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僕は彼女を攻略できない。 まちがいだらけの主人公ライフ

[著]三門 鉄狼  [絵]掃除朋具

ある日突然自分の役割が宣告される現象―“役振り”が多発している世界。俺・鶴見アユムは18歳の誕生日に、突然「エロゲの主人公」を“役振り”された。早速現れた一人目のヒロイン・白藤都は、容姿端麗・頭脳明晰・性格も良い完璧ヒロインで、ついに非モテ卒業、楽しいハーレム学園生活が待ってるぜ!…と思ってたんだけど、なんで白藤は「ラノベ」ヒロイン役なんだ?え?「ラノベ」だからエロいことはNG!?卒業までに白藤と結ばれないと、俺はペナルティで男と結ばれるんだけど!?この世界「まちがい」だらけのクソゲーじゃん!助けて神様!(「BOOK」データベースより)

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 神的な存在から一方的に行われる「役振り」で“エロゲの主人公”の役を仰せつかったアユム。早速、クラスメイトの白藤都がヒロインのひとりだと判明するが彼女は“ハーレムラノベ”のヒロイン。自分はエッチをしないとペナルティを喰らうのに、相手にはエッチなことをしたらペナルティがあって……。

 役振りに従って世界側がねじまげられる世界観が予想以上に「なんでもあり」で面白かった!主人公周りは基本的にラノベとかエロゲの登場人物みたいなのが多かったので割と平和な世界観……と思いきや、デート先に怪獣映画の主人公がいて怪獣が襲ってきたり、プールサイドに触手ゲーのヒロインが!!……とか割と軽率にとばっちり喰らうのでわりと何が起きるかわからない。

 そんな中で「エロゲ主人公」の役になった主人公が「ハーレムラノベのヒロイン」の役になったヒロインと出会うんだけど、エロゲやラノベどころか男女の恋愛にも全く疎く、何も知らない都と彼女いない暦=年齢なアユムが手探りで彼氏彼女らしいことをしていくのが微笑ましい。しかし、突然の「一緒に抜きゲー」は色々どうかと思いますけど!!階段5段くらい飛ばして駆け上がっちゃった感すごすぎたけど!!

 役振りをたがえた場合のペナルティに縛られてにっちもさっちもいかない状態で、それでも「誰かが不幸せになるエロゲ?なんて」「全員を幸せにする!」と全員のヒロインと真のハッピーエンドを目指す主人公が良い意味で「主人公」らしくて見てて気持ち良かった。しかし1巻の時点でも割と軽率にヒロイン増えていくのでこれ最終的に何人になるんだろうな……。どうせなら伝奇エロゲのヒロインだった担任の先生やBLゲーの役振り貰っちゃった親友も一緒に貰ってあげるといいとおもいます!

 それにしても、ラノベとエロゲの違い語りは色々と面白かったけど色々モヤモヤしたというか、「ハーレムエロゲの主人公」と「個別ルートに入らないと救われないギャルゲヒロイン」の食い違い位にしておいた方がすっきりとわかりやすかった気がするんだけど、それだとインパクトないんだろうなあ。

 ラノベのジャンル定義論関係はほんと明確な回答がない面倒くさい話だとおもうんで大丈夫かというのと、あと流石に「ラノベ天狗」はメタネタにしても通じる範囲が狭すぎると思うのでちょっとびっくりした……。

さびしがりやのロリフェラトゥ

[著]さがら 総  [絵]黒星 紅白

ぼくらの学校には、世にも奇妙な吸血姫が住んでいる。悩める女子高生、常盤桃香は深夜の旧校舎で怪異と出会うが―「おんし、無礼である。如何なる理由でここを訪れるか」「おでんを作ったので」「…おでん?」―ビッチ系いじめっ子、犬ころ系ロボ子、そして“正義の味方の敵”のぼく。これは、孤独な吸血姫と普通じゃないぼくらが紡ぐ、青春の協奏曲である―「い、いじわるはやめるのであるからしてー!」…いや、道化曲かな。たぶん。『変態王子と笑わない猫。』のさがら総が挑む、新機軸の黄昏ロリポップ! (「BOOK」データベースより)

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 学園の旧校舎には吸血鬼がすんでいた。吸血鬼とそれを狩るもの、正義のヒーロー、ふたりの女子校生。彼らの視点から紡がれるひとつの事件を巡るSF(すこしふしぎ)な物語。

 語り手が変わる毎に全く違う側面を見せていく物語が面白かった!物静かでお高く止まっているように見えるけど実は(自主規制)な常磐さん、自らを高貴なノスフェラトウとして振る舞いたいちっちゃい吸血鬼のシギショアラ、誤解されやすいけど本当は情に厚い真光寺さん、そしてちょっと不思議な能ヶ谷君。視点が変わる毎に全く別の姿を見せていく登場人物たちの姿と、次第に明かされていく事件の真相に惹きつけられました。特に最初の常磐さんからシギショアラに視点が移動した時のストーリーの反転ぶりにはめちゃくちゃ笑った。

 物語の全体像が見えきらないまま終わってしまった雰囲気もあるのですが、逆にどこまでも輪郭が曖昧なままどこともいえない場所に着地するようなふわっとした読み心地がなんだか心地よく、とても楽しかったです。

自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う 2

[著]昼熊  [絵]加藤 いつわ

恋の相談、料理対決、魔道具お披露目会、etc…。異世界で様々な商売に勤しむ自販機ハッコンの前に、軽薄な笑みを浮かべる男が現れる。愚者の奇行団・ケリオイルの勧誘で、遠征メンバーとして駆り出されたハッコン、ラッミス、ヒュールミの一行は階層奥深くを調査する事に!しかし、予想外のトラブル続発で相棒ラッミスとはぐれ、階層奥深くで孤立してしまい…!?異世界に転生した流浪の“自動販売機”、大激闘の第二弾開幕!! (「BOOK」データベースより)

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 前巻と比較してバトル比重高めの2冊目。1巻の時点で多めだった迷宮の中の街で住人たちのお悩み解決みたいな話が好きだったのでちょっと残念なんだけど、序盤に挟まれる街でのお話が好きだったので満足です。特に、魔道具お披露目会の話好きだなあ…。

 立派なハンターを目指すラッミスと共に階層の調査に向かった所、予想外のアクシデントが起き、一人で階層ボスに立ち向かう羽目になったり、下の階層の迷宮内にとり残されるハメに!?という展開で、これまでの生活で手に入れたポイントを限界まで使って階層ボスや新たなる敵に立ち向かう自動販売機、マジかっこいい!しかし、これまでも様々な形態の自動販売機の姿に目を丸くしてきたけど、ダンボール自動販売機その発想はなかった。実際に商品売れるところまでは頑張らなかったけど私も小さい頃に作った記憶あるな……。

 ラッミスたちとはぐれて一人で迷宮の中で遭難するあたりは、せっかく意思疎通の図れる相手に遭遇してもなかなか察して貰えなかったりで、改めてラッミスのありがたさを痛感する。と言うか改めて移動も意思の疎通も出来ない自動販売機で異世界の存在と意思疎通を図ることの大変さを感じるというか、ある意味1巻の序盤はどれだけイージーゲームだったのか!

 それにしても、商品販売だけじゃなくて敵を倒すことでポイントが入ると判明した以上、今後もバトル比重上がりそうな流れだなあ……様々な特殊な加護を尻目に自動販売機としての正統進化を獲る主人公が歪みなくて惚れるけど、できれば絶妙なコミュニケーションの不自由さが面白いので念話みたいな機能はできれば後回しにして欲しい。

 あと改めて、世界観にゲームっぽさを感じさせる異世界の姿が印象的でした。時間湧きのボスとかまさにMMORPGっぽい。

最強喰いのダークヒーロー 2

[著]望公太  [絵]へいろー

異能武闘の伝統を土足で踏み荒らし、連戦連勝の快進撃を魅せる双士郎。彼の力を認める者も現れ始め、「阿木先輩って、かっこいいですね」序列六位のアイドル、神峰弓までもがファンと化し、双士郎に急接近。そしてチーム戦が始まり、序列二位率いる学園最強チーム『楽斗』が立ちはだかる―。最悪の男を滅ぼすため錯綜する無数の謀略。悪意の坩堝と化した学園で、しかし双士郎は不敵に嗤らう。「せいぜい後悔しない。『真剣勝負』の土俵に足を踏み入れたことをよ」外道VS外道。悪意対悪意。最悪の勝負師はアイドルさえも毒牙にかける。悪党をさらなる悪党が喰らう、痛快大物喰い、第2弾!!(「BOOK」データベースより)

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 「祓魔祭」の学内予選を勝ち進む傍ら、団体戦に向けてついに動き出したチーム阿木。期待の転校生のリザと序列一位のルイを擁するチームは注目を浴びる。そんな彼らのところに学園のアイドルにして序列6位の少女・神峰弓が接近してくる。彼女にもまた何か思惑があるようで……?

 新しい仲間である弓と双士郎、決して優しくない世界で生きてきたふたりの駆け引きがたまらなく楽しい。アイドルとしての道を選んでしまったばかりに本当の実力を見てもらえなかった弓にとっては、双士郎達だけが弓を過小も過大もせずに正しく評価してくれた相手で。リザにせよルイにせよ嘯く中にほんのすこしだけ混ざった双士郎の本音を感じ取るからこそ、自分から仲間になってくれたんだよなあ。

 個人戦主体だった前巻と打って変わってチーム戦主体の展開が飽きさせず面白かった。エグい手を使いながらもギリギリの一線は超えずに下克上していく様子が見ていて爽快ですらある。しかし、最後のアレだけは若干純粋(?)な青年を弄んだ感じ凄くて双士郎ごめんなさいした方がいい気が……いやまああれは悪には悪をみたいなあれなのでいいのかな……。

 それにしても、ルイくんから双士郎の好感度高すぎてちょっと心配になるというかアニメイト特典が普通にルイ双でどういうことなの(※特典タイトルが「同類双求」な上に先生のこの発言なのだった。決して我々の勘違いではなかったのだった……。)対する双士郎の方も、けなすところがなくて「王子」呼びで笑うしかなかったんだけど、実際ルイくんにとって「王子」という一面は褒め言葉ではないとおもうのでけなし言葉として間違っては居ないのか。それにしても男が同級生の男に「王子」呼びするの面白すぎるけど。

 という特典トラップは置いておいて、何かと全力で双士郎を持ち上げるルイとか、あとチーム戦初戦の始まる前のやりとりとか最高に良いので正直そっちの方向でもそっと推していきたい……女子の皆様よろしくお願いします(何を)

はたらく魔王さま! 12

[著]和ヶ原 聡司  [絵]029

銀髪となった漆原の病室に集まった一同。皆の前で恵美の母親であるライラがこれまでのことを告白すると、勇者として、娘として、恵美の怒りが大爆発!過去の真相を知った恵美は、ライラとの大喧嘩の末に病室を飛び出してしまう。追いかける千穂と鈴乃だったが、二人は恵美を見失ってしまい…。一方マグロナルド幡ヶ谷駅前店では、新サービスのマッグデリバリーがスタート。レッド・デュラハン一号(店のバイク)で街を駆け巡る魔王も、母親と大喧嘩した恵美のことを気に掛けていた。庶民派ファンタジー、混沌の第12弾!勇者と天使の壮大な母娘喧嘩に挟まれて、魔王さま大ピンチ!? (「BOOK」データベースより)

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 母・ライラの話を聞き、怒りを露わにする恵美。彼女だけでなく、真奥も非協力的な態度を貫いていた。エンテ・イスラを巡る状況が膠着する中、マグロナルドではいよいよデリバリーサービスがスタートして……?

 復活した途端、自然に「お隣さん」の位置に収まってるガブリエルと、デリバリーが始まったのを良いことに大量注文で木崎さんを呼びつけるサリエルに笑ってしまった。ライラといい大天使勢がフリーダムすぎる。そして大天使側以上に人間世界に馴染みすぎなやりとりを繰り広げる芦屋と漆原のやりとりが微笑ましすぎて笑うけど本当にそれでいいのかこの人達。

 前巻から引き続きエンテ・イスラに関する様々な真実が明かされて、その一方で恵美の元後輩の清水真季や真奥のマグロナルドでの同僚・川田など、今まで殆ど描かれてこなかった周囲の人々の姿が鮮明に描かれているのが個人的には凄く面白かったです。恵美はなんというか……むしろ女子にもてるタイプですよね…。

 恵美親子の不和をきっかけに、これまで見据える暇もなかった“未来”のことを考える恵美や、そんな彼女の姿から自分の将来を考える千穂の姿が印象的でした。千穂の進路の話は色々胸に刺さるけど、大人になってみると真季が語るその進路選択の仕方は凄い納得できるなあと。

 これまでの「かつてのサタンを導いた大天使」のイメージが強すぎるせいもあるんだろうけど、自分が表舞台に立たず事態を裏から動かして窮地になればサタンやエミリアを頼り、ふたりに拒否られてノルドの背中で涙目になってるライラには「これはエミリアもキレるわ」としかいえないんだけど、サタンの考えを聞き、サタンの「やり方」に合わせた形で攻め方を変えてくるあたりには流石に年の功を感じるというか本当に図太いなこの人……恵美は強く生きて欲しい。

 ラブコメ的には空前の恵美回で、勇者の挟持とか色々見失いがちだった上に突然の母の登場と、母の側に立つ父の姿に目的も見失う恵美のデレが可愛すぎて凄いんだけど、これで恵美が真奥への好意を自覚してしまうとラブコメ的な意味でどう転がってしまうのか。アニメのおかげで千穂ちゃんの百面相が目に浮かぶようで微笑ましいけどほんとこれは先が読めないな……。

どうでもいい 世界なんて -クオリディア・コード-

[著]渡航(Speakeasy)  [絵]saitom

正体不明の敵<アンノウン>によって、世界が崩壊した近未来。今も<アンノウン>との戦争を続ける防衛都市・千葉に暮らす千種霞は、今日も今日とて「終わらない残業と不毛な営業」と戦っていたーー。成績不振により天然系うっかり女子の蓮華と共に戦闘科から生産科へと出向させられた霞を待ち受けていたのは、しっかり者の上司・朝顔が仕切るブラックな職場環境。TVアニメ放送中の『クオリディア・コード』の「千葉編」前日譚、完全書き下ろし小説として登場! (レーベル公式サイトより)

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 正体不明の敵性体・通称アンノウンの侵略により壊滅的な被害を受けた世界。戦争中にコールドスリープに入った子供たちは、スリープ中に次々と“世界”と呼ばれる異能力に目覚め、アンノウンに対抗する力を手に入れた。戦争はいったん終結という形を取ったが引き続きアンノウンの侵攻は続いた。関東には東京・神奈川・千葉に3つの防衛都市が築かれ、そこでは能力を手に入れた子供たちがアンノウンと戦っている。(以上東京編の感想ry)

 舞台は防衛都市・千葉。華形である戦闘科に入ったものの成績の振るわない千種霞は同僚の榴ヶ岡蓮華とともに生産科への出向を言い渡される。そこで待っていたのは上司からの理不尽な要求と無茶なノルマをつきつけられるブラックな職場環境だった。そんな中で、霞は生産科のトップ・鶴瓶朝顔が語る「新しい世界」に少しだけの期待を見出すが……?

 あらすじと世界観は近未来学園異能SFだけど8割社畜ラノベだーー!?千葉メンバー特有のインテリヤクザ感とか、登場人物及びやってることの「高校生らしくなさ」とかが、余計社畜ラノベ感高まってしまう。むしろこいつら学生だっけ??って考え始めるまである。

 選挙というシステム自体はあるものの、戦闘科のトップが首席を兼任する時代。生産科という存在を自らブランディングし、地位の向上を目指そうとする朝顔のひたむきな努力と、その本心を知り、力を貸そうとする霞や他の生産科のメンバーが一丸となって行く姿が印象的なのですが……まあ上しか見てないと足元掬われるよな。これだけ周到に根回ししていて、すぐ近くにあった小さな悪意みたいなものに気づけ無いのがなんだかやるせない。

 東京編の悪意は割りと選民思想にコーティングされてるぶんそこそこむき出しだった気がするのですが、千葉編は東京編とは違った意味でどろどろしてるな…。表面上は取り繕いつつ水面下での腹芸と纏わりつくような悪意の応酬が凄かった。神奈川編は腹芸とか全部幼馴染百合で吹き飛ばすやつなので癒やしだな……ヒメかわいい(思考停止)。

 千種兄妹のさらっとしつつも、いざとなるとお互いを立てあってる関係性が好きでした。表面上何を言ってても明日葉は霞のこと大好きなんだよな……。霞もなんだかんだ言いながら、「妹に釣り合う自分」になろうと努力していて、それでも自分とは関係ない部分でそこに届かないもどかしさを感じているのが印象的でした。逆に、だからこそ「妹の足枷にはならない」と言い切る霞が自称「妹の七光り」で千葉次席をやってるアニメ版にどう繋がるのか、とても気になる。良くも悪くもアニメの副読本的な役割も果たしているシリーズなので、早めに続きが出ると良いなあ。

 しかし、アニメ版で成績やランキングなど気にしないと嘯く霞だけど、少なくても千葉編の1巻時点ではめちゃくちゃ気にしてるよね。というか、まあアニメ版も気にしてなかったらあんな微妙な順位即答出来る程度に覚えてないよね……霞が壱弥の事好きじゃないの、別に壱弥が出て来るわけでもないのにこれ読むとひしひしと伝わってきて萌えます。

いつか世界を救うために2 -クオリディア・コード-

[著]橘 公司(Speakeasy)  [絵]はいむら きよたか

暗殺対象である神奈川序列第一位・天河舞姫の突然の来訪。二人っきりになる絶好の機会であるにもかかわらず、動揺する紫乃宮晶。ストーキングの証拠満載の舞姫グッズで埋め尽くされた部屋を隠し通せるのか―。さらには四天王入りを果たしたことで、「神奈川伝統の寝起きドッキリでね!」今度は逆に舞姫たちからストーキングを受けることに!?(「BOOK」データベースより)

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 舞姫を巡る事件を解決した功績で、空白となった四天王の一人に押し上げられてしまったシノ。それ以来、舞姫や四天王が突然シノの部屋にやってきたり、追い掛け回されるようになってしまう。舞姫と仲良くなるにつれ、彼女を暗殺するという任務に違和感と躊躇いを感じ始めるシノだが、今度は相棒のほたるが不穏な動きを見せ始めて……。

 アニメ関係の告知見てればシノの正体については割と「ですよねーー」って流れになるんですけど、あらすじが思い切りネタバレかましてくるのに笑った。というかカラー口絵からしてアレなのであんまり隠す気ない。しかし最終的にこの子が「ヒメニウムが足りない」とか言い出すのかと思うと本当にアレだね……。

 任務と良心の間で板挟みになりつつも少しずつ舞姫に絆されていくシノの姿にとてもニヤニヤする。普通に見たらただのストーカー状態なシノの部屋に踏み込んでこられて一悶着するも、まさかの四天王(※だいたいガチの舞姫ストーカー)が庇ってくれるの面白すぎて腹筋が攣った。そこから、舞姫による逆ストーキングからのデート展開で(もちろん四天王のストーキングと余計な入れ知恵つき)、四天王の妄想を再現させられたり、皆の趣味全開の服を押し付けられたりするのが楽しすぎる。それにしても性別バレしてからの方が圧倒的にイチャイチャ度高いのはどういうことなんです!?

 そんなイチャイチャ展開からうってかわって、正体がバレてからの決闘と、全ての真実が明かされた後の呼吸ぴったりの共闘が熱い。陰謀策謀あるけれど、とにかくバトルシーンはめちゃくちゃ強い二人がそんなもの全部吹き飛ばすみたいな展開で、爽快感がすごい。ヒメとほたる、ふたりがいればどんな敵だって怖くないという最強無敵の幼馴染関係が最高に楽しかった!

 そして、同時に最後の真里香と來栖がとても好きです……利害関係からはじまる双方への好感度に依存しない共犯者関係最高。アニメ4話までで基本的に東京以外の小説版の脇キャラは登場して来ないのですが、この2人はなんか枠組み外れたところからしれっと出てきて欲しいなあ。

いつか世界を救うために -クオリディア・コード-

[著]橘 公司(Speakeasy)  [絵]はいむら きよたか

西暦二〇四九年。世界は終わるかと思ったが、終わらなかった。突如として現れた正体不明の『敵』―“アンノウン”と戦争を続ける人類。防衛都市のひとつ神奈川の学園に転校してきた紫乃宮晶。彼の目的は『神奈川序列第一位・天河舞姫を暗殺すること』。しかし『最強』の称号を有し、人類の希望である少女の強さはあまりにも規格外で…。「のぞきではない。監視だ」「今は胸を調べている」「無論、尾行だ」「変態ではない、調査だ」「秘密裏に行う家宅捜索だ」舞姫の全てを知るための観察が始まった!?新世代ボーイ・ストーキング・ガール!! (「BOOK」データベースより)

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 正体不明の敵性体・通称アンノウンの侵略により壊滅的な被害を受けた世界。戦争中にコールドスリープに入った子供たちは、スリープ中に次々と“世界”と呼ばれる異能力に目覚め、アンノウンに対抗する力を手に入れた。戦争はいったん終結という形を取ったが引き続きアンノウンの侵攻は続いた。関東には東京・神奈川・千葉に3つの防衛都市が築かれ、そこでは能力を手に入れた子供たちがアンノウンと戦っている。(以上東京編の感想からコピペ)

 舞台は防衛都市・神奈川。南関東管理局の特殊部隊に所属する紫乃宮晶と凛堂ほたるのふたりに神奈川の序列一位・天河舞姫を暗殺せよという命令が下る。どこか不可解なものを感じながらも学園に潜入したふたりだったが、舞姫は10年以上神奈川の首席に君臨し続ける強者で、シノの戦闘能力を持ってしてもなかなか歯が立たない。更に、彼女を崇拝する“四天王”などという存在も現れて、…!?というお話。

 南関東最強を誇る天河舞姫を中心に「ヒメ(舞姫)かわいい!」でまとまってる神奈川の雰囲気が、腹芸上等ギスギスフィーリングな東京編を読んだ後だと、とても癒やされる……。正直、舞姫ひとりが精神的な支柱となっているあたり、ちょっと危ないバランスで成り立っている気がしてならないけど、まあとりあえずギスギスしてるより良いんじゃないかな……。

 そんなアイドル的な存在の舞姫に、本当の目的を隠して近づこうとするシノの行動がはたからみると完全にストーカーだったり、そんな彼を“ライバル”と思い込んだ四天王とのドタバタが楽しくてたまらない。本当に同じ世界観設定のストーリーで東京とここまで違う雰囲気の話になるのかびっくりだよ!!

 ただ、全体的に明るくドタバタとした物語なんだけど、やっぱり繋がる世界観はクオリディアのそれで。しっかり世界観のつながりを感じさせる重たい展開も盛り込んでくるのが面白かった。東京は安定の東京だな……(やることがエグい)。

 それにしても、アニメから入ると“凛堂ほたる”ってこの人ではないよな…?あれ?ってなってしまう罠。なんとなく予想は出来るんですが、ここからアニメの物語にどう繋がっていくのかとても気になります。

はたらく魔王さま! 0

[著]和ヶ原 聡司  [絵]029

赤い空と大地が覆う魔界の地。弱小部族出身の少年悪魔が、かつて魔鳥将軍と恐れられた老悪魔カミーオと激しい口論をしていた。少年の名はサタン。後に魔王サタンとしてエンテ・イスラ征服に乗り出すが、今は非力な一悪魔であった。サタンは二大勢力の蒼角族と鉄蠍族に対抗するため、強大な力を持つハグレ悪魔ルシフェルを味方にしようとしていた。ルシフェルとの出会いからアルシエルとの激突までを描く、魔王達の始まりの物語を書き下ろしで収録。さらに勇者エミリアの旅を綴った書き下ろし短編に、魔王達が日本に来てすぐの年末年始を描く「電撃文庫MAGAZINE」掲載の短編をプラス。庶民派成分控えめの特別編! (「BOOK」データベースより)

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 サタン、エミリアの過去編を収録した短編集。

「はたらく魔王さま達!-a long time ago-」
 少年時代のサタンが弱肉強食の魔界で、『知恵』を武器に一癖も二癖もある荒くれ者達を味方につけていくのがとても楽しかった!ただ力の弱い者が知略を弄すのではなく、最初は誰よりも弱いところから、少しずつ仲間にした魔族達から「学び」「成長」していく姿にワクワクする。特にルシフェルを仲間にするところとか、いかにもという感じで好き。良くも悪くもルシフェルの立ち位置は今も昔も変わってないのが美味しかったです。

 力を誇示するだけが全てだった魔族達の中で、唯一「知性」を使い一族を増強してきた鉄蠍族の長・アルシエルとの決戦がまた熱い。それでも、この物語の最後の時点ではアルシエルは忠実な魔王様の部下ではなくていつか寝首をかいてやると虎視眈々と狙う元敵将でしかないんだよなあ。個人的にはアルシエルがどうしてこんなにサタン様一筋(違)になったのか、この物語では語られなかった四天王・マラコーダ周りの話も含めて読んでみたい所。

 短いシーンだけど、ラストの千穂の言葉に対するアルシエルの反応が好き。なんかこう、細かいところで「人間」と「魔族」の考え方の違いが示唆されているのが興味深かった。

「はたらく勇者さま達!-a long time ago-」
 魔王を倒すために旅をしていたエミリア一行が、とあるトラブルに遭遇して……?というお話。あとがきでも触れられている通りまだ「正義」をやってた頃のオルバがとても新鮮なんだけど、そんなオルバがたまたま近くに居たベルに完全に振り回されてるのにニヤニヤした。この爺さん、悪役でもいい人でも割りと振り回され体質だよね……。

 そしてベルが色んな意味でフリーダムすぎて笑ってしまう。なんか結構異端審問官時代は黒歴史というか色々本人にとってはつらい思い出……みたいなイメージだったけど満喫してるじゃないですかー!!ラストのドヤ顔想像するだけで可愛いズルい。

「悪魔と勇者と女子高生-A happy new year-」
 クリスマスに、突発のバイトでコンビニのケーキ売りをすることになった真奥と芦屋。夕方になった頃、OLと思しき女性が現れて……?

 この短編集唯一の庶民派成分。物語が始まる前の年末年始、まだ面識のなかった真奥と芦屋、千穂、恵美が面識のないまま出会うお話。知らない人同士として出会う4人のやりとりがびっくりするほど新鮮で、本当になんてこともない、とりとめもない年末年始のお話なんだけど、それがびっくりするほど面白かった。他2編が魔王さま的に物凄く「非日常」な物語だけにほっとするというか安心感もあるなあ。

ロクでなし魔術講師と禁忌教典6

[著]羊太郎  [絵]三嶋 くろね

講師として頑張ることを決意した矢先の解雇宣告。クビを回避するには自腹での古代遺跡の調査が必要で―金欠のグレンが思いついた手段は…生徒を利用するという相変わらずロクでもない方法で!?天使ルミアの厚意で生徒たちの協力を得られたグレンだったが…なぜかセリカも同行することに!?遺跡に眠る世界の深淵に触れた時、家族の絆が試される!! (「BOOK」データベースより)

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 魔術学院の教師なら定期的に出さないといけない論文を出していなかったせいで、クビを言い渡されそうになったグレン。論文を書くために、生徒たちを動員してとある遺跡の調査を行うことにするが何故かそこにセリカがついてきて…!?

 力量不足に悩むシスティーナがかねてから念願の遺跡探索を前にして盛大に空回りしたり、自分よりもグレンと親密で有能なセリカの出現に動揺したり、他の生徒達がグレンに頼られてるのを見てヤキモキするの可愛すぎました。遺跡探索に向かう前のやりとりとか本当に面倒くさい子すぎてヤバい。最後はなんだかんだでグレンの役に立てて良かったね……残念な子は残念なほど可愛いのでいいぞいいぞもっとやれ!

 また、生徒たちの魔術師として人間としての成長にもニヤリとするお話でした。セリカやグレンといったプロの魔術師と比肩することは出来なくても、自らの力量を見極めた上で無茶はせず、彼らの背中を守ることを決断する展開に胸が熱くなる。セリカの名声や立場のせいで最初は腰が引け気味だった生徒たちがすぐにセリカを受け入れて仲間として扱ってくれるのにも人間としての成長を感じた。

 本編はセリカの話を通して物語の謎に迫っていくハードな展開で、自身にも解らない“使命”に取り憑かれた『永遠者』であるセリカが、グレンという家族を得てもなお止まれなかった理由がとんでもなく人間くさくて愛おしい。セリカって前の巻でも描かれた通り精神的にはむしろ脆いくらいで、あくまで普通の人間でしかないんだよなあ。改めてグレンとの深い家族の絆を感じる展開が胸に熱い。

 今後への伏線を思い切り張りましたという感じで、天の智慧研究会まわりは一休みなんだけど、色々なことが明らかになり、それ以上に今後への謎が増える展開でした。アレやらコレやらルミア周りの話も不穏な気配が立ち込めてるというか、ラストの記憶云々って多分彼女のことだよね……。



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