ページ 2 | 今日もだらだら、読書日記。

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ようこそ実力至上主義の教室へ 3年生編2

 

「今日は徹底的におまえの秘密を白状してもらうつもりだ」
リーダーと認められた綾小路。これまで関わりのなかったCクラスの面々、島崎や吉田、白石、西川たちとも交流を深めていく。そんな中、謎に包まれた新たな試験が発表された。与えられたのは2つの情報「明日から新たな試験が始まる」「詳細発表は一週間後」のみ。様々な試験の可能性と対応を即座に話し合うなど優秀性を発揮するCクラス。 一方堀北たちAクラスは春からのダメージが蓄積し茶柱に当たるなど、結束することができない。しかし堀北もクラス、生徒会の問題を一人ではなく軽井沢や櫛田、伊吹に相談するなど成長を見せ始め――。シリーズ絶好調! 生徒たちの想い入り乱れる、3年生編第二弾!

Cクラスのリーダーとして認められた綾小路達を待っていたのは、試験内容が伏せられたままはじまる奇妙な試験。各クラスはそれぞれに試験内容を吟味しながら、静かに火花を散らす。綾小路がCクラスの面々と交流を深めて新しい関係性を築いていく一方、堀北達のクラスはいまだ結束しきれずに居て……。

堀北の裏主人公化が凄くて今後が楽しみすぎる

あとがきで予告された夏恒例の「アレ」に先駆けた伏線貼りの回という側面が強いお話だったんだけど、前巻以上に3年生になるにあたって大きく変化した人物たちの関係性を改めて見せてくるのが面白かったし、1年生編の「一番最初の試験」を改めて想起させていくことで各キャラたちの成長が透けて見えるのが良かった。みんな成長したけど、特に須藤と軽井沢が頼もしすぎて凄い……。池とか高円寺とか色々と不安要素がないわけではないけど。

そして今回はクラス全体の挙動が重要になる試験……ということで、相変わらず我が道を行く高円寺を抑えるため堀北が出向くことに。綾小路の助けがなくても僅かな言い回しの違いから試験の「正解」にたどり着いた堀北に成長を感じるし、今回は生徒会長として下級生の揉め事を危なげなく解決して見せる姿も印象的でした。そしてそんな堀北はクラスが分かれたことをきっかけに改めて綾小路清隆の過去を探ることになり……改めて3年生編のもうひとりの主人公として堀北がクローズアップされていく展開がアツいなぁ。というかラストのアレ、今後堀北が遠からず綾小路の「正体」に辿り着くってことだよなあ……。

綾小路清隆の恋愛事情(え、そっち!?)

一方、前巻から引き続きちゃくちゃくとCクラスのクラスメイト達の把握を勧める綾小路。いやまあ試験内容からしてCクラスとしてはもう何もやることがないというか、ボーナスステージなんですよね……1年生の時に何もせずとも満点通過したんだもんな。

橋本や森下や山村といった2年生編の頃から出番のあった面々とクラスの今後について話し合ったり、隣の席のミステリアスな少女・白石が気になったりしつつもそんな中で気になっていたのは2年次終盤に誘いをかけてくれたのに期待に添えなかったBクラス・椎名ひよりの事。彼女に誤りたくて図書室に向かうもなかなか上手く遭遇できなかったり、いざ話しかけようとしたら距離を取られて動揺したり、彼女の些細な仕草に翻弄される姿はまるで恋する年相応の男の子のようで……ええ……!?なんだこのもどかしい展開は……よ、よう実が普通にラブコメやってる……!?

いやほんとここにきてひよりと両片思いやってるところとか初めての感情に胸を震わせる姿とかまさかの金田と三角関係になってるとかめちゃくちゃ面白かったんですけど、いやあの軽井沢さん………………(ここにきてあそこまでやっといて結局一切恋愛感情ありませんでしたみたいなダメ押しされるの、でも軽井沢と付き合ったおかげで恋愛のアレコレがわかるみたいなこといわれるの、可哀想過ぎる…人の心があるのに人の心がなさすぎる……)

綾小路に関してはどうやって堀北クラスの情報を得ているのか(前巻で示唆されてた櫛田との同盟なのか?)とか、ここにきて長谷部とよりを戻しそうな感じとか(ここ本当に「綾小路清隆ひとのこころがない!!」って叫んでしまった)も気になるんですよね……いやほんとここからどう転んでいくのか。

もういろいろな意味でここのところの綾小路に芽生えた感情が物語にどういう影響を及ぼしていくのか、それとも何も及ぼさないまま終わるのか、ここにきて一気に水面下というよりも表面上での活動が目立ってきたホワイトルーム関連のあれこれも含めてどう絡んでいくのか、本当に楽しみです。

こんなことになっても友達としてメールのやりとりしてくれる石崎が可愛い。堀北の牛肉ハンバーグに目を輝かせる伊吹が可愛い。本当にもう龍園クラスにしか癒やしがねえ……。

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2025年上半期に読んで面白かった本11選

7月もたけなわで今更感半端ないですが久しぶりに作りました上半期まとめです。だいたい私の通期まとめはまとめ系の企画の締切を軸に回っている(「好きラノ」投票本日まで!)

新作を中心に今年発売の作品を4つ、去年以前発売だけど今年1巻を読んだシリーズから4つ、既存作品で今年出た部分が面白かったシリーズを3作品紹介しています。興味がある作品があればぜひ手にとって見てください。他の作品もみんなおもしろかったので、興味のある人は「1巻感想まとめ」のページから気になる書影をぽちぽちしてやっていただけると嬉しい!

新作・今季1巻が出たシリーズ

片沼 ほとり「俺は学園頭脳バトルの演出家!1 〜遅れてやってきた最強転校生は、美少女メイドを引き連れて学園を無双するそうです〜」→感想
「演出家」を目指す主人公がゲームで全てが決まる学園で暗躍する(はずがうっかり目立ってしまう)お話。ゲームで皆を笑顔にしたいという前向きなお題目とは裏腹に目的のためなら手段を選ばないというアンバランスさが印象的で、新人賞作品らしく綺麗にまとまっていた1巻・1巻を掘り下げてさらなる深みを覗かせる2巻共にめちゃくちゃ面白かったです!このラノベの続巻が読みたい2025上半期文句なし1位。
古宮 九時「成り代わり令嬢のループライン 繰り返す世界に幸せな結末を」→感想
大好きなWeb小説の世界に転移した主人公がバッドエンドでループし続ける物語をハッピーエンドに導くために奔走する物語。絶望的な結末を前に決して歩みを止めない主人公がかっこよく、彼女の歩みとともに少しずつ紐解かれていく世界の真実が印象的でした。物語の謎がひとつ残らず明かされていく展開、1冊で綺麗にまとまってるのも◎。
夕鷺 かのう「かりそめ聖女は今日も王太子(推し)に求婚される 私との結婚は【解釈違い】なのでお断りします!」→感想
趣味というか副業で自国の王子を題材にした物語を執筆していた主人公がひょんなことからその王子に求婚されてしまう物語。「書」に魔力が宿る世界で主人公の描く「物語」が世界を救う展開がめちゃくちゃおもしろかったんですけど、「うすい本」「ナマモノ」「推し」という単語で彩られてしまうと共感性羞恥が発生するのはこれいかに……シリアスだけどコミカルな展開が面白かったです!!
葵せきな「あそびのかんけい」→感想
ボドゲカフェで店長代理を務めるバイトの主人公と同僚のギャル子さんが繰り広げるすれ違い系ラブコメ。テンポ良い会話劇をやる一方で主人公たちの重たいバックグラウンドや1巻にしてわやわやすぎる相関図の三角関係で翻弄してくるのが大変楽しかった!

今季1巻を読んだ今季発売じゃないシリーズ

朝霧 あさき「ベル・プペーのスパダリ婚約〜「好みじゃない」と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!〜 1」→感想
見た目は人形のような儚げな少女なのに中身は最強スパダリという主人公が、外見のせいで『呪いの王子』と虐げられ愛に飢えてきた皇子を伴侶に迎えてドロドロに蕩かしてしまうお話。強い女×強い男という最強のバカップルが国家を揺るがす謀略や自身を脅かす陰謀を暴いて蹂躙する!!という展開がとにかく楽しかった!性転換主人公×女装皇子という倒錯カップルも最高。
暁月 紅蓮「吸血鬼作家、VRMMORPGをプレイする。〜日光浴と料理を満喫していたら、いつの間にか有名配信者になっていたけど、配信なんてした覚えがありません〜」→感想
吸血鬼に生まれたせいで日の下を満足に歩めなかった主人公がVRMMORPGの世界を自由気ままに満喫する、その様子が本人も知らぬまま配信されていて…!?というお話。九百年生きた吸血鬼だから俺TUEEもかくなるかなだし、世情とデジタルにうといおじいちゃん主人公がVRMMOの世界を心から楽しんでいるのが微笑ましかった。あとお父さん大好きな息子さんが可愛すぎる。
恋狸「リスナーに騙されてダンジョンの最下層から脱出RTAすることになった」→感想
タイトル通りの展開で、ダンジョンの最深部に取り残された初心者の主人公が無双スキルも俺TUEEもしないままただただリスナーからぶん投げられる無責任なアドバイス・スパチャに自身の狂気を組み合わせてゴリ押ししていく展開が楽しかった。ゴリ押しなのに毎回そこそこ違う展開で突破していくの強いんだよなあ……。
佐藤悪糖「配信に致命的に向いていない女の子が迷宮で黙々と人助けする配信」→感想
喋るのが苦手な主人公が基本無言でダンジョン配信をする物語。配信物でありながらほとんど主人公の喋りがないまま続いていくのが異質で、その一方でリスナーや他の協力者達と二人三脚でなければ成立しない物語がとても良かった。独特の空気感が気持ち良い作品でした。

面白かった既存シリーズ

鏡 貴也「大伝説の勇者の伝説18 みんなが昼寝王国民」→感想
いやもう完結しただけでめでたい……みたいなとこあるんですけど、最終巻の前半分くらいでもまだ「ここからどう落ち着くの!?」と悲鳴を上げるような展開の連続で、最後まで先が読めない展開がすごかった……ボロボロになりながら皆で掴み取ったハッピーエンドが最高でした。
二月 公「声優ラジオのウラオモテ #12 夕陽とやすみは夢を見たい?」→感想
もうずっと面白いこのシリーズなんですけど今回は特に人の心がない、人の心がなかったよ……声優・歌種やすみ最大の転機にして最大の試練、血反吐を吐きながらなんとか立ち上がって見せた怪演と、それを裏から支える相棒の夕暮夕陽、そして仲間たちの励ましが胸に熱い物語でした。
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ 3年生編1」→感想
いろいろな意味で衝撃的な展開で幕を下ろした2年生編から登場人物達の関係性を一新した状態で始まった最終学年。様々な意味で成長した生徒たちの中で主人公の綾小路自身も一年の頃と比べて大きな変化を見せており……新シリーズ第1巻からめちゃくちゃ面白かったし、これまでの集大成となりそうな物語の展開が大変楽しかったです。

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わたしの創った千年王国: 1 天才魔導師の自由気ままな転生無双譚

 

「来世は平凡に生きたいな……」邪竜を倒し、世界を救った大魔導師レティシアは、そう願いながら目を閉じた。彼女が命と引き換えに発動させた、千年続く結界を残して。残された仲間たちは嘆き悲しみ、その地に『千年王国』を建国した――。それから二百年後。レティシアが転生したのは、牢に幽閉されていた痩せっぽっちの少女だった! 「平凡じゃないどころか、真逆なんですけど!?」獣人に囚われ、虐げられていたことに怒り心頭! 神から与えられた魔導書と、規格外の魔力を取り戻したレティシアは今度こそは好きに生きようと決意するのだが……。邪竜も転生しているし、かつての仲間たちも長寿を得て生きているし、獣人たちはしつこく追いかけてくるし、まったく平凡にはならなくて!? チートな能力をひた隠す、大魔導師の世界ぶらり旅、堂々開幕!

その生命と引き換えに邪竜を封印して世界を救った大魔導師レティシア。「今度こそ平穏な人生を」と願って転生したはずなのに、転生後の世界では獣人に囚われ、虐げられ……平穏とは真逆の境遇に陥っていた!?

世界観の重さを吹き飛ばすようなパワフルな主人公が可愛い!

最高神の加護を受けて世界を救った大魔導師の生まれ変わりである主人公の少女レティシアと闇の女神の加護を受けていてかつて主人公に倒された邪竜の生まれ変わりである青年デューク、かつての生では殺し合ったふたりが再び出会い、今度こそ平穏な人生を歩もうとする物語。

お互いに記憶を取り戻すまでの境遇があまりにも重たすぎるんだけど、そんな重さを吹き飛ばすようなパワフルな主人公の生き様が気持ち良いし可愛い!作中では最強レベルの強さを持っている主人公コンビが、それぞれの事情から思うようにその力を全力では振るえない状態で窮地を脱していかなければいけない展開が面白かったです。しかしレティシアが力を十全に振るえない理由、おおよそ中間管理職とか社畜のそれなんだ……(世知辛い)。

パワフルで景気の良いレティシアに加えて、レティシアが使役する聖獣エアリスとデュークの犬猿の仲な掛け合いが彼女の道行きを賑やかに彩っていくのも大変楽しかった。デュークくん、どう考えても愛が重すぎると言うかヤンデレの萌芽を感じるのでその辺の舵取りを誤ると大変なことになりそうではあるんですけど……いやでもこのエアリスとの仲の良い(本人たちにそのつもりはない)掛け合いを見ているとなんとかなりそうな気がしてくるな。色々と危なっかしい感じはあるけど、生き生きと新生活を楽しんでる感じが伝わってくるのは良かったです。

物語としてはいろいろな意味で序章で終わってしまったというか、現状だと自分たちを苦しめてきた獣人達にざまぁする展開なのかそういうことは忘れて千年王国を舞台に正体を隠して普通だけど普通じゃないちょっと波乱万丈気味なスローライフ生活を送っていくのかもわからない感じなのでどう転がっていくのか気になる。タイトル通りの「無双」要素もまだちょっと萌芽が見え隠れしているだけという感じだし。どっこい生きてる前世での仲間達との関係性がどうなっていくのか、レティシアに執着する獣人の貴族・カシュとの関係性も含めてどうなっていくのかも含めてどうなっていくのか楽しみです(いやカシュに関しては公式のキャラ紹介にイラスト付きですら載せてもらえてないのをみると、色んな意味で今後の出番はお察し感もあるのですが……)。

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異世界帰還勇者のサイコパス善行生活

 
7elec

異世界へ勇者として召喚された、主人公の善七。 圧倒的な強さを手にした彼は異世界で大事なものを失ってしまった……そう、倫理観。 そんな善七に業を煮やした女神は現実世界へと送り返してしまう。 さらに「一日七善さもなくば死」という規律を課するのだった。 人助けって一体何? 悩む善七が足を踏み入れたのは、人助けをするお助け部。 クセ者揃いの学校で善七を待ち受けていたものとは? 異世界帰りの元勇者が挑む、予測不能な善行サバイバル!

異世界に召喚され、勇者として世界を救った善七。ところが、異世界での生活の間にその倫理観はねじ曲がり、正義のためなら人殺しも厭わない乱暴者になってしまっていた!?ふたたび始まる現代での生活を前に、彼を召喚した女神は「一日七善さもなくば死」というとんでもないノルマを課してきて……!?

たよれるなかまは みんな倫理観が死んでる

異世界での戦いによって倫理観が狂った主人公が平和な現代でドタバタ騒ぎを巻き起こす……だけでなく、そこに主人公を慕う善人ヒロインやそれ以外の異世界帰りのメンツが絡んでくるのが面白かった。頼れる仲間は(善人ヒロイン以外)みんな倫理観がしんでる!聖女先輩は元から倫理観狂ってそうな気がしなくもない!!

事あるごとに「よし悪人は殺そう」となってしまう主人公を筆頭に、外面は良いけど中身は悪魔な聖女先輩(骨を折る(物理的に)のが趣味)や悪事の出来ない元魔王……などなど、いろいろな意味でクセモノだらけな異世界帰りの登場人物たちが自分たちに課せられた「ノルマ」を果たすべく法のギリギリを攻めながら(!?)所狭しと現代の学園を舞台に暴れまわる姿が面白かった。

というか普通に主人公の「1日7善」ノルマがきついんですよね。一週間に7善とかじゃなくて1日に7善なので割と普通に毎日大変だし、それでさえ学校がなくて普通にしてたら善行のチャンスが少ない休日に突如としてノルマが増えるキャンペーンが始まったりするのソシャゲのログボじゃないんだから!?となる。他の異世界帰りの面々に与えられたノルマを見ていても思うんだけど、そもそもノルマを与えた女神自身が全然善意からこのノルマ設定したんじゃないと思うんですよね……女神、ただの愉悦民だとおもうんだよな……。

そんな最初から最後まで狂った世界観と倫理観の中で、少しずつヒロインの影の助力によって強制されてではなく自然に『善行』することの小さな喜びを思い出していく主人公の姿が印象的でした。なにより「善行」として事あるごとに主人公に甘えてくるヒロインちゃん可愛いし、ノルマ達成後にうっかり甘えてすげなく断られるヒロインちゃん可哀想可愛い。

まだまだ真人間には相当遠そうではありますが、これからの成長を期待して見守っていきたくなるお話でした。

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あそびのかんけい

 

誰もが秘密を抱え、あそびのかんけいを続けるラブコメ、スタート!
ボドゲカフェ『クルマザ』店長代理の常盤孤太郎は、女子高生ギャルバイトの小鳥遊みふるに恋をしていた。「まずはサイコロを振らなきゃ、恋は始まらないぜ」って、彼氏がいるから告白できないんですけどねぇ!

高校を中退してアルバイトでボードゲームカフェの店長代理をしている常盤孤太郎は、バイト仲間で女子高生でギャルの小鳥遊みふるさんに片想いをしている。でもその想いを伝えることは出来ない。彼女には自分なんかとも仲良くしてくれる宇佐くんという完璧な彼氏が居るし、自分はひょんなことから天才女流棋士・歌方月乃に片想いしている「設定」になっていて……。

すれ違いだらけの複雑怪奇な三角関係(?)ラブコメ!!

読み終わってとりあえずプロローグの宇佐君とバンジョーのイチャコラにときめいた私のときめきを返してほしい(実質ネタバレ発言)。いやでも最後まで読んだらこれはこれで美味しいというかこの設定を1巻の時点で明かしてくれるの優しいなというか……何冊か引きずられたらツラいやつだった……。

良くも悪くも昔ながらのオタクで恋愛感情に疎い主人公のバンジョーと、そんなバンジョーを振り回すヒロイン・みふるさんの関係性がとてもかわいくてよかった!!相手に興味がないと装いながらもよそから見たら漏れ出すぎてる好意が微笑ましすぎるし、みふるさんが絶妙に小悪魔でえっちで可愛い。そしてそんなふたりがバイト先でボドゲを遊ぶだけのラブコメ……という時点でも大変美味しいのですが、そこからものすごい勢いで複雑怪奇に絡まった三角関係にしてくるの最高だった……。優しすぎて優柔不断気味なオタク男子とそのオタクに「何故か」優しいギャルのコメ強めのラブコメで片付けるのでなく、そこに激重なバックグラウンド入れてくるのが私の読みたい葵せきなという感じで好きすぎる。

長過ぎるあとがきの終盤でチラっと言われてたけど実質的にメインカップルの二人ではなく蚊帳の外であるはずの歌方月乃こそが真主人公でしたよね。でも確かにこの二人の複雑怪奇な関係性、一周回って第三者の視点からじゃないと描ききれなそうというか、コトがコトだけに当事者視点だと重くなりすぎたりいつまでも核心に触れられないままになりそうである……。時系列をあれこれすることで最初は普通に楽しく読んでただけの場面に全く別の意味が生えてくるの面白かったし、それに気づいた時には声だして笑ってしまった。いやこの三角関係の正しい構図、そんなことってあるぅ!?

否応なくふたりと「あそびのかんけい」になってしまった月乃が、否応なく彼らの間にある秘密や複雑怪奇な関係性を解き明かしてしまって抜け出せないくらい二人の関係に(二人の知らぬ所で)踏み入ってしまう展開がめちゃくちゃ楽しかったです。いや、月乃にとっては知らないほうが良い事実だったかもしれないけど……。

いつかこの関係性が正常化してふたりが無事にお付き合いできるようになる未来は果たしてくるのか。月乃が報われる未来はあるのか。いやでも最後まで正常化しないでギリギリの所で攻防戦を繰り広げてほしい気持ちがなくもない。楽しかったです!!

ところで「ゲーマーズ」の店舗特典が「生徒会の一存」とのコラボ小説だったらしくてめちゃくちゃ読みたかった。電子書籍で買ってるとこういう特典にうとくなりがちで……。

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【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう 4〜けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?〜

 

各アワード席巻の大人気無双バズ第4弾!
自作自演の疑惑を払拭するため、深層ソロ攻略にのりだしたカリン。 選んだのは、ブラックタイガーが苦戦中の奥多摩渓谷ダンジョンだった。 (当てつけではなく自宅からの近さが理由と説明するカリン氏、思いっきり真冬のカンペで言わされているのだった……)。 どんな実力者も命を落とす数々の“初見殺し”に、カリンはいかに対応するのか。 友も敵もファンも野次馬も、数百万人が固唾を呑んで見守るなか。 人類未踏破の魔境への挑戦が幕を開ける! いざ、潔白なる「お優雅」へ―― 大人気ダンジョン無双バズ、第4弾!

ブラックタイガーの策略で、自作自演の疑いを掛けられて炎上してしまったカリンお嬢様。その疑惑を晴らすため、生配信でのダンジョン深層ソロ攻略を行うことに。選ばれたのは、よりによってブラックタイガーが利益を独占している奥多摩渓谷ダンジョンだった……!?

視聴者と光姫様とブラックタイガーの悲鳴で今日も飯がウマい

カリンお嬢様が自身に掛けられた疑惑を払拭するため単身でダンジョン深層ソロ踏破に挑む第四巻。まあ何の問題もなく無双するんですよね知ってた体操!なんですけど、初見殺し・ソロ殺し・近接殺し・強者殺し……と空気を読んだようにカリンお嬢様の弱点をつくかのような特徴ばかりの難所を正面から余裕で撃破していくのが面白すぎた。今度こそカリンお嬢様危なくない!?いや危なくなかった!!!の連続で情緒が忙しい。いや、なんで???弱点とは???(いつから初見やソロや近接がカリンお嬢様の弱点になりうると錯覚していた?)

相変わらずただただ当然のこととして無双するカリンお嬢様&ただただ驚き要員と化すコメント欄の掛け合いが面白すぎるんですけど、今回は完全にただのカリン限界オタクと化した光姫の限界オタク実況が加わっていた上に、途中からは慌てふためくブラックタイガーの悲鳴も加わりいつもの三倍テンション高かった気がします。1巻から基本的にやってることは変わらないのに飽きずに面白いの、いろいろな意味で凄いんだよなあ。

定期的にカリンお嬢様の自然な持ち上げによって再起不能になる光姫様面白すぎるし、徐々に大きくなるブラックタイガーの悲鳴で飯がウマい。そして物語は潔白を証明するための深層攻略から、ついでのオマケで深淵攻略に突入。まだまだブラックタイガーの悲鳴が聞けるのか……次巻も楽しみです!!

ところで武器の名前がかっこよすぎると思ったら、もちもちたまご先生が人知れず世界救ってるの大草原だった。というかそれを察知して根回しした真冬が人知れず世界を救ってた……。

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社畜剣聖、配信者になる〜ブラックギルド会社員、うっかり会社用回線でS級モンスターを相手に無双するところを全国配信してしまう〜 1

 

元ブラック社員、無双&配信生活始めます。
「就職こそ、人生の墓場だ……」ため息をつきながら、今日も仕事でダンジョンに挑むブラックギルド所属のサラリーマン、田中誠。ある日、業務記録用の配信設定を誤り、ダンジョン攻略の様子を全国配信してしまう。〈タイラントドラゴンが一撃!? 〈現代に剣聖現る 常識外れの実力を披露する田中の姿に、配信はお祭り状態に!?「ど、同接1億人……!?」図らずも超絶人気配信者になった田中は、ブラック職場を辞めて配信者として独立することになり――「――さあ、業務(しごと)の時間だ」元社畜のダンジョン配信ライフ、開幕!

ブラック企業もといブラックギルドの社畜をやっている主人公・田中誠は、業務記録用のダンジョン探索中の動画を誤って一般公開で生配信してしまう。ダンジョンの深層を一人で攻略出来る実力と華麗な体捌きで配信は同接続1億超えの大バズ。無事にギルドを辞め、個人配信者に転身し、「社畜剣聖(シャチケン)」と呼ばれるようになった彼の運命は……!?

元・ブラック社畜設定の使い勝手良すぎる

圧倒的なスキルの数々はブラック社畜としてこき使われて生き延びるために身に付けざるをえなかったから、超絶的な戦闘力を持ってもなおブラック社畜として働き続けていたのは上司から転身先がないぞとブラック的な方向に洗脳されていたせい、セリフが無駄にかっこいいのはこうでもしないと「業務」のモチベが上げられなかったから……普通に読んだら違和感を感じそうな設定を全て「元・ブラック社畜だからしょうがないよね」でゴリ押ししていくのがあまりにも上手かった。ブラック社畜設定便利すぎるし、ブラックギルドが本当にブラックすぎるので配信事故から始まる退職RTAが気持ち良すぎるし、ともすれば使い捨てになりそうな元・社畜設定が終盤に至るまで生きてるの推せる。

そしてあとはひたすら気持ち良いを通り越してギャグに成り果てたレベルの俺TUEEが読めるのも大変良かった。いくらなんでも同時視聴者数がおかしいんじゃない!?(※初手生配信同接一億突破)というツッコミを一瞬入れたくなるけど、ダンジョン配信物なら現代の数字を当てはめるのがそもそもおかしいよなきっとそうだ。あと本当にこのジャンルは配信物との相性が良いなと改めて思いました。コメント欄のツッコミがテンポよくて好きすぎる。

いわゆる「総愛され」でも元ブラック社畜なら仕方ない

ラブコメ的には幼馴染ポジションの天月、退職後の初配信で運命的な出会い(?)を果たした配信者仲間の星乃、可愛い後輩ポジションの凛……とヒロイン引く手あまた。無茶苦茶な無双っぷりに自作自演を疑う視聴者の姿も見え隠れしなくはないですがむしろ色々と重たすぎる感情を向けているリスナーのほうが多そうで、最初の最初から主人公の「総愛され」っぷりが凄い。

ブラック社畜時代にプライドを粉々にされているから……という理由でヒロインたちの好意に全く気付けないシャチケンですが、それならそれでヒロインたちも「それなら実力行使で」と無理やりわからせていくの良かったです。ちゃんと好きを言えるヒロイン達なのなんというか令和だな〜。さりげなく重婚可能な世界観設定であることも明かされていてこれハーレムルートまっしぐらなのか?いやでもシャチケンならハーレムでもしょうがないよね……こんなにかっこいいんだもの……。

個人的には親身になって主人公の退職後をサポートしてくれる親友の足立が美味しかったので今後の活躍にも期待。ブラックギルドの社長・須田を含めた男子3人の幼馴染関係の話もうちょっと読みたかった。


ところでこちらの作品を知ったきっかけはコミカライズからなんですが、このコミカライズもめちゃくちゃ良いのでおすすめしたい。シャチケンから立ち上るくたびれたサラリーマン感がとても良いし、あと配信物ラノベのコミカライズでこれだけ本編でガシガシアクション入れまくりながら同時にこの物量のコメント欄を分離せずに本編に入れ込んできてるのめちゃくちゃすごい…………。
「社畜剣聖、配信者になる ~ブラックギルド会社員、うっかり会社用回線でS級モンスターを相手に無双するところを全国配信してしまう~(コミック)(1) (ガンガンコミックスUP!)」
熊乃げん骨(著), タジマ粒子(著), 上山ジョジョ(著)
スクウェア・エニックス
発行:2024-12-06T00:00:01Z

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配信に致命的に向いていない女の子が迷宮で黙々と人助けする配信

 

コミュニケーションは苦手、でも最強な配信者「日療の白石さん」とは――
魔物を瞬殺し、颯爽と人助けして、名乗りもせず去っていく、いまダンジョン配信で最も話題な配信者、「日療の白石さん」。彼女が全然喋らないワケは――ただコミュ力が低いだけ!? 迷宮探索者=配信者な世界において、大手医療法人に所属し国内初の迷宮救命士となった白石。アイドル配信者や大手配信者を黙々と救助しながらマイペースに配信を続けていたところ、とある事件から配信がバズり……。 喋ればポンコツ、黙れば最強、やりたいことは人助け。自己紹介すらたどたどしい人見知り少女が、人助けしながら成長するダンジョン配信ファンタジー!

人と喋るのが苦手だが、迷宮探索中の映像記録公開が義務付けられているせいでほぼ無言で配信を行っている女の子。少数の常連リスナーのコメントを尻目に淡々と迷宮配信を行っていた彼女だが、探索中にとある人気配信者を救助したことをきっかけに水面下で注目が集まることに。そんな中、「とある組織」から目をつけられて……!?

リスナーのコメントなしでは成立しない、独特の空気感が心地よかった

喋るのが苦手で考えていることの1割も言葉にできない主人公の地の文(内心ではそこそこ喋る)と、それを当然と受け止めてたまにやってくる新規リスナーやバズった後に大量に発生した一見さんに勝手知ったるで解説したり説明したりする常連リスナー達のコメントの二人三脚で進んでいく物語がとにかく面白かった。配信ものとは思えないほど主人公自身の「喋り」がないんだけど、リスナー視点が加わることで初めて成立する物語になってる辺りはどうしようもなく「配信モノ」なんですよね。配信者側もリスナー側も互いにリアクションを求めてない、気のおけない空気感が心地よかったです。

そして配信の二人三脚ぶりと同じように、ダンジョン探索も戦闘も救助も一人で出来ちゃうような全方面に強い力を持つ主人公が一人で黙々と探索するお話でありながら周囲の助け無しには成立しない物語になっているのも興味深い。挫けそうになった時にリスナーたちが励ましてくれて、後半からは主人公をサポートするオペレーターやマネージャーの助け、そして自分が救い出した配信者の助力……強い主人公が「ひとり」で戦う話でありながら、「決して彼女を一人にしない」という周囲の存在がすごく心強かった。ともすればひとりで突っ走って無茶してしまいそうな主人公を良しとせず、オペレーター側は「彼女を英雄にしないために最大限サポートする」、主人公側は「(周囲に心配をかけないように)当たり前のように人を助けられるように強くなる」と決意表明していく展開がアツい。いや主人公のほうそうじゃない。

この娘、本当に配信に向いていない……!!

タイトルやあらすじからして確かに「配信に致命的に向いてない」「黙々と人助けする配信」って書いてあるんだけど、コミュニケーションが苦手すぎて主人公の名前がわからないまま物語が途中まで進むの強すぎて笑ってしまった。こういう配信者だから敢えて名乗ってないのかも……と思っていたら実は主人公の方も途中から名乗るタイミングが計れなくて四苦八苦してる。これ本当に配信者に向いてないやつだーー!?

トドメに終盤、所属することになった日療での「お仕事」で状況を確認するために担当オペレーターと電話繋ぎっぱなしにして探索続ける……ってなったところで明らかに主人公の挙動がおかしくなるの、通話苦手民あるあるすぎて笑えないけど笑ってしまう。電話の向こうにいる相手のない視線を感じて緊張して作業が進まないやつだ……コミュ障感がリアルだ……。

戦わせれば最強でもコミュニケーションは最底辺!!というギャップが大変可愛く、どこかほんわか暖かく見守れる配信(※ただしグロに対する配慮はありません)感、ひとりでありながら他人の存在を濃厚に感じる空気感がとにかく心地よかったです。1巻で綺麗にまとまっている物語ではあるけど、またこのお話の続きがどこかで読めるといいな。

ところで「日療の白石さん」って言われると「生協の白石さん」を思い出すよね(インターネット老人会)

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いまだVtuberに疎いオタクがオススメするVtuberラノベ13選

「キミラノ」が7月15日にサービス終了とのことで、キミラノでまとめていた記事をサルベージしてきました。2023年に作成した「Vtuber観てないオタクがVtuberラノベを読んでまとめてみたよ」というまとめに、キミラノで取り扱いのなかったタイトルや最近読んで面白かったタイトルをいくつか足して作成しています。まとめ直すにあたり主人公や視点ごとにまとめ直して、紹介する順番を変更したりしています(基本的に内容の変更はしていません)。

2023年1月の時点ではVtuberラノベのほぼ全部を漁れていたと思うのですが、このあと一気にVtuberラノベブームが来て追いきれなくなりました。ちなみにVtuberは2025年になったいまでもほとんど実物の配信を見たこと無いのでタイトル詐欺はしていない。長尺生放送多いのもあって最後まで見れたこと無いんだよな……ちょっと前のにじさんじとSideMの企画コラボとライブを見たくらいです。

ちなみにこちらのまとめですが「激推しラノベまとめ賞」という企画向けに作成したもので、こちらの企画で第3位、カクヨム運営チーム様から下記のような選評をいただきました。こういう企画で賞をいただいたのは初めてだったのでめちゃくちゃ嬉しかったです。ありがとうございました!!(問題があるようなら消します)

「Vtuber観ないしな…」と離れかけた人の心をもグッとつかむタイトルで、各コメントの冒頭に作品を読み解くキーワードを列記しているのが目を惹きました。「どんな人におすすめか」が一目でわかる工夫が素晴らしい。フランクな口調ながら作品のコアにある要素を鋭く押さえて解説していると感じ、強く推薦いたしました。

「カクヨム」運営チーム


女性V主役

七斗七「VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」→感想
【V視点】【Vtuber楽しい】【会話劇】【コメディ】【百合】
冴えない企業Vtuberをしていた主人公が事故配信を切っ掛けに成り上がっていくVtuber系コメディ。コメント欄との軽快なやりとりには往年の2chまとめを読んでいるような楽しさがあり、少し前に流行った会話劇主体のコメディの血脈を感じます。アンチの霊圧が殆ど無い優しい世界観で、主人公のMCとしての成長や女性Vtuber達のわちゃわちゃが楽しめるのも魅力の一つ。なるほどこれが「てぇてぇ」という感情か……。直近の巻では百合カップルが正式に成立したのでそういうのが好きな層にもおすすめです。
石川博品「ボクは再生数、ボクは死」→感想
【V視点】【エロス&バイオレンス】【百合ハーレム】【バディ】【だが男だ】
広大なVR空間を舞台に、バーチャル美少女のアバターに身を包んだサラリーマンの主人公が同僚女性を巻き込んで推しの風俗嬢に貢ぐために危険な配信に手を染める。男である主人公が人気デザイナーが手掛けた一点ものの美少女アバターで配信者的にも性的にも無双していく展開がクレイジーでとにかく面白いし、百合ハーレム化していく中で同僚女性との肉体を介さないバディ関係が浮き上がってくるのも良かった。本編から打って変わってプラトニックでロマンチックなラストが印象的。タイトル伏線回収がまた胸に来る。
せひらあやみ「異世界召喚されたVチューバーですが、皆様コメントで助けてください!」→感想
【V視点】【異世界転移】【ファンタジー】【ゲスコット】
兄がやっていたVtuberのガワで異世界に飛ばされてしまった主人公がクソみてえなマスコットや信用できない異世界人やラブコメの気配を察知すると低評価かましてくるリスナー達に囲まれて頭を抱えながらもリスナーの応援を力に変えて異世界の脅威と戦う(無理ゲー)。コバルトから出てるのにイケメンとイチャイチャしたら低評価とか無理ゲーすぎる。あまりにも基本設定が無理ゲーすぎたのでどう乗り越えてくるのか気になりすぎてどうしても続きが読みたかったのですが続きが出なかったのでかなしい。

男性V主役

とくめい「アラサーがVTuberになった話。」→感想
【V視点】【お仕事ラノベ】【コメディ】【炎上】【兄妹】
デビュー以来炎上しっぱなしの男性Vtuberの主人公が「前職(ブラック企業勤務)よりマシ」と強烈なストレス耐性を発揮してなんだかんだで楽しく活動していくお話。元々はVtuberに興味がなかった主人公が妹の勧めで企業に応募……という「お仕事モノ」としての一面が強めの作品で、才能があるとはいえないけど本人はそれなりに楽しくやっている…という感じが良かった。あと何気に相思相愛みの強い兄妹関係が大変美味しゅうございました。隙あらば配信で妹自慢はじめる兄可愛いし、匿名掲示板で慣れない工作する妹ちゃん可愛いかよ。
烏丸英「Vtuberってめんどくせえ!」→感想
【V視点】【炎上】【ネットの闇】【家族関係】
女性だらけのVtuber企業からデビューして炎上する主人公が、自分をコラボに誘ってくれた同期の女性Vtuberが巻き込まれたトラブルを解決するために奔走する物語。「炎上」というネットの闇の理不尽さ・ままならなさを余すことなく描きながら、それに必死に立ち向かうヒロインと、その炎を覆すために立ち上がって敵地へと赴く主人公の姿が描かれていくのがアツかった。家族関係で似たような「傷」を持つ二人の関係性も良かったです。ところでこれは軽くネタバレなんですが主人公にガチ恋男性ファン出来るの笑った。いやでもこれ絶対に「男が好きな男」なんだよな…。
芦屋六月「妹の好きなVtuberが実は俺だなんて言えない」→感想
【V視点】【オタク視点】【学園ラブコメ】【兄妹】
久しぶりに再会した妹が自分の演じている男性Vtuberのガチ恋ファンになってしまっていた。正体を隠して接していたら、彼女のオタ活につきあわされる羽目に……というお話。Vtuberモノというよりは兄妹モノ&ラブコメ(妹以外のヒロインが出ます)としての要素が強め。作業BGVとしての配信需要が高いという設定に納得。とにかく妹ちゃんの拗らせオタクっぷりが凄まじく、そんな彼女の夢を壊さないために奔走する兄の姿が微笑ましい。いやこれ声でバレない?というツッコミをしてはいけない。親友(男)がママという設定はもっと推して行って欲しかったな。
犬童灰舎「やさぐれ執事Vtuberとネガティブポンコツ令嬢Vtuberの虚実混在な配信生活」→感想
【V視点】【アーティスト】【Vtuberユニット】
全員がなんらかのかたちで夢破れてVtuberに転身したという過去を持つ異色のVtuberユニットを描く物語。とにかく全員が芸術家肌かつ自身のやりたいことに対して覚悟ガンギマリなのが印象的で、そんな彼らが現実と虚構の狭間で揺れ動きながらそれぞれ独自の世界を切り開きつつ、共にひとつの「物語」を形作っていく姿が心地よかったです。それぞれの強みを活かした配信内容も含めて、良い意味で他のVtuberモノにはない味わいの作品。

ファン(オタク)視点

朝依しると「VTuberのエンディング、買い取ります。」→感想
【オタク視点】【女性V】【炎上】【推し活】【ダークヒーロー】
炎上によって「推し」のVtuberを亡くした主人公が光のトップオタから闇の炎上ブロガーへと転身。そんな彼の元にVtuberを炎上させて欲しいという依頼がやってくる…というお話。炎上によってVtuberやVtuberオタクを救済するダークヒーローモノ的な一面も印象的でしたが、それ以上に炎上によって推しを喪った主人公を含めたオタク達の「推し心のあとしまつ」的な展開が胸に沁みました。推しの炎上、対岸の火事ではないからね……。Vtuberモノとしても面白かったですが、「推し」を持つ全てのオタクに読んで欲しい(クソデカ主語)
塗田一帆「鈴波アミを待っています」→感想
【オタク視点】【女性V】【推し活】【VR空間】
1周年記念を前に突如として失踪してしまったVtuberのファン達が生放送の待機所で過去の配信を振り返りながら配信を待ち続けるお話。ファン目線から鈴波アミの1年間の足跡が輝かしく語られる前半、待機所が炎上してコミュニティが崩壊し、現実を受け入れられない主人公が醜く迷走し堕ちていく中盤、そんな彼が地獄の底から這い上がって最後に一瞬だけ推しを輝かせていくラスト……場面ごとにいろどりを変えていく物語がとても美しかったです。
小路燦「VTuberのマイクに転身したら、推しが借金まみれのクズだった」→感想
【オタク視点】【女性V】【Vtuber楽しい】【コメディ】【憑依】
推しVtuber(バイト先の同僚女性)のマイクに乗り移ってしまった主人公が意図的に配信事故を起こして彼女の「素」を晒してしまう。そのキャラクターがウケて一気にスター街道を成り上がり…というお話。とにかくVtuber「加々宮エリン」の個性が只事ではなく、アンチまでも完全に捌き切ってしまうトークスキルが半端ない。そんなダイヤモンドの原石でありながら肝心なところで実力を発揮しきれていなかった彼女をあるときはリアルの同僚としてそれとなく、あるときはマイクとして半ば強引に「舵取り」していく主人公の存在が面白かった。

クリエイター視点

黒鍵繭「Vのガワの裏ガワ」→感想
【クリエイター視点】【女性V】【学園】【青春】
商業絵師として活躍する高校生の主人公が、同級生の美少女からVtuberのガワをデザインしてほしい…と依頼されるところから始まるクリエイターとワケアリ新人Vtuberの物語。モデリングの出来る同級生やVtuberをしている隣人を巻き込み、プロジェクトチームとしてひとりのVtuberをプロデュースしていく前半、彼女がVtuberになった「理由」と主人公の過去に切り込んでいくシリアスな後半、どちらも良かった。Vtuberというよりはタイトル通り「Vのウラ」=クリエイターもの・青春学園ラノベとしての一面が強いかも。
下垣「自作3Dモデルを売るためにサキュバスメイドVtuberになってみた」→感想
【クリエイター視点】【V視点】【だが男だ】
自身の作った3Dモデルを販売するためにVtuberをはじめたら、ガワが売れないままガワばかりウケてしまうというお話。クリエイターとして売れたいのにVtuberとしてどんどん成功してしまう主人公のジレンマが印象的で、Vtuberモノとしても面白かったけどそれ以上にクリエイターものとして良かった。ネットのつながりの中にじんわりとリアルの繋がりも絡んでくるのが面白かったです。
田口仙年堂「きみがVtuberになるまで」
【クリエイター視点?】【青春ラブコメ】【一方通行】
自作Vtuberの動画を撮ってラブレターとして送りたい女の子と、彼女の事が好きなのに動画レター作りに協力することになってしまった主人公が繰り広げる一方通行気味な青春ラブコメ。読んでいると自分もVtuberできるかも?という気持ちになれてしまう前半の解説部分にワクワクした後やってくる、甘酸っぱいラストが大変可愛いお話でした。短編を単品買い出来て気軽に読めてしまうので気になったら読んでみてほしい。

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地獄銭湯 〜Chilla's Art ノベライズ集2〜

 
 
原作
Chilla's Art

大人気インディーホラーゲームメーカー、ノベライズ第2弾!
天涯孤独の身のまいなは、かつて世話になった施設からの紹介で、小さな田舎町の銭湯で働くことになった。だがオーナーに宛がわれたアパートはおんぼろで、銭湯に訪れる客も一筋縄ではいかない者ばかり。しかも謎めいた男の子から「このお風呂の家には幽霊がいるから気をつけてね……」と奇妙なことを言われてしまう。確かにこの銭湯はおかしい。誰もいないはずの浴場に響く不気味な声。忽然と消える客。鏡には見知らぬ女の姿が浮かび、湯船の底を何かが這いずる……。次々と起こる不気味な出来事に怯え続けるまいなの身に、さらに想像を絶する悪夢が迫ろうとしていた。果たしてまいなを狙う者の正体とは? やがて銭湯に隠されたおぞましい過去が明らかになった時、まいなは自身に秘められた真実を知ることになる――。田舎の銭湯での因縁を解き明かす表題作『地獄銭湯』ほか、『行方不明』『事故物件』『例外配達』『ヒトカラ』の計五編を収録!

インディホラーゲームメーカー「チラズアート」さんの人気ゲーム5作品ををノベライズした短編集第二弾。前巻の感想で「『地獄銭湯』とか読みたいな〜〜」といってたら表題作になっててひゃっほうしましたやったね!

船橋三兄弟ついに揃ってしまったか……。

前巻の「夜勤事件」から引き続き、原作ゲームの展開を知ってても普通に怖くて面白かった。ゲームだけだと分かりづらい部分、語られることのない登場人物たちの心象描写などを中心に描かれていくのが良いですね。

個人的にホラーとして一番楽しんで読んだのは『事故物件』で、幼馴染家族が巻き込まれた理不尽な怪奇現象を追ううちに主人公自身も同じ怪異に巻き込まれて少しずつ正気を蝕まれていく恐怖、これ以上進んではいけないと思っていてもなにかにせかされるように先に進んでしまう恐ろしさ、そして後味の悪いラストも含めてとても良かったです。主人公が助かった理由がちゃんと明示されてるのポイント高い。

とある事件をきっかけにイジメ専門の探偵になった主人公がとある村の少女達が巻き込まれた失踪事件を追う『行方不明』、配達員をしている主人公が配達に行ったマンションで怪異に巻き込まれ、その裏にあった事件の真相にたどり着いてしまう『例外配達』はホラー仕立てな味もありつつ普通にひとこわヒューマンドラマな感じでとても楽しく読みました。特に行方不明、主人公の亡くなった息子である匠まわりの展開がちょっと追加されていて普通に泣ける話になっている……あと主人公のバディ的な役割で登場する船橋次男のキャラが次男感強くて地味に良い。「夜勤事件」に出てくる船橋長兄はちょっと反省したほうがいい。

『ヒトカラ』は分岐ルートであることを活かした展開〜とあとがきで書かれていたけど、個人的には要所要所で分岐ルートが入ってくるせいでストーリーに没入しづらく、あまり好みではなかったかも。確かにメインのルートだと犯人のやってた事がイマイチわからないまま終わる気がするし、かといってルートによってはホラーにならずに終わったりするので難しい話ではあると思うのですが……。

表題作である『地獄銭湯』は去年発売されたリメイク版をベースにしたストーリー。改めてみるとこのゲームに出てくるお客さんの変人度凄いな。『閉店事件』にも変な客いっぱいいたけどこっちは本当にヤバい客しかいない。変な客が登場するたびに最初に提示された禁止事項を読んで「こんなの守らない人めったに居ないでしょ」って思ってた主人公のことを思い出してしまい、なんともいえない気持ちになる。

原作ゲーム(リメイク版)のほう割と実況動画とか見てても長尺になりがちで、ミニゲームもいろいろはいっているのでその辺は抑えめにノベライズしてくれるのかなり嬉しかった。というかゲームだと突然発生する理不尽ミニゲームみたいなのがしっかりストーリーの中に組み込まれてるの凄い。オリジナル版とリメイク版で結構設定自体が変わってたよな、あちらのほうが謎が多かったよなオリジナル版の方ベースでも読みたかったな……と思ってあらためて考察とか読み漁ってたんだけど、「まいな」と「えれな」の扱いとか大きく変わった部分もあるけど、基本的にはほぼほぼ変わってない感じっぽい?

オリジナル版はバグの関係でもう実況動画とかで見直すしか手段が無いんですね(そういやそんな話をリメイク版の実況動画でみた記憶あるけどあんまりちゃんと聞いてなかった)。アレがきっかけでホラーゲーム実況見始めたので、久しぶりに見に行ってみたいな。

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