以下次点作品

【単発部門】
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん …主人公がいーちゃんすぎて押し切れなかった。嘘だけど。
ミミズクと夜の王 …いや、ライトノベルサイト杯じゃなかったら入れたと思うよ?
遭えば編するヤツら …ISBNがないので投票不能っぽい?

【シリーズ部門】
キスとDO-JIN! …是非執事票を投じたかったです。
Fate/Zero …ISBNないから対照作品外だよなあ。イスカンダルとヴェイパーに一票投じたかった。
学園キノ …大変惜しい事にギリギリ7月発売でした。

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9S<ナインエス>8

[著]葉山 透 [絵]山本 ヤマト

由宇から遺産の知識を手に入れ、その力で遺産犯罪の根絶を目指す黒川率いる海星。彼らの強引なやり口に憤る者と犠牲が出ても遺産犯罪が無くなる事を喜ばしいことと受け止める者で世論は二つに割れる。一方、元気のない、というよりも生気の感じられない由宇を心配した闘真と麻耶は彼女を立ち直らせようとするが…
 

1年ぶりの新刊。7巻の感想でも言ってるけど、恐ろしいほどに既刊の内容が把握できていないのはどうして。6?7巻の内容が不思議なくらいに頭に残っていなくて、そこに1年3ヶ月のブランクは厳しいです。基本的に中盤以降になるとどんどんストーリーに引き込まれるんだけど、序盤が…やはり一度シリーズ通して読み返したいものですが、なかなか時間がとれず…。「禁書目録」にも言えるんだけど、やはりこういうシリーズには大まかなキャラクター紹介とあらすじの掲載を強く要求したい!!

思い悩む由宇を励まそうとして、何故か一緒にお風呂に入ろうとしたり(読者サービス?)、途中から突然お嬢様vs穴倉娘バトルに発展したり…と、麻耶ちゃんの活躍が何気にかわいい(今回に限っては相当役立たずだけどw)。特に由宇をやり込める麻耶お嬢様。最高です。

結局、思い悩む由宇を完全復活させるのが闘真の言葉となるのですが、その言葉は同時に闘真に嫉妬心を芽生えさせて…と今回はさりげなく二人のラブラブも見所です。闘真は元からちょっとそんなケがありましたが、由宇も何気にしっかり今回は闘真LOVEな所を覗かせます。特に深海でのやりとりはやばいです。珍しく取り乱す由宇もかわいいのですが、どれだけ闘真は由宇しか見えてないのかと。

終盤では前述の深海でのやり取りをはじめ、いつものごとくジェットコースターのように怒涛の展開が襲ってきます。どのやりとりも魅力のあるものばかりですが、個人的に一番評価したいのが八代vsマモン。優男で昼行灯な八代の本領発揮、素晴らしいまでの知略と甘さにシビれました。どうしよう、闘真も好きなんだけど現在このシリーズの中で一番、八代が好きかもしれない。

というわけで、続きが激しく気になる状態で幕引きされてますが、9巻は是非早めに出してほしいなあ…とか思う今日この頃です。確かにある程度キャラクターを把握してなくても読めるんだけど、8巻の内容を忘れる前に次を読みたいというのが本音だったり。

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学園キノ2

[著]時雨沢 恵一 [絵]黒星 紅白

美少女ガンファイターライダー・キノに変身しちゃうごく普通の女子高生・木乃は今日も元気にカレー屋で大食いチャレンジに挑戦していた。5人分はあろうかというポークカレーを間食して賞金を貰い、大満足な木乃。しかし、そんな彼女を見つめる黒い影が…!?これは“キノの旅?the Beautiful World?”とはまるで関係なく、女子高生の木乃と人語を喋るストラップ・エルメスが繰り広げる、硝煙反応たっぷりの連射乱射な物語。第二弾。
 


なるほど、時代は静×陸だったのか!!
時雨沢先生のはっちゃけっぷりはいつもの通りですが今回はなんだか黒星先生が間違った方向に全開です。最後!最後!!いっそ陸太郎は誘い受けを通り越して襲い受けになってしまえばいいと思います。憎しみとか色々まざりあって転じて愛情になっちゃえばいいと思うよ。むしろ個人的にはリクシズの方がこのm…ゲフンゲフン。しかし黒星先生、そっち方面の耐性あったんですね。

内容的にもテンション的にも1巻を読んだときよりも多少落ち着いてきて、はっちゃけぶりは抑え目ですが本編「キノの旅」の美味しい部分もいい具合に取り込んで、本編では出来ない事をやっているという感じが凄く良いです。「茶子の爆弾物語」で魔物に取り込まれた生徒が見ていた“夢”なんかは、なんだかいかにもキノの旅の作者さんという感じの纏め方だったし、文化祭で自作品のセルフパロディをするのもあとがきで語られている通り、この作品では出来ないであろう試みで面白かった。ラストの静の外伝は特に「キノの旅番外編」という印象ですね。

まあそういう真面目な感想はおいといて、今回はパロディネタも全開です。なんか脳内で植物の種が弾けたり三倍だったり俺の歌を聴けー!だったり…至る所で所狭しと詰め込まれたパロディに脱帽です。まさにこの企画だからこそ出来た詰め込み具合といえるんじゃないでしょうか。(パロディネタについては、こちらのサイトさんで詳しくまとめられてます。私半分もわからなかったよ…時雨沢恵一…恐ろしい子!!)

つか、よもやこんなところで「計画通り!」が出るとは思わなかったよブラザー。

個人的にはもういっそのことこちらが本編になってしまえばいいよくらいは思っているので(笑)来年また3巻にお目にかかれる事を祈ってますが…流石に一発ネタ的企画だけに厳しいかなぁ?

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とある魔術の禁書目録SS

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

遂にローマ正教と学園都市が戦争をはじめる……とはいっても、学園都市で生活する大多数の生徒達にそんな実感はない。戦争の影響で食料が値上げされると心配した吹寄が今のうちに鍋を作りたいと言い出したら、いつのまにやらクラス全員(+α)ですき焼きパーティに行く事になってしまって!?
 

「とある魔術の禁書目録」の外伝短編集。13巻と14巻の間のひと時の平和が描かれていて、割とストーリーに重要そうな話もあり、普通に「14」にしてしまっても違和感なかったのでは…5巻とかもなんかこんなノリだった記憶がありますし。

戦争に実感が沸かなくて値上がりの影響なんか心配してるクラスメイト達と、一連の事件で魔術側の事件に多くかかわってしまった当麻の隔絶が妙にうすら寒かったです。確かに当麻の想像するとおり、真っ先に前線に送られるのはいくらでも替えが利く普通の生徒達で、しかも本人達はそれに全く気づいてなくて…というのが。ぜんぜん外れた感想になってしまうけど、ほんと気づかないうちに自分達が巻き込まれていってしまう“戦争”って怖い。

しかし、ちょっと人数が増えすぎて把握が追いつかない分が多々。海原光貴もそうだけど、シェリー=クロムウェルは前の巻あたりからずっと「…この人、当然のように出てきてるけど誰だっけ?」状態でした。前回登場したサーシャも思い出すのに時間が必要だったし、結標も8巻が印象に残ってない人にはキツかったんじゃないですか?せっかく「短編集」だったわけだし、上手い事各キャラの設定を再確認させるような使い方をして欲しかったです。つか、こういうキャラクター数の無駄に多い作品は最初のページに軽く人物紹介を載せろと。

前回で「打ち止め」達と訣別し、彼女達を守るために海原の誘いを受けて“グループ”の一員となった一方通行。もうすっかり裏主人公というか禁書シリーズの真の主役状態だったりしますが、自分の大事な人を守るために敢えて裏道を行こうとキモを据えて、ますますかっこよくなってます。特にラストの見開きで描かれる“グループ”は「ヒール(悪役)」って言葉が恐ろしいまでに似合うイラストでした。

それにしても、一方通行の大活躍に押されて今回の当麻は出番少なめですが、少ない出番で光りすぎです。魔術側と対峙する際に言葉が通じないと説教できないからと外国語を学ぼうと決意するシーンではうっかり噴き出しましたが、それを本気で言っているというのが恐ろしい…。あと、「レベル0」の集団であるスチルアウトに向けて放った言葉は同じレベル0の当麻だからこそ響く何かがありました。久々にクリティカルヒットな説教を聴いた(笑)

良い意味で「悪役」として、裏主人公的な立場を確立した一方通行と、その正逆の位置に居る当麻。この見事なすれ違いっぷりもまた良いですが、完結するまでには1度くらい二人が手を組む姿がみたいなあ。

魔術側と科学側の戦争に向け加速する本作、続きが本当に楽しみです。

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断章のグリム 5 赤ずきん(上)

[著]甲田 学人 [絵]三日月 かける

田上颯姫の妹が所属するロッジの世話役から要請を受け、泡禍の潜む町にやってきた蒼衣達。しかし、泡禍はロッジに所属する見習騎士の少年・馳尾らの手によって秘匿され、殆ど概要の分からない状態だった。どうやら泡禍に巻き込まれた少女は馳尾の幼馴染だったらしい。ロッジの人々との不和を感じつつ、蒼衣と雪乃は“赤ずきん”の予言を受けた泡禍の調査を開始するが…
 

Missingも巻を経るごとに残酷描写がパワーアップしていった記憶がありますが…

前半はそこまでグロ度が高くないのですが、ラストで一気にとばしてきます。題材が題材だけになんとなくこういうのが出てくるんじゃないかなーと思ってましたが予想以上でした。とりあえず食事中に読んだのは前半のみで本当によかった(またかお前)。それにしても流石甲田先生、残酷描写を書かせたら電撃でもトップ3に入れるんじゃないでしょうか!!

…しかし、「Missing」「夜魔」があまりにも偉大すぎた所為か…この程度の残酷描写では生ぬるいと思ってしまう私は間違ってますでしょうか。普通に面白いんですがやはり「グリム」には残酷描写が足りないよ!!あの二度と読みたくないと思いつつもなんだかクセになるグロはどこに!!この作品には尻が痒くなるようなグロ描写が足りません!!後半の、泡禍の中心と推測される少女の友人が巻き込まれる描写は確かにゾクっと来るものがありましたが、いや、たしかに怖いんですが……恐怖の方向があまりにも普通というか………(いえ、普通のミステリーとかで良くあるとか、そういう意味でね?!)

なんかよくも悪くもこの作品、普通にライトノベルっぽいというか、Missingで大好きだった特有の味が薄いというか…超豊作だった今月の電撃の興味のあるシリーズの中でも真っ先に手にとって一気読みできる程度には好きなシリーズなのですが、どうも薄味な印象が拭えません。前作よりも一般受けを狙って書かれているのか…なんか前作と比べるとちょっと物足りないんだよなあ。ひょっとして先生、「夜魔」に全力投球しすぎてその反動が出てるとか!?もっと全開な作品が読みたいのに(何が全開なのかは聞くな)

個人的にお気に入りなのが、舞台となるニュータウンを雪乃と風乃が薄気味悪く思うシーンでした。なんていうか、こういう「薄気味悪さ」を書かせたら右に出るものはいないなあと、再確認。ちょっと肌が寒くなる薄気味悪さがして、このシーン凄く好きです。

ストーリーに関しては全く先が読めない状態で終わっているので殆ど感想書く事はありません。前回の「人魚姫」以上に先が読めない。下巻に期待って事で。

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愛玩王子

[著]片瀬 由良 [絵]凪 かすみ

飼い犬・ハリーが口に咥えていた指輪をなんとなく指に入れてしまったら、指輪が抜けなくなってしまった。さらに指輪の持ち主と主張する10cmサイズの“魔界の王子様”が現れて!?その王子様が言うには、その指輪を王子の伴侶となる女性以外が身につけると死んでしまうらしい。指輪をはずすために魔界に行く羽目になった比奈だったが…?
 

おうぢかわいいよおうぢ。

「読了本棚」さんの感想が気になって手にとって見ました。タイトルを聞くとどう見ても少コミ系ですが(小学館だし…)、中身はほのぼのとしたかわいらしい少女小説でした。

本当に典型的な「少女小説レーベルのライトノベル」って文体で、読んでいてものすごく懐かしくなってしまった…女の子の口語体一人称なんて、新井素子以外では読むの久しぶりすぎる。故・ティーンズハート辺りに居ても違和感のなさそうな文体でした。

典型的なツンデレで中々本心を打ち明けられない王子と、ちょっと恥じらいが薄くてドンカンなヒロイン・比奈の掛け合いには終始ニヤニヤしっぱなし。特に崖から落ちそうな比奈を励まそうとしてドサクサに紛れてお嫁に貰ってやるっ!と叫びだすシーンには、緊迫感も忘れて大爆笑。王子の「心に決めた人」の話はちょっとそうなるんじゃないかなーと読めちゃった部分もありましたが、むしろその辺はお約束な展開ってことでアリ。

指輪の呪いで10cmサイズになってしまった王子の可愛さはもう半端じゃないのですが、それ以上に魔界の面々が可愛い。コワモテ…と思わせて実はめっちゃくちゃ子煩悩な魔王パパンには和まされまくりました。しかし個人的に最もツボヒットしたのが側近のフォルカスです。そのクールな顔で魔王パパンのオヤツを盗み食いして涼しい顔してるとか、こぶしを握り締めて「ラブパワーですよ!」とかほざきだしたり…とにかく行動と顔にギャップありすぎですから!!!こんな素敵な魔界なら私も住み着いてしまいたい!というくらいのんびりした世界に癒されます。

正直10cm王子が可愛すぎだったので王子は最終回まで大きくならなくていいよもうとか思いましたが、ツンデレの上に俺様属性まで加わった王子はそれはそれでなんか良し。ラストの辺りの俺様炸裂な言動には萌えさせてもらいました。しかし、比奈じゃないけどやっぱ10cm王子のほうが(略)

続編があれば、やはり学園ラブコメになってしまうんでしょうか(笑)ちょっと見てみたいけど、その際は時々でいいから10cm王子に戻ってやってください。そりゃもう切実に。お願いします(笑)

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ネコソギラジカル(上) 十三階段

[著]西尾 維新 [絵]竹

匂宮出夢と激突して以来行方の知れない“人類最強の請負人”。その対戦をセッティングした責任を感じるいーちゃんだったが、そんないーちゃんの元に“狐面の男”率いる「十三階段」の一人が現れる。これ以上他人を巻き込まない為、そして十三階段の情報を集める為にとある人物と接触するいーちゃんだったが…彼らの“物語”は終わりに向けて一気に【加速】する!
 

ものすごい鈍足ペースで消化してきた「戯言シリーズ」も遂に最終章。の上巻。

みいこさんも凄く良い味出しているのですが魅惑のロリ娘・闇口崩子ちゃんが大活躍。大好きな「戯言遣いのお兄ちゃん」のため、奴隷となって(?)全力で頑張ります。そのためなら戯言遣いのお兄ちゃんに致命傷だって与えちゃいますよ★兄貴分の萌太君も、出番は少ないけど良い味出してますね。ただ、今までのこのシリーズの傾向からするとどうにも死亡フラグの伏線っぽくも見えてヒヤヒヤしてしまいます…姫ちゃんの二の舞にだけはなりませんよう…。

そして味方についた元十三階段・匂宮出夢と、最高のタイミングで復活する“最強の請負人”哀川潤。特に潤さんの復活シーンはほんとに美味しいところ持って来すぎ、かっこよすぎ。本気でシビレました。しかし、潤さんも今回ばかりは色々と不安な部分が見え隠れして、今後の展開が心配です。

それにしてもあれだけ思わせぶりしておいて退場者多すぎの“十三階段”。特にノイズ君なんかあれだけかっこよく登場しておいて、あれで出番終了だったら指差して笑いますよ?

とりあえず上中下巻の「上」なので、まだまだこれからと言うカンジの内容ですね。ただ、まだまだ謎は多いものの、初っ端から魅力ばっちり引き込まれます。ラストではいーちゃんの過去に関係が深そうな十三階段の“十三段”も現われ、そろそろシリーズ通しての謎だったいーちゃんや玖渚の過去が暴かれそうな感じ。次巻を読むのが楽しみです。

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コードギアス反逆のルルーシュ STAGE-1-SHADOW

[著]岩佐 まもる [原案]大河内 一楼/谷口 悟朗 [絵]木村貴宏/toi8

大国ブリタニアにより征服され、“エリア11”と呼ばれるかつての日本。ブリタニアの皇子であったルルーシュは無残に殺された母の復讐と、光を喪った妹・ナナリーの幸せを護る為に父王への反逆を決意する。謎の少女・C.C.により“ギアス”という能力を手に入れた彼は仮面を被り、黒の騎士団という組織を率いて義姉であるエリア11総督・コーネリアに戦いを挑むのだが…
 

人気アニメ「コードギアス」のノベライズ第二弾。「STAGE-0-ENTRANCE」ではメインキャラクターの過去が描かれましたが、2巻となる「STAGE‐1-SHADOW」ではアニメ本編の9話くらいの内容をノベライズしているようです。

うーん、ストーリー自体は面白いし、ノベライズ自体としての出来具合はかなり成功だと思うんだけどなんでこれ、放映中に出さなかったんですかね。たしか「STAGE-0-」が発売された時点でアニメが既に終了しており、ノベライズにより興味を惹かれることは惹かれたのですがDVDをレンタルするほどじゃないなあ…と放置してたんですよ。特に前巻は過去編であるため、そこまでアニメへの興味には至らないのですが、この巻ではアニメの内容を、結構重要な部分を飛ばしていきなりノベライズしているので、アニメを知らない人は置いてきぼりな部分が結構…。

というか「STAGE0」の前に「STAGE1」を出してしまってでもこちらを早めに読みたかったです。以前酷評した「銀色のなんとか」ってアニメがノベライズされたのと同じくらいの時期にこれが出てくれたら、確実にその後アニメ見たと思いますよ。

なんかどうしてもノベライズ→原作へ手を出す事の多い自分としては、読む際に「どれだけ原作ファン以外の人間を原作へ引き込めるか」という部分を重要視してしまうのですが、それを考えるとこの本は内容的には合格なのですがどうしても時期が悪いです。今月末放送のSTAGE24&25が発売されるからそれに合わせてるんだろうけど…それまでに地上波でもスカパーでもいいから再放送してくれないものでしょうかね。やっぱDVD借りて見ようかなあ…。

ノベライズ…というか、やはりこの本の発売時期については色々ツッコミたい部分が多いですが、ストーリー的にはいい具合に原作を知らない人間に興味を持たせる程度に色々と匂わせながら、原作アニメファンを主眼にすえた、面白い作品に仕上がっていると思います(アニメファン的にどうなのかは、自分では原作見てないので他所様の感想から推測)。

特にれっきとした「ロボットアニメ」でありながら、主人公であるルルーシュの持つ能力が“相手の目を見る事で一度だけどんな命令でも絶対服従させる”という、ロボットを介さない能力である(ルルーシュ自身もロボットには乗るものの、お世辞にも優秀なパイロットではない)というのが斬新で面白かったです。なんか個人的には、戦略シミュレーション的な、デスノのような頭脳ゲーム的外伝小説が出たら是非読みたいかも。冷酷を装っているけどスザクやナナリー等自分の大切な仲間は失いたくないと思っているところも非常に好感触。

また、C.C.はDVDのジャケットとかを見る限りクールな不思議少女という印象だったのですが(そしてそのイメージはあながち間違ってないんですが)、その反面ピザが大好きでルルーシュの家計を圧迫しているなんてエピソードが入ってたりして、予想以上に漢らしい女の子でした。彼女とルルーシュのやりとりは結構コミカルで面白かったです。

結局読んでるうちにどんどん原作アニメへの興味がわいてきてしまったんですが、やっぱ次巻を買うかどうかはそれまでにアニメを見ているかどうかに掛かってしまいそうです。秋からアニメの第二期も始まると言う事だし、それまでに一回通しで見たいです。

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ムシウタ 09. 夢贖う魔法使い

[著]岩井 恭平 [絵]るろお

その昔“やさしい魔法使い”に護られ、現在は一人赤瀬川財閥を率いる少女、赤瀬川七那は“虫憑き”を使ったビジネスを持ちかける為“むしばね”と接触した。“むしばね”の新しいリーダーとなった詩歌は、七那に協力する代わり、失踪した“むしばね”のパトロン・宗像を探してほしいと持ちかける。彼の失踪の影には“やさしい魔法使い”がかつて語った原初の虫憑き“α”の存在があるようで…
 

今回は原初の虫憑きを巡り、七那と他の大富豪達が繰り広げられるマネーゲームが中心。キーワードとして「エンクロージャー」「バブル」「パラダイムシフト」等という経済用語も登場して、確かに今までのムシウタというよりは「消閑の挑戦者」に近い作風でした。元々「ムシウタ」よりも「消閑の挑戦者」シリーズの方が好きなので、結構嬉しかったかも…それで消閑の挑戦者の新刊はまだですか。

“原初の虫憑き”αを手に入れるため、開催されたオークションの行方が熱い。そのままストレートに「あの人」が落札してしまうとは思えなかったけど、二転三転の挙句そんなところに転がっていくとは…!それぞれの負けられない理由を内に秘めていて、“ペナルティ”の存在などもあり、どんどん高まる緊張感に、後半は一気読みしてしまいました。ただ、後半は緊張感だけは伝わってくるものの、イマイチ何が起こってるのかわかりにくい部分があったのが残念です。「灰色未成年」さんの感想を読んで思ったんだけど、大体何が起こったのか把握した現在の状態で再読したら、また違った部分で感動できるかもしれないですね。

傲岸不遜でいつでも自信たっぷりの七那のキャラは非常にツボでしたが、“やさしい魔法使い”との一件以来、お金以外での解決方法が判らなくなって「お金があれば何でもできる」という考えになったのと同時にそれ以外で人が動く理由がわからない少女になってしまったのは凄く痛々しさを感じる。特に自分の事を友達だといってくれた詩歌を失うまいと、必死にオークションに参加する姿がなんかは、酷く脆く見えました。

勝負に負け、お金だけでなく何もかもを亡くしてしまったと思い込み絶望する七那を必死に立ち直らせようとする詩歌と弐兵衛が最高。特に弐兵衛はただのヘタレかと思わせておきながら、とんでもないダークホース。彼の独白には色々な意味で震えました。

個人的には8巻がちょっと微妙だったので色々心配していたんだけど、今までとは毛色は違うものの文句なしに面白かったです。今回ニアミスながらも接触を果たした“かっこう”と詩歌の今後にも期待!

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