“鏡 貴也” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:鏡 貴也 (21 件 / 3 ページ)

いつか天魔の黒ウサギ 紅月光の生徒会室3

 

「奴隷は黙って、俺につかえろ」楽しいハズの高校生活に君臨する、俺様生徒会長・紅月光。「…お前の生き方全般、そろそろ謝った方がよくない?」生徒会委員の不死者も美少女魔女も、同棲中の悪魔娘も、紅月光の俺様ぶりは天災と思って諦めモード、野放し状態。そんな中、いきなり打倒・俺様生徒会長を叫ぶ転校生が現れる!さらにさらにHなサイトをチェックする姿を目撃され、人生最大の敵・雨の日の捨て猫と対決するハメになり、次々と暴かれる俺様生徒会長の弱点!俺様生徒会長が人生を反省する日がくる、のか!?学園ファンタジー、高校編。(「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

「いつか天魔の黒ウサギ」の短編シリーズ第三巻。イズミはすっかり短編側でもレギュラー化してるのに、セルジュ&ハスガ兄弟は相変わらず空気だなあ……

とりあえずケース3「男子の秘密のハードディスク」が俺得すぎて困った。ひょんなことから月光と大兎がヒメアの作った異世界にふっとばされてしまうお話なんですが、散々罵りあいながらもなんだかんだで仲が良い二人のやりとりと、敵が出てくればやっぱり罵りあいながらもしっかりお互いの立場を把握しつつコンビネーションを発揮する二人の姿に萌えた。その二人をニヤニヤ見守る女子陣の暢気具合も可愛い。っていうかあそこに混ざって男子組を見守りたい。

しかし、今回一番ツボに入ったのはケース4「早退します、雨だから—」であるといわざるをえません。猫に翻弄される月光が可愛すぎるうううううう!!!散々悪態をつきながら、この人間違いなく猫好きですよね!!猫にすら自分の気持ちをまっすぐに表せない月光がマジツンデレ可愛い。

そろそろ短篇の時間軸が本編未読部分メインになってきたので、いい加減放置していた本編も読まなきゃなあ……


いつか天魔の黒ウサギ 紅月光の生徒会室2

 

ラブコメ溢れる楽しい高校生活をクリエイトする、宮阪高校生徒会室。その、生途会長様からのありがたいお言葉です!「はっ。クズどもがラブコメという顔か。馬鹿も休み休み言え」「って、なんでそんなに俺様なんだよ!」いつもの通り俺様生徒会長・紅月光が大暴走。彼の完璧な統治に全校生徒がひれ伏す―ハズが、同棲中の14歳悪魔娘はいくら言っても部屋を片付けないし、美少女魔女はいっつもバカ男とイチャイチャする。おまけに超マイペース娘・碧水泉が書記として生徒会に乱入!俺様生徒会長に最大の危機が訪れるっ、のか!?学園リバース・ファンタジー、青春が迷走する高校編。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

「いつか天魔の黒ウサギ」の短編シリーズ第二弾。

4巻で新しい生徒会メンバーとなった碧水泉とセルジュ&ハスガ兄弟を加えてのドタバタ学園コメディ……ですがあとがきで本人達が言ってる通りセルジュ&ハスガ兄弟の影薄ッ!!!ぶっちゃけ3人増えたといえど「こういう3人が増えた」と把握さえしていれば本編読まずにも楽しめる感じでした。

ドラマガに掲載された3本+描き下ろしのどれも面白かったけど、個人的に面白かったのは生徒会がちょっと不純な理由で学園七不思議の捜査をする「真夏の夜の七不思議キラー」。ご無体な月光の活躍もヒメアと月光の水面下火花ばちばちも面白かったけど何より凄かったのは「7つめの七不思議」の真実。月光は本当に努力家だなあ!!月光と○○○○○という思わぬ組み合わせに物凄いニヤニヤする。

生徒会役員全員がイジメ(?)を受ける「秘密の女子トイレ」も面白かった。意に介さないどころかむしろ願ったり敵ったりだといわんばかりの生徒会長様やら、人徳(?)で交わしてしまう大兎も面白かったけど、最後の碧水泉とイジメのきっかけになった女子生徒のやりとりが凄く良かったです。

書き下ろし「放課後ノート」はセルジュ&ハスガ兄弟を除く生徒会役員全員で銭湯に行くお話。マイペースでフリーダムな居候・安藤美雷に振り回される月光も可愛いんだけどラストの月光デレやべえええええ!!!最終ページの挿絵も加えて威力倍増な月光デレでした。これまでも彼がわかりづらいデレを発揮した事はあったけどここまで素直に自分の感情を表現する月光は初めてで、とてもときめいた。

しかし、短編で暴露された碧水泉の秘密含め、そろそろいい加減に本編の続きが気になってきたんだけど、刊行ペース速い上に短編のほうが余程魅力的にキャラ動いてるからなかなかあっちに取り掛かれないんだよなあ……アニメ化も決まった事だし、8巻が出る頃までには頑張って追いつきたい


いつか天魔の黒ウサギ 紅月光の生徒会室1

 

恋だ青春だと楽しいハズの高校に、俺様生徒会長・紅月光が降臨!「よし、今日からお前らは俺の奴隷だ」彼の前ではクラスメイト、教師、校長ですら雑魚あつかい。14歳の悪魔娘と同棲し、ミスコン優勝の女子校生の告白をシカトして呪われ、校内に出る化け物たちの弱味を握ってタコ殴り、とやりたい放題の俺様ぶりが大炸裂!!宮阪高校の生徒たちは叫ぶ。同居中の悪魔娘も、主人公のはずの不死者も、美少女“最古の魔術師”さえも絶叫する。『会長、うぜぇえええええっ!』学園リバース・ファンタジー、書き下ろし満載の高校編、登場。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

するとその言葉に、月光がこちらを見る。大兎のひどく疲れた顔を見る。そしてなぜか、今日初めての微笑を彼は浮かべると、言った。
この、悪魔やら魔物やら妖魔やらがはびこる宮阪高校の生徒会室を統べる男がこちらを見て、ほんの少しだけ楽しげに、

「……地獄へようこそ、鉄大兎君」


もう月光の俺様歪曲ツンデレ具合と、大兎&月光の軽口の応酬でご飯10杯イケる。

「いつか天魔の黒ウサギ」シリーズの番外編で、普段の学園でのドタバタ騒ぎをメインにした短編集。とりあえず本編を読んで2巻以降ひたすら「月光のツンデレが足りない」「月光のデレが足りない」「月光が足りない」と叫び続けてきた私にとってはニヤニヤの止まらない一冊でした。

とにかく最初から最後までひたすら俺様生徒会長メイン!本編のシリアス時に時折垣間見せる彼特有の歪曲したデレは影を潜めてしまうのが残念ですが、ソレを補って余りある大兎との軽口の応酬!!他生徒に対しても発揮される、歪曲全開なツンデレぶり!!そしてこっちでも軽くウザイバカップル(大兎×ヒメアの意)

……しかし、後書きを読んでいて本編を読んでずっと感じていた違和感に漸く納得が行った。最初は月光が主人公だったのね……通りで大兎が主人公っぽくないわけだよ。いや、性格とかは間違いなく主人公なんだけど、どうも立ち位置が脇役っぽいというか、大兎よりも月光の方が素直に主人公として感情移入できるキャラなんだよなあ…

キャラクターには惹かれるのにイマイチ本編のドシリアス具合についていけてなかった私には、これ以上になく美味しかったです。非日常に身を浸すうち、普通の学生だった大兎の視点が少しずつ変わっていくのも興味深かった。とりあえず月光のツンデレ具合が気になる腐女子の皆さんは本編1巻読んだらこっち読めばいいと思います!!


いつか天魔の黒ウサギ4 夜逃げの生徒会室

[著]鏡 貴也 [絵]榎宮 祐

囚われた遥を救出するため、異世界に乗り込む月光達。エルフ族の王宮に彼女の手掛かりがあるという情報をつかむことに成功するが、そこに《軍》からの横やりが入り、一端引く羽目に。自らの力不足を感じた大兎は、新たな力を身につけるため、月光には内緒で異世界に向かうが……
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第一部完、と言うかここでようやく本編本格始動に必要な要素が出揃った、という印象なシリーズ第四弾。あとがきでも言及されてましたがこれだけ分厚くなるとうっかり尻込みしますね……

遥を操っている存在やら、生徒会を影から操る《軍》やら、ヒメアを9年間閉じ込めていた《教会》やら、異世界での人間達の立ち位置が少し透けて見えて、これから物語が盛り上がるんだぞー!という雰囲気満々ですが、ストーリー本編よりも魅力的なキャラクター達をもっと掘り下げていってほしいなあと思う今日この頃。強さのインフレ激しいバトル満載な本編よりも、間に挿入されるちょっとしたやりとりに心ときめいてしまうのはなぜなんでしょうか。うーん、ド派手なバトル展開も悪くないんだけど、イマイチそっちに興味持てないんだよな…。次巻以降で物語がいよいよ核心にせまっていきそうな気配なので、そっちはそっちで楽しみなのですが。

相変わらずツンの中にデレをひそませまくる紅月光のツンデレ具合や、今回一瞬だけ本気を覗かせたペパ子や、遂に完全な三角関係に突入したらしい遙を加えての三角関係やら、何か波乱を巻き起こしてくれそうな雰囲気でいっぱいの新キャラ3人……と、魅力的なキャラクター達が満載で、個人的にはバトルは一回放置して彼らがワイワイやってる短編が見たい気がします。短編集作りやすそうな物語構造だし、今後そのような展開を期待してもいいのかしら。

なにより、良い意味でも悪い意味でもバカップル(ヒメア&大兎)がウザイ(※褒め言葉)。シリアスな戦闘中にもかかわらず、平気でイチャつきはじめる彼らの空気読まないバカップルっぷりは正直どうなの!!しかし、これだけイチャイチャしておきながらヒメアは「大兎の本命は遙」って思って我慢してる節があるし、大兎も遙とヒメアを天秤に掛けたら彼女を選べるだけの気持ちはまだ育っていないみたいで…なんか二人のこのアンバランスさが、今後のカギを握ってきそうな気もします。遥を加えた三角関係にも期待しつつ、今後の展開が楽しみです。


いつか天魔の黒ウサギ3 神隠しの通学路

[著]鏡 貴也 [絵]榎宮 祐

圧倒的な力を持つ“天魔”に襲われ、絶対絶命の大ピンチな大兎とヒメア。しかし、彼らは意外にあっさりと姿を消す。一方、紅月光は“天魔”から《最古の魔女》を殺すための力を与えると持ちかけられて…
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今回は次の戦いへの序章というイメージが強いお話。というかおそらく次巻から始まるであろう、いうなれば「遥編」への序章なのかな。本来エピローグとなるはずの位置の章が2回目の「プロローグ」として銘打たれているのが印象深い。内容もシリーズそのものとしての動きは殆ど無くて、大兎が自分の無力さを補うために修行しようとしたり、また今後の伏線になりそうな設定が出てきたり。

正直、紅月光のツンデレぶりが最高すぎてメインのストーリーとかどうでもよくなってきた私が居るよ!大兎&ヒメアの二人の前ではヒールぶってるのに、美雷に本音をバラされてキレる姿には思わずニヤニヤが止まりません。なんだかんだといいつつしっかり二人のことを「仲間」と扱っている姿が微笑ましいというか……マジでもういっそ、主人公を月光にすればいいよ!!

ストーリーがガンガン進んだ2巻よりも、月光パートが多い3巻のほうが素直に楽しめた気がします。ううむ、次からはまた2巻のようなノンストップでハードなバトル展開なのだろうか。正直ついていけるか不安だなあ…

そしてあとがきの必死ぶりに噴いた。確かに14Pはハードル高そうだけど、必死具合が半端じゃなくて笑いが止まらないよ!


いつか天魔の黒ウサギ2 《月》が昇る昼休み

[著]鏡 貴也 [絵]榎宮 祐

蛇の悪魔が生徒たちを飲み込んでしまい、その対応に追われる大兎とメヒア。事件が解決し、帰ろうとした二人の目の前で奇妙な紅い月が昇る。一方、紅月光は“日向の使い”を名乗る謎の悪魔から忠告を受けて…!?
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小さい頃に呪いをかけられ、15分間で7回死ななければ死なない身体になった大兎と、彼にその<呪い>を与えた最古の魔術師・ヒメアを中心とした学園ファンタジー第二弾。とりあえず日向が死んでなくてひゃっほいと小躍りしたのは私だけじゃないはずだ。

面白かったけど、主人公達のバトル的な活躍は殆どなくて、ちょっと物足りない気持もあったかも。前回の派手な戦闘を覚えていると、どうしてもああいうのを期待してしまう。

ヒメアの元恋人にして“最古の魔術師”のバールスクラが早くも出てきたり、シリーズタイトルでもある“天魔”が姿を見せたり…と、展開が速い速い。おしげもなく1巻で張った伏線をガシガシと消化していくので「ひょっとしてこれ、全3巻完結…?」とか思ってしまうのですが、あとがきを読むと別にそういうわけでもないようで…一方で、生きていた日向やヒメア達が生み出した『幸福』という魔法の存在、また月光も弟以外の部分で色々と気になる伏線が新たに張られているのでしばらくこの物語から目が離せそうにありません。

しかし今回一番残念だったのが、ツンデレ生徒会長こと紅月光の出番が少なかったことだったりします。大兎とヒメアのイチャイチャもとても好きなのですが、1巻であれだけ露骨な月光のデレを見せられてしまうと、2巻も期待してしまうのが人の常というものではないですかっ!せっかく味方になったのに、大兎達との絡みが殆どなくて、本当に残念。っていうかもうなんでもいい、月光もっとデレろ!!

しかし、1巻でみせた月光のデレ具合には正直(私の中では)及びませんが、ヒメアのデレデレっぷりもかなりたまりません。ストレートで端的なセリフから、溢れるばかりの大兎への愛がつたわってきて、こっちまでくすぐったい気持ちになる。本当に、こんな短い文章でこんなに大きなの気持ちを込める事が出来るのかと思う。


いつか天魔の黒ウサギ1 900秒の放課後

 

足のケガが原因で空手の道を断たれ、以来退屈な日常を過ごしていた鉄大兎。そんな彼はある日、同じ学校の女の子がトラックに轢かれそうになっているのを助けようとして自らがトラックに跳ねられてしまう。バラバラになって死んだと思ったのもつかの間、その身体はすぐに元通りになり、同時にそれまで夢だとばかり思っていた過去の記憶が蘇って…!?

個人的お気に入り度数

とある事故をきっかけに9年前の記憶を取り戻した普通の少年が「15分以内に7回殺されなければ死なない」という呪い(魔術)という体質になり、彼を庇って9年間囚われていた少女・メヒアを助ける為に奮闘するというお話。世間の感想を見て胸をときめかしてから早半月。どこ探しても本屋でみつけられなくて男泣きしたのも今となれば良い思い出です。

物語は王道一直線な熱血純愛中二病系学園異能。「15分間に6回まで死ねる」のを強みにその身ひとつで魔族だのなんだのにぶつかっていく主人公の無謀っぷりにハラハラしつつ、デレデレ美少女・メヒアとのイチャイチャっぷりにニヤニヤさせてもらいました。主人公が記憶を取り戻してメヒアを救うために動き出す過程はちょっと唐突に見えなくもなかったのですが、その分物語に勢いがあってどんどん引きこまれていくような感じ。

しかし、主人公コンビも悪くはないのですが何よりもツボにハマったのはサドデレ生徒会長・紅月光。完璧超人な優等生キャラと思わせておいて実は天才肌な弟へのコンプレックスの塊という努力屋で、弟に一矢報いる事にはどんな犠牲も厭わない……と見せかけておいて実は何気に人情派。人間捨てまくりの冷血弟とは対称的に、これ以上なく人間らしい姿が最高にツボでした。相棒の安藤美雷とのやりとりにもニヤニヤしていたのですが……

この生徒会長、最後で美味しい所を持って行った挙句、腐女子妄想膨らませる発言までしてくれちゃって、このぉー!!!カップリングは日向×月光と月光×大兎が王道ですねわかりました!!!個人的には兄弟カップリング萌えとしては今回あっさり退場してしまった「Yandel、入ってる」な弟君こと紅日向の再登場にも密かに期待したい所です。あれだけ強大な敵っぽく描かれているのに今回のアレであっさり退場なんてないよね!当然、後の話でいやらしいパワーアップを遂げて、兄貴への復讐心丸出しに襲いかかって来るんだよね!!!

主人公の日常にも不穏な動きがあるし、サドデレ生徒会長と主人公の絡みを含め、これからどうなっていくのかとても楽しみです。


2022年読んで面白かったラノベ16選(11ヶ月遅れ)

「このラノ2024」TL見ていて去年のまとめ作ってないことを思い出した。

今見たら2022年まではギリギリ好きラノがあったのでもうそれで良かったのでは……??感があるのですが、確認したら年始にたたき台だけ作って途中まで記事書いて放置してたので完成させて出しておきます。多分ここから10選に削ろうと思ってたと思うんですが、今削ると完全に2023年を踏まえた作品群になるからそのまま出します……ここのところはこのラノの投票作を語る記事を同じ時期に出していたのでそれの亜種だと思ってください(このラノ投票しそこねましたの札を手に)。

来月か再来月くらいにまた似たような作品の語りしてるかもしれませんがみなかったことにしてほしい!

現代舞台

有象 利路「サキュバスとニート 〜やらないふたり〜」→感想
超健全(意味深)な異種族交流コメディ
エッチなことが大嫌いなサキュバスとワケあって絞り殺されたい(物理)主人公が繰り広げる異種族交流系コメディ。びっくりするほどエロい展開はなにもないし主人公の悪友が一番主人公への感情を拗らせてるまであった。ギャグとシリアスの緩急がある話が大好きな人におすすめ。
夏目 純白「純白と黄金」→感想
これは「ヤンキー」という名の現代異能バトル
表紙から真面目な不良物・スタイリッシュなヤンキーテリトリーバトルを想像してしまうのですが私はヤンキーがヤンキー(オーラ)出して吹き飛ぶみたいな展開大好きなので手叩いて喜んだそうな。超真面目に変なことしてる話、「シリアスな笑い」が好きな人に。男同士のクソデカ感情もあるにはあるよ。
コイル「オタク同僚と偽装結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど!3」→感想
感情の名前が変わっても変わらない距離感が最高
偽装結婚をきっかけに同居を始めたジャンルの違うオタク男女ふたりが人生の岐路もどんな苦難も「あなたと一緒なら楽しい!」と前向きに乗り越えていく物語。本当の恋人になっても、子供が出来ても変わらぬ距離感がとても良かった!オタク同士の上質な生活を楽しみたい方へ。

ファンタジー・異世界

鏡 貴也「大伝説の勇者の伝説1 行く先未定の大逃亡」→感想
「悪魔」と「英雄」と「勇者」と「ニンゲン」達のものがたり
2021年年末からずっと読み進めてきた「伝勇伝」シリーズ、なんとか2022年中盤で読み切る事ができました。「大伝」になってからはほんと、全世界を股にかけた戦記物としてもめちゃくちゃ面白かったし、何よりライナとシオンとフェリスを中心にした人間関係の変化がたまらなく面白かったです。来春から完結編の連載がスタートするとのことで、読むなら今しかない!!
南野 海風「魔術師クノンは見えている」→感想
ひょっとして魔術師と書いて「オタク」と読むのではないだろうか
盲目の主人公が視力を得るため魔術を究めようとする……というとシリアスで重たいお話みたいなのですが、その辺の話は序盤で乗り越えてあとはひたすら前向きに魔術探求に打ち込んでいくお話です。架空の魔術設定談義とか極まったオタクが集まってなにかする話が好きな人におすすめ!
楽山「俺の召喚獣、死んでる」→感想
動かない召喚獣、どうやって動かす?
なぜか伝説の大魔獣の「死体」を召喚してしまった主人公が、学園内でのチームバトルを勝ち抜くため自らの召喚獣の使い道を模索する。様々な試行錯誤がとにかく楽しいし、何より主人公チームを中心とした学生同士のワチャワチャが楽しかった。魔術探求×青春×頭脳バトル×ラブコメが好きな人へ!
夏海 公司「はじまりの町がはじまらない」→感想
サービス終了目前のMMORPGを舞台にしたテコイレ劇!
意思を持ったMMORPGのNPC達が、自分たちの世界の終焉(サービス終了)を食い止めるため必死にテコ入れを行う。NPCであるからこその様々な制約を上手くくぐり抜けていく展開が楽しいし、なにより主人公である町長オトマルとその秘書官パブリナの掛け合いがおもしろかった。サ終の思い出を持っている全ての人へ!
新 八角「チルドレン・オブ・リヴァイアサン 怪物が生まれた日」→感想
「もしも」の日本を舞台にした、少年少女たちの生存闘争
2011年に大地震……ではなく、海から来た魔物の襲撃を受けた日本。喪失の痛みと戦いながらもそれぞれの事情から死んだ海獣の殻を身に纏う少年少女達。過酷な世情の中で、海に導かれるように人間をやめていってしまう主人公の姿が印象的でした。人型決戦兵器とかそういうの好きな人に!(直球)
二丸 修一「君はこの「悪【ボク】」をどう裁くのだろうか?」→感想
異世界で繰り広げられる親友だった少年達の殺し合い
殺人衝動を持つ主人公と行き過ぎた正義感を持つその親友。無二の親友だったふたりはとある事件をきっかけに対立し、その対立は異世界をも飲み込んでいく──。主人公ふたりの咽返るような濃厚な執着と対立が最高でした。男男親友同士のクソデカ感情バトルが好きな人は読んでください。

悪役令嬢

雨傘 ヒョウゴ「強制的に悪役令嬢にされていたのでまずはおかゆを食べようと思います。」→感想
虐げられた悪役令嬢による、努力と根性の逆転劇
悪役令嬢が乙女ゲームの破滅フラグをひっくり返すお話……なんですが、乙女ゲーム自体に多くの謎が仕込まれていてそれを紐解いていく設定が大変おもしろかった。なにより、歩くのもままならない主人公がタイトル通り「おかゆを食べる所から」地道にはじめる逆転劇がめちゃくちゃ良かったです。
福留 しゅん「残り一日で破滅フラグ全部へし折ります ざまぁRTA記録24Hr.」→感想
24時間で状況をひっくり返す、スピード感が気持ちいい!
タイトル通りのお話なんだけど、タイトル通りに24時間以内で状況を完全にひっくり返すというスピード感、爽快感がめちゃくちゃ良かった!続編となる2巻は色々な意味で書籍だけでは完結しないお話なので頼むからアルファポリスに掲載されている間章を一緒に読んでほしい。1巻は強いヒロイン、2巻は綱渡りのようなハラハラする逆転劇が読みたい方へ。
マチバリ「まだ間に合う!明日処刑される悪役令嬢ですけど、スチル回収だけはさせてください!」→感想
割と真面目にミステリーやってるんですよね
タイトルが完全に出オチなんだけど、読めば読むほど深まっていく謎とその謎を解き明かしていく展開が楽しかった!オタク系異世界転生ラブコメと破滅フラグ回避とミステリーという要素が奇蹟のマリアージュを奏でてたし、大団円なラストが大変好みでした。乙女ゲーム悪役令嬢モノのいろんな要素を美味しく摂取したい人へ!

Vtuber

小路 燦「VTuberのマイクに転身したら、推しが借金まみれのクズだった」→感想
憑依から始まる推しVtuberとの奇妙な相棒関係
何故か推しVtuberが配信を始めると彼女の使用しているマイクに意識が乗り移るようになってしまった主人公のお話。オンライン・オフラインそれぞれから推しをサポートする、奇妙な相棒関係(一方的)が面白かった。憑依モノ好きな人のご意見をききたい。
塗田 一帆「鈴波アミを待っています」→感想
強火ファンから見た「推し」の姿ってこんなにも美しいんだ
流星のように現れ、そして消えたひとりのVtuberと彼女の影を追い続けるオタクの主人公。色々な意味でファンとしての粋を大きく逸脱した行動が痛々しくもあるけど、彼の目線から映る「推し」の姿はあまりにも美しくて、良かったです。最高の景色を見たい人に。
とくめい「アラサーがVTuberになった話。」→感想
炎上してもめげない。だって元ブラック社畜だからね。
デビュー時の悲しい事件(※自分のせいではない)がきっかけで、Vtuberとしてデビューした途端に炎上してしまった主人公が元ブラック企業の社畜として培った強メンタルで炎上などなんのそのと伸し上がって……のしあがらないがどっこい生きてるお話。Vとして伸し上がらない話、少なくても2022年時点ではめちゃくちゃ貴重だったな……。
烏丸 英「Vtuberってめんどくせえ!」→感想
炎上!ネットの闇!!男性Vモノはなぜ燃えるのか!!!
男Vtuberだというだけで不当に叩かれまくっていた主人公に同期デビューの女性Vtuberが接近してきて……というところから始まる炎上騒動とその顛末。自分を変えるために一生懸命頑張るヒロインと、彼女を守るためなら自分が泥をかぶっても構わないと強大なネットに闇に対して啖呵を切る主人公の少年漫画的なムーブが大変良かった。こんなんリアルでやられたら惚れてまうやろ……こっちは炎上をバネにのし上がる話です。


このラノベの男男間の巨大/複雑感情が好きだ2022決定盤

タイトル通りの記事です。

このラノベの男同士のクソデカ感情いいよね!!というタイトルを独断と偏見で25タイトル紹介します。長年まとめ記事作るよ作るよって言い続けて気がついたら10年経ってたよ……関連記事の方に昔の同系統のまとめをリンクしておりますので良かったら併せてどうぞ。一応関係性で「親友・相棒」「ライバル・共闘」「因縁・敵対」の3つに分けてます。

関係性のみに焦点を絞っているので内容があまり女子読者向けじゃないものや未完のまま数年止まっているものも含まれます。予めご注意ください。

親友・相棒

楽山 「俺の召喚獣、死んでる」→感想
「友人を馬鹿にされて、僕が笑って許すようにみえるのか?」
苦学生でありとある事情から自分の召喚獣の正体を隠して戦わざるをえない主人公フェイルとそのチームメイトであり名家の子息でもあり一番の理解者でもあるシリル。フェイルが巻き起こす常識外の行動にダメ出しやお説教をしたりする反面その実力を誰よりも信頼していて、他人がフェイルを理不尽な理由でバカにするのは許せないシリルの姿にニヤニヤしてしまいました。
有象 利路「サキュバスとニート」→感想
「和友とオレの間に割り込むのは姐さんといえどもマジでキレますよ」
引きこもりの主人公・和友と彼の高校時代の親友でありコンビニ店長の琥太朗。高校時代の女房役(野球的な意味で)でもあった彼がとある事件によって夢を失って絶望した和友のことを影に日向に心配しつつ、本人の居ない所で彼に対して強い執着を見せる姿が大変良かったです。
大樹 連司「ボンクラーズ、ドントクライ」→感想
そんな彼を裏切る算段を僕は立てている。たかが、桐香なんて存在のために。
男二人だけの映画研究会にやってきた新入部員。友達同士の気軽なだけの部活動はその日から姿を変えていく。新入部員・桐香に恋心を抱いてしまった主人公の肇が彼女に振り向いてもらえないことに絶望し、その一方で親友・藤岡との楽しいだけだった関係性を「恋心」なんてものによって壊されてしまうことを恐れる、という葛藤が印象的でした。
壱月龍一「ラ・のべつまくなし」→感想
「……あいつが書いて、オレが編集やって……なんて。まあ、俺らの夢っつーかなんつーか、はは、超青臭いっすけど」
純文学からライトノベル作家に転向した主人公の矢文学と、彼の学生時代からの親友で編集者志望の北見圭介。ふたりの夢は、コンビを組んで最高の作品を送り出すこと。腐女子のヒロインがうっかり誤解しちゃうくらい仲の良い男二人の、熱い友情が美味しかったです!(あとブンガクくんの作風絶対わたしの好みだから現実に降臨してほしい〜〜)
井上 堅二「Lady!? Steady,GO!!」→感想
「お前にできないことは俺がやる。俺に出来ないことはお前がやる」「そうしたら、俺たちにできないことは何もないだろう?」
名家の分家に生まれて下男のような扱いを受ける圭と、本家の長男でありながら「出来損ない」と見捨てられた燐之介。完璧な人間でありながら大きな欠落を抱える燐之介と平凡だがその欠落を補って支えることが出来る圭という2人の関係性がとても良かったです。最大の問題は2巻が出なかったことだけど2人の関係性としては1巻で綺麗にまとまってるので……。
瘤久保 慎司「錆喰いビスコ」→感想
「俺が矢で、お前が弓だ。俺たちは弓矢だ!そういう、二人だった!」
お尋ね者の賞金首・赤星ビスコと心優しき町医者・猫柳ミロ。一見正反対のふたりが同じ目的のためにコンビを組んで旅を始め、やがてかけがえのない相棒となっていく。相棒ならではのお互いに気を使わない関係と、深い「愛」によって結ばれた関係性が良かった。アニメは原作1巻分だけなので、2巻以降も読んでほしい。
羊 太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」→感想
「……行こうか。頼りにしてるぜ、相棒」「抜かせ、誰が相棒だ。寝言は寝て言え」
かつて特務分室で汚れ仕事や裏仕事を行っていたグレンと、特務分室時代の相棒であったアルベルト。現在は別々の組織に身を置く彼らですが、それでも手を組めば最強という構図が最高。グレンの甘い理想とは相容れないと思う反面、かつての自分が切り捨てた理想を背負い続けるグレンに期待せずにいられない姿がよかったです。
鏡 貴也「伝説の勇者の伝説」→感想
「……引き戻すぞ。おまえがどこにいても、引き戻す」
『複写眼』という異能を持ち子供の頃から過酷な環境で生きてきたライナと、後ろ盾のない母から生まれて兄王達に命を狙われ続けてきたシオン。生まれも育ちも違うふたりは、やがて「悪魔」と「勇者」という世界の行く末を握る運命に翻弄されていく。仲の良い親友であるふたりが運命に引き裂かれながらも手を伸ばさずにはいられない姿が印象的でした。本編のシリアスな彼らも、短編でのコミカルな掛け合いも良。
井上 堅二「バカとテストと召喚獣」→感想
「確かに点数は低いが、秀吉やムッツリーニのように、お前にも秀でている部分がある。だから俺はお前を信頼している」
学園でも有名なバカの主人公・明久と、問題児ばかりのFクラスをあの手この手でまとめ上げる雄二。考え方も得意分野も正反対で普段は喧嘩してばかりの悪友ふたりが共通の目的のためとなれば最高のコンビネーションを発揮するのがたまりません。相手が落ち込んでいれば何も言わずに背中をぶん殴るような言葉で言わなくても通じ合う関係性が最高。

ライバル・共闘

紫 大悟「魔王2099」→感想
「君は……まだ僕を勇者と呼んでくれるんだな……」
魔術と科学が融合した近未来都市新宿で500年ぶりに目覚めた不老不死の魔王ベルトールと、望まぬ形で人としての枠を超えた不老の勇者グラム。すでに時代から忘れら去られたグラムの「勇者」としての役割を、宿敵であったはずの「魔王」ベルトールこそが求めるという関係性が良かった。あくまで不倶戴天の敵同士である彼らの一時共闘が美味しい!
九岡 望「地獄に祈れ。天に堕ちろ。」→感想
「……共同戦線だ。あーあ」「手ぇ組むぞ、畜生が!」
生き残った妹のために死者を狩る聖職者嫌いの死者ミソギと、死んだ姉に心を囚われたまま死んだように死者を狩る死者嫌いの聖職者アッシュ。絶対に相容れないふたりが亡者の街・東凶を舞台に共同戦線を張るというお話。何もかも相容れないふたりが自分の想いを貫くためにある時はぶつかり合い、ある時は共闘する展開が良かった!
望公太「最強喰いのダークヒーロー」→感想
ルイ=ミシェル・ヴィレット。(中略)いかなる者にも最悪の蔑称を授ける阿木双士郎をして、『王子』と呼ぶ他なかった男である。
ソードウォウ最弱の選手でありながら、強敵も味方も手のひらの上で転がす奇策な作戦で勝ち続ける双士郎と、そんな双士郎に救われて以来、その奇策を全部良い方に解釈して持ち上げていくルイ(強くて善人)という関係性がコミカルで良かった。双士郎が、ルイだけ微妙に転がしきれてない感じが楽しいんですよねえこれ…。
渡航(Speakeasy)「クオリディア・コード」→感想
昔も今もこの先も、きっと違う方向を向いて、違う道を選ぶのだろう。それでも、今は確かに、並び立っていた。
異形によって脅かされている世界を守るため、そして大切な少女達を守るために戦うふたり。性格も考えも正反対で本来ならば手を取り合うこともなかったであろう壱弥と霞が、自分にない部分に憧れ、誰よりも強く信頼し合っているという関係性が良かった。ノベライズ版はアニメと内容ほぼ同じなのですが、特に3巻の壱弥・霞の心象描写がとても濃厚で良いので副読本としても是非!(過去話も良いです)
師走 トオル「ファイフステル・サーガ」→感想
今でこそカレルは王家の味方だが、数十年後に余計な野心を抱かないという保証はどこにもないのだ。
来るべき魔王の襲来に立ち向かおうとする英雄達が時に手を組み、時には対立しながら人間たちをまとめようとしていく物語。アレンヘムの傭兵団の若き団長・カレルとフーデルス王国の摂政・ヴェッセルの関係が良かった!序盤から手を組んでいる彼らなのですが、それぞれお互いの国の思惑の下で動いていて、完全な味方ではないんですよね。稀に覗かせる剣呑な雰囲気がとても良かったです。
柳実 冬貴「Re:バカは世界を救えるか?」→感想
その闇の中で、心路は──(略)現実世界で唯一負の感情を抱くことのできる、好敵手の声をはっきりと聞いた。
他者の異能の「劣化コピー」を作る異能を持つ主人公・佐藤光一と、他人の異能を完全にコピーできる秋雨心路。最初は相容れない敵同士だった彼らが、少しずつ「好敵手」へと変化していく課程がたまらない。能力の代償として感情が薄れていく心路の心を唯一揺さぶることが出来るのが光一というのがまた。
賀東 招二「甘城ブリリアントパーク」→感想
(『汚いことをしなければならない』か。ならば、それをするのはぼくだよ)
ポンコツ遊園地の支配人代行となった主人公・可児江西也と遊園地のキャスト代表を務めるマスコット・モッフル。犬猿の仲だが遊園地の未来を誰よりも真剣に考えている彼らの目的が一致するがゆえの共闘が大変美味しいのですが、特に原作1巻終盤に起こったとある事件をきっかけにしたある種の「共犯関係」が、とても良かった。アニメ版とは全く違う展開ですが、どちらも良いので両方見てほしい。
渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」→感想
俺はもうとっくに気づいている。葉山隼人が、けしてただの善人ではないことを。
渡航が描く「お互いに相容れないからこそ誰よりも深く理解し合う」男男間複雑感情が大好きなので、例によって葉山隼人と比企谷八幡の関係性も大好きです。普段は優等生の仮面を被っている葉山隼人がそんな表の顔が通用しない比企谷八幡にだけは時折素顔で接しているのがたまらない。
田尾 典丈「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」→感想
「これから何があっても、みんなを愛し続けてほしい。それが、俺の望みだ。任せたぜ、初めての、親友」
とあるギャルゲーのヒロインたちが現実世界に投影され、彼女達が抱える問題をゲームの1ファンである都築武紀が解決する物語。クリア後のハーレム展開を謳歌していた武紀が明確に「全員を幸せにする現実のハーレムエンド」を目指して行動し始めるのが4巻のゲーム主人公・正樹との対決でした。同じヒロインを愛する主人公同士として・親友として次元を超えた友情を築いていく展開が熱い。

因縁・敵対

落葉 沙夢「─異能─」→感想
あいつは俺を赤根凛空ではなく、友人のアカとして扱ってくれていた。その存在は俺にとって小さくなかった。
複数の人物の視点から事件が描かれる群像劇形式のサバイバル異能バトル。過酷な展開の中でうっすら語られる「主人公」の祐樹とその友人・赤根凛空の関係性が印象的でした。物語で起こった惨劇を考えるとお互いにさっぱりしすぎと感じる部分もあるんですが、描写が短くてもお互いにリスペクトしあっていたことが伝わるふたりの独白が良かったなあ。
水瀬葉月「ぼくと魔女式アポカリプス」
「宵本澪っていうクソッタレな友達は──どうやら、俺が思ってたよりも少しだけお人好しらしい。」
絶滅寸前の魔術種達が生き残りを掛けて行う生存競争に巻き込まれた「死者」達が繰り広げる異能系サバイバルバトル。『普通』に埋没したくなくて学園生活からはみ出していた主人公・澪と可愛いショタの皮をかぶった女に見境ないクズ・草太の友人関係が独特で面白かった。二人の出会い話がどっかに合ったと思うんだけど収録されてないんだよな……。
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ」→感想
ああ、それだ龍園。おまえにも見えたんだろう?恐怖という感情は、己の中に確かに存在する、ということを。
Dクラスの黒幕として暗躍する綾小路と黒幕の存在を追うCクラスのリーダー・龍園。1年生2学期をたっぷり使って水面下で行われる長いかくれんぼ、その末に待つ直接対決がとても良かった。この直接対決の後の微妙に共闘的な関係になっていく綾小路と龍園の関係性も美味しいけど、やっぱりとりあえずは原作4〜7巻をよろしくお願いします!!ってなりますね!
賀東 招二「フルメタル・パニック!」
「カシム、カシムと……。馴れ馴れしいんだ、クソ野郎」
主人公である相良宗介に強く執着する、序盤にして最悪の強敵ガウルン。自分が恋い焦がれてやまない「殺人聖者・カシム」に宗介を引き戻すために自身の命すらも厭わない様はめちゃくちゃなインパクトがありました。フルメタ、なんだかんだで彼以上にヤバい敵出てこなかった気がするの凄いよね……。
ツカサ「銃皇無尽のファフニール」→感想
切れ長の目が画面の向こうから俺を射る。それだけで感覚が引き戻される。彼の部下だった長く暗い日々へと。
男性で唯一ドラゴンの力を持った“D”の少年・物部悠。同じ異能を持つ少女達が集まる学園・ミッドガルに入学するが……ミッドガル入学する前、軍事組織ニブルでの元上司であるロキ少佐がミッドガルに入学した後も悠に対して強い執着を覗かせていく展開が大変美味しかったです。いやこれ、俗に言う「元彼」概念なんですよね……美味い……。
羊 太郎「ロクでなし魔術講師と追想日誌」→感想
「今は、曲がりなりにも母屋を同じくする同志だけど……いつか、必ず僕らは決別する。……互いの信じる正義ゆえに」
相棒概念の所でも取り上げたロクアカですが、どうしてもジャティスの話したかったなどと供述しており……アルベルトと同じく元特務分室での同僚であったジャティスが特務分室を離れて犯罪者となり、事ある毎にグレンと衝突していく本編での展開も大変美味しいのですが、そんなジャティスがグレンを初めて宿敵として認めた追想日誌5巻がとてもよかったです。あとほんと本編は次巻が楽しみ…!!
月夜涙「回復術士のやり直し 〜即死魔法とスキルコピーの超越ヒール〜」
変だな。一周目では、あいつに怯えて、逃げたい、怖いとばかり思っていたのに、二周目の今はあいつに会いたくて仕方ない。
人生をやり直しながら1周目の人生で自分を虐待した勇者達に復讐を行ってきた【癒】の勇者ケヤル。その復讐も残るは【砲】の勇者で少年性愛者ブレットを残すのみとなるが、その復讐は国を巻き込み人類の存亡を掛けた戦争へと発展していく。メインは凌辱メインのエッチな復讐劇なのですが、その合間でケヤルとブレッドが見せる互いへの執着と、裏の裏までを読み合う心理戦が大変良かったです。ブレットの行方を追う回が「想い人を探す」なのとか最高。


2021年に読んで面白かったラノベ10選

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

2020年から職場がリモートワークになり、本を読む時間が上手く作れない!!と嘆いていたのも記憶に新しいですがリモートワークも2年目に突入し、それなりに自分の時間の作り方もわかってきたかな…と思わなくもない今日このごろ。今年もリモート生活が続くようなのでもう少しペースを作って本を読んでいきたいです。これは別で書くかもしれませんが今年の後半は諸事情から旧作読むのがメインになってしまって新作が追いかけられてないのがやや悩ましい所(面白い旧作って時間持っていかれるよね!!)。今年はマジで2巻や3巻が読めてない〜という作品が多いんですが、好きラノの投票までには少し崩していきたいですね!締め切りはいつだ。

今年もこちらの記事で紹介した作品をそのまま「マニアック・ライトノベル・オブ・ザ・イヤー2021」に投稿しています。

お気に入りの新作6選

紫 大悟「魔王2099 1.電子荒廃都市・新宿」→感想
ファンタジー×サイバーパンク技術の融合が楽しい近未来SF。
2021年の新作の中で一番おもしろかったと思うのはやはりこれ!!科学世界と融合し、その恩恵を受けて一気に進化した魔導技術。その科学の恩恵に預かれない「時代遅れ」の魔王が配信者として生計を立てつつ力を取り戻していくお話。世界観に加えて魅力的なキャラクター達の行動が楽しく、何より魔王と勇者の不倶戴天の敵同士だが誰よりもお互いのことを理解している関係性がめちゃくちゃ好き。3巻待ってます!!
七斗 七「VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」→感想
テンポ良い会話劇が楽しめる「企業Vtuber」モノ。
Vtuberである主人公やその同期・先輩後輩との小気味の良い掛け合いと、彼女たちの掛け合いをもり立てるコメント欄での反応を気楽に楽しめる。アンチや炎上のいない「優しい世界」なのが心地よく、そんな中で思う存分に暴走する個性派揃いのVtuber達の奇行が楽しかった。企業Vtuberモノということで、ゆるくても確かに存在するお仕事モノ感がまた(Vtuber世界に疎い者的には)新鮮。
小田 一文「貴サークルは“救世主”に配置されました」→感想
転生戦士×同人作家。リアルな弱小サークル描写が面白い!
「同人誌100冊完売しなければ魔王が復活して世界が滅ぶ」という一見荒唐無稽な設定、それを達成するまでの展開にしっかりとした肉付けが行われているのが凄く良かった。またマイナージャンルの弱小二次サークルの描写のリアルさに震えました。2巻の小説サークルの描写には個人的には違和感が強かったのだけど、凄く面白かったので3巻が出てくれるといいな。
コイル「オタク同僚と偽装結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど!」→感想
程よい距離感の関係がたまらない、オタク男女の同居生活モノ
郊外にあるそこそこ立派な家で、自立したオタク男女同士が程よい距離感を保った共同生活を送る。キチンとした生活基盤を得た上でオタク活動をしているという上質な暮らし感が心地よく、タイトル通り「メッチャ楽しい」が伝わってきてこちらの心も健康になった。ラブコメとしてはこれからのお話だけど、無事2巻の刊行も決まったのでどうなっていくのか楽しみだなー。
栗原 ちひろ「死んでも推します!! 〜人生二度目の公爵令嬢、今度は男装騎士になって最推し婚約者をお救いします〜」→感想
「推し描写」が健康に良すぎるやりなおしモノ。
推し描写が健康に良いオブザイヤー。婚約者を「推し」すぎる余りにやり直し人生が始まった途端に彼を守るために全力で当たり前の女性としての生活を捨ててしまうヒロインと、そんな主人公にタジタジ……と思わせておいて実はメロメロなヒーローと、やはり「推し」パワーの高い周囲の人々のやりとりが最高に楽しかった。明るい話の中でひっそりと進んでいくシリアスな気配にもわくわく。
まきぶろ「悪役令嬢の中の人」→感想
異世界憑依×ヤンデレ百合×悪女な復讐劇。
自分の体に憑依してきた転生ヒロインのことが好きすぎて、彼女の代わりに完璧な復讐を果たしてしまう悪役令嬢のお話。憑依される前は未熟な人格だった主人公が転生ヒロインとの心の交流を得て心のスキマを埋められて、良い人になる……のではなくて完璧な悪女として大成してしまうのが、悪女モノとしてもヤンデレ百合としても最高に面白い。気に入ったらなろう版の未収録短編も読もう。

2021年に読みはじめて面白かったシリーズ2選

餅月 望「ティアムーン帝国物語 〜断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー〜」→感想
ポンコツだけど応援したくなる「やりなおし」劇。
一度は断頭台の露と消えた世間知らずのお姫様が幼少期から人生をやり直すことになり、断頭台を回避して気楽な生活を送るためにポンコツな頭をフル回転させて未来改変に挑むお話。一度は没落生活を送ったお陰で他人の心に寄り添えるようになった彼女が、復讐を恐れるあまり角の立たない解決を必死に模索していくうちに思った以上の評価を受けて行く展開が楽しかった。
鏡 貴也「伝説の勇者の伝説」→感想
過酷な状況下で少しずつ前を向こうとする主人公の姿が印象的
とある異能が原因で「化物」扱いされ続けてきた主人公・ライナが自分の考えに共感してくれる相棒や親友と出会い、少しずつ前向きになっていく展開がアツい。しかし、彼が望むような綺麗事だけでの解決ができるほど世界は甘くはなく……と闇の中で只一つの光を掴むような展開から再び闇に引きずり込まれていくような終盤の過酷な展開が衝撃だった。諦めることをやめたライナが前を向いて、親友のシオンに背を向ける第一部のラストがとても良かったです。続編を読むのが楽しみ。

今年「も」面白かったシリーズもの2選

羊 太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典19」→感想
クライマックス目前の展開がノンストップで面白い…!!
ロクアカはもう2桁巻くらいのところからずっと面白いんですけど、グレンの師匠・セリカの足跡を辿りながら物語の中で大きな謎とされてきた「メルガリウスの魔法使い」の真実に迫っていく最新刊が本当に本当に面白かったんですよ……戦力的にも大きなパワーアップをする巻で、いよいよ次巻からはじまる最終決戦がどうなっていくのかが楽しみ。
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編5」→感想
極限状況で行われるクラス内での駆け引きが最高に面白かった!!
2年生編になってから全体的に話が大きくなりすぎて、キャラクターの把握で手一杯になりがちだったよう実ですが、久しぶりに学年別の争い、しかもクラス内での駆け引きが重要になるお話でめちゃくちゃ面白かった!!仲間を犠牲にしてポイントを得るか、ポイントを捨ててクラス内の団結を促すか……という究極の質問に対して各クラスがそれぞれの結論を出していく展開が最高に熱かったです。