元陸上の特待生・鵜飼譲と幼なじみの松下未来、そして学校でも有名な問題児コンビの4人が「天文部」で少しずつお互いの居場所を見出していくシリーズ第二巻。今回は憧れの天体望遠鏡を買うために、援交の元締めをしている女子生徒から上納金をふんだくろうと4人が奮闘するお話。
最初は気が進まないといいながらもなんだかんだで悪巧みしてしまっている4人が本当に楽しそうで、読んでいる方も凄く楽しい。段々お互いの色に染まってきてしれっとおかしなことを言い出す面々にニヤニヤが止まりませんでした。特に鵜飼が自分の怪我の事を持ち出して体育科の教師達を引き下がらせる場面とか、どんだけこいつふてぶてしくなってるんだよとw
計画している時はこんなに楽しいのに、実際に実行に移してみるとなんだかんだで良心の呵責に駆られだす(一部覗く)面々は基本的に「いい人」なんだなあ、と実感。特に一番ノリノリだった未来の態度の変化が可愛かった。「目にもの見せてやる」といいながら、西原を見捨てられない彼女の姿が印象的でした。
それにしても鴫が可愛いなあマジ可愛いなあ!!夏女を心配しすぎで親馬鹿状態になってる所なんかも勿論美味しいんですが、同じく夏女をほっとけない鵜飼とのやりとりとか、さりげなく未来との仲が悪いようで気のあったやりとりが美味しすぎました。次巻も楽しみです。
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屋上の暇人ども
色々な黒い噂を持つ問題児2人・百間と凌霄が成り行きで部員2人きりの天文部に入部する事に。二人が問題を起こすのではないか…と入部を拒否しようとする未来だが、彼女の幼なじみで天文部部長の鵜飼譲は少しずつ彼らに興味を持ち始めて……というお話。
それぞれの理由から学校での居場所を上手く見つけられない4人が少しずつ距離を縮めていき、天文部に居場所を見出していく展開が凄く好き。最初は百間がキレるたびにビクビクしていた鵜飼と未来がだんだんその程度ではものともしない態度になっていくのにとてもニヤニヤする。問題児2人と鵜飼のやりとりもすごくいいんだけど、なによりなんだかんだでどんどん2人に情を移していく未来のツンデレっぷりが可愛かった。「追い出さなきゃ!!」と叫びながらもいざ二人が学校を追い出されそうになると放っておけない姿が可愛すぎる。明かされた過去は決してすぐに振り切れるような安易なものではなかったけど、それを振り切って少しずつ新しい居場所をみつけていく姿が素敵でした。
しかしそれ以上にツボにはまったのはラストの凌霄&鵜飼のやりとりとそれを見た百間の慌てふためきっぷりだったのですが!!そして巻末の「中学性日記」で撃沈。感情豊かで凌霄バカな百間可愛いよ百間。短絡的な行動に走りそうになった百間をしれっと止める凌霄美味しいよ凌霄。
一見BLと見紛うような、どこか共依存の入り混じったような二人の関係がたいへん美味しかったです!!
生徒会の九重 碧陽学園生徒会議事録9
ようこそ、私立碧陽学園生徒会室へ!美少女役員四人+おまけ一人、生徒諸君のため―突然ですが、ここで中継を繋ぎます!第801回ヘキヨウカップ、各馬一斉にスタート。先頭はヒンニューステータスとネッケツタロー。ヒンニューは常に本命視されながらやる気に欠ける状態、ネッケツはここに来て急躍進、新たな本命馬と名高いです!様子を窺うように二頭の後に続くのはドエスノホマレ。実力はNo.1と言われながらここ一番に弱い!最後に大きく遅れてビーエルラバー。以前他を圧倒する力を見せて以降、不振が続いています!最後まで目が離せない展開になってきました!おっと、ここで飛び出したのは―中を読んでご確認ください。(「BOOK」データベースより)
あらすじがいまだかつてなく酷い!今までも結構酷かったけど!!ほか3つも大概に酷いけど「ドエスノホマレ」噴いた。
そんなわけで生徒会室で残念な人たちがだらだら駄弁ってるだけの「生徒会の一存」シリーズもいよいよ本編完結に向けてラストスパート。いつも通りの会話劇の一方で卒業という二文字が目と鼻の先に迫ってきて、笑う間にややしんみりする。
ようやく明かされた会長の過去やばい。快活だが極度の人見知りだった彼女が「はじめての親友」と出会い、別れ、迷走し、そして「高校初めての親友」である知弦の言葉によって今の彼女になった。今の彼女が在るのは家族や親友をはじめ、たくさんの人の愛情のおかげなんだなあ、と思うと胸が熱くなりました。まさか生徒会シリーズで泣かされるとは思わなかったんだ……そしてオチでしっかり落としてくる(しかも二段落ち)ところが非常にこのシリーズらしくて素晴らしいwww
そしてバレンタイン話でのヒロイン4人のデレ具合とリリシアの話での鍵のかっこよさがヤバイ。普段は余裕たっぷり大人の貫禄な知弦さんがあわてふためく姿にもニヤニヤしたし、真冬ちゃんのほのかな嫉妬にもニヤニヤしました。そして深夏のデレが不可解すぎて一周回って可愛いw
いよいよ差し迫った「卒業式」という別れの時を控え、最終巻ではどんな物語が待っているのか。最後の舞台で鍵とくりむがどんな言葉で「送辞」「答辞」をかわすのか。あと最終巻での鍵のエロい表紙にも期待せざるをえません(最後超重要)
ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! disc6
男の友情 やばい
武紀を兄と慕うブラコン従姉妹・麻衣の登場により再び武紀達の関係に波紋が広がっているさなか、管理者側ではシステムに負荷がかかりすぎている「エターナルイノセンス」の投影情報を全て削除しようとする動きが持ち上がっていて……というお話。
中学時代の武紀さんの話でRe:バカを思い出したのは私だけじゃないはず。光一と同類だったのか武紀さん……いや「ストリートに舞い降りた漆黒の堕天使」……
麻衣からの糾弾に加えて武紀が“誰も選ばなかった”事により、結果的に投影したヒロイン達全員に害が及ぶ……という展開が容赦ない。同時に、「もし武紀がヒロイン達の誰かを選んだ場合の世界」が提示されていくのも幸せそうな彼等の姿とは対象的に結構酷い展開だよなあ。それでも「みんなの居る未来でなくては嫌だ」と言葉だけではなく行動で示そうとする武紀の姿は、これまでの物語の中での成長を感じさせて胸が熱くなる。
ただ、武紀は正直、問題点を履き違えているように思えてならない。社会的倫理観や法の問題なんかどうでもいい話で、誰も選ばないという状態でヒロイン達が本当に満足できるかが問題ではないの?なんかその辺、ちょっと武紀の独りよがり的な印象を受けてモヤモヤ。というかこの段階でまだ社会的倫理観や法を気にしている武紀のヘタレっぷりにびっくりだよ…。いや、それが避けては通れない大事な問題っていうのもわかるんだけどさ…。
それにしても相変わらず男子関係が美味しい。翔也とのやりとりも美味しいのですがとにかく今回の正樹&武紀やばいマジやばい。離れた所で協力し合う主人公コンビの親友具合にニヤニヤが止まりませんでした!!危機に陥った理恵のところにかっこよく参上する正樹のかっこよさ半端ない。いいぞいいぞもっとやれー!
本編的には「Fandisc」から扱いが増えてきていた四阿ちゃんがいよいよサブヒロイン昇格の雰囲気で、そして最後で遂に待ちに待ったあのひとが現実産の正ヒロイン昇格なのか!?というかラストの引きが凄すぎて言葉がない。うわああああこれは続きが楽しみです!!!
それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ[完全版] I
富士見ファンタジア文庫から発行され、同世代「続編マダー?」シリーズの代表作として君臨していたヤマモト・ヨーコの新装/完全版。ファンタジア文庫版の本編1巻「ゲットレディ!」と2巻「自由落下のクリスマスキャロル」に書き下ろしの『体験版』を収録しています。私は刊行当初リアルタイムで読んでいて確か8巻くらいまで既読。
赤石沢さんのイラストがCGになっていることもそうだけど、出てくるゲームやアニメネタ、全てが懐かしい。私も実際にハード持っていたわけじゃないですが、ネオジオとか3DOとか今の若い子は知らないのかと思うと感慨深いものがあります。逆に、読んでた当初はわからなかったネタが判るようになってたりするのも楽しいなぁ。「SYSOP」の意味とか、「京都にある某会社」と「灰色の弁当箱を踏みつぶす」の意味を今更ながら理解しました……
ちょっと前のゲーム・アニメネタは置いておくと、今読んでも古臭さを感じさせず普通に楽しめます。「あたしが面白ければなんでもいい!」的な洋子のキャラクターにはスレイヤーズ全盛期の富士見ヒロインのテンプレ的な物を感じますが、洋子とまどかの言い争いとかいつのまにか仲良しになっちゃってる紅葉とエリュトロンちゃんとかとてもニヤニヤする。ロートの喋り方は微妙に今風アレンジされてましたね(?だお、とか)あと、綾乃の戦闘は今読んでも凄く独特で面白かったです。敵艦を投げ飛ばす「格闘戦艦」って発想そのものが凄く面白い。個人的に4編全部の中でも彼女のデビュー戦話が一番好きかな。
今回はメイン4人の顔見せ的な展開で終わって居るのですが、それでも凄く面白かった!次巻以降の物語を、当時の読者の一人として新たな気持ちで楽しみにしたいと思います。
死神姫の再婚 5つの絆の幕間劇
「まあ、申し訳ありませんわ、カシュヴァーン様。私、何を協力すればよろしいの?」
「……そうだな。とりあえず、『好き』といってくれるか?」
カシュヴァーン様がますます残念で度し難い人に!!!
物語の幕間を描く5つのお話を収録した短編集。本編でも散々残念な妻バカっぷりを発揮してくださっているカシュヴァーンが一周回ってもはや残念可愛い。カシュヴァーンのアリシアLOVEが炸裂してルアークとマジ勝負したり、アリシアに「プレゼントはわ・た・し」をリクエストしてアリシアの天然ボケに阻まれたり、アリシアといちゃいちゃするために乙女小説にチャレンジして瀕死になりながら猫魔王様にときめいたりします。たいへん(残念)可愛いです。
そしてそれを残念な目で眺めるティルナードもすっかりノーラLOVE炸裂状態だったりするわけですが、彼はセイグラムに初夜の何をてほどきしてもらったんですか。何をてほどきしてもらったんですか何をてほどきしてもらったんですかそこんとこくわしく!!!!!!
短編的にはジスカルドとエルティーナ様のお話が好きでした。典型的な物語のお姫様と王子様のような出会いをして、それでも最後の最後で気持ちを通じ合わせる事が出来ない二人の姿と、アリシアとカシュヴァーンの様子を見守りながらもどこか羨望の眼差しを向けるエルティーナ様の恋心が印象的な、ちょっと切ないお話でした。
天使から百年2 天使から零年
「僕の過去に踏み込む、君みたいな…無神経な人間ははじめてだ」怒りの滲むイズシールの声を聞いても、カイは怖くなかった。だって私は―イズシール先輩の味方になると決めたから。異形の敵・ロドーリーの攻撃で、現代日本に飛ばされたカイたち。彼女たちの前に、大天使・キュービドーの力を受けたという青年・雪村誠が現れた。元の世界に戻る手がかりを求め、誠と一緒に行動するうちに、カイはたくさんの“真実”を目の当たりにする。大天使の願い、ユイカの気持ち、そしてイズシールの過去。自分を取り巻く人たちの“想い”に触れ、カイの中で何かが変わり始める―。これは自分の願いを見つけた少女が、世界と向き合う物語。(「BOOK」データベースより)
え、うそ、あと1冊で終わり?カイのキャラかわってね!?とちょっと理解が追いつかなかった印象が……うーん。読み終わってみたら目まぐるしい物語の展開おいといてカイとイズシールの舌戦しか印象に残ってない不思議。
読書メーターの感想を読んでも色々な人が言ってたけど、カイのキャラが1巻の時の印象と全然違ってて、中盤くらいから物凄く「あれれ?」となった。あれ?この娘いつのまにこんなにイズシール先輩LOVEに?1巻の頃はカイとユイカの百合っぷる方面で行くんだとばかり思っていたから余計びっくりだよ!?
他人が踏み込まれたくないと思っている過去に踏み込むのは良くない事だ、と自覚しながらも執拗にイズシールの過去を暴こうとする姿は、一途な少女の恋愛感情を何か一歩踏み越えているものがある気がしてますます……うーん。そしてジャンセンが報われないかませ犬ポジションっぽいなあというのは1巻の頃からやや感じてましたが、ここまで報われないポジションに落ちるとは。ジャンセンがんばれ超がんばれ……
個人的に、ユウキとイズシールのやりとりは個人的にはとても美味しかったです。全体的に同性・異性含めバカップルと一方通行ばっかの本作で唯一のきっかけは利害関係一致系な仲悪し悪友親友ポジションなのでとても期待。
あと1冊なのでとりあえず最後まで追いかけてみたいとは思うけど……もうちょっと巻数をかけて、ゆっくりやってほしかったお話な気がする。
ついカッとなって「レジンキャストミルク」を再読した
とある裏設定を聞いたのをきっかけに、衝動的に「レジンキャストミルク」の再読祭りをしました。再読時の読書メーターの感想を元に、各巻の感想とお気に入りの場面・台詞をまとめています。
布教エントリを兼ねておりますが、作品の雰囲気を知ってもらうためのネタバレ+後半の各巻感想は割と普通に先の展開のネタバレに関する言及があります。本編は現在(2021年7月)BOOK☆WALKERさんで全巻読み放題になっておりますので、気になる!というかたは気軽に手を出してみてください。
あらすじ(※軽くネタバレあり)
物語の舞台となる現実の世界【実軸(ランナ)】から枝分かれし、生まれては消えていく無数の世界・【虚軸(キャスト)】。虚軸が滅ぶ際に実軸に現れる意識体【虚軸】達は実軸に生きる人間を【固定剤(リターダ)】という存在にすることで、実軸に留まることが出来る。固定剤となった人間が大切にしていた何かを『欠落』させることによってその欠落の間に入り込み、その代わりに彼らに人ならざる力を与えるのだった。【全一(オール・イン・ワン)】という虚軸の少女・城島硝子の固定剤となった主人公・城島晶は父親に取り憑いて母を連れ去った虚軸【無限回廊】を排除するため活動していた。昼間は平凡な高校生としてなんでもない「日常」を送りながら、その裏では協力者である固定剤の少女たちと共に虚軸を狩り、【無限回廊】を追い詰めようとする。
個人的に推してる所
学園ラブコメな「日常」とダークな能力バトルな「非日常」が両立する世界観
昼は平穏で楽しい学園生活を送りつつ、その裏では自らの「本当の日常」を崩壊させた【無限回廊】を追って戦いを続ける。ちょっと(というかだいぶ)変わった少女達との平穏な学園生活と、それぞれの【虚軸】を駆使したダークな異能バトルが代わる代わる訪れる展開がとにかく楽しい!そしてそんな平穏な学園生活が少しずつ、虚軸の脅威によって侵食されていく後半の展開がたまらない。漢字にカタカナや漢字のルビを振る、中二力の高い文章
各巻感想に好きな場面紹介を入れているのですが、スレイヤーズの詠唱を暗記して育ったリアルタイム世代としてはとにかくこれでもかというほどルビを振りまくった文章がめっちゃ好き。そういうのにときめきを感じる人は絶対に読んでほしい。漢字にカタカナのルビを振るバトル描写だけでなく、内心の言葉に、その更に奥に潜む本心をルビで振ってくる演出とか本当にたまりません。魅力的なキャラクター達と、彼ら彼女らを犯す「非日常」
主人公・城島晶を中心に絡み合い、そして彼らの関係性が虚軸という「非日常」によって犯されていく。最初はお互いの利害の一致から行動を共にしていた(と晶は嘯いている)はずの主人公たちが、少しずつ本当の「仲間」として形を代えていく姿は胸に来るものがありますが、彼らの「日常」を彩っていたはずの平凡だった同級生達が、非日常からの侵食を受けて少しずつイビツに形を変えていく姿も必見です。各巻感想
「晶は泣けないんだよ。晶の後悔は、悲しみは、涙は欠落してる。死んでしまっているの」
欠落という二文字が、僕の口を塞いだ。
そんな僕に、ゆっくりと目を瞑り、里緒は──僕の親友は、震える声で
「だから……里緒が代わりに、泣いてあげようと思うんだ」16P epilogue 終らない終らない始まらない
目を……。
「『小町 』。虚界渦を開放する 」
──開く。
「おいで、世界。……『乖離に至る病 』」
瞬間、世界が変化した 。126〜7P Chapter2 歯車の逆回転における矛盾的プロトコル
そうか。硝子は、僕が姫島姫の身体を壊してしまわないか心配なのだ。
それならば大丈夫だ。何も心配はいらない。
姫島姫は無傷でちゃんと助け出してやるから 。254P Chapter4 Helter skelter
自分が君子に近づく事は許されない。
それならば 。
彼女に近づくすべてをの悪意を、自分はことごとく引き受けよう。
あの優しい子が、自分のような人間と関わらずに済むのであれば。
「私は……」私は……251P Chapter8 Strawberry fields
硝子の虚界軸『
硝子は言う。
「……終焉を、開始しますか ?」
僕は応える。
「罪は僕に 、罰はお前が 」300P Chapter4 世界の終わり
──包丁は、逆手に握られていた。
舞鶴蜜。
料理を作るどころか、キッチンに立つのも、これが生まれて初めてである。105P 第2話 ドキドキ☆お弁当WARS
「相手は僕の両親と兄貴だ。笑えるくらい個人的な戦いだ。ただの家庭の事情って奴だ」
全員を見渡し、睥睨し、高飛車に、
「でも関係あるか。お前ら全員……いいようにこき使ってやる」310P epilogue-2nd Wish You Were Here
「ありがとうございます。……殊子先輩」
初めて彼女に使った、心からの敬語に、親愛と感謝と後悔を込めて。16P epilogue-1st アンサー
「……きみの幸せを、祈ってる」
彼女は振り返らない。振り返らずに、
「祈るだけならタダだもんね。……酷い人」345P epilogue She is not all
その後の蜜とネアを描く4話「ありがと、ばいばい。」が大好き。元の少女に戻ってしまった蜜の葛藤と、そんな彼女の背中を押して送り出そうとするネアの想いに胸が熱くなった。そして速水姉妹大暴走な温泉話にもによによが止まらないww 「キラの旅-the coordinated world-」でふきだしたのは私だけではないはず。
穏やかに、佐伯ネアは笑った。
「欠落は、あなたの分まで全部私が持っていてあげるわ。だからここで捨ててしまいなさい。過去を抱え込んでおくのはね、若者じゃなくて、大人の役目よ」
守りたくても、何もできなかったからね。215P 第4話 ありがと、ばいばい。
ちなみに再読のきっかけは作者・藤原祐先生の下記の発言
里緒の続き。キャラ造形として「柿原里緒」はいかなる代名詞をも受け付けない「個体=種」という設定だったので、性別は必要ない……という感じでした。なので地の文ですら「彼」とも「彼女」とも呼ばれません。シリーズ展開中に誰か気付いてくれるかと思ったけど誰にも気付いてもらえなかった……。
— 藤原祐@FANBOX始めました (@fujiwarayu) December 10, 2009
読み返してみると、里緒は本当に一貫して性別がはっきりとわかる表現をされていなくて、あれだけ晶と一緒に居るポジションだったにもかかわらず芹菜にヤキモチを焼かれる事もなく……本当に正しい意味で「ヒロイン」ではなく「親友」ポジションだったんだなあ、と実感した次第でした。
「里緒」という名前だと確かに女性名前でも男性名前でも通用するし……で、読んでいくとむしろ実は男性なんじゃないかとか考え始める不思議なんだけど、今流行の「男の娘」じゃなくて、どちらかというと無性別的な印象?良い意味で性別を感じさせない存在だったんだろうなあ。
(こちらの記事は2010年に書いた記事に作品紹介部分などを加筆し、2021年7月に再公開したものです)
神のみぞ知るセカイ 2 祈りと呪いとキセキ
最近原作を読破したのでこちらも。「神のみぞ知るセカイ」のノベライズ第二弾。
1冊丸々使って2人のヒロインを同時攻略するというトリッキーな展開を見せた1巻とは対照的に今回は中編1つ+短編2つという構成で、前巻のような物語を期待していると少し物足りないかも。原作コミックスの本編の間に挟まる1?2話完結の話を集めてノベライズしたようなノリ、といえばよいのか。1時間弱程度で読めてしまうので、ちょっとした気分転換やヒマつぶしに読むにはちょうど良いのではないかと。
第一話の中編「呪われたゲーム」は桂馬が手に入れた幻のゲーム『西恩灯籠』をはじめたら、実はそのゲームには呪いが……と言うお話。終盤の展開がもはや異能バトル化する程度のカオスっぷりで、結構好きでした。そこで使うのか、『落とし神』モードww
個人的には第三話の「レイニー・ブルー・ストーリー」が好き。天才肌で何事もソツなくこなしてしまう少女を攻略しようと色々試行錯誤しているうちに、何故か彼女がギャルゲーに興味を示して……というお話なんだけど「攻略すると記憶が消える」と言う設定が良く生きているなあ、と思った。最後の終わり方がとても好きでした。
第二話の「ハクアの休日」も可愛かったです。ハクア可愛いよハクア。
読了記録まとめ[2010年8?9月分]
今月も時間がない!!
10日に開催される「COMICCITY SPARK5」合わせの原稿中で今回もギリギリ綱渡りな今日この頃いかがお過ごしですか。今回は薄いコピー本を作っていく予定なのでイベント参加される方は是非覗きにきてやってください。多分今回もギリギリまで睡眠時間を削って力尽きている姿がみられるのではないかと思われます。
さてさて、毎年恒例の「このライトノベルがすごい!2011」Webアンケートは本日が締め切りです。私も滑り込みで今朝投票してまいりました。まだ投票間に合いますので、我こそはラノベ好き!!と言う人は是非投票してくると良いのではないかと思います。
個人的な見どころは
3年連続トップ死守なるか!?第三の性別:木下秀吉(バカテス)
VS
トップ奪還なるか!?ムッツリ傭兵:相良宗介(フルメタ)
であると言ってみます。
相変わらず男子部門以外見えてません。
以下は8?9月の読書メーターログ+α。
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