ロクでなし魔術講師と追想日誌 8 | 今日もだらだら、読書日記。

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ロクでなし魔術講師と追想日誌 8

 

初めて会ったその人は震える程に恐ろしく、本当に優しい人だった
フェジテのみんなが不在のなかで、グレンの家にルミアが住み込み!? まるで新婚夫婦な2人きりの生活に、ドキドキが止まらないルミア。そして思い出す。初めてグレンと出会った、3年前のあの日のことをーー

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特務分室の栄光を描く前巻の短編集の直後にこの「狩られる側から見た特務分室時代の冷酷な魔術師殺し・グレンの話」入れるのマジで温度差がすごい。ラブコメからちょっといい話まで、今回もバラエティに飛んでいて楽しい短編集でした。

グレンとハーレイ先輩をもっとセット売りしろ

どの話もすごく良かったんですけど、グレンが馴染みの店からの依頼で幻のキノコ「ゴルデンピルツ」を探すハーレイの案内人をする『キノコ狩りの黙示録』が最高に良かった。システィーナ達を巻き込んで、醜いキノコ争奪戦と化していくのが最高にカオスだし、一触即発どころか最初から最後まで喧嘩しっぱなしのふたりの様子がめちゃくちゃに面白かった。仲悪すぎ通り越して仲良すぎか!?

そして、そんな犬猿の仲のふたりが共通の目的を理由に手を組んだら最強の相方に……って普通に大好きな奴なんですが!!???いやほんと、このふたりにここまでのポテンシャルが秘められているとは思いもしませんでしたよね……ハーレイ先輩、バトルの時は割と後方で生徒たちを護りつつ戦ってること多いから、最前線で問題の解決に勤しむグレンと手を組むこと、殆どないもんな。もっとこのふたりセット売りして欲しい(グレンにはアルベルトという最強の相方がいるし本編で組ませるのには限界があるかもしれないけど)

システィーナの「趣味・小説」の設定、本編ではこれが初出か〜!

趣味で小説を書いているシスティーナがひょんなことから自作の主人公と同じ名前の女性・ミスティナと出会い、彼女に小説の続きを見せることになってしまう短編『貴方に捧ぐ物語』も良かった。はじめてのファンに舞い上がり、読者の意見を意識しすぎて本来書く予定だった結末を捻じ曲げてしまうシスティーナがミスティナの本当の気持ちと家の事情を知り、彼女に自分のような後悔をさせたくないと奔走する姿が印象的でした。

ここで今回の件とは全く関係ないのにミスティナを救うために手を貸してくれるグレン先生がめちゃくちゃ教師してるし、どこまでもシスティーナの思い描いた「ヒーロー」そのものなんですけど、それだけにシスティーナの書いてる小説の内容がほぼグレン×自分の事実をベースにした妄想恋愛小説だったり、その小説の「取材」と称してグレンに催眠術を掛けてイチャイチャしようとするシスティーナのやらかしぶりが輝いちゃってますよね。いやあ恋する乙女はバカだなぁ〜〜!!(褒めてる)

グレンとルミア、初めての出逢い

書き下ろしの過去編『再び出会うその日まで』は3年前、まだフィーベル家になじめていなかったルミアが特務分室時代のグレンに助けられたときのお話。このエピソード、原作初期から開示されてはいましたが……思った以上に血なまぐさい話だ!!というか前の短編集であれだけ特務分室時代の光のようなエピソードをやっておいて、今回は打って変わって外道魔術師達の視点から特務分室の冷酷無比な魔術師殺し、《愚者》グレン=レーダスが任務で敵を殺しまくるエピソード出してくるの温度差がすごくて風邪引く。それにしてもどう考えても助かる余地のない状況から帰還してくる特務分室時代のグレン、異能生存体系の異能持ってそうだよなあ……。

母アリシアの真意を知らぬまま親子の縁を切られてフィーベル家に居候することになり、なかば自暴自棄になっていたルミア。システィーナと間違えられて誘拐されてしまった彼女が「どういう訳か」子供の誘拐事件なんかに駆り出された特務分室時代のグレンと出会い、冷酷な殺し屋という前情報とは違いすぎるグレンの優しすぎる本心と葛藤に触れて本来の優しさを取り戻し、母子の縁を切られる原因となった自らの異能とも折り合いを付ける…という展開がとても良かったです。ラストシーンで改めて第一巻のいちばん最初、ルミアがグレンと“再会”するエピソードがルミア視点で描かれるという構成がまた実にニクくて、ホロリとしてしまう。

ただ、彼女が本来の自分を取り戻すきっかけはグレンの言葉であったけれど、ルミアが再び人間を信じることが出来るようになったのは自分を本当の「家族」として受け入れてくれたフィーベル親子の存在が物凄く大きいんですよね。ルミア→グレンへの思いの強さを改めて感じるのと同時に、彼女がシスティーナやフィーベル家の人々をどれだけ大切に思っているか、その一端が覗けるエピソードでありました。しかしわがまま放題でシスティーナのことが大嫌いだったルミア、何度言われても全く想像できないな……。

ところで、この話を読んだ上で改めてこの巻の最初に収録されているセリカ&システィーナ&リィエル不在の隙にグレンの家で押しかけ女房するルミアが描かれるエピソード『もしもいつかの結婚生活』を読むと、別の意味でニヤニヤできてしまいますね。女王としての権限を利用して軽率に娘の恋路をゴリ押ししようとするルミア母・アリシアに振り回されるルミアの姿を見ていると本当に和解出来てよかったね、という気持ちに……。

いつもとは違う環境に舞い上がってやたらと大胆になってしまうルミアも微笑ましかったですが、合間に襲来してテンプレすぎる安いツンデレとメシマズを振りまくイヴ=サンも最高でした。システィーナさんマジでグレン×自分の妄想恋愛小説書いてる場合ではない。

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