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「このラノ2022」感想と自分の投票の話

『このライトノベルがすごい!』編集部(編集) 「このライトノベルがすごい! 2022」
『このライトノベルがすごい!』編集部(編集) (著)
宝島社
発行:2021-11-25T00:00:01Z

多分5年ぶりくらいで「このラノ」アンケートに参加したのでざっくり本の感想と自分が投票した作品の話をします。昔は協力者でしたが今はそんなに読めてないのでWebアンケート経由でした。

いろんな切り口のランキングがあって面白かった

去年買ったときもつぶやいた気がするんですけど「年代別ランキング」と「女性票ランキング」いいよね〜!!少女向け作品はこの手のランキングでどうしても弱くなりがちなので女性票ランキングでランキング圏外作品が入ってるのみると嬉しくなってしまいます。女性主人公モノが強い中、「よう実」と「86」が比較的上位に入ってるのもわかるー。

総合ランキングのラインナップについては特に言うことないんですが、「春夏秋冬代行者」の冬主従が男男だと知って読みたくなりました。「佐々木とピーちゃん」は実は詰んでるので読みたい。あとキャラクターランキングはTOP5の代わり映えしなさがちょっと面白いですね……。

概ね私が参加した頃よりも紙面充実してる〜!!いいね〜!!って感想なんですけど、電書で読むと文字が小さすぎるのと「心が震えた名セリフ」のコーナーが消えてしまったのは残念でならないです。心が震えた名セリフのコーナー復活させてくれ。いやでもランキングと関係ないし紙面作る人の労力凄そうってのもわかる……。あと電書といえば、「このラノ2020」がおおむね2010年代ベスト的な内容で紙面としてめちゃくちゃ面白かったので後追いで電書化してくれないかなーって思ってる。

「人の推しコメントを見たい」欲が満たされた

わたし概ね「このラノ」についてはランキングじゃなくて自分の好きな作品の良質な推しコメントを摂取するために買ってるのですけど(人が好きな作品について語っているのを見るのは健康に良いので)、ここ数年のこのラノはコメント部分がめちゃくちゃ強化されていたのでそうだよ!これが読みたかったんだよ!!ってなりました。作品部門は文庫・新書部門合わせて30位まで載ってるし新作やキャラクター部門のコメント採用も拡張されてるし、ランキングとは関係ない後半の「ライトノベルジャンル別ガイド」の方にもしぶとくコメントが載ってる。印象的だったコメントのピックアップもある。推しコメント見たくて本買ってる身としてはこんなに嬉しいことはないですね。

投票する側としてもあまりマイナーな作品や少女レーベルの作品に投票しても死票が増えるだけで面白くないのである程度界隈で人気のある傾向の作品にハマれてない時期は投票へのモチベ下がってたみたいな部分があったんですが、こういう形でコメント採用されるとなるとランキング圏外確定な作品にも入れやすくなって良いなあと思いました。いやだって、コメント考える労力もタダじゃないじゃん……。

あと、協力者の投票については別個誰が何に投票したか、投票した人の所感が書かれているの凄く良かったです。実は2010年〜2014年の5年間「このラノ」の協力者として参加させていただいていたのですが、協力者の票って割と死票率高かったと記憶しているので……まああの頃はブログ文化が今よりも活発だったのでブログや当時の「好きラノ」が代わりを果たしていた気がしなくもないですが。

なお、たいへんな余談ですが「人様の推しコメントを摂取したい」という気持ちが昂じてラノベの推し作品を推してもらう企画本を3冊ほど出してます。3冊目は全文WEBから読めますので興味のあるかたはぜひどうぞ。こちらから読めます。以上宣伝でした!!!

これに投票しました

「声優ラジオのウラオモテ」だけコメント採用していただいてたので省いてます。声優ラジオ、コメントの採用があそこだけ全員30代以上なの地味に面白かったんですが読者の年齢層高めだったのか?いやフォローしてる20代の人も推してたからそんなことないはず……(震え声)

作品部門

1:紫大悟「魔王2099」→感想
サイバーパンクとファンタジーが融合した世界観に加えて、デジタル技術の恩恵を受けられない魔王が「動画配信」で力を取り戻す、という展開が面白かった。時代に忘れられた者同士である魔王と勇者の不倶戴天の敵同士でありながら背中を預けられる存在、という関係性も良い。
2:羊太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」→感想
短編を含め20巻の大台を突破した本作だが、衰えないどころかクライマックスに向けて加速していくばかりの面白さは随一。キャラクターたちの謎も次々と明かされ、この後に待ち受けているであろう最終決戦に向けて期待が高まるばかり。
3:衣笠彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編」→感想
学校全体で争われる特別試験で、3学年分のキャラクターたちの攻防を余すことなく描ききる展開がとにかく凄かった。ホワイトルーム生との水面下の戦い、綾小路を巡るラブコメ戦線もますます盛り上がってきており、更に波乱の予感しか感じさせない二学期に期待しかない。
4:石川博品「ボクは再生数、ボクは死」→感想
現実はでないVR空間上だからこそのインモラルな展開が最高に面白かった。どこまでも「命の軽い」軽薄な世界観と、それでいて物悲しくてロマンチックなラストが良かったです。
5:二月公「声優ラジオのウラオモテ」→感想

女性キャラクター部門

◆イヴ=イグナイト(「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」)
「デキる女」としての一面とは対象的に、私生活ではポンコツ気味なところがたまらない。実は世話焼きで苦労性なところもかわいい。

◆軽井沢恵(「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編」)
彼女にはどんな形であれ幸せになってもらいたい。

◆堀北鈴音(「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編」)
軽井沢とは違う方向で綾小路の「相棒」として成長してきた彼女の姿が頼もしい。

男性キャラクター部門

◆綾小路清隆(「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編」)
冷徹無比な強キャラとしての一面とは別に、世間慣れしていない一面を時折覗かせるので目を離せなくなってしまう。特に軽井沢との「恋愛」が彼に何をもたらすのか、少し怖い反面楽しみで仕方がない。

◆グレン=レーダス(「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」)
普段のやる気のない言動とは裏腹に、誰よりも熱い心を持っているところ。システィーナやルミアなどヒロインたちの「ヒーロー」であると同時に、情に脆くて家族の情に厚い一面を覗かせる最近のセリカとの展開がとても良かった。

◆龍園翔(「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編」)
登場当初は暴力に頼るチンピラのような男だったのが、巻を重ねる毎に綾小路の好敵手として成長していく姿がたまらなくかっこいい。


「好きラノ 2020年上期」投票します。

ブログやtwitterによるラノベ人気投票サイト。2020年上半期の人気ライトノベルはこれだ!!
日曜の夜までだと思ってたら土曜締切だった危ない!!今回も参加させていただきます。

秀章「ヤンキーやめろ。メイドにしてやる」→感想
【20上ラノベ投票/9784065187364】
執事の主人公がヤンキー娘を拾ってメイドとして教育していく。失敗続きで悩みながらも「奉仕する者」として成長していくヒロインが、今の立場も失う覚悟でお嬢様の危機に立ち向かっていく姿がとてもカッコよかった。主人公とのラブコメも可愛いんだけど最初は折り合いの悪かったお嬢様と培われていく主従関係がまた良い。
落葉沙夢「─異能─」→感想
【20上ラノベ投票/9784040641959】
異能を与えられた人間たちが毎週一回デスゲームを繰り広げる、学園異能系デスゲーム物。全体像をぼかし、読者に先を想像させながらそれを半分裏切り斜め上にかっとんでいく物語が超楽しかった。群像劇のようでありながら、登場人物たちの因縁が集約されかたちどるラストもアツい。
二月公「声優ラジオのウラオモテ #01 夕陽とやすみは隠しきれない?」→感想
【20上ラノベ投票/9784049130218】
本来の性格を隠してアイドル声優をやってるふたりが実は同じ学校で、仲悪いのに仲良いフリしてラジオをやるハメに…というお話。口を開けば喧嘩ばかりな主人公二人が実はお互いの「声優」としての自分が持っていない部分に憧れ、良き友人というだけでなく最大のライバルとして並び立とうとする姿が良かった。
岬鷺宮「日和ちゃんのお願いは絶対」→感想
【20上ラノベ投票/9784049131840】
令和ナイズされたセカイ系。現実を連想させるような世界観描写と、理不尽なセカイを自ら変革しようとするヒロイン。そんな彼女となかば強制的に関わることになり、他人の在り方すら捻じ曲げる彼女の能力に複雑な想いと畏れを抱きながらも最後は自らの意思で彼女の手を取ろうとする主人公の姿が印象的でした。
瀧ことは「腐男子先生!!!!!3」→感想
【20上ラノベ投票/9784047360440】
同人作家JKと腐男子な担任教師が繰り広げるラブコメ。“神絵師”と“信者”、気の合うオタク友達、教師と生徒、そして……と色とりどりに変化していくふたりの関係性と女性向け同人オタクならきっと共感できる「オタクあるある」が楽しく、朱葉との関係を通してひとりの教師としても成長していく桐生の姿が印象的でした。ご卒業(完結巻発売)おめでとうございます!!!!
七夕さとり「悪役令嬢レベル99 その3 〜私は裏ボスですが魔王ではありません〜」→感想
【20上ラノベ投票/9784040736426】
レベル上げジャンキーでコミュ力ポンコツな裏ボス令嬢による私TUEE系ラブコメ。我が道を行きすぎて誤解されやすい性格の主人公ユミエラと、そんな彼女を影に日向にしっかり支えるパトリックの関係性がとても可愛くて、私TUEE系異世界転生ものというよりラブコメとしてとても楽しく読みました。
ミサキナギ「リベリオ・マキナ3 − 《白檀式改》桜花の到達点−」→感想
【20上ラノベ投票/9784049128970】
絡繰少年とふたりの少女が繰り広げる正義と反抗のバトル・ファンタジー。吸血鬼と人間の対立が激化する中、運命に翻弄され、互いにすれ違いながらも手を取り合い、成長していく水無月とカノンの姿が熱かった。クライマックスである4巻もとても良かったけど3巻の逆境ぶり、盛り上がりっぷり、あと3巻の表紙がめちゃくちゃ好きなのでこちらに投票。続きが読みたい。
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編1」→感想
【20上ラノベ投票/9784040643298】
ナンバリングをリセットしての新学年編。1年生編は同学年内のクラス対抗戦がメインだったけど、2年生編では学園の運営方針を巡る上級生との争い、綾小路自身の進退を巡る下級生との争い…と縦にも横にも広がりを見せた物語が印象的。勢力図が書き換わった2年生内での駆け引きも楽しみだし、3巻がまためちゃくちゃ面白くなりそうで期待してます。

あと「今年1月〜6月に読んだラノベのおすすめ」はTwitterでまとめたものがありますのでもしよければこちらも併せて。紹介文など一部共通ですが好きラノ対象期間外に発売された作品などが含まれる関係で微妙にラインナップを変えています。