うららの記事一覧 | ページ 20 | 今日もだらだら、読書日記。

うらら一覧

大伝説の勇者の伝説5 悪魔王、降臨

 

血に染まる戦場に今、『悪魔の王』が降臨する――!
『人が死ぬのは嫌いだ。殺すのも嫌い』かつて自分が書いたレポートは、そう始まっていた。「……俺は、何を言っていたんだ」ライナは呟く。そして目の前の戦場を、見つめて思う。シオンの絶望に気づかなかった、大切な人を救えなかった、狂った絶望をまき散らすだけのこの俺に――今ここで、なにができる? トアレ率いるネルファの民を守るため、反ローランド連合軍と行動をともにするライナ。ついに戦場に身を置くことになった彼は、戦うことを強いられるのだが……?

トアレに付いてきたネルファの民達を守るため、ヴォイス率いる反ローランド連合軍に協力することになったライナ達。そこでヴォイスから伝えられたのは北上してくるローランドから人々を守ることではなく、北大陸から南下してくるガスターク帝国を迎え撃つことで…!?

先の展開が不穏すぎて読む前からしんどい(気が早い)

これ大伝始まるときにも書いた気がするんですがシリーズ27冊読んで「やっとこの物語がはじまる」って言われたときどんな顔したら良いかわからない。いや今回の話を最後まで読んでプロローグを読み返すと、これは予想でしかないのだけどやっとライナが1巻時点のシオンと並んだ、みたいなこといいたいんだろうなというのはなんとなくわかる(わかりたくない!!)

「化物」と呼ばれることを恐れ、自分の力を積極的に使うことから逃げてきたライナがフェリスやキファ、トアレといった自分を信じてついてきてくれた仲間たちを守るために、たとえ「化物」と呼ばれようともその力を奮うと決意する場面は最高にアツいんだけど、手を取る相手があのヴォイスなのが何も信用できなくて、不安しかない。いや、シオンと手を取り合うことが出来ないのはもう仕方ないとしても『蒼の公主』とか、ガスタークと話し合うとかなんかこう……なんかなかったんですかね!!どうかんがえても一番手にとったらヤバいところと手をくんでる気がするんですよ。ヴォイスが本当のこと言ってないと理解しつつもどうして大事なところで信用してしまうのかというかラストでヴォイスが概ね予想通りのことを言ってて……また酷いところで切れたし!!!

『蒼の公主』ことみんなが正体わかってたピアの登場でライナをめぐる四角関係にさらなる波乱が!?とか現実逃避気味に期待したしピアの登場に沸き立つキファやフェリスの反応は大変可愛かったのですけど本当にそれどころじゃなかったし、ピアはピアで良くも悪くも彼らの二手三手先を行っているなあ……という感じで。でも本当に一番腹を割って話せて戦力的な意味でも味方になってくれそうなのは彼女達だと思うんですが……。

珍しくカチっとした礼服を着た(着せられた)ライナと、ゾーラとライナのじゃれ合い(?)が色々な意味で唯一の癒やし。ゾーラは本当に可愛いなあ。ファンリビでてくれなかったの惜しいな……(仲間にならなくて良いので味のある敵役とかで来てほしかった)


大伝説の勇者の伝説4 虚々実々の大幻惑

 

侵略戦争を続けるガスターク王レファル。彼の心に秘められた決意とは──!?
人の命を喰らい力を発現する剣『グロウヴィル』に選ばれたエディア家に伝わる、お伽噺。それを語ってくれた父が、幼いレファルの誇りだった。強く、仲間を裏切らないガスタークの王。だから父との「狂ったグロウヴィルには、決して触れない」という約束を、守るつもりでいた。けれど、15歳になったレファルは思う。ストオルに故国を滅ぼされ、奴隷にされたこの3年。世界は願うほど、甘くも優しくもなくて。だったら──どんな力でも手に入れて、世界を変えるしかない。そしてレファルが『勇者王』と呼ばれるようになった世界で、運命の歯車は回り続ける──!

北大陸を統一したガスタークの王・レファルは中央大陸に侵攻。そのさなか、故国を侵略され奴隷となった過去と自分の血脈に受け継がれる『勇者』と呪われた剣の逸話を思い出す。その頃、ライナは意識を失い、ヴォイスの中に潜む『女神』と対峙していて……。

情報量が…情報量が多い!!

シオンやルシルやライナの中に『何』が居るのか、女神とは何なのか、更に彼らの裏に居る、メノリス大陸を裏から操る異形の正体、そしてライナの失われた記憶の全貌……シリーズをめぐる大きな謎が一気に明かされるシリーズ第よn情報量が多い!!3巻でライナが、そして今巻でシオンがそれぞれローランドでのありし日のなんでもない日常を代わる代わる回顧してるの本当にしんどいのですが、ヴォイスに反ローランド同盟軍のリーダーになれと打診されたライナが人物紹介のところで正式にレファル・シオンと並ぶ「3人目の王」として紹介されてるのがめちゃくちゃしんどい。ライナが3人目の王になるというのは無印最終巻のラストでも語られていた話ですが、前巻の展開を受けて正式に袂を分かってしまった感が強いのきついですね……。

これまで謎に包まれていたルシルが『何』であるのか、そしてシオンの方に現れた『女神』の正体にも驚かされました。ミルクのカリスマは一種の異能ではとか以前の感想で書いたことがありましたけどこれマジモンの異能じゃん……。そして自己申告によると特に特別な力も持っていないはずのルークが強すぎて無印時代は敵なしの化物だとおもっていたルシルが小物に見えてくるの笑う。2巻のルシルvsフロワード、3巻のクラウvsライナと来て今回のルークvsシオン・ルシルと、侵略戦争やってる傍らでローランド国内最強決定戦でもやってるんですか?バトルのインフレが凄い。

三人の「王」による中央大陸争奪戦のはじまり

今回わかった情報をまとめると、狂った女神の力を削ぐため、周辺国を征服して『ニンゲン』を『ニンゲンα』にしながら南大陸を併合し中央を目指すシオン、狂った女神と狂った勇者の支配を止めるため北大陸を飲み込み同じく中央へと進軍するレファル、女神やその黒幕の意向にとりあえず乗っかってシオン率いるローランドの対抗勢力としてまとまろうとしている一団の王に祭り上げられようとしているライナ、という認識でいいのかな。各勢力による中央大陸争奪戦の様相を見せてきた。

シオン達が中央大陸の最奥にたどり着くことで何が起きるのか、レファル側が南下してきているのもただシオンを止めるだけの目的ではなさそうな気がするし、なによりライナ達は今後どういうふうに動いていくのか。女神の思惑、ヴォイスの真意、ピア率いる『蒼の公主』とはどう絡んでいくのか……などなど、かなりの情報が明かされたもののまだまだどうなっていくのかは全然見えない。続きがどうなるのか、とても楽しみです。


大伝説の勇者の伝説3 青色吐息の大計画

 

もし、本当に自分がシオンの友達だと言いたいなら、ちゃんと戦わないとだめだ――!
「……おまえは、相当数の人間の命を背負ったって、わかってんだろうな?」クラウの言葉にライナは、面倒くさそうに笑って、肩をすくめた。ネルファの王族であり、友達でもあるトアレを救う。そのために合計8万の兵を相手に、クラウを――ローランドを巻き込み、ライナはある計画を立てた。人の命を背負うなんて正直、逃げたいなぁ、なんてライナは思う。怖くて、重くて、泣き出したくなるほど辛いなぁ。でも、もう、逃げるわけにはいかない。無気力男が本気で動く、ファンタジー・イノヴェーション第3弾!

ネルファに入ったライナ達は、トアレの捜索をキファに任せてクラウのいる最前線に乱入する。なんとかクラウを説き伏せて、トアレと合流し逃走した前王を探し出すための時間をかせぐことに成功……したと思いきや、シオンから帰ってきた返答は予想外のもので……。

この急展開がすごいネルファ王国編

ローランド脱出に2冊掛かったのでネルファ編も結構掛かるのだろうな、と構えてたら後半はもう怒涛の展開、急展開の連続で一気に物語が動いてしまった。いや、まさかネルファの滞在時間1巻に満たないとか想像してないじゃないですかやだー!!

クラウとの話合い、トアレとの合流で絶望的ではあるけれどなんとか希望の光が見えた……と思ったところから、シオンの返事が来てからの絶望的な展開の落差が凄い。というか無印の時はシオンが王になったあともローランドを牛耳る貴族達という明確な悪役がいたし、どんな胸糞な展開が始まっても良くも悪くも敵味方がはっきりしていたけれど、大伝になってからは見ている方向こそ違っても(南下してくるレファルを含めて)「みんなが笑って暮らせる世界」を作ろうとしてる同士のはずなのに、前王の時代よりも酷い殲滅戦やってるんだからやるせない。シオンからの「返事」、一考の余地があると本人が考えてるのにもかかわらずああいう返事をしてくるのって完全にライナとの関係を断ち切ろうとしてるよな……。

もうキファ参入で以前よりもやや比重の上がったラブコメ要素に癒やしを求めるしか無いんですけどそんな浮かれた展開も吹き飛ばしていく終盤の展開というかもう、ほんと、無印時代はあんなに最強キャラ感をだしていたフェリスさん大伝になってから何回死にかけてるんですか!?バトルのインフレが凄すぎるしキファの登場で結果としてライナとフェリスの愛が深まっちゃてる感がすごいのでキファは強く生きて欲しい。

最後の最後でまさかの短編側から知った顔登場!!で本来ならばテンションが上がる……はずのところなんですが、この絶望的な状況でギャグ担当だったキャラがこれまで通りのノリで出てくるのってこんなに薄ら寒いことない。純粋に怖い。そしてまた今回も続きが気になる引きで終わった!!


大伝説の勇者の伝説2 明日をも知れぬ大合戦

 

フェリスの命の灯火が……消えゆく。間に合うのかライナ! 怒濤の展開第2弾!
『南の化け物――シオン・アスタールから、ライナを救ってきてほしい』ガスターク王の指令によって送り出された、ライナとシオンの旧友キファ。ライナと再会して、思い知った。今でもやっぱり、ライナが好き、と――。なのに、ライナには超絶美人な相棒がいる。私には勝ち目がないってこと……? でも、それより気になることがある。ライナの相棒が、シオンの放った追っ手に襲われたらしい――。今、運命が、新たな局面を見せ始める!

変わってしまったシオンを救うため、ローランドを出る決意を固めたライナとフェリス。その準備のため、国境近くで待ち合わせをして一度別れた二人だが、待ち合わせ場所に向かったフェリスはその途中でシオンの腹心・フロワードの襲撃を受け瀕死の重傷を追ってしまう。一方その頃、ライナはレファルからの命を受けてローランドに潜入したキファと再会して……。

ヒロイン3人、それぞれの戦い

イリスとフェリスがフロワードによって瀕死の重傷を負わされるという衝撃のラストからのシリーズ2巻。勇者の遺物を使うフロワードとの絶望的な戦い、フェリスを救うために現れた兄ルシルのとんでもない能力とフロワードによる考察が面白かったです。色々な意味で人間をやめてる感じが凄いルシルですが、そんな彼の落とし所が妹のフェリスであるようで……?シオンの元にいるとルシルって本当に腹の中が見えない「化物」という感じなんですけど、フェリスの視点から語られる「兄」としてのルシルは決してそんなことがなくて。この辺本当に今後の伏線ですよって感じの描写が多くて気になるなぁ。

フロワードの思惑によって「見逃された」ふたりは改めてローランド出国を目指す。目的は、ローランドに侵略されたネルファで孤独な戦いを強いられているトアレを救い、戦争を止めること──シリーズがリセットされて以来とにかくシリアスで重い展開が続く中でひとりでラブコメ百面相してるキファさんの癒やし担当ぶりがすごい。いや本当にそれどころじゃないし、彼女も色々と重い事情を抱えているわけですが……自分がいなくなってる間にライナの「相棒」に収まっているフェリスに内心穏やかじゃなかったり、そんな二人の危険などつき漫才に困惑したり、ライナの挙動のひとつひとつにドキドキしちゃってたりする姿が可愛かった。更にそんなキファに触発されて、フェリスの方もなんだかんだでキファの登場に内心穏やかじゃなさそうだったり、ライナを意識しているらしき行動が見て取れるのにニヤニヤしてしまう。

一方、国境付近で二人が見えない火花を散らしていた頃、忌破り追撃隊が把握している限りの裏事情を知ったミルクは、その上で改めて「忌破り追撃隊」の隊長としてローランドに残ることを決意する。今回ヒロイン3人それぞれの想いや決意が描かれた巻だったのかなと思うのですが、特にミルクの行動は言及こそ短いながらに印象的でした。ミルク、大人になったな………(とり伝でのアレやコレを思い出しながら)

思ったより時間がかかったな〜という印象のローランド出国編を終え、舞台はローランドとの戦争真っ最中のネルファ公国へ……というかまためちゃくちゃ気になるところで終わったんですけど!?毎回こういう引きで行くつもりなのか…!?


「ファンリビ」原作作品のすすめ

去年年末にサービス終了した富士見ファンタジア文庫のクロスオーバーゲーム「ファンタジア・リビルド」のユーザー向けに、ゲームも終わっちゃったし原作作品読もうぜ!!という記事です。本編とかよかったところかここが駄目だったのでは?の話は↓こちらから。

初日から遊んで最終日の終わりまで見届けた1ユーザーの感想です。ちまたで話題になってる動画に触発されたわけではありませんが(ていうか問題のやつ見てない)、出すならこのタイミングかな…と思ったので。「ファンタジア・リビルド」とは公式サイト消える

本当は私が率先して全作読んで紹介したいという気持ちがとてもあったのですがざっくりWikipedia等を使い計算した所全部読もうとするとファンリビに関係ある部分だけでも300冊を余裕で超えていたので、概ねの作品をアニメでざっくり当たる感じになってしまいました…ぶっちゃけ自分が後で読む用のメモも兼ねています。それでも本編に言及出来ていない部分はアニメが合わなくて見れなかったとこですすいません……。

ちなみに私はKADOKAWAの直営電子書籍サイト「BOOK★WALKER」を主に使っているのですが、こちらで提供されている「角川文庫・ラノベ読み放題」というサブスクサービスに加入するとかなりの作品が全巻無料、もしくは1〜3巻読みすることが出来るのでオススメしていく所存です。というわけで現時点で読み放題巻数の多い順に作品を紹介していきます。記事内には2022年2月27日現在のサブスク対応状況を記載していますが、時折レーベル毎の強化期間が来ると無料読みが追加される場合もあるので気になる場合はぜひチェックしてみてください。(逆に、他のサブスクと同じく読み放題が終了するパターンもありますのでご注意ください)

3/1追記:とかいってたら、大量の読み放題追加がありました!!(3月・4月限定)
2021年に1巻が売れたKADOKAWA作品を一挙追加!」というBookWalkerの企画で、「ロクアカ」「デアラ」「ハイスクールD×D」「冴えカノ」「ゲーマーズ」の読み放題が大幅に追加されました!!4月末までの限定となっておりますので、この機会に気になるシリーズがあるかたは是非試してみてはいかがでしょう。サービス未加入の人は、1か月限定のサブスク無料もあるそうです。

KindleUnlimitedもちょくちょく対象になっているようなのですが、確認したところフルメタくらいしかみつけられなかったので今回は割愛。

期間限定(4月末まで)で読み放題巻数が増量しているシリーズ

石踏一榮「ハイスクールD×D」
本編29巻+外伝6巻+続編4巻/読み放題なし→関連シリーズ含め全部
おっぱい大好きな男子高校生・兵藤一誠がひょんなことから命を落とし、学園一の美女にして悪魔のリアス先輩にしもべの悪魔として生き返らせてもらうことに…!?おおむねのメンバーは初期から登場、フリードとのいざこざは1巻と3巻、ロスヴァイセの登場が7巻かな?木場くんとフリードの参戦なかったの残念……。
羊太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」
本編20巻+短編9巻/BW読み放題:3巻+短編1巻まで→本編19巻+短編8巻まで
やる気の無さすぎる主人公・グレンがひょんなことから「大嫌い」な魔術を教える魔術講師となり、曰くありの生徒たちや自らの過去を知る者たちとの因縁、国家の存亡を掛けた陰謀に巻き込まれていく。リィエルが初登場する3巻までは読み放題対象。ファンリビでの時系列はおそらくイヴがグレンの同僚教師になる11巻くらいまでかな。11巻めちゃくちゃいいので読んでください……。
橘公司「デート・ア・ライブ」
本編22巻(完結)+番外編10巻?/BW読み放題:3巻まで→本編12巻+アンコール4巻まで
空間震と呼ばれる災害を引き起こす、「精霊」と呼ばれる少女たち。ごく普通の少年・五河士道はなぜか精霊達の霊力を吸収・封印する能力を持っていた。ただしそのためには、彼女たちを「デレさせる」ことが必要で!?読み放題に入っているのは狂三が初登場する3巻まで。ファンリビに登場したキャラクター達の素性を読みたいなら11巻まで。アニメは原作12巻までで、原作13巻以後のアニメが近いうちに放映される予定です。
葵せきな「ゲーマーズ!」
本編12巻+外伝3巻(完結)/BW読み放題:3巻まで→短編含め全巻
ゲーム好きの高校生・雨野景大はクラスの美少女・天道花憐からゲーム部に誘われる。ところが自分のペースでゲームを遊びたい景大はその誘いを断り、更にはクラスメイトの上原やゲーム仲間の星ノ守とともに「ゲーム研究会」を設立する!?すれ違いと勘違いが交錯する学園ラブコメ。読み放題は3巻まで。上原くんなぜ実装されなかったのか……。
丸戸史明「冴えない彼女の育てかた」
本編13巻+外伝7巻(完結)/BW読み放題:3巻まで→短編・ファンブック含む全巻
倫也が通学路で運命の出会いをしたのはクラスでも何故か存在感の薄い少女・加藤恵。「理想のギャルゲー」を作るため、彼女をメインヒロインとして「育成」しつつ売れっ子同人絵描きの英梨々やラノベ作家の詩羽先輩を巻き込み同人サークルを結成するが。ファンリビの時間軸的には原作8巻くらいまで?アニメ版の詩羽先輩と英梨々のクリエイターとしての葛藤がすごく良かったので、ファンリビではほぼ出番がなかったの残念だな……。

本編ないしシリーズ全巻がすべて読み放題対応のシリーズ

神坂一「スレイヤーズ」
本編17巻+短編35巻+α/BW読み放題:本編15巻まで、短編全巻
自称美少女魔道士のリナ・インバースが愉快な仲間達と共に派手に呪文をぶっぱなしながら魔族の陰謀に巻き込まれていく。直近発売された本編16巻・17巻を除く50冊以上が読み放題に入っていてボリュームが凄いですが、本編と短編は完全にストーリーが独立しているのでファンリビの元ネタをあさりたいなら本編のみでOK。World05は本編7〜8巻の冥王フィブリゾの陰謀周りと14〜15巻のストーリーがベースになっています。
鏡貴也「伝説の勇者の伝説」
本編28巻+短編・番外編19巻/BW読み放題:関連シリーズ含む全巻
「複写眼」といういわくつきの眼をもつライナが親友で王様のシオンから命じられて相棒で団子大好きな美少女・フェリスと旅に出る。関連シリーズまで含め47冊が読み放題対象でこちらも巻数ゴツいですが、ファンリビ本編の元ネタをあさりたいなら無印全11巻+短編全11巻でとりあえずOK。アニメも無印全巻分の内容で、1クール分で綺麗にまとまっているのでおすすめです。
築地俊彦「まぶらほ」
33巻(完結)/BW読み放題:全巻
人生における魔法の使用回数は少ないがとんでもない魔力を持つ主人公・式守和樹の遺伝子を求めて美少女たちが…!!みたいなお話。「○○の巻」とシリーズごとにサブタイがついていて、ファンリビに出てきたリーラは外伝「めいどの巻」シリーズのキャラクターとなるそうです。全33巻が読み放題対象。
雨木シュウスケ「鋼殻のレギオス」
本編25巻(完結)/BW読み放題:関連シリーズ含む全巻
大気を汚染された世界、自立した意思を持って世界中を移動する「移動都市」とそこに住まう学生達の物語。全25巻に加えて過去編の「レジェンドオブレギオス」や番外編?の「聖戦のレギオス」も全巻読み放題対象。ファンリビでライバル都市として出てきたマイアスも一応本編6巻くらいで出てきますが、あれはファンリビだと完全にベツモノになってましたね……。
賀東招二「フルメタル・パニック!」
本編12巻+短編・番外編11巻(完結)/BW読み放題:本編全巻、短編3巻まで+番外編・アナザー全巻
幼い頃から紛争地帯で生きてきた少年相良宗介が日本の平和な学園・陣代高校で生徒会副会長を務める千鳥かなめの護衛をすることになり、学園でのドタバタやかなめの持つ異常な知識を狙うテロリスト達との戦いに身を投じていく。ファンリビで取り上げられていたのはガウルンとの戦いなので5巻まで。学園都市マイアス周りの元ネタは短編2巻の「やりすぎのウォークライ」、ボン太くん周りは「よりぬきボン太くん」という総集編が出てます(電子のみ)。
あざの耕平「東京レイヴンズ」
本編16巻+短編4巻/BW読み放題:短編含む全巻
陰陽道の名家に生まれながら霊的才能に恵まれなかった主人公・春虎がとある霊災に巻き込まれたことをきっかけに幼馴染の土御門夏目、悪友の阿刀冬児とともに陰陽師を育成する学園に入学する。ファンリビの時間軸は原作8巻途中まで。きっかり本編1部完結までになるのでぜひ読んでみてください……夏目の親密度上げると出てくるソシャゲの話はEX3らしいよ。読みたい。
木村心一「これはゾンビですか?」
本編19巻(完結)/BW読み放題:全巻
ゾンビとして生き返った主人公・相川歩が更に異世界からやってきた少女ハルナによって魔装少女に任命され、ゾンビで女装魔法少女とかいうゴッツイことになる。ファンリビでは主人公はハルナやユーのキャラモーションにちょっと出てくるだけだったが、色々な意味で見た目のインパクトがスゴいので原作かアニメを見てみて欲しい。全巻読み放題対象。
柳実冬貴「対魔導学園35試験小隊」
本編13巻+番外編2巻(完結)/BW読み放題:全巻
曰く付きの人材ばかりが集まる対魔導学園35試験小隊(通称「雑魚小隊」)にエリート拳銃使いだが性格に難アリの鳳桜花や魔女の二階堂マリが加入して……。全巻読み放題対象。マリとホーンテッドの馴れ初めは2巻、タケルのキャラクター紹介で語られている妹・キセキの話は原作5巻あたりまでよむとざっくりとした話は見れるはず。アニメも5巻までで結構綺麗にまとまってる。
諸星悠「空戦魔導士候補生の教官」
本編14巻(完結)/BW読み放題:全巻
かつては「黒の剣聖」と呼ばれ、現在は「裏切り者」と揶揄される学園の嫌われ者・カナタ=エイジが負けてばかりのE601小隊の教官として配属され、時にぶつかりあいながら隊員達の能力を引き出していく。電子限定の短編集を含む全巻が読み放題対象。とりあえず1巻を読めばざっくりファンリビに出てくるキャラはつかめる感じかと。
榊一郎「棺姫のチャイカ」
本編12巻(完結)/BW読み放題:全巻
戦争が終わり、生きる目的を見失っていたトールは謎の棺を担いだ少女・チャイカと出会い、妹のアカリと共に彼女の護衛として旅に出る。全巻が読み放題対象でフレドリカの登場が2巻、赤チャイカの登場が4巻。アニメは2クールでおおむね原作終盤までやるけどオリジナル要素も結構入っているようです。結末も別個。
あかほりさとる「セイバーマリオネットJ」
本編12巻(完結済)/BW読み放題:全巻
女性が機械人形=マリオネットにその形骸が残るのみで伝説の存在になっている男性のみの世界、「女性」に憧れを持つ主人公・間宮小樽はひょんなことから感情を持つマリオネット、ライム・チェリー・ブラッドベリーの3体のマリオネットを目覚めさせ、女性復活を目指す旅に出る。こちらも全巻読み放題対象でファンリビの元ネタを当たるなら原作1〜2巻を読めばOK。アニメは2クールありますが、一部エピソードが同じ以外はほぼ別の内容で結末も別。

序盤巻のみ読み放題に入っているシリーズ

賀東招二「甘城ブリリアントパーク」
本編8巻+スピンオフ3巻/BW読み放題:1巻のみ
元子役の男子高校生・可児江西也は転校生の千斗いすずに半ば脅され、地元の冴えない遊園地・甘ブリにやってくる。そこで甘ブリのトンデモない事情を聞かされ、支配人代行として遊園地の立て直しに力を貸すことに…!?読み放題は1巻のみ。アニメとは全く別の結末なのでアニメを見た人も是非読んでみて欲しいです。イベント中盤で出てきたニャーソン達はスピンオフ「メープルサモナー」の方のキャラですがこちらも読み放題なし。

読み放題対象外の作品

石踏一榮「堕天の狗神 -SLASHDOG- ハイスクールD×D Universe」
本編3巻(完結)/読み放題なし
体調不良で修学旅行を欠席した幾瀬飛雄は飛行機事故で幼馴染の少女と多くの級友達を亡くす。しばらくして、かつての級友の姿をした化け物に襲われて……。「ハイスクールD×D」本編開始の4年前を描く前日譚。ざっくりコミカライズで読んだのですが本編には若き日のフリード神父をはじめとした本編キャラも登場するようで、気になります。こちらも読み放題対象外。


オタク同僚と偽装結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど!2

 
雪子

同人女子とドルオタ男子の、偽装結婚から始まる楽しすぎる結婚生活、その続き。
相沢咲月はドルオタで同僚の滝本さんにプロポーズされ、無事籍を入れる。 結婚式の写真も撮りすっかり新婚ムード。趣味も近くて、お互いに理解のあるふたりの打算で始めた偽装結婚は、徐々にかけがえのない本当の結婚へと変わっていって……。 超打算で結婚した咲月と、打算の顔して実は咲月がずっと好きだった滝本さんの偽装結婚――から本当の結婚になる、ふたりのオタクの話、第2弾。

苦手意識しかない実家に、偽装結婚相手である滝本と共に帰省することになった咲月。ところが、滝本の徹底的なリサーチや気配りによって今年の帰省はいつもよりも居心地が悪くなかった。帰省の帰り道、偽装結婚から始まった二人はついに正式な夫婦になって……。

本当の夫婦になっても変わらぬ距離感がとても良かった

偽装結婚から始まるオタク男女の適切な距離感が保たれた上質な同居生活、シリーズ第2巻。しょっぱなから第1巻から続く形で咲月の実家の話が描かれて色々な意味でしょっぱなからクライマックス感凄くてどうなることかとおもったけど、本当に安心の滝本さんのリサーチ力で感心してしまった。地方にある古い体質の家の中で立場も肩身も狭い子、という問題を好きなアーティストや舞台俳優の話題から切り開いていくのオタクならではの感覚だなと思ったし滝本さんのリサーチ力が強い。その他の場面でも細々と気を回してくれるのが伝わってきて、そりゃ咲月も惚れてしまうわよ……。

実家編を境に偽装夫婦から本当の夫婦に……ということで、恋愛感情を交えることで1巻で感じた心地よい関係性が崩れてしまうのでは?と少しだけ心配をしていたのですが、引き続きお互いにオタクとしてのパーソナルスペースが保たれた、無理のない距離感で付き合っていくのがすごく良かった!個人的に一番共感したのは『朝は昨日の夜流れたツイッターのタイムラインをチェックしたりしたいから一人のほうが気楽なので基本的に別々』ですね。本当にわっかる〜!!!!!

その一方で、互いを名前呼びするところから始まって、出張で離れ離れになってお互いの存在の大きさを実感したり、会社の中でも公認の関係になったり……と一歩一歩夫婦として距離が近くなっていくのが気持ちよかったです。一緒にいるために自分の楽しいことを犠牲にしているわけではなくて、大好きな相手のために何かをすることが「とても楽しい」だから一緒にいる時間が増えていく……という、まさしくタイトル通りの生活なんだよなあ。パーソナルスペースは保たれたまま、そのパーソナルスペースの一部が重なる感覚というか。「咲月に似合いそうな洋服を買ってあげたい」滝本と「着るものに拘りはないけど滝本が喜ぶならいつもと違った格好をしたい」咲月、といったように互いのフィーリングがバッチリ合うというところも多分にあるのだけど、とにかくこんな生活だったら他人と暮らすことも悪くない、と思わせる展開が多くてこちらまで幸せな気持ちになってしまった。

というか、1巻では咲月への恋愛感情をひた隠しにしてきた滝本が少しずつ遠慮しなくなっていくのが大変微笑ましいですよね。家庭環境的に他人により掛かるのが苦手な滝本が少しずつ咲月さんにも自分の荷物を持ってもらうようになるまでの過程も大変良かったですが、「エロ隆太」さんとか、笑うしかない。いやほんと、我慢しなくてよくなってよかったねぇ…。

相変わらずオタ活描写も楽しい

二人でイチャイチャする時間が増えていく一方で、オタクとしての活動もしっかり描かれていて楽しい。1巻であまり生きてなかったように思うボカロP設定がここぞとばかりに出てくるのも楽しかったし、咲月さんがおかっぱ男子好きが嵩じて昔のアニメのおかっぱキャラの同人誌作る流れには思わず笑ってしまった。他の作品は伏せ字対応なのにガンダムSEEDだけまんまなのはやっぱりKADOKAWAから出版されてるからなんだろうか……私もおかっぱというとアスランじゃなくてイザークを連想します。

個人的にデザロズ周りの話が好きなので今回あまりデザロズ関係の話がなくて残念だな……とおもっていたら28話の咲月が滝本にデザロズ絵を描いてそれがうっかりバズる話がなかなかデザロズ的に濃厚で超満足。今回はデザロズといい従姉妹の樹里ちゃんのVtuberプロデュースの話といい、前巻よりももっと踏み込んだ形で夫婦で一緒にオタ活してる描写が入ってきたの楽しかったです。それにしても滝本さんは本当に有能Pだな……。


ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編6

 

「ねえ堀北さん。櫛田さんを残したのは本当に正しかったって言えるの?」
満場一致特別試験の代償は大きく、綾小路たちのクラスには大きな亀裂が入ってしまった。櫛田、長谷部、王の3人が学校を連続欠席。体育祭の詳細が発表されるが、堀北への反発からミーティングは紛糾、綾小路クラスは練習すら始められない。大きなポイントを得てクラス昇格を果たしたはずが、このままではマイナスの結果になりかねない。3人の生徒のクラス復帰に向けて堀北や平田が動き出すが……。一方個人の実力が大きく影響を及ぼす今回の体育祭。小野寺は最良の結果を求め、須藤との共闘を申し出て――!?  「私は認めない。この先何人が堀北さんを認めたとしても、私は絶対に認めない」 選択の先に待つ未来は光か闇か。

再び巡ってきた体育祭を前に、Bクラスに昇格した堀北達は空中分解の危機を迎えていた。堀北がこれまで築いてきたクラスメイト達との信頼関係は半壊し、櫛田をはじめとした三人の生徒達が不登校状態になってしまう。とても体育祭の練習どころではない状態で、堀北や平田はまず彼女たちを復学させるために奔走することになるが……。

「満場一致試験」のあとしまつ

2年目を迎えた体育祭編、まずは満場一致試験の後始末からスタート。櫛田ちゃん確かに前巻のあのラストでどういう顔して翌日学校行くんだろうと思ってたんですがそりゃあ休むか……。しかし、時間は掛かったけれど彼女が作り上げた堅牢な壁を壊し尽くしてようやく腹を割って話すことが出来たという一面もあり、前巻でのアレは完全な無駄撃ちじゃなかったんだと思わせるようなやりとりもあったのでよかった……のかな。「共通の敵に対して共闘出来る」関係まで関係性を修復できたのは怪我の巧妙というか有史以来の快挙と言えるのでは。櫛田を切り捨てなかったこと、代わりの生徒を切り捨てたことが本当に正解だったかというのは、もっと先になってみないとわからないけど。

櫛田・堀北が共通の敵を前に一時共闘するの大変美味しかったですが、そこに伊吹が絡んだときの化学反応がまた凄い楽しいですね。良くも悪くも考えすぎな二人に対し、伊吹は良い意味で「脳筋」で裏表がない。良い緩衝材なんだよなあ。

でも今回の場合、櫛田なんかよりもよほど深刻だったのが満場一致試験によって親友を失った波瑠加で。2巻くらいから少しずつ不協和音を感じていたけど、「綾小路グループ」は今回ので完全に崩壊状態になってしまったな……なんだかんだでクラス内で居場所がなく寂しさを感じているらしき綾小路にキュンと……いやまあトドメを刺したのは綾小路本人なんだが……。逆上する櫛田とは対象的に静かに綾小路・堀北への復讐を決意する波瑠加の姿には不穏なものしか感じない。

久しぶりの黒幕・綾小路清隆大活躍回(おまえというやつは…)

なんとかクラス内でのまとまりを取り戻して体育祭に臨む面々。堀北達Bクラスは龍園達のDクラスと手を組み、Aクラスの陥落を狙うことに。去年の体育祭でも大きな活躍を果たした須藤は同じクラスの体育が得意な女子生徒・小野寺と共闘して戦果を上げていく。Dクラスの伊吹は一年前の雪辱を果たすため、堀北に勝負を挑む。一方、坂柳を抑えるために綾小路は思い切った策に打って出て……。

今回の話、クラスの立て直しの所からはじまってこの体育祭と、一貫して堀北をはじめとしたクラスメイト達の様々な成長・関係性の変化が描かれるお話だったと思う。櫛田のキャラ変が一番顕著ですが、一年前に誰を頼ることも出来ずに龍園のし掛けた罠にハマりかけた堀北がクラスメイト達を頼って見事な戦略を見せ、一年生編では何度もクラスの足を引っ張ってきた須藤が怒りを抑えることを覚え……各所で巻き起こる小さなドラマに思わず胸が熱くなってしまいました。

クラス外だと今回共闘相手となった、孤高の王だった龍園の変化も良かった。龍園がやりすぎそうな部分は葛城がストッパーになってくれる一方で持ち味である汚いやり口も忘れていない。久しぶりに龍園・石崎コンビの汚いやり口が炸裂してニヤニヤしてしまったんですが、その裏で無邪気に綾小路・龍園のW誕生日会を提案してくる石崎が解釈一致すぎて早くW誕生日会の短編が読みたいです(気が早い)。これまで生徒たちを突き放すような態度を取っていた茶柱が自らの過去のトラウマでもあった「満場一致試験」を乗り越え、生徒たちを気遣うような言動を取るようになったのも印象深かった。

しかし、各生徒達が名勝負を繰り広げる中で夏の無人島から南雲会長のかませ犬っぷりがひどすぎてそろそろ相手してあげてくださいよ綾小路さん……南雲の挿絵に哀愁漂いすぎてて笑っちゃったよ……。

級友達を「見守る」と言ってできるだけ手を出さないスタンスを取る今回の綾小路ですが、見守ってたと言うよりも“今後”を見据えてクラスメイト達の成長の裏で色々と暗躍していた印象が強い。久しぶりの「黒幕・綾小路清隆」だったなあと。ただ、その今後というのはあくまで綾小路自身の目的を果たすためであって……本当にエピローグの独白で久しぶり(11.5巻以来6巻ぶり)にひっくり返ってしまった。いやみんなの成長が目覚ましい凄い!って流れからのその終わり方ある!?最終的な目標が「ホワイトルームを打倒する」ことであるならば、確かに最終的に「ホワイトルームの最高傑作」の敗北こそがこの物語の幕引きに相応しいのだろうというのは以前から感じていましたが、それにしてもタイミングが酷い。

綾小路を救けるような態度を取る謎の電話の声、天沢の意味深発言……と、ホワイトルーム周りの話は綾小路自身が外部からの来客と対峙するであろう次巻の文化祭に続くのか。エピローグで語っていた「計画」を綾小路はいつ決行に移すのかも気になるし、軽井沢さんに不穏なフラグが見え隠れするの本当に怖すぎるんですけどほんと彼女は幸せになって欲しいよ……。

それにしても軽井沢に続いて坂柳と、露骨な匂わせ描写の連続に爆笑してしまった。いや後者はどうだろうだけど前者は明らかにそうでしょ。挿絵からしてもそうでしょ。「特別授業」じゃねーんだよ綾小路!!!


ふつつかな悪女ではございますが: 2 〜雛宮蝶鼠とりかえ伝〜

 

悪女と呼ばれる嫌われ者の雛女、朱 慧月と、身体を入れ替えられてしまった愛され雛女の黄 玲琳。しかし「あなた様が……玲琳様なのですね!?」ついにその正体に気づいた者が現れる。玲琳付きの女官、冬雪だった。そこから一気に慌ただしくなる玲琳の周囲。次第に尭明、辰宇たちも、自分たちが感じていた違和感の正体に気づきはじめ……。胸が躍る入れ替わりの生活も、そろそろ終わり。玲琳たちを陥れようとする金家の女官、その裏に見え隠れする"ある"人物。そして、すべての真相を明らかにすべく、玲琳が動き出す――。大反響、大逆転後宮とりかえ伝、第二巻! WEB版から大幅加筆&新エピソード大量投入! そして物語は新たな展開へ―――!

鼻つまみ者の雛女・慧月との「入れ替わり」生活を全力で満喫していた玲琳だったが、彼女に親しい者達は少しずつ彼女達の様子がおかしいことに気づき始める。大事になる前に入れ替わりを解消しようとする玲琳だが、死の淵から生還した慧月は、玲琳の「病弱」の原因がただの病気ではないこと・自分達を陥れようとした本黒幕の正体に気づいてしまい……。

対称的な女二人のクソデカ感情良かった

両親に見捨てられ、周囲からはドブネズミと下げずまれ、唯一縋っていた朱妃にも頼ることが出来ず心を閉ざしていた慧月が、自分の行動によって苦しめられているはずなのになぜか好意を向けてくる玲琳の言葉によって心を溶かされていく展開がとても良かった。そしてその玲琳もまた、周囲から大切に扱われすぎるがゆえの孤独を抱えていて、また、明日をも知れぬ命であるがゆえに全てを諦めることで悔いを残さぬよう生きていて。入れ替わりに際して自分の身近な人達の知らない顔に接して、そして何より慧月の苛烈な感情に触れて、凍らせていた自分の感情を溶かしていく姿が印象的で、慧月・莉莉と友誼を結ぶ展開には胸が熱くなりました。正反対のようで、どこか似た者同士なんだよなこの二人。

しかし、玲琳・慧月の関係性もとても良かったし色々な意味でどこか世間離れした二人にツッコミを入れてくれる莉莉をふまえた三人の関係も大変良いものでしたが、ふたりの育ての親・絹秀と雅媚の関係性がめちゃくちゃ良かった。互いを想い合うが故に傷つけ合い、腹を割って話せなかったばかりに長い年月を懸けて拗らせてしまった行き場のないクソデカ感情が、子供達の成長と共に深い悪意として醸造されていくのほんとうに良い。いやもう本当にその持て余したクソデカ感情のおかげで玲琳と慧月と絹秀は死にかけたワケなのでアレなんですが……。

それにしても今巻は(前巻からその兆候はあったのですけど)玲琳の人たらしっぷりが炸裂しすぎていて、気がつけば立場も性別も問わずみんな玲琳にメロメロになってしまっているの笑ってしまった。特別編が逆ハーレムすぎる。本人無自覚で周囲がすっかり執着こじらせて狩人の目になってるの、色々な意味で「この悪女〜〜!!!」って言ってあげたい(玲琳めっちゃ喜びそうですね!!)。

……からの、特別編ラストが不穏すぎて、どうなるのか続きが気になりすぎます。


ロクでなし魔術講師と禁忌教典20

 

託した想いが、奇跡を起こすーー!
「天の智慧研究会」の最後の猛攻が、フェジテを飲み込もうとしていた。グレンたちが不在のなか。イヴ・アルベルト・リィエルーーそして、あの人物も。圧倒的な危機のなか、グレンの想いを受け継ぎ、誰もが戦い抜く!

グレンとシスティーナとルミアがセリカを追って姿を消した後、「天の智慧研究会」と彼らが操る死者たちの侵攻が本格的に始まった。圧倒的な力に開眼したリィエルの奮闘、指揮官となったイヴの巧みな戦略もあってなんとか持ちこたえていたが、『剣の姫』エリエーテの登場によって戦況が大きく傾くことに……。

敵も味方も総登場なクライマックス前哨戦(ただし主人公不在)

これまでに登場してきた敵・味方の殆どが登場するオールキャストの最終決戦がめちゃくちゃに熱かった!!いやもう30巻近く続いてるとどこで出てきたキャラかわからない人も何人かいたりはしたんですが、特に短編のキャラクター達が重くなりがちな話を引っ張り上げてくれるのがとても楽しい。ヒューイやニーナの再登場にはじんわりしてしまったけど、ロザリーさん本編に出すのはほぼほぼ反則では!?あと本編キャラだけどハーレイ先生、本当にこういう時、普段のかませ犬キャラはなんなんだっていうくらい良い仕事しますよね……。

とにかくこれぞ最終決戦!!と言わんばかりの豪華メンバーによるフェジテ防衛戦がめちゃくちゃ楽しかったんだけど、そこに集った人々の心のなかに宿る、ここにはいないグレンの存在にまた胸が熱くなってしまった。本編には一切出番がないのにこんなに主人公の存在感があるのって凄いですよね。あくまでグレンが何かをしたわけではなく、それでも彼がいたからこそ手繰り寄せられていく僅かな勝機にワクワクが止まらない。というか早く21巻が読みたい(気が早い)。

イヴ、リィエル、アルベルト、それぞれの戦い

どうかんがえても「詰み」目前な戦況をひっくり返すイヴの策がまた、めちゃくちゃに気持ちよかった。かつての彼女からは想像もできないような綱渡りをしながら奇跡を掴み取るような「奇策」には目を瞠るしかないし、実家の重圧から解き放たれて「炎の一刻半」を経て指揮官として一気に成長した彼女の姿に胸が熱くなるし、そんな彼女の頼もしい姿をかつて「フェジテ最悪の3日間」で振り回された警邏庁の人たちが目の辺りにするというのがまた……。

一方、現代に蘇った英雄『剣の姫』エリエーテに苦戦を強いられるリィエルの描写はとにかく読んでいて心が痛い。前巻(追走日誌9巻)のラストであんな展開を見せておいて、しょっぱなから読者を奈落の底に突き落とすのはマジでやめてほしすぎるし、エリエーテに勝つために提示されたのは、かつてグレンが必死に掬い上げ、仲間や級友達によって少しずつ積み重ねられてきたリィエルの人間性を削ぎ落とさせるような選択で。この二人の戦いは本当に最初から最後まで光が見えなくて、読むたびに胸が苦しくなってしまった。誰一人、なにひとつ欠けることなく帰ってきてくれることを願うばかりなんですが……。

そしてパウエルとアルベルトの元師弟対決。これもほんとうに先が見えない……アルベルトの新しい力である義眼もなんか色々と不穏な雰囲気を感じるし、復讐に囚われたルナの介入もありそうだし。

三人の戦いのどれかに決着が付けば一気に状勢が傾きそうで、その反面フェジテ側にとってはどれ1つとして落とすことの出来ない戦いで。勝利の女神はどちらに微笑むのか。そしてグレン達は間に合うのか。19巻の終わり方もなかなかに鬼畜でしたがこの戦いの決着がつかないまま20巻に持ち越しなの鬼畜がすぎるんですよね早く21巻が読みたい…!!!


死んでも推します!!2 〜人生二度目の公爵令嬢、今度は男装騎士になって最推し婚約者をお救いします〜

 

公爵令嬢のセレーナは、現在『二度目』の人生を爆走中。 最推しの婚約者・フィニスとともに、何者かに暗殺された一度目の人生。その記憶を保ったままリスタートした『二度目』では、守られるだけのお姫様の立場を捨て、男装して帝国最強の黒狼騎士団に入り、団長であるフィニスを守り抜く――そう決めたのに。フィニスへの恋心を自覚し、さらに自分ではない婚約者の存在を知り、セレーナの心は揺れる。 そんな折、フィニスが現婚約者・フローリンデへの贈り物を選ぶのに付き添い、トラバントと三人で北部の商業都市を訪れたセレーナ。そこで遭遇したフローリンデは、前世でセレーナが知っていたキャラとは激変していて――? トラバントの抱える秘密、束の間の休日デート……そして、舞台を帝都に移しての「婚約破棄大作戦」へ――!? 婚約者の地位も、恋も捨てた先にあったのは、あなたと手を握りあえる『今』。 両片想い×死に戻りラブコメファンタジー、絢爛&波乱の第2巻!

最推しにしてかつての人生での婚約者・フィニスを死の運命から救いたい一心で、フィニス率いる黒狼騎士団に「騎士」として入団したセレーナ。フィニスを守りたいという気持ちに嘘はないけれど、フィニスに自分ではない婚約者がいるという事実には心が揺れる。ところが、彼の「現婚約者」であるフローリンデ、一度目の生の頃に知っていた彼女とは全く変わってしまっていて…!?

本音が漏れはじめてるフィニス様めちゃくちゃ面白い……。

相変わらず聞いてると健康になるセレーナ(+α)の「推し語り」が楽しいシリーズなんですけど、今回フィニス様の方もだいぶ本音が漏れてない!? 1巻では時折フィニス視点のパートで予想外にテンションの高い地の文が拝める程度だったんですけど、だんだんセレーナ達のノリに染まっているというか普通にぼろぼろ地が出てきてるの笑うしか無い。いや、セレーナは最初からそういう芸風(?)だからいいんだけどクールなイケメンの顔したフィニス様が時々物凄い早口で頭おかしいこといいだしたり、セレーナの可愛さのあまり語彙力が溶けたりしてるの面白すぎる。

もう一刻も早くこの作品をドラマCDにして豪華声優さん達を起用しとんでもないイケメンボイスや可憐なボイスでド早口でこの推し語り部分を喋らせて欲しい。早くしろどうなっても知らんぞ!!!

ラストが とても 不穏!!!

フローリンデとの婚約破棄騒動などもあり、フィニスをただ「推しの人」としてだけではなく、少しずつ「恋愛」の対象として意識してしまうセレーナ。セレーナ達の「推し」のノリに毒されつつもじわじわと彼女への想いを強めていくフィニス。ドタバタ楽しい推しコメをやってるその裏で使命や立場に縛られた二人のもどかしい恋愛模様が進行していくのが印象的でした。一周目でなにもわからずに萌えていたフィニスの憂いを含む横顔に、彼の事情を知ってしまったが故に萌えられなくなるセレーナの姿が切ない。

そして更にその恋愛模様の裏で、1巻から見え隠れしていた政治情勢がますます影を落としていく。というかラストの一行不穏すぎませんか!?どうかんがえても乱痴気上等だった収穫祭のドタバタ騒ぎの話の直後に持ってくる文章じゃない。セレーナのやり直しに関する「二周目じゃないかも?」疑惑なんかもどうなっていくのか気になるし、本当コメディの横でちゃくちゃくと重い話の伏線はられていく感じが溜まらない。謎の存在感を持つフィニスの父親、そして突然現れたフィニスの弟……と、フィニスの実家の話も相当きな臭そうなんだよなあ。

ところでセレーナとフローリンデが夜なべして作った厚い本はどこで読めますか?絶対に好みの気配がする。