サイコパス妹に愛されて死んでも逃げられない
妹に愛されすぎて、自宅に5年間監禁されていた主人公。命からがら逃げ出し、トラックに引かれて死ぬことで妹から逃げられた…と思ったのもつかの間、妹も同じ異世界に転生していた。転生する際に神的な存在からチート能力を与えられた彼は、今生こそ妹の魔手から逃れて平穏な毎日を送るため、神から与えられた能力を磨き、大切な家族を守って生きていくことを決意する──のだが。もうひたすら妹が怖い。序盤で前世で妹に監禁されてた時のエピソードが語られるんですが普通に「周囲を傷つけることで相手の心を縛る」タイプのサイコパスだし、妹がどうして兄の事をそんなに愛してしまったのかわからないのもまた得体が知れなくて怖い。たしかに「ヤンデレというよりホラー」という感想を見て手に取ったんですけど思った以上にガチのサイコホラーだ!!!!
そんな妹の狂愛を振り切って逃げ出そうとして、妹もろともトラックに跳ねられて死んだ兄。そこまでしたのに妹と同じ異世界に転生してしまったと知ってしまうの恐怖しかない。しかも「ジャック」として異世界に生まれていくらもしないうちに前世の「妹」から襲撃を受ける羽目になってマジで赤ん坊になっても安心できないのどういうこと!?頭脳だけは大人だが身体的には歩行もできない口も聞けない乳児に与えられるにしては試練が重すぎて絶句。展開にスピード感がありすぎる。
サイコパス妹が怖すぎてどんな桃色展開も怖く見えてしまう件
なんとかかんとか襲撃してきた妹を殺して割とラブコメ要素が強い「少年期編」が始まるわけなんですけど、ぶっちゃけ読者にはシステムはよくわからんけど妹が死んだけど死んでない(???)ことが提示されているので作中で何をやってても普通に怖いのだった。どんなラブコメが始まってもラッキースケベハプニングが起きてもどっかに妹が混ざってるのかもと思うと「ジャックー!!逃げて逃げてーー!!」という気持ちにしかなれないので怖い。しかもそこから妹の脅威が表面化したわけでもないのに子供の生命と身体を弄ぶ非情な盗賊団に誘拐されて危うく盗賊たちのダーツの肉的にされかけるのマジで人生がハードモードすぎるんですけど!?ラブコメしてたのが悪いのか。そうなのかな。そういうサイコホラー展開は置いておいて、未知の能力を使う盗賊団の首領・ヴィッキーとの戦いは能力バトルものとして滅茶苦茶面白かったです。剣と魔法のファンタジー世界なんですけど、72柱の精霊からそれぞれ別個の能力を与えられた使い手達の戦い、という点でむしろ能力バトルモノっぽいんですよね。相手の能力の正体を暴き、それでも戦いの経験や覚悟のキメ方で一手上を行く彼女を子供二人があの手この手で翻弄していく展開は最高にアツかった。
サイコパス妹が用意周到すぎて一刻も早く続きを出してほしい…。
妹の正体がわからないまま終わったのがひたすら怖かったです。ジャックの前に現れた巨乳エルフ師匠のラケル、そして共にラケルの弟子になった幼馴染の少女・フィル。妹の能力が未知数な事を考えるとフィルや巨乳エルフ師匠の中の人が妹だって何の不思議もないし、今回の事件の顛末を踏まえるとまだ出てきてない誰かなのかもしれない。誰が妹なのか誰が妹じゃないのかマジでわからないので展開が読めない。怖い。このままだとおちおち夜も眠れないのでなんとしても2巻を出してほしい。
いやほんと妹の正体が判明するまでは絶対に続けてくれ…。
しかしこの妹、一度や二度殺したくらいではなんともならなそうだぞ…!?
余談ですけどこれ好きな人はたぶん「異常者の愛」好きだと思うので未読なら読んでほしい。