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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10

[著]渡 航  [絵]ぽんかん8

冬休み。のんびりとした年の瀬、そして年明け。合格祈願の初詣や買い物など、予定外の外出が重なる八幡が新年の街で出会ったのは、雪ノ下陽乃と葉山隼人、そして…。共に過ごしてきた時間で、お互いのことを少しは知ったように思えた。でも知らないことの方がたくさんあるのだろう。今も、そしてこれからも―。二年生という学年ももうあとわずか。今を大切にしたいと思えば思うほど臆病になって、考えているのに答えは見つからないし、走っているのにゴールが見えない。彼ら彼女らの、新たなる季節、新たなる関係。 (「BOOK」データベースより)

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 新学期。奉仕部の部室にやってきた三浦からの依頼は葉山の進路についての事だった。なぜか頑なに進路を教えてくれない葉山の進路を調べるため、八幡達は彼の周辺から調査を開始するが……。

 こんな告白みたいに甘い「俺はお前が嫌いだ」見たこと無い

 あーしさんの乙女ぶりが可愛すぎて悶えるけどそれはそれとしてものすごく葉山回だったしマラソン大会がもうなにがなんだかわからないほど葉山と八幡が対話しすぎてるし二人はお互いのこといろいろな意味で本当に嫌いだし憧れあってるし信頼しあっててお互いに「嫌いだ」って言い合っちゃうくらいの仲で読み終わった直後ツイッターで日本語が行方不明になるほどでしたが今も思い出すと日本語がお留守になるのほんとうになんとかしてほしい。これまでも葉山と八幡の関係性にはさんざん手の上で転がされてきた感じが否めないのですが今度ばかりは本当に意味がわからない。

 なんかこう、お互いにお互いのすることを理解できないと理解した上で、相手がその自分には理解できない信念に基づいて行動していく事を微塵も疑わないし、自分には理解できないその道を征くお互いに対してどこか憧れずには居られないみたいな奇妙な関係が本当に凄かったです。あと、「万人に愛される」役割を背負った葉山にとって、面と向かって「お前が嫌いだ」言ってくれる八幡の存在はどこか特別な立ち位置なんだろうなあと思う。いえBL的な意味じゃなくて。BL的な意味じゃなくて。(ものすごい萌えるけど)

 そして依頼を解決するにあたって材木座と戸塚を「頼る」ことをためらわなくなった八幡に、これまでの物語を受けての成長や関係性の変化を感じる。あと、戸塚かわいい。本当に今回の戸塚は出番少ないのにめちゃくちゃかわいい。「進級」と「進路」という解りやすく関係の変化を自覚させるイベントを前にして、それぞれのキャラクターの立ち位置や考え方が見えてくるのが面白かったです。

 いろいろな意味で個人的にはクライマックスすぎる回だったのですが物語全体からいくとむしろこれはクライマックスへの序曲に過ぎない所のはずで、いよいよここから雪ノ下姉妹との物語に突入していくのかなあと。まったく先が見えないけど、これからの物語が楽しみでなりません。

艦隊これくしょん -艦これ- 鶴翼の絆 2

[著]内田 弘樹  [絵]魔太郎

数々の出会いと激戦の末に、“艦娘”として戦う決意を新たにした正規空母・瑞鶴。その一方で、榛名ら金剛型四姉妹を擁する主力艦隊は、“陸棲型”深海棲艦「飛行場姫」を攻略するためにルンバ岬海域で死闘を繰り広げていた。敵味方の鉄屑が海底に沈み、「鉄底海峡」と呼ばれる戦況になってもなお打破できぬ事態を重く見た“提督”は、瑞鶴にある命令を下す。だがそれは、艦隊決戦の切り札である戦艦・大和のみならず、多くの艦娘にとって過酷すぎるものだった―。“幸運の空母”瑞鶴の視点から大人気ブラウザゲーム『艦これ』の世界を描く本格“戦記”小説、発艦! (「BOOK」データベースより)

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 枯渇する資源…枠開放しても足りない入渠ドッグ…ハズレルートで大惨事…旗艦だけ残して終わるボス戦…
 秋イベント第四海域「アイアンボトムサウンド」  あのトラウマが蘇る!!

 四方海域を鎮めた鎮守府の元に「飛行場姫」と呼ばれる深海棲艦が発見されたという知らせが舞い込む。金剛姉妹を中心とした夜襲作戦が発動し瑞鶴達も支援艦隊として作戦に参加するが想定外の事態が続出し作戦は失敗。鎮守府に帰還した瑞鶴は提督からとある命令を受け、存在を秘匿されていたひとりの艦娘と対面する。

 秋イベント「鉄底海峡を越えて!」をベースにしたストーリー。主にE4(+E5)の攻略がメインなんだけど、無謀な出撃による疲労の蓄積とか少しずつ底をついていく資源とか、戦艦でも重巡でも続々大破したり羅針盤にツンツンされてボスにたどり着けないもどかしさとかもう色々とあの時のトラウマを思い出してしまってやばい。まさに“鉄底海峡”と呼ぶにふさわしい激戦で、体力的にも肉体的にも疲弊していく彼女たちの姿にもだもだする。秋のE4は最終的に、試行回数が3桁届いてましたよねー…。

 普段は明るく振舞っている艦娘達だけど、誰もがかつての「戦争」の傷痕に誰もが傷つき、苦しみながら戦っている。不幸な最期を迎えた艦娘達はもちろん、戦争の後まで生き抜き「幸運」の名を得た彼女達だって傷つかないわけが無い。でも、その傷を受け止めて新たに立ち上がり、迷いながらも戦っていく姿がアツかったです。

 特に史実の比叡がどうなったかはよく知らなかったので、彼女の最期には衝撃でした。かつての己の無力を悔やみながらも明るく笑う比叡がすごく愛しく、そんな彼女の脆さを心配する金剛・榛名と比叡と同じ想いを抱きながらも長姉とともにある霧島がとてもかわいい。

 そして、坊ノ岬沖海戦で多くの犠牲をだし、鎮守府の中で誰よりもかつての戦いで傷つき、いまだ人間を信じられずにいる大和の頑なな心を溶かしたのは同じ立場に居る「艦娘」達の熱い想いと、そしてかつて運命を共にした「仲間」への誇りと、戦うために生まれてきた「戦艦」としての心。比叡とのガチの殴り合い展開が熱すぎるんですが、その後の金剛とのライバルとかいてともと呼ぶ雰囲気には思わずニヤニヤしてしまいました。

 夜戦メインのマップであるだけに今回は主役の瑞鶴はじめ空母組の活躍は少なめでしたが、出番は少なくてもしっかり存在感を見せてくれていたというか、ちょっと出のキャラクターたちもそれぞれ魅力的なのが楽しかったです。あと相変わらずこのノベライズの提督さんは、現場と上層部の軋轢を一人で背負い込んで無理しながら艦娘にはそれを悟らせないようにしようとするあの偽悪者っぷり、本当にたまりませんやっぱりど受けだと思う

 個人的には滅多にこの手の創作にでてこない長波(当鎮守府のファースト嫁艦)が活躍してくれたのがうれしかったです!!長波可愛いよ長波!!

仁義なき新婚生活

[著]朝香 りく  [絵]三尾 じゅん太

昔ながらの侠客一家・里海組の長男である佳月は、優しい姉が政略結婚させられそうになり、相手の郷島組若頭・健吾の事務所に単身乗り込んだ。結婚はなかったことにしてくれと談判する佳月に健吾はけんもほろろだったが、押し問答の末、身代わりで自分が嫁ぐことに。姉と組を助けるためなら家政婦役上等!と覚悟を決めた佳月だったが…フリフリの女装や夜のオツトメまで強いられ!?(「BOOK」データベースより)

   個人的お気に入り度数

 表紙にホイホイされた。後悔はしていない。

 極道一家の長男・佳月は姉が郷島組の若頭と望まぬ婚約を強いられている事に腹を立て、郷島組に殴りこむことに。若頭と押し問答を繰り返すうち、何故か勢いあまって姉の代わりに自分が嫁ぐという話になってしまって!?結婚式はウェディングドレス姿、日常でも常にフリフリの服を着て女として過ごす事になり、夜はもちろん……×××!?というお話。

 嫁とは名ばかりの人質のような役割と思っていたら服装的な意味でも性的な意味でも「嫁」として扱われて、家族の反応もなんか歓迎ムードだぞ!?旦那になった男はどっちもイケるとかいって普通に押し倒してくるぞ!?と、このあたりで割りと主人公は泣いていいと思うわけですが、こうなったらこうなったで仕方がない!とちゃんと嫁しながら逆転のチャンスを狙う主人公が大変男前可愛い!

 同じ極道の家の息子でも普通の少年として育てられ、極道として生きるには甘すぎる考えの持ち主である佳月と、あらゆる面で「組の跡取り」として育てられ、家庭の温かみを知らずに育った健吾。正反対の二人がお互いの持たざる部分に惹かれ、身体から始まった関係が少しずつ心も寄り添っていく様子が凄く良かった。劇的な変化やエピソードがあるわけでないんだけど、少しずつお互いに打ち解けあっていっていることがわかるようなエピソードが入ってくるのが美味しかった。

 特に、食生活が少しずつお互いの好みに感化されていくのとか、たまりません。最初は冷凍食品と外食ばかりで佳月の手作りの料理にも難色しか示さなかった健吾が、冷凍食品を出そうとした佳月に「朝御飯は味噌汁がいい」「冷凍食品なんて捨てちまえ」ってごねるシーンとか、佳月が最初苦手だったフレーバーティーをすっかりお気に入りにしてたりするシーンとか。そういうちょっとしたエピソードに、気づくたびにニヤニヤしてしまう。

 極道モノは殆ど読んだことなくて、性的な意味でも展開的な意味でももっとハードなものを想像していたけど、予想してたよりずっと可愛らしく、微笑ましいお話でした。番外編でやってきたブラコン弟に新婚生活のラブラブっぷりがバレる話とかほんともう、ごちそうさまでした!!という感じ。しかしそれだけでなく、受の佳月がどんなにフリフリの可愛い服を着ていても中身は任侠心溢れた義理堅い男の子という部分がしっかり描かれていて、とても好みのお話でした。

 個人的に佳月のプロポーズのセリフが個人的ツボヒットでした。色んな意味で、このお話のすべてが凝縮されきったセリフだなあと。男前受最高!!

「俺も男だ、責任は取る。……一生傍にいて味噌汁作ってやるから、きっちり食えよ」

踊る星降るレネシクル 5

[著]裕時 悠示  [絵]たかやKi

「俺の大っ好きなミカホシを守れえッ!バカ弟子ぃぃぃっっっ!!」絶叫を残してレンヤは石となった。ミカホシ市、そして日本をも巻き込む戦争の行方は、今やレンヤの愛弟子・すまるの手に託された。覚醒する最強の力、しかし支払った代償はあまりに大きすぎて―。一方、レンヤの幼馴染み・瑞貴はこの覚醒の裏にある陰謀を感じ取り、学園を離れることに。そしてレンヤのケンカ友達・なななは、何故か留置所の中にいた…。「もんちっちって踊ってる場合!?」レンヤと絆を結んだ三人の少女が今こそ彼のために動き出す!!少女を最強へと導く“王道”ノベル再始動! (「BOOK」データベースより)

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 三星会の叛乱により、多くの犠牲を出すはめになってしまったミカホシ市。レンヤ達を救うため、瑞貴・すまる・そしてなななの三人はそれぞれのルートで救出に向かう。しかし、その裏ではレネシクルの力をミカホシ市の外で活かそうと画策する三星会と、すまるが下ろした「ベツノカ」の力を利用しようと不気味な動きを見せる千陽院親子が蠢いており……。

 3年ぶりの新刊!内容忘れてるんじゃないかなと少し不安になったけど色々ぶっちゃけ気味な前巻あらすじが入っていたのでちょっと戸惑ったけどさくさくストーリーに入っていけました。久しぶりの新刊系ってわりとここで躓くこと多いので各レーベルみんな前巻あらすじつけてください……。

 石にされて囚われたレンヤを救い出すためヒロイン達が動き出す!!レンヤまじヒロイン!!な展開。3人のヒロインたちがそれぞれ様々な迷いや葛藤を持ちながらも、想いはひとつ「レンヤを救うため」に、まっすぐ敵に立ち向かっていく展開がアツい!!リタイヤしたと思っていたあの人やあの人の活躍もあったりして、ド王道の総力戦展開がとても楽しかったです。特にロリコンの人の活躍がズルすぎていけない。

 ヒロイン争いは瑞貴vsすまるで安泰かとおもわせておいて、今回は本当になななの活躍が凄かった。事態を解決するための一番手っ取り早い手札を持っていながらその手段を使うには自らが犠牲になることを前提としていて。そして、短慮に走れないくらいには、心配してくれる友や仲間がいて。レンヤの元へ駆けつけながらも、ギリギリまで揺れ続ける姿が印象的でした。そして本当にツンデレは呪い……。

 しかし、3人の活躍は物凄くアツかったけど、最終的に戦いには勝ったけど勝負に負けたみたいな感じの終わり方で本当にこれどうなってしまうのか。さすがにヒロイン全滅で○○○エンドなんて認めないですよ!?だし、あと1冊でどんでん返しがあるのは確定だとおもうので……。とりあえず早く6巻を!!アオリ文句でも「王道」を強調してるだけに、全滅エンドで終わるのだけはありえないと思ってるし全員が幸せになれるラストになるって信じてますが、楽しみですけどこれは4巻を読んだ後以上に待つのが辛い……。

ノーゲーム・ノーライフ6 ゲーマー夫嫁は世界に挑んだそうです

[著]榎宮 祐  

ゲームで全てが決まる世界“ディスボード”―を創った唯一神テトは、エルキアの路地裏で、ひっそりと…空腹で行き倒れていた。いづなの施しで生き存えたテトが語るは、「六千年以上前の物語」―天を割り地を裂いた『大戦』を“ゲーム”と断じ、世界に挑んだ男とその傍らに寄り添った少女。「―なぁ、またゲームしようぜ…今度こそ、勝ってみせるから、さ…」記憶にも記録にも遺らない、それでも“僕”だけは忘れない物語―“最も新しき神話”へと至る“最初の神話”―大人気異世界ファンタジー、第6弾!! (「BOOK」データベースより)

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 テトが「唯一神」となるまえ、世界は「神」を目指す異種族達の殺し合いが続く場所だった。それに対抗するすべもなく蹂躙されるのみであった人間の少年・リクは機凱種の少女・シュヴィと出会い、世界を覆す為の「ゲーム」に挑む。テトの口から語られる『大戦』の中で戦い続けた人間達の、語られることのない、最初の神話の物語。

 ゲームの誓約を受けない異種族達が繰り広げる「殺し合い」の桁違い感が改めてヤバイ。もはや戦うまでもなく近くで戦争やってるだけで余波で周囲の人間の集落が全滅してたりするのでその絶望感ときたら半端ない。もはや立ち向かうとかそういう状態ですらなく、奴らが気まぐれに近くにやってきたら死を覚悟するレベル。

 そんな、あまりにも脆弱な人類が絶望の中でそれでもただ生きようとする姿と、幾度となく絶望に突き落とされながら、いつ終わるとも知らない終わりのない戦争を「終わらせる」ため、自らを捨てる覚悟で立ち上がる姿が印象的でした。異種族であるシュヴィが現れなければ成し遂げられなかったであろう戦いだけど、同時に感情を持たない機械であった筈のシュヴィを動かしたのはリクや人間達が「生きようとする意志」で。彼女の感じた想いがリクを動かし、人間を動かし、そして機凱種をも変えていく姿に胸が熱くなる。

 しかし、そんな中で立ち向かう神霊種/天翼種の圧倒的な力ヤバイっていうか若き日のジブリールさんが輝きすぎててやばい。最終的にだいだい全部ジブリールさんのせいじゃないっすかーーー!!いろんな意味でラスボスの貫禄すぎる。いえ、そんな彼女大好きですけど!!改めて惚れ直しましたけど!!

 本編が盛り上がる中での過去編でどうなるのかと思ったけど、文句なしに面白かったです!次巻はいよいよ最強の種族・神霊種との戦いになるようだけど、どうなってしまうんだろう。本当に次巻も楽しみ。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9

[著]渡 航  [絵]ぽんかん8

もうすぐクリスマス。小さい頃はプレゼントがもらえる日だったが、今はもう違う。何より、願うことも、欲しいものもなくなってしまった―。生徒会長選挙の日以来、何かが決定的に終わってしまった関係を引きずりながら、逃げ出さないため、ただそれだけのために部室に集まる八幡たち。そんな折、新たな依頼を持ち込んだのは、先の選挙で生徒会長となった一色いろは。他校との合同クリスマスイベントを手伝って欲しいという依頼に対し、一人で行動しようとする八幡だが、一筋縄ではいかない依頼に事態は次第に悪化していく…。 (「BOOK」データベースより)

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あらすじだけで深刻な胃痛がする。

 生徒会選挙の日以来、何かが確実に壊れてしまった事を薄々感じながらも表面上は「これまでとおり」を装う奉仕部の面々。そんな中、八幡の策略で生徒会長となった一色いろはが奉仕部に依頼を持ち込んでくる。責任を感じた八幡はひとりで一色の手伝いをするが、敵は予想以上に強敵で……というお話。

 序盤で奉仕部の面々が繰り広げるどこまでも空々しく薄ら寒いやり取りも酷いんだけど、一色の依頼で持ち込まれた難題がさらに酷い。有意義のようにみえてからっぽな会議にスケジュールを圧迫され、状況の修正を図ろうとすれば表面上は否定されないままあらぬ方向に曲解される。どんな正論ものれんに腕押し状態なストレスに、これまで以上に磨きのかかった八幡の自虐思考ネガティブスパイラルが拍車をかけて深刻な胃痛がしてきて胃薬のんだら副作用で頭痛してきたまである(※実話)。キャラクターとしては物凄く好きなんだけど、とりあえず八幡殴りたい!!!

 彼らがここまでこじれてしまったのは壊れてしまった何かを失うまいとしたせいだと思うけど、同時に彼らを再び結びつけたのは彼らが失った何かを再び取り戻したいと願う強い意志だったと思う。散々迷いながらも、遂に八幡の口から出た本心からの願いにきゅんとなった。全てが元通りというわけでもないし、三人がほんの一歩だけを踏み出しただけに過ぎないし、きっと彼らの関係も「今までとおり」ではないんだけど、それでも再び同じ紅茶を囲む姿に涙した。本当に、よかった。そして、道に迷う彼らに一筋の道を示した平塚先生かっこよすぎて、なんでこの人誰も貰ってあげないの……世の中って理不尽。

 一色の言葉や海老名さんとのやりとりなど、なんだかんだで心配されてる彼らの姿にもほっとした。今まで憎まれ役を買って出ることが多かった奉仕部の面々(特に八幡)だけど、彼らの行動をそれとなく理解して、案じてくれる人たちが居る事は大きな救いだとおもう。

 それにしても、これまでの巻での遺恨のいくつかまで清算して、この物語にしてはびっくりするほど綺麗に収まった中、これまでとはどこか違う執着を見せる葉山の存在にそわそわする。っていうか八幡の前だけ素を見せてくる葉山の威圧感も相当ですけど、あの状況で迷うことなく葉山の元に向かう八幡マジ……。

ご覧の勇者の提供でお送りします

[著]田口 仙年堂  [絵]しらび

ゼルニア王国に突如として出現するモンスターと戦う勇者たちの活躍を放送する人気TV番組―「勇者テレビ」。騎士団、魔術結社、職人、教会などそれぞれの組織の代表として街を守りながら、組織の宣伝と人気を獲得し、トップ勇者を目指す6人の勇者たちに新たな仲間が加わることに。伝説の勇者の息子で、学生でありながら、勇者に選ばれたフウトは、学園代表として異例のタッグを組んでデビューを飾ることになるのだが…。そのパートナーは―「めんどくさいし、勇者だったら、一人でいいじゃん」やる気のない美少女で!?波乱のニュー勇者ファンタジー! (「BOOK」データベースより)

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 どこからか現れるモンスター達を倒す「勇者」達の活躍を中継する「勇者テレビ」。番組に登場する勇者達は様々な団体と契約して支援を受けてその名を背負い、「スキル」と呼ばれる特殊能力を持って戦う。かつて魔王を倒した「伝説の勇者」の息子・フウトは狭き道を突破して通っている学園の「勇者」として活動することになったのだが、彼とコンビを組むことになった生徒会長の少女・フィオーレには全くやる気が見られない。デビュー戦で大失敗をしてしまった彼は、人気を取るために他の勇者達の戦略を学ぼうといいだしたフィオーレにつきあわされ、他の勇者達を訪問することになったのだが!?

 行動の結果の称号としての「勇者」に憧れるフウトが、職業としての「勇者」になってやる気のない相棒に振り回されたり、上手く戦うことが出来ずに葛藤したり、理想と現実の差に思い悩んだりしながら成長していくお話。勇者に憧れながらも能力を上手く発現させられないが故に上手く戦えない少年と強大なスキルを持ってしまったが故に戦うことを忌憚する少女が、お互いの存在や他の勇者達の「勇者」としてのあり方を知りながら少しずつ折り合いを付けていく姿がアツかった。恐らくまったく同じ原風景を胸の中に描きながらも、対称的な道を歩もうとしている2人の姿が印象的でした。

 特殊能力「スキル」を持つ人間達とそれ以外の人間達の微妙な温度差が引き起こすトラブルがあったり、なんか胡散臭い話が裏で渦巻いているようだったりと、世界観そのものはかなり重たいのに、その重たさを感じさせないあったかいお話。勇者達が仲間でありながら一種の「商売敵」としてお互いを切磋琢磨していく関係もなんだか心地良いものがありました。

 バトルメインというよりも人々の絆がメインと言う感じのお話でとても好き。そんな物語を象徴するようなフウトの「スキル」にも思わずにやにやしてしまいました。面白かったー!!しかし、細かい所できっちり差別化してるとはいえ、どうしても基本設定のところで今劇場版やってるあのアニメを彷彿せざるをえないのちょっと損してる気がする……。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。8

[著]渡 航  [絵]ぽんかん8

後味の悪さを残した修学旅行を終え、日常に戻った奉仕部。そんな折、奉仕部に生徒会長選挙に関わる依頼が持ち込まれる。お互いのやり方を認められないまま、奉仕部の三人はそれぞれが別のやり方で依頼に対することに。分かっていた。この関係はいつまでも続かないことも、自分が変わることができないことも。「君のやり方では、本当に助けたい誰かに出会ったとき、助けることができないよ」その行動は誰のために…。それでも自分のやり方を貫く、もがこうとする“彼”は、大きな失敗を犯してしまう―。 「BOOK」データベースより)

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 修学旅行の後ギクシャクしたままの奉仕部の元に持ち込まれた依頼。とある人物の生徒会選挙当選を避けるためにこれまで通り自分をもち下げることで依頼を完遂しようとする八幡に残りの2人は反対し、それぞれ違うやり方で依頼をこなそうとするのだが……。

 葉山グループの瓦解を繋ぎ止めるために行動してしまったが故に壊れかけてしまった「何か」を元の形に戻そうとなんとか頑張ってみたけど、やはりどこか周囲を顧みない八幡の独善的な解決法では綺麗にまとまりはしなかったという話。

 なんだかんだで色んな人に好かれているのに、その事実に気づくことができない八幡がどこか痛々しく、見ていられなく、そういう八幡の言動のたびに自らの好意と存在を否定されて傷つく彼女達のもどかしさにもだもだし、瓦解しようとしているものの大きさに気づいた彼がそれを壊すまいと動きはじめてしかしどこか空転している様が見ていられない。八幡が「自分のため」に動いたのは大きな進歩だと思うのだけど、それだけじゃどうしようもなく足りなかった。

 例えば八幡が動く前に雪乃の本心を聞き出すことができていれば……とも思うのだけど、それが出来ればこの物語なんてそもそも存在すらしていないだろうし、雪乃だって八幡が本意を問いただした所で真意を見せるとは限らない。そしてその真意を見せたところで八幡が素直に信じるとも思えない。八幡のやり方を彼女達が容認できなくなった時点でこの物語は多分詰んでた。「彼」や「彼女」が居心地良いと感じた場所が、そのままであって欲しいと望む気持ちによって致命的に居心地よくない場所へと変えてしまったのがどうしようもない皮肉。

 6巻くらいからずっとこういう重苦しい展開が続いていて、読むたびに角材で殴られたような衝撃を受けるシリーズではあるんだけど、今回のが一番キツかったです。9巻以降で少しでも持ち上がってくれることを期待したいんだけど、ほんとどうなるんだろうなあこれ……。

 しかし、女の子と遊んでても八幡しか見てない感ばりばりの葉山はほんとどこまで八幡のこと好きなんですか。お互いのやりかたを相容れないと感じながらも、双方が意識せずにはいられないというこの複雑な関係性がとても好き。あと、材木座さん地味にかっこいい。基本ハズレクジ引かされる役どころの材木座だけど、それだけ他人を巻き込む事を嫌う八幡が巻き込んでもいいと思う程度には心を開いて貰ってる存在なんだろうなあ。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7

[著]渡 航  [絵]ぽんかん8

京都への修学旅行を前に、どこか浮き足立つクラスの雰囲気。文化祭以来、教室内でさらに微妙な立ち位置になった八幡だったが、最初から地位なんてないようなもんだしな、と我関せず。ところが、奉仕部に持ちかけられた意外な人物からの「恋の相談」。そこにはまた別の人物の思惑も重なって…。旅行は一気に波乱の予感。複雑な気持ちが渦巻き、答えを出せないまま八幡たちは京都へ。まちがっている青春模様は、まちがっているラゴフメ=恋愛模様を生み出すのか。TVアニメ化を直前にさらに盛り上がりを見せるシリーズ第7弾。 (「BOOK」データベースより)

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 京都の修学旅行を前に学年全体が浮き足立つ季節。奉仕部を訪れた戸部が同じグループの腐女子・海老名さんとの仲を取り持って欲しいという依頼を持ってきた。依頼を受ける事にした奉仕部だが、八幡は葉山の様子がどこかおかしい事に気づき…。

 文化祭に引き続きの修学旅行編。さりげない男子組の友情が美味しかったり麻雀大会の戸塚が凄い可愛かったり平塚先生なんでこんないいオンナなのに嫁の貰い手ないのかわかんなくて八幡もらってあげてよすぎるしまさかの川崎さん三浦グループ入りで波乱ぶりにニヤニヤしたりしましたが正直今回一番によによしたのは三浦さんだった気がします。6巻から引き続き、高慢で奔放な女王様と思わせておいて意外にグループの「中」を見ててそれとなく調整してくれる役というか、彼女の立ち位置って面白いなあ。

 葉山・三浦を中心にした八幡のクラスのトップカーストグループの意外な素顔が明らかになるお話。修学旅行をきっかけにして距離を縮めさせようとして、2人を上手く楽しませるように苦心したり、その横でさりげなく由比ヶ浜や雪乃との距離が進展したり……と、お約束のシチュエーションがとても楽しい……ハズなんだけど、もう序盤から不穏な雰囲気が漂ってくるのは何故なんだ。形の知れない不安が少しずつ形をなしていく展開にぞわぞわする。特に終盤の海老名さんの怖さがマジぱない。

 彼らの誰もが現在の関係を好ましく思っていて、だからこそ次のステップに進みたいと思う戸部と、これまでの関係を崩したくない海老名さんや葉山。無自覚のうちにグループが瓦解寸前のところまで追いやられてしまっていて、それを理解してしまった八幡が取った行動と、それがもたらした思わぬ結果が胸に痛い。面白かったけど、吐き気がするほど抉られた。八幡ならこうするだろうと思ったしそれ以外の解決法はなかったと思うけど……なんというか。

 6巻以上に後味の悪い終わり方でいろいろな意味で次の巻どうなってしまうのかが気になる。楽しみだけどなんかもうそろそろ読むのに心の準備が必要なレベルになってきたぞ!!

 しかし、間逆の立場にありながら、その行動を心底許せないのにお互いの行動の結果だけを頑なに信頼している葉山と八幡の関係性がやっぱり好き。互いに本気で嫌い合ってるってもうツンデレとかそういうレベルじゃなくて本当に嫌い合ってるのに八幡は「心配ない、葉山がどうにかするっていってたからな」とか言うし、葉山は八幡がこれからやることを恐らくおぼろげに理解した上で「君にだけは、頼りたくなかった」だよなんなんだよもう萌える。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6

[著]渡 航  [絵]ぽんかん8

文化祭。面倒な仕事をスルーする方法は…呼ばれても返事をしない、面倒くさそうな気持ちを顔に出す!?ぼっちのスキルをフル活用して、文化祭の準備から逃げる気満々の八幡。しかし、HRをサボッている間に、文化祭の実行委員にさせられてしまう。新学期が始まってからの八幡は、どこか調子がおかしい。クラスでも、部活でも…。雪乃への疑問は消えないまま、そしてそれを問わないまま…前に進まず、後戻りも出来ない二人、雪ノ下雪乃と比企谷八幡。決して近づかない不変の距離感に変化は訪れるのか。好評シリーズ第6弾。 (「BOOK」データベースより)

   個人的お気に入り度数

 二学期がはじまって以降、ギクシャクしがちな奉仕部の面々。そんな中、雪乃と八幡は文化祭実行委員に任命されてしまう。更に、実行委員長に任命された八幡のクラスメイト・相模南が奉仕部に現れ、自分をサポートしてくれるように依頼する……。

 メインの面々がギクシャクしてるせいか、海老名さんと三浦さんと川崎さんが可愛くて仕方ないのでなんとかしてください。海老名さんはこの手のラノベによくいる空気読めない痛々しい腐女子キャラと思わせておいて、必要なところでは空気読むし、決して痛い子ではないところが面白いと思う。そしてそんな彼女を適度にスルーしながら適度にストッパーになってる三浦さん、いいキャラだなあ。川崎さんはなんかもう全体的に可愛すぎてズルい。

 雪乃の不器用な努力が全部裏目に出て、頑張れば頑張るほど歯車がずれていくのに凄くもだもだするんだけど、同時にこういう流れになってしまうのも物凄く納得できてしまって、二重の意味で胃が痛い。色々な意味で相模南が発端で、彼女が自らこの事態を引き寄せそして自爆したという感じが否めないんだけど、こうなるのも解ってしまうのが、なんだか。

 どうにもならなくなった事態を見て、いつもの通り自分が「嫌われ役」になることで事態の解決を図る八幡。身内すらも誰も望まない方向でそれでも完膚なきまでに事態を解決してしまうのが今回ばかりはどうしようもなく危うく思えた。

 葉山の思惑はどうあれ、八幡の思惑で2年F組という小さな世界の中で「正義のヒーローと悪役」という構図を演出する事になってしまった今回。確かにこれまでの巻とやってる事は同じなんだけど、今回ばかりは払った犠牲が大きい気がして次の巻どうなってしまうのかもう胃が痛むし不安で仕方ない。5巻最後でギクシャクしてしまった雪乃との関係が修復されたのが唯一の救いだけど、どうなってしまうのか……。

 あと、八幡と葉山の互いを理解はしてるけど絶対に相容れない複雑な関係性が本当に凄かった。一見仲良さそうに見えるのに時折覗かせる双方の隔絶とか本当にたまらない。互いに相容れない関係でありながら、八幡は葉山がどう動くのかわかっててそれを信頼した上で行動してるし、葉山は葉山でその八幡の思惑を正確に理解しながらそのやりかたに怒りを覚えながらも事態を収めるために八幡の思惑に乗る。終盤の2人のやりとりが本当に卑怯だとおもいました。あと男同士の壁ドンいただきましたー!!!



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