ページ 32 | 今日もだらだら、読書日記。

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ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん [Disc 2]

 

現実世界のゲーム実況が神々の声として聞こえるようになったジーク。神託を通じ婚約者リーゼロッテが“ツンデレ”だと知った彼は、その可愛さに悶え、誓った。―彼女の命を奪う元凶“古の魔女”を許さない。しかしその討伐のため、神託に従い国の最高戦力を集めたはいいが、婚約者本人まで戦う気満々なのはなぜなんだ…?遂にバッドエンドの黒幕と直接対決!ゲーム実況が導く先に不遇な悪役令嬢のハッピーエンドは訪れるのか…!? (「BOOK」データベースより)

ゲームを通して乙女ゲームの世界に「声」を届けられるようになった高校生の男女が「実況」と「解説」を駆使して誰も見たことがない完全ハッピーエンドを目指す物語、完結編。いよいよジークとリーゼロッテが両想いになり、破滅フラグも回避──と思ったのもつかの間、ゲームの展開通りに“古の魔女”がリーゼロッテの意識を蝕みはじめ……というお話。

魔女との最終決戦に対抗するため、未登場の「攻略キャラ」達に助力を求める展開〜まではいいんだけど、もともとフィーネが何故かムキムキ状態でそれに引きずられて周囲の面々のレベルも上がっており、更に遠藤のアドバイスによってゲームにはない戦力も加わってきてオーバーキル感が半端ない。ゲームでのフラグを立てていないので助力を求めるのが難しいかと思われていたキャラが思いもよらぬ人物によって懐柔されたり……と、ゲームでは見えなかった人物関係が見えてくるのも楽しい。

本来のゲーム展開では孤立してしまっていたリーゼロッテを救うため、これだけの人たちが力を尽くしてくれることが感慨深かった。遠藤・小林の言葉がすれ違ってしまっていた二人の関係を解きほぐしたからこそ迎えることが出来た結末。ただ萌え語りをしているようで、それがきっかけでイチャイチャしているだけのようで、その「実況」と「解説」こそがリーゼロッテの破滅する運命を打開する鍵としてしっかり働いているのが上手いなあと。それにしてもこんなに戦力がオーバーキルキルで最終決戦の見せ場は大丈夫!?と思っていたら、まさかの土下座系女神登場で腹抱えて笑ってしまった。いやでも、ゲーム世界の本来の流れとか踏まえて、色々とこれまでのことぜんぶが神代から続く壮大な痴話喧嘩だったんだと思うとワロエナイな……。

そして思わぬ展開から最終決戦は現実世界で行われることに。最後の最後ですれ違ってしまい窮地に陥る遠藤・小林の両名を救ったのが「向こうの世界」からの「実況」と「解説」だったもんだからもう…!!恋愛に疎い両名の、指摘されてみれば笑っちゃうようなすれ違いっぷりにニヤニヤし、こちらが恥ずかしくなるくらいの真っ直ぐな告白に胸を熱くしてしまう。ジークとリゼたんのようなイチャイチャとはまたちがった、少しずつ距離を縮めていく遠藤と小林の関係が大変に甘酸っぱかったです。

最後までゲームの画面を隔てたままの語らいが最高に楽しく、そしてだからこそ避けることができない「ゲームクリア」と言う名の別離に涙してしまった。そして、そこからのエピローグが楽しくて……!!2巻で綺麗にまとまってるのも大変にポイント高かったです。楽しかった……。

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ロクでなし魔術講師と禁忌教典15

 

「なんで!俺が!こいつらの総監督を務めにゃならんのよ!?」帝国代表選抜会を終え、いよいよ迫る魔術祭典。何の因果か、総監督を務めることになったグレン。メイン・ウィザードを勝ち取ったシスティーナと訪れたのは自由都市ミラーノ!平和の祭典に相応しい地に足を踏み入れた帝国代表は、かつてない大舞台で各国代表と激突する!一方、この祭典を台無しにし、戦争をもたらそうとする刺客に気付いたグレンは、教え子たちの思いを守るため、自身も戦いに乗り出して…「へっ!裏魔術祭典・大開催!ってわけだな」天使と吸血鬼。芸術の都に高らかに悲劇の歌声は響く―。(「BOOK」データベースより)

無事に魔術祭典のメインウィザードに選ばれたシスティーナと、アルザーノ代表の総監督に抜擢されたグレン。学生たちが華やかな闘いを繰り広げる平和の祭典の裏では、戦争を起こそうとする派閥の陰謀が渦巻いていて…。システィーナ達の成長を感じさせる魔術祭典本戦の様子と、水面下で蠢く陰謀をグレン達が阻止する裏の戦い、両面から描かれるそれぞれの駆け引きが楽しかった!

学友達と比べると突出してるけどグレン達の戦いに入れてしまうと(ぶっちぎりの速度で成長を続けているとはいえ)背伸び感が否めなかった、これまで色んな意味で相手に恵まれなかったシスティーナが自分と同格かそれ以上の他国の少年少女達と全力で凌ぎを削り合う様子にワクワクが止まらない。窮地に陥っても冷静な判断をして、自分で抱え込むだけではなく仲間を、そして外で奔走するグレンを信頼して戦う彼女の様子が頼もしすぎたし、実力はあるけど度胸は年相応の少女かそれ以下だった頃の彼女を知っていると感慨深くなってしまった。また、システィーナの裏に隠れて目立たないけどしっかり帝国代表に食い込んできたギィブルの成長ぶりに個人的には大興奮でした。最後まで素直になれなかった彼こそが一番グレンの戦闘スタイルを忠実に受け継いでいるという展開、胸が熱くならないわけがない。それにしてもエレンはすっかり百合担当になってしまったな……。

華やかな魔術祭典の裏で蠢く、平和を乱そうとする陰謀とそれを阻止しょうとするグレン達の戦いも良かった。何より、かつての失敗を経てひとつ「わがまま」になり、精神的にも一回り大きくなったルミアの成長劇が印象的でした。強大な敵を前にしても動じず、自らの壁を一つ乗り越えて大切な物を守るために戦う彼女のすがたに胸が熱くなる。最近は結構システィーナの成長が主体になっていた感があったけど、ヒロイン争奪戦的な意味でもまだまだ予断を許さない感じのルミアの猛攻が楽しかったです。

魔術祭典の決着は次回に持越し、グレン達の水面下の戦いもまだまだこれから…という状況で黒幕その人が出てきちゃうのかーー!!次回への引きがバッチリ過ぎて続きが楽しみで仕方ない。

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ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん

 

王太子であるジークは突然聞こえた神の声に困惑した。神曰くジークの婚約者・リーゼロッテは“ツンデレ”で、“破滅”を迎える“シナリオ”らしい…?彼女のキツめの言動は、全て照れ隠し!?神が解説する彼女の本心が可愛くて一人悶えるジークは、知る由もなかった。実は神の正体が、ゲームを実況をするただの高校生だと…。神託(※ゲーム実況です)を頼りに婚約者を救え!隠したい本音がダダ洩れな悪役令嬢、バッドエンド回避なるか!? (「BOOK」データベースより)

趣味と実益を兼ねてお気に入りの乙女ゲームを実況しながらプレイしていた放送部の遠藤くんと小林さん。ところが、推しの悪役令嬢・リーゼロッテの相手役である王太子・ジークに『神託』としてその声が届くようになってしまい…「実況」と「解説」を駆使して悪役令嬢の本音を暴き、本来のゲームにはなかった完全ハッピーエンドを目指していく物語。

アドバイスとは名ばかり、ほぼオタクの萌え語りマシンガントークそのものな【神の声】が超楽しい。誤解を受けやすいツンデレ令嬢が分かりづらい態度を取る度に、その「本音」を片っ端から解説されてしまって、その声に感化されてどんどんゲーム内の人物関係が良い方に変わっていくのにニヤニヤが止まらなかった。王太子はどんどんリーゼロッテにメロメロになっていくし、それを見た本来のゲームヒロインであるフィーネもなんとなく彼女の真意を理解して仲良くなっていくし、フィーネにはちゃんと別の人との出会いが待っているし……で、優しい世界がすぎて尊い。ジークとリーゼロッテのツンデレ甘々カップルも好きなんですけど、フィーネとバルドゥールの関係性がまた好きだった。

同時に、並行して現実世界で繰り広げられる主人公たちの恋愛模様がまた可愛い。止む終えぬ事情で野球への道を絶たれて落ち込んでいた遠藤が放送部のオタク女子・小林によって救われて恋に落ち、そして気づいたら彼女の「推し」の乙女ゲーム沼に落とされているという二重の流れにニヤニヤが止まらないし、未だ野球部への未練が拭えぬ遠藤をそれとなく支える小林の姿にじんわりしてしまう。ひたすら糖度高で進む乙女ゲーム側の恋愛事情とは打って変わって、青春まっただなかな二人の関係が甘酸っぱい。

大好きな乙女ゲームのキャラクターたちの運命を握ることになってしまったことに重圧を感じながら、それでも本来のゲームでは絶対に幸せになれないリーゼロッテをはじめ、乙女ゲームの登場人物たちが全員幸せになるエンディングを模索していく姿が印象的。本来のゲームでは絶対に避けられないはずのリーゼロッテの破滅エンドをどう回避するのか。やたらとフィジカルお化けなフィーネの設定とか意味ありげな現実世界の設定とか色々まだ明かされていない裏もありそうで、続編が楽しみです。

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婚約破棄から始まる悪役令嬢の監獄スローライフ 下

 

公爵令嬢レイチェルのだらだら監獄生活&エリオット王子への嫌がらせは、さらにさらに加速する―!!地下牢でペットを飼ったり、お楽しみ会を主催したり…そしてフリーダムなレイチェルに振り回される面々は―!!さらには最強のヤンデレ女騎士まで現れて!?エリオット王子たちの運命やいかに!? (「BOOK」データベースより)

見に覚えのない罪で婚約を破棄された上投獄されたの公爵令嬢が本性をあらわにして牢獄に自ら立てこもり、悠々自適な生活を送りながら自分をいびろうとする元婚約者の王子とその取り巻き達をいびり返すお話。完結編。

最後まで恋愛沙汰にも刃傷沙汰にもならず(いや一部の人は別の意味で大変なことになっていたけど)、最初から最後まで一貫して軽いノリで突き抜けていったので安心して楽しめた。この流れから王子一派が処刑されるようなオチになったらちょっと嫌だなあ…と心配していたんだけど、むしろ暴走して刃傷沙汰に走ろうとする周囲を引っ掻き回していたはずの主人公サイドが食い止める展開すらあって笑ってしまう。絶対にシリアスも泥沼にもさせないこのさじ加減が凄かった。2巻という巻数もいい感じに間延びせずにきれいにまとまってよかったと思う。

散々無茶苦茶やっておきながらもレイチェルは最終的にエリオット側の生命を取るような流れは一切望んでいないのが本当に面白い。絶妙に王子側が暴走しすぎないよう「節度」を持ったいびりが展開されていくし、レイチェルの配慮が届かない/手の出せない部分は彼女が育て上げた侍女軍団が完璧に彼女の意図を汲んで行動してストッパーとして機能する。こんなん、レイチェルへの嫌がらせに拘泥するあまり臣下からの信頼を失ってさえいるエリオット一行が勝てるわけがない。

楽しくドタバタしながらも、気づけば取り巻き一行は一人ずつ王子の周りから排除されていき、貴族達への求心力もしっかり剥ぎ取って…一切の弁明の余地なく王子の政治生命を完璧に断っていく流れが見事でした。しかし同時に、レイチェルが一番望んでいた結末は「自分も次期王妃の座を追われて牢の外でも悠々自適に暮らす」ことだったと思うので正直試合で勝って勝負に負けた感じが物凄くあるんだよな…いや、そのへんのバランスがまた絶妙なんですが。

ともすれば重くなったり残酷になったり後味が悪くなってしまいそうな題材を扱いながらも、最初から最後まで明るく笑える話として計算され尽くした展開がどこまでもお見事でした。楽しかったです!レイチェルがラストでプロポーズした相手、私も彼と結婚したい。

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婚約破棄から始まる悪役令嬢の監獄スローライフ 上

 

公爵令嬢レイチェルは、許嫁であるエリオット王子から身に覚えのない罪を理由に婚約を破棄され、地下牢に投獄されてしまった。これは恋敵の陰謀か、はたまた政敵の罠か…!?そして、レイチェルは思った―!!プリズンイエーッ!ゴロゴロし放題のスローライフ!王妃教育もサボれてうるさい使用人もいない…楽しい休暇の始まりだ!準備万端整えていたレイチェルは、獄内でだらだら生活と王子への嫌がらせを心置きなく満喫する―!!(「BOOK」データベースより)

本性を抑え込んで表面上は控えめに生きてきた公爵令嬢が婚約破棄を切っ掛けに覚醒し、牢獄(※投獄の数ヶ月前から事態を察知して物資を運び込んでいた)に引きこもって悠々自適な生活を送りつつ、無能な元婚約者とその取り巻きたちをいびり倒すお話。

物静かなふりをしていたが、本当はとんでもなく賢くて裏の人脈も豊富で敵対する相手には(色んな意味で)容赦ない主人公と、どこまでも小物で無能な王子一味の対決が滑稽すぎる。最初から最後まで全く勝負になってないのがもはや可哀そうですらあるんだけど、相手がどこまでも懲りないので意外に可哀そう感ない。毎週のように印籠で土下座させられる某時代劇の悪代官みたいな様式美すら感じてしまう。

主人公のレイチェルがとにかく王子に対して無関心なので、色んな意味で重くならずにサッパリした軽妙な読み口になってるのが印象的でした。行われる嫌がらせもどちらかというとレイチェルが好き勝手している様子にエリオットが勝手にキレてるだけなので、独り相撲的な面白さなんですよね……(一部王子への直接的な当てつけ展開もあるけど)。

投獄されても御用聞きの商人やお抱え侍女軍団を自由自在に操り牢屋の中から人脈を広げすらするレイチェルと、本人たちは気づいてないだけでどんどん周囲の印象が悪化して孤立していく王子一味との対比も印象的でした。しょっぱなから投獄されたときのレイチェル両親の怯えっぷりや、現王夫妻とのやりとりに腹抱えて笑ってしまうんだけど実の両親からすらその扱いって駄目じゃない!?本当に「裸の王様」ぶりが半端なくて早く考え直したほうがいい。ところで公爵と現王に悪友萌えしたって話はどこですればいいですか?(迫真)

しかし、これ色んな意味でどうやってオチをつけるのかが気になる。レイチェルが断罪される流れは絶対にないと思うんだけど、王子側が断罪される展開は下手したら重くなってしまうよなあと。色んな意味で軽妙な展開が魅力の物語なので、軽いままで最後まで行ってほしい。

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リベリオ・マキナ2 −《白檀式》文月の嫉妬心−

 

ヴァンパイア革命軍による虐殺テロ騒動から三週間―水無月の活躍で共和国に平穏が戻ったかに思われたが、カノンやリタの期待に反し、国内では吸血鬼に対する排斥運動が急速に拡大していた。両種族の決裂を防ぐため、そして白檀博士の無実の罪を晴らすため、先の睦月との戦闘で明らかになった“(白檀式)の人工頭脳”に組み込まれた“吸血鬼の脳”の真相を探る水無月たち。ところがそんな彼らの元に突如、世界最大のオートマタメーカーCEOが現れて…。カノンの宣戦布告と共に、吸血鬼王女と絡繰騎士の最強タッグが動き出す、正義と反抗のバトル・ファンタジー第2巻!! (「BOOK」データベースより)

突然学園にやってきた世界最大のオートマタメーカーのCEO・ハウエルズから国内最大のオートマタイベント、ディーツェ・フェアに招待されたカノン。彼女の護衛も兼ね、水無月とリタも同行することに。吸血鬼や白檀式に懐疑的な発言をするハウエルズに反感を覚えつつも目を輝かせるカノンだったが、とんでもない罠が待ち受けていて…。

自分の「意志」でカノンを守ることを決めたけど、人間の感情の機微にはまだまだ疎い水無月がカノンを守ろうとしてから回ったり、いろいろな意味で誤解させるような行動を取ってリタやカノンを振り回す姿が微笑ましい。気感情を学びはじめたばかりの彼に恋愛感情の機微や気遣いを求めるのはいくらなんでもハードル高いのでは…!?と思ってしまうのですが、ふたりともなんだかんだと恋する乙女だから仕方ないね。

カノンを守ることに執着して周囲が見えなくなっている水無月と、そんな水無月に人間の男の子としての気遣いを求めてしまうリタが衝突してしまうのはある意味当然のことで。気まずい状況でカノンが敵の手に落ちてしまい、水無月も前回の戦いから本調子ではなく…と転がり落ちるように悪化していく展開に圧倒される。

いろいろな意味で前巻以上の水無月の空回りぶりにハラハラしてしまった2巻だったんだけど、1巻と同じく一人で抱え込んでしまおうとしていた水無月がリタときちんと対話することで、「何が悪かったのか」と自ら見つめ直し成長していく姿が頼もしくもありました。「守るべき相手」としてのカノンに続き、プログラム上では敵だったリタを「背中を預けられる仲間」と認識し、ともに戦う姿が熱かったです。

そして新キャラのユーリがまた可愛かったなぁ…!!軽妙な言動の裏に隠された水無月達への複雑な感情が印象的でした。水無月がカノンの家で目を覚ます前の出来事もちょっとだけ明かされて、少しずつ確信に近づいている感じ。続刊も楽しみです。

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ありふれた職業で世界最強 1

 

“いじめられっ子”の南雲ハジメは、クラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。つぎつぎに戦闘向きのチート能力を発現するクラスメイトとは裏腹に、錬成師という地味な能力のハジメ。異世界でも最弱の彼は、あるクラスメイトの悪意によって迷宮の奈落に突き落とされてしまい―!?脱出方法が見つからない絶望の淵のなか、錬成師のまま最強へ至る道を見つけたハジメは、吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす―。「俺がユエを、ユエが俺を守る。それで最強だ。全部薙ぎ倒して世界を越えよう」奈落の少年と最奥の吸血鬼による“最強”異世界ファンタジー、開幕!書き下ろし番外編「勝率0%の戦い」収録! (「BOOK」データベースより)

アニメがちょっとわかりづらかったのと、オーバーラップ文庫の電子書籍のキャンペーンがあったので読みました。クラスまるごとの異世界召喚に巻き込まれ、平凡な製造系の職業と(異世界から召喚された人間としては)平凡以下のステータスのせいでお荷物扱いを受ける羽目になった南雲ハジメ。初めてのダンジョン攻略中、クラスメイトの裏切りによって誰も踏み入れたことのないダンジョン下層に置き去りにされてしまった彼は想像を絶する過酷な状況の中で魔物を喰らい、その能力を手に入れることで奇跡的に生き延びる。そんな中、封印された吸血鬼の少女・ユエと運命的な出会を果たして……というお話。

偶然見つけた傷は癒やすが痛みは癒やしてくれない超回復薬と本来食用ではないどころか食べると死ぬ思いをする魔物の肉を喰らって血を吐きながら生き伸びる、優しい少年の人格が完全に変貌してしまうような過酷な展開の前半から、だんだん能力がチート化してきてヒロインのユエと出会ってイチャイチャしながら迷宮の最奥を目指す後半の展開の温度差が凄い。終盤とかもはやただのイチャイチャなので温度差で風邪引く。

もともと書籍化されることを念頭に置いていないWeb原作小説の1巻目だから仕方ないのかもしれないけど、作者がやりたい方向が定まっていない印象を受ける1巻だった。主人公が迷宮を彷徨うのに並行してクラスメイト達の話が結構しっかり掘り下げられていくので、今後再び彼らと運命が交わる……はずなんですが、主人公は復讐する気が現状なさそうなんですよね。クラスメイト達がかなりネガティブに描かれていくのでてっきり地上に出た後に復讐する展開だと思ったんですけど、どうやって絡ませるんだ? それとも、代わりに1巻ラストでは新しい異世界ヒロインの登場フラグ的なものが立っていたのでクラスメイトのことは置いておいてひとまず異世界チーレム的な方向をやりたいのか? という。あと、1巻で世界の真実とか明かされて1巻ここで終わりかなと思ったところからかなり長いことユエとのイチャイチャ生活が延々と描かれてたの個人的にすごいテンポ悪く感じて、これ2巻の序盤でやろうよって思いました(これは作者じゃなくて編集者が悪いんだけど…)。

色々モヤっとするところは多かったのですけど前半の過酷な展開は文句なしに面白かったし、後半のハジメとユエのテンポ良い会話劇はなんだかんだで楽しかったので、今後の展開によってはすごく面白くなるのかもしれない。あとほんと終盤の二人のやり取りがラブラブすぎて「バカップルかよーー!!!」って叫んでしまったのでこんな蜜月状態のところに更にヒロイン追加したらどうなるのかはとても気になる。ユエがやたらと現実世界由来のメタネタ言うのは知識の共有みたいなそういう不思議パワーがあるんだと思って違和感は捨てよう。

クラスメイトの中だと雫が可愛かったです。能力は高いが他者への理解・気遣いが出来ないやつの多すぎる、果ては裏から事態を操ってるやつや殺人未遂者まで混ざってる、正直やべえクラスメイト達の中でおおよそ唯一気遣いのできる苦労症女子だったのでクラスメイトパートでの癒やしポイントは彼女に一任されていた。他の子に百合っぽいネタをふられて小粋に返すところとかもかわいい。

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「好きラノ 2019年上期」投票します。

企画元:ラノベ人気投票『好きラノ』 - 2019年上期

今回も参加させていただきます。割と今季は新作頑張って読んでたので多めに投票してみました。コメントは控えめなので気になったら感想記事の方に飛んでいただければ幸いです(ネタバレと興奮したオタク特有の読みづらい長文には注意してほしい)

Twitterからの投票も受け付けられてますのでお気に入りの作品があるかたは是非ご参加ください。

amazon.co.jp:幼なじみが絶対に負けないラブコメ
二丸 修一「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」
【19上期ラノベ投票/9784049125245】
初恋をこじらせた主人公とヒロイン2人が繰り広げる空回り上等、全員が自分の仕掛けた地雷を自分も踏み合うような三角関係が最高に楽しい。主人公をはじめ、魅力的な男子キャラが多いのも魅力の一つです。
amazon.co.jp:賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 〜愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド〜
有象利路「賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 〜愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド〜」
【19上期ラノベ投票/9784049124569】
シモネタとメタフィクションと内輪ネタでひたすら爆走するギャグ小説。とにかく好き嫌い分かれそうな作風だけど騙されたと思ってマスコットキャラだけでも見ていってほしい。マスコットキャラがツボに入りすぎて久しぶりに「笑いすぎて腹筋が辛い」という状態になったので謹んで推させていただきます。
amazon.co.jp:世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)
黒留 ハガネ「世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ)」
【19上期ラノベ投票/9784865544497】
異能はあるのに非日常はなかった!!もう自分で非日常を作るしか無い!!という圧倒的自作自演系異能バトル小説。「どうせそんなこといって途中から本物の非日常と戦うんでしょ?」と思ったら本当に最後まで自作自演以外の非日常が訪れなかったのでめちゃくちゃ推していきます。
amazon.co.jp:リベリオ・マキナ
ミサキナギ「リベリオ・マキナ -《白檀式》水無月の再起動-」
【19上期ラノベ投票/9784049123289】
絡繰り仕掛けの少年と二人の少女が繰り広げるボーイミーツガールファンタジー。感情を得た機械が不器用ながらも自分の守りたいものを見つけていくという王道ど真ん中の展開が最高に楽しい。アンドロイドもの好きとしてもめちゃくちゃ推したい。
amazon.co.jp:天下一蹴 今川氏真無用剣
蝸牛 くも「天下一蹴 今川氏真無用剣」
【19上期ラノベ投票/9784797398137】
戦国武将の争いから早々にドロップアウトした「無用者」の夫婦が蹴鞠したりイチャイチャしたり敵の刺客と斬った張ったをしながら京都を目指す剣客ラノベ。今川夫婦のイチャイチャも大変可愛いんだけど、二人からどこか漂う暗い影や、過去との対峙というべき終盤の展開などもすごく良い。あとコミカライズがめっちゃいいのでみんな読んで。
amazon.co.jp:ようこそ実力至上主義の教室へ11
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ11」
【19上期ラノベ投票/9784040657394】
今更1巻から全部一気読みしたんですけど本当に面白かった…!一学年編のクライマックスに相応しい手加減抜きの頂上対決と、決して気持ちの良い終わり方ではないけれど今後への展開を期待させるようなラストが好き。二年生編も楽しみです。
amazon.co.jp:ロクでなし魔術講師と禁忌教典14
羊太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典14」
【19上期ラノベ投票/9784040727240】
システィーナがまじヒーローすぎてヤバイ。これまでにない絶望的な展開からシスティーナの行動をきっかけに一気にひっくり返していく展開が超楽しかった。本当にこのシリーズは右肩上がりで面白くなっていくので気になる人は今からでも追いついてきて…!!
amazon.co.jp:錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」
瘤久保 慎司「錆喰いビスコ3 都市生命体「東京」」
【19上期ラノベ投票/9784049121629】
もうサブタイからして強すぎるし、人間から「都市が生える」という発想が強すぎてその時点で勝ってる。何度も言ってるんですけどめちゃくちゃな良作画ですごい監督の作った劇場版アニメでみたいよなこの話…。物語としても、第一部クライマックスの名に相応しい盛り上がりが最高に楽しかったです。
amazon.co.jp:悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました4
永瀬 さらさ「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました4」
【19上期ラノベ投票/9784041072592】
宿命のライバル(ヒロインと悪役令嬢)がこれきりの共闘する展開なんて無条件で好きに決まってるじゃないですかー!!これまでキャラが若干薄かった脇役やヒロイン達もどんどん掘り下げが行われてきて、めちゃくちゃ楽しくなってきた。今後に続く伏線もしっかり張られていて、続きが楽しみなシリーズです。

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ロクでなし魔術講師と禁忌教典14

 

リィエルの一件を乗り込え、ようやく訪れた平穏。女王陛下の尽力により数十年ぶりに開催されることになった魔術祭典に、アルザーノ帝国魔術学院、聖リリィ魔術女学院、クライトス魔術学院―アルザーノ帝国の各地から有力生徒たちが結集する。「世界の大舞台で魔術の腕を競い合ったお祖父様が見たという光景を、この眼で見たいんです!」その中には、もちろんシスティーナの姿もあり―。帝国代表の覇を競う中、因縁の少女・エレン=クライトスと再会することになるのだが…。選抜会に潜む卑劣な陰謀、そして失われゆく自分たちの未来を解放するため、システィーナは天高く飛翔する! (「BOOK」データベースより)

数十年ぶりに開催されることになった魔術祭典。学院の代表候補に選ばれたシスティーナは、最優秀選手を目指してやる気十分。そんなシスティーナや学院の生徒達を微笑ましく見守っていたグレンだったが、システィーナの元婚約者であるレオスの妹・エレンの登場をきっかけに何かが狂い始めて……。

システィーナの魔術師としての「成長」を数値の上でも実戦でもこれでもかというほどにみせつけてくる序盤の魔術祭典が超楽しい。なんというかこれまでは周囲が色んな意味で「規格外」すぎて、システィーナが成長していることは解ってもそれがどれだけ凄いことなのか伝わりづらい部分あったと思うんですよね。同年代の学生だけの中で、実力を出せる状態で競わせるとこんなにぶっちぎりで強いんだな……作中でも言われているけど「努力する天才」の本領発揮、恐ろしすぎでは。

そして今回マジで凄いなと思うのは、システィーナがメインの回ではあるのですがシスティーナは最後まで事件の全容を一切知らないままということなんですよね。一週間の閉じた輪に閉じ込められて誰にも相談出来ずに解決策を見いだせず腐りかけていたグレンと、気の遠くなりそうな年月をループの中で過ごして摩耗していったエレンの二人を、そして危うく取り返しのつかなくなりそうだった世界を、事情を一切知らされないまま完璧なまでに救ってしまうシスティーナがマジでヒーローすぎる。

これまでどんなにしんどい状況でも鮮やかに事態をひっくり返してきたグレンが囚われた絶望の輪廻があまりにも重く、だからこそ決して出しゃばる事なくグレンを支え、力になってくれるシスティーナが頼もしすぎる。だからこそ、これまでどんなに頼りにしても「教え子」でしかなかったシスティーナに、グレンが掛けた「相棒」という言葉があまりにも破壊力高くて、胸が熱くなってしまいました。それまでの閉塞した展開が嘘のようなグレンとシスティーナのコンビ戦闘も最高だった……。

次回への引きもバッチリで、続きが気になる。本っっっっ当にこのシリーズは安定して面白いなもう…!!

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賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 〜愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド〜

 

「ところでコレ、ホントに出版するの?」編集長の鋭い眼光とその言葉に、相当編集の命は風前の灯火であった。本作は『賢者にして勇者である最強の称号“賢勇者”を持つ男が、弟子(おっとり巨乳美少女)とともに社会の裏に隠れた悪を断罪する』という“ザ・今時のライトノベル作品”としてスタートした。だが作家からあがってきた原稿は、全裸のイケメン(賢勇者)をはじめ、筆舌に尽くしがたい変態仲間たちが織りなすナンセンスギャグギガ盛りの―いわば「なぜか堂々としている社会悪」的な何かであったのだ(ついでにヒロインの胸も削られていた)。「だ、出版します!面白いですから!」超言い訳っぽい担当の言葉は真実か!?答えは―今、あなたの手の中にある。 (「BOOK」データベースより)

賢者にして勇者、最強の称号を持つ男。「賢勇者」シコルスキの下に弟子入りしたワケアリ少女・サヨナ。樹海の真ん中にある彼の屋敷には今日も選ばれし悩める強者(と書いて「変態」と読む)達が訪れるのだった。変態たちの更に上をいく師匠とともに、愉快な(?)毎日を送っていたサヨナだが……!?

あらすじがあらすじしてないんですけど、なんていうかだいたいこのあらすじで合ってるから困るというか……9割くらいシモネタメタフィクション内輪ネタで出来てる。「ここに挿絵が入る!」とか「俺はサブキャラだが3話でも出るぞ!」とか時間の単位がなぜか「行」とか、普通に出るのでもう現実とフィクションの境目が曖昧まである。終盤でまさかのシリアス展開かとおもわせてきたけどやっぱり最終的にはやっぱりシモネタとメタフィクションで殺しに来たのでなんの問題もなかった。

女の子がばんばんいじられる系の下ネタだときついなあ…と思ったし実際サヨナの貧乳いじりとか好き嫌い分かれそうなんですけどそれ以上にひたすら男キャラが濃かったので楽しかったです。なんだかんだ良い話に落ち着くし。ところでユージン×アデルだと思うんですがどうか。

正直各章の面白さには波があるというか、元ネタのわからんギャグが続くところはまるで面白くないという問題はあるんですけど、こういう小説はどこか一箇所ツボに入れば推していいと思ってるので……良くも悪くも人を選びすぎる小説だなあと。私としては生きてるだけで8行使う自称マスコットキャラがツボに入りすぎて腹筋辛かったのでもうそれだけで満足です。あと異世界転生主人公送還RTAが最高に好き。

作中で堂々と「単巻完結」と言い切っていたけど、この頭を軽くして読める感じは思い出したように続きを読みたいなぁ。

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