今日もだらだら、読書日記。

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俺は学園頭脳バトルの演出家!2〜突然家に転がり込んできた学園最弱の美少女も、すべては最強転校生の手のひらの上のようです〜

 

学園最弱の美少女を「最強主人公」に!? 至高の頭脳バトル×メタコメディ第2弾!
ゲームによる決闘ですべてが決まる帝王学園。そこで、現実世界を『演出』することに命を懸ける田中叶太は、裏社会からやってきた転校生の霧谷透を最強主人公にするべく奔走するのだが、事態は思わぬ展開へと転がり──。 そして迎えた新フェーズ。一年生は上級生との決闘が解禁され、一年生四天王の霧谷、西園寺、ソフィー、そして叶太に上級生たちが襲いかかる。そんな大ピンチのなか、叶太へ救いの手を差し伸べたのは三年生の美少女である我狼雫。学園最弱とされる雫は叶太に「私と……赤ちゃんを作ってください!」と宣言し!? 実力隠し最強主人公?学園頭脳バトル?メタコメディ、第2弾!

ゲームによる決闘ですべてがきまる帝王学園に転入し、学園を影から『演出』することを目指す田中叶太。同じ転校生の霧谷透を「主人公」にしようと奔走した結果、なぜか自分が一年生最強の一角として目立ってしまった挙げ句に美少女たちとハーレムのような新生活を送ることになってしまった!?騒がしい毎日をなんだかんだ楽しみながらも新たな「主人公」を探す叶太の前に、3年生の先輩・我狼雫が現れる。実家のために強くなりたいという雫を師匠として鍛えて(利用して?)いくうちに我狼家と霧谷家の対決に巻き込まれていって……。

改めて「ふたりの霧谷」に焦点を当てていく展開が良かった

新ヒロイン登場……と思わせておいて、改めて霧谷透の家庭の事情と主人公である叶太自身に焦点を当てていく展開がメチャクチャ面白かった。後天的に作られた完全な別人格……であるはずの二人の透がそれぞれ持つ悩みと葛藤、それぞれの形で自分を救ってくれた叶太に惹かれていく流れが印象的でした。新ヒロイン(?)の雫ちゃん良くも悪くもかませ犬感が凄かったけど、まあ今回表紙の時点でそうなるのはわかってたとこあるよね仕方ないね。

色々あったけどとにかく終盤の叶太と透の共闘がめちゃくちゃ良くて〜〜!!満を持しての作中最強キャラ二人の共闘、こんなん燃えないわけがないじゃないですかやだ〜!!自分が勝利するために叶太の手を取った男霧谷の華々しい活躍とそこから一転しての最大のピンチ、その裏で彼をもり立てるために暗躍しフォローしていく叶太というバディ展開がたまりませんでした。一見霧谷無双のように見えてむしろ文句なしの叶太無双だったんだよなこれ。

ゲームを楽しむことを至上とする叶太を自分と同じ裏社会のアレコレに巻き込んで曇らせたくない葛藤、男性としての自認を持つが肉体は女性という男霧谷の冷酷なようで根は優しいという複雑な感情のせめぎあい、女霧谷とは完全な別人格のように見えて根の部分は繋がっていそうな、それを象徴するような終盤の挿絵の複雑な表情含めてとってもとっても良かったです。

主人公に思ったよりも人の心がないの最高かよ〜!!!

そんなこんなで突然現れた年上の新ヒロインとか女霧谷の葛藤とか男霧谷と叶太の共闘とか色々見どころはあったんですけど……ほんと最後の最後で叶太自身の深淵を掘り下げる展開に全部持っていかれた!最高かよ〜!!!

いや、物語の最初から叶太が唱えてきた「みんなを楽しませたい」というお題目と、それに対して自らの「演出」のためなら他者の感情を踏みにじることも厭わないという手段のチグハグさがずっと気になってたんですよね。純粋に空気読めない無神経男な可能性もあったけど、そうなるには叶太ってクレバーすぎるので。

ずっと持ち続けてきたその違和感が今回のラストであまりにもきれいに昇華されて大興奮した。自分のことを規格外だと認識しながらも意図的に凡人の中に埋没しようとしていて周囲を楽しませようとしているという気持ちにも別に嘘はないけど、根本的な部分でひとのこころがなさがはみだしてる規格外、人間のふりをしている人外、好き……(ここまで一息)

新人賞受賞作ということである程度の謎は残しつつも1巻の時点でちゃんと綺麗にまとまっている物語ではあったんですけど、2巻を読み終わってみると良い意味でこの2巻ありきの1巻だったので2巻までの刊行が確約されているらしいオーバーラップからの刊行だったの本当に良かったな。いやでも学園長の思惑通りに規格外として生きていくことになるのか、それともこれまで通りに人間のふりを続けて生きていくのか……今後の叶太の行動までありきで最低でももう1冊ほしくないですかこれ!?

3巻出てくれ!!続きが気になる〜!!!

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スーパーコラボ・オンライン 〜無理ゲー世界にコラボキャラを集めた最高のパーティーで挑みます〜

 

俺だけの最高パーティー(全員コラボキャラ)を組んで無理ゲー世界に挑め!
 『スーパーミスティックヴァース・オンライン』。様々な作品とコラボして人気を集めた異色のゲームに、俺は転生した。  もちろんこの世界にも、きちんと歴代のコラボキャラたちは実装されているようで……。心優しいエルフのお姉さん(神の一族)、天下を支配した第六天魔王(美少女)、ホラー系ゆるキャラ(人類を滅ぼした)etc. 「こういうのって、もっと世界観が作り込まれた名作ゲームに転生するもんじゃないのか?」 【――次のコラボは宇宙最強の戦士達です。】  言ってるそばからこんなの無理ゲーだろ! こうなりゃ、俺だけの最高コラボパーティーを組んで挑んでやる!

生前ハマっていたソシャゲの世界に転生してしまった主人公。前世の知識を適度に活かして強キャラとして生きてきたが、前世の世界に実在した商品がゲーム内でも売られていることをきっかけにしてとある事実に気づいてしまう。そう、この世界はゲーム本編だけでなく「コラボイベント」も実装された世界だったのだ。しかも、このゲームは「スーパーコラボ・オンライン」と渾名がつくほどコラボの多いソシャゲで……!?

中堅マイナーソシャゲ好きにはたまらない、ソシャゲあるある感が楽しい

ソシャゲ世界に転生した主人公が襲来する「コラボキャラ」の脅威に立ち向かおうとするお話。世界観もタイトルも出落ち感半端ないんだけど、ひとたび世界を脅かすような能力を持ったコラボキャラが原作性能のままでやってきたらガチで天災、世界の危機!!さてこのキャラは……?というバランス感が多世界物としてめちゃくちゃ面白かった!

ベースになっているソシャゲの、粗製乱造の果てに生まれなんとなく運良く生き延びて死なない程度に人気になってしまった中堅にはなれない程度のソシャゲ感がリアル。多分10周年を超える人気ゲームにはなれないけどそこそこ長生きして5〜8年くらいで死んで厄介もといコアなファンからことあるごとに思い出語りされちゃうくらいのポジだ。そしてこのくらいのポジションのソシャゲといえば新規獲得目的でメインストーリーそっちのけで展開される期間限定シナリオ&コラボイベントという発想、ありそうでなかったというか少なくともそれをソシャゲ転生もののメインにする発想はありそうでなかったな。

そしてゲーム=今は自分の生きる世界に「実装」されるコラボキャラを巡って繰り広げられる駆け引きがめちゃくちゃ面白い!ストーリー要素のあるコラボイベントならともかく、ストーリーなしコラボのキャラが原作沿いの性能でそのまま実装されるのかコラボ向けに性能調整させられているのか確かめてみないとわからないので一見無害なキャラでも最新の注意をもって接しないといけないのが趣深い。見た目カワイイキャラがとんでもない力を隠し持ってるのもあるあるですからね。そして初っ端から実装されるのはインフレの極みに至ったバトル漫画のキャラ達で……本当に彼らがやってきてこの世界で戦えばそれだけで大惨事、完全に天災扱いされてるのに笑ってしまった。いやでも確かにその作品(おそらくベースはあのへんの作品だろうなあと目測)そうだよ……。

そんな最初に実装される最強バトル漫画のキャラたちに「穏便にお帰りいただく」ため、前世の知識を元にコラボキャラの仲間を集める主人公。コラボキャラ達をゲーム内ユニットの感覚で便利に使うというわけでもなく、自分の世界に影響を与えそうなチートコラボキャラを害悪扱いするでもなく、「異世界からやってきた一方的に知ってる隣人」として上手く付き合っていこうとする姿が良かった。一方でソシャゲのコラボイベストにはお約束の「仲間にしたコラボキャラを元の世界に返せるのか問題」とかもしっかり絡ませてきていて……帰還の手段が限られている時点で生まれる「誰を返すのか」という問い、元の世界に帰りたいコラボキャラ側の葛藤も印象的に描かれていました。

何より主人公が攻略Wikiもなしにこのゲームの詳細を記憶している理由、特にゲーマーでもない彼がこのゲームのトッププレイヤーに比肩するほどやりこんでいた理由にニヤリとしてしまった。いや〜〜ソシャゲのオタクの行動源っていうのはえてして「そういうもの」だよね!!

バトルキャラだけではなくアイテムだけの企業コラボやVtuberコラボ、ログイン配布でのコラボキャラ配布、果ては運営会社内での別ゲーからの使いまわし設定まで登場して……中堅以下〜サ終ソシャゲあるあるネタがガッツリ詰め込まれているのも楽しかったです。1巻で綺麗に終わっている感じではあるけれどコラボ要素ありのゲーム世界転生という設定、ありそうでなかった切り口だったのでまったりと続いてほしいな。いくらでも続けられそうな話ではあるんだけども……。

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サンバカ!!!

 

面白おかしい旅に出よーぜ!!!
「私の名前はイグニス・ファルフレーン。かつて世界を治めていた聖女です! が、能力を九十九分割されて封印されてしまったので探してる真っ最中です!」 「何言ってるのかわからないと思いますが、とりあえずアイテム探し系ロードムービーだと思ってください。どうも、主人公のネモです」 「うらぶれた街で腐るチンピラ・ネモくんが清楚で巨乳でS級美女の私と出会い、旅に出る! これはえっちな予感がしますよぉ!」 「……見ての通り、基本的に聖女なんて名ばかりな、ただのバカです、ウチの相方は」 「そんな我々が、巨大な亀の中にある街やら、バニーガールがわんさといる永遠の祝祭やらに乗り込むわけですね!」 「ケツと器のデカい獣人の姉御を道連れにしたりしながらな」 「ネタバレすると道中では臓物の雨が降り注ぎ、ラスボスは黒ギャルです!」 「破天荒な聖女とチンピラと獣人の旅が、第31回電撃小説大賞《銀賞》を受賞して刊行!」

路地裏で血まみれになって倒れていたチンピラ・ネモに声をかけてきたのは自らを神話の時代より幾千年を生き、かつては世界を治めていたと自称する聖女(と書いておかしな女と読む)・イグニスだった。ひょんなことから彼女の言葉が真実だと知ってしまったネモは生まれ育った街を飛び出し、99の契約書に分かたれた彼女の異能──『聖女の契約書』を取り戻す旅に同行することになるが……!?

テンポ良い掛け合いと「気安い」物語が楽しい!

面白かった〜!街の底辺チンピラだけど根は善人で夢は「面白おかしく生きたい」なネモ、自称かつて世界を治めていた不老不死の聖女で現在は「真っ当に老いて死ぬ」のが夢で残念美人で色々と倫理観やリミッターが外れ気味なイグニス。生まれも性格も対称的な主人公ふたりの遠慮のない掛け合いがとにかく気持ちよかった!

四千年の時を経て現在は清楚を装っているけど一歩ネジが外れると人を人とも思わないような異常な精神性をはみ出させてくるイグニス。そしてたった1枚の契約書でも規格外の能力を発揮する彼女がかつて持っていた異能。契約書を取り戻してかつての狂気を覗かせるイグニスを怖れながら、彼女の巻き起こす異常な事件に翻弄されながら……それでもどうしようもなくイグニスに惹かれていくネモが最初はその場の勢いで、そして次は心からの願いとして彼女の「ブレーキ役」として共に在ることを誓う展開がアツかった。

どうみても異常な経歴とバックグラウンドを持つイグニスに対してその過去を強く知りたがるわけでもなく、かといって彼女の打ち明け話を聞くのを拒否することもなく、狂気を肯定するわけでも異能を崇拝するわけでもなく……常に自然体で接するネモの在り方が凄く良かったし、これはイグニスさんも惚れるわ。そのへん、今回のラスボスであった黒ギャルさんの在り方とは真反対になっていたのも印象的でした。

1枚でも人間を狂わせるには十分な「聖女の契約書」、イグニスの過去、現代から遠く繋がっていそうな世界観設定……ストーリーや世界観は相当重たいんですけど実際はとにかく地元異常に大好きストーカーおじさんからはじまり砂漠を徘徊する超巨大亀とか永遠に続くバニーガール祭りとかラスボスは百合属性の黒ギャルとかトンチキ展開の連続で、軽妙な会話劇も相俟ってサクサク読めてしまった。あとがきで書かれている「気安い関係にある作品」という言葉がまさにぴったりで、カラっと笑って読み終わったら楽しい気持ちだけを残して本棚にしまえる物語であったと思います。だからあんまり感想でゴチャゴチャ書くのもちょっと違う気がする。いや本当に楽しかったな……。

既に次巻予定が決まっているっぽいのも嬉しいなあ。今回はまだまだ絡みの薄かった、第三の主役であり色々デッカい生真面目な獣人・ガガガが今後どう絡んでくるのかも楽しみです。

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これが魔法使いの切り札 4.蒼穹の剣士

 

リクス、まさかの魔法大会に参戦。そして明かされる真実ーー!
進級資格を満たせる成果がなく、(またしても)退学の危機に陥ってしまうリクス。一発逆転を賭けて、ダードリック魔法大会に参加するが、同じく大会に参加していた少女リアと好敵手のような関係となりーー

またまた進級に必要な単位や成果が足りず、退学の危機に陥ってしまうリクス。そんな中、数年ぶりに開催されることとなった「ダードリック魔法大会」の話をシノから聞かされ、その代表選手を決めるための学内選考レースに参戦することに。同学年のリアと呼ばれる少女とライバル関係になったりしながら順調に勝ち上がっていくが、そこには《宵闇の魔王》復活を目論む祈祷派の陰謀と、その障害となるリクス自身をも取り除こうとする陰謀が渦巻いており……。

リクス自身の正体に迫る物語とその覚醒がアツかった!

レースを隠れ蓑にいよいよ動き出した祈祷派の首魁。《宵闇の魔王》シェノーラとしてリクス達の前に立ちふさがるシノ。彼女を救わんとするリクスの前に立ち塞がるのは過去から呼び出された本物の《黎明の剣士》……!?リクス自身の正体を含めてこれまで謎とされてきた部分が一気に明かされていくお話が楽しかったです。

今回の主軸のひとつである影魔法を操る謎の少女・リアとリクスのライバル関係(?)も凄く楽しかったのですが、個人的には第2回戦で行われたダンジョン探索パートが面白すぎた。様々な魔術試練・謎解きをかたっぱしからゴリ押しで物理的に突破していくリクス、ほんとおもしれえ男だよ……魔法でやるべき部分を魔法が使えないリクスがゴリ押しで解決していく話、1巻以来ご無沙汰だった気がしますがめちゃくちゃ好きだな。あと、巻を追うごとに「愛すべきツンデレ」と化していくアルフレッドくんが大変に愛おしい。

そして遂に明かされたリクス自身の出自と正体。《宵闇の魔王》シェノーラを救うためだけに《黎明の剣士》を似せて生み出された、まがい物の存在──「人形」でしかなかったリクスがオリジナルとは別の生き様を見出し、その上で魔王シェノーラではなく、今を生きる大切な友人であるシノを救うために新たな力を求めるという姿がとにかくアツかった!自身に「夢」を与えてくれた傭兵時代の生活、その「夢」を叶えるために辿り着いたエストリア魔法学院での友人たちとの騒がしくも楽しい1年間の学園生活……物語の開始当初から語られていたリクスの野望「戦う人生を辞めて平穏に生きたい」がリクス自身の力を目醒めさせていくという展開がめちゃくちゃ良かったです。

良い最終回だったすぎて、色々不安になった

とにかく面白かったんだけど、あまりにも完璧にこれまでの謎や伏線を回収しすぎてる今回の結末……「良い最終回だった」と冗談で言うには最終回感がすごすぎていろいろな意味で不安になった。あとがきの書き方もなんか最終回っぽい……いやここで完結じゃないよね!?

表面的にはいろんな謎が全て明らかになって綺麗に終わってて、ここで完結ということでも全然問題ない気がするんですが……これまでの伏線回収を優先した結果本来あったはずの日常パートを思い切りすっとばしてここまでやってきた感があまりにも強いので物語としては凄く面白かったのですがシリーズ全体としては「まだやれるだろ!!??」感というか、綺麗に終わったけどそれ以上の消化不良感がある。特に今回の序盤でダイジェストで語られた日常パートの話が面白そうすぎてそのへんがちゃんと短編になってないのもったいなさすぎる。

いやほんとうにこれ、日常短編だけであと2〜3冊分くらいのプロットが羊先生の頭の中にはありますよね!?生徒会見習いとして部活間の折衝やってるリクスの短編とか、魔法が使えないリクスが無理くり単位を稼ごうとしてトラブルを巻き起こす短編とか読みたすぎない!?文庫描き下ろしでリクスとトランの傭兵時代の過去短編とか、宵闇の魔王と黎明の剣士のシリアス過去短編とかも読みたくない!?3年前ならなら間違いなく今頃「これが魔法使いの日常」みたいな安直タイトルのこれがまの短編シリーズはじまってるし連載してるでしょ。だから早くドラマガ本誌で…………ドラマガが…………ない…………!?

「完結」を名言していないということは売り上げ次第で続きもある──ここで終わっても良いようにはしてある──という認識で良いのかなあと思っているんだけど、続き読めるといいなあ……。

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大伝説の勇者の伝説18 みんなが昼寝王国民

 

昼寝してるだけで褒められる世界を作る! 伝勇伝ついに完結!
目の前で起こった“絶望の瞬間”。苦しみにもがきながら、ライナは未来の果てを視る。なぜ生きるのか? 何のために生まれたのか? 昼寝王国とはなんなのか? 世界を救うために、いま、史上最大の魔法が発動する!

結婚式を目前にして起きてしまった悲しい事件。敵の予言通り心が折れやるべきことを見失ってしまうライナだったが、フェリスの剣の柄におかしな模様が付いていることに気づく。それは父から託された最後の希望で──果たしてライナ達は世界を救い、いつか夢見た「昼寝だけしていれば良い世界」を実現することが出来るのか!?

登場人物たちの関係性の変化が良かった

面白かった〜〜!!最終巻となってもずっと絶望的な展開の連続でドラマガの連載時もここから彼らがどう救われるのかわからないと頭を抱えながら読んでいたけど、そんな絶望的なフラグの数々をきっちり回収しつつそれでも諦めないで手を取り合って足掻き続けた彼らが最後の最期で最高のハッピーエンドを掴み取る物語でした。今回の章題、フェリス→ライナ→シオンで主人公三人の名を冠して綺麗に終わるの胸熱。

それぞれの理由で大切な人と手を取り合うことを恐れ続けていた登場人物達がこの最終章を経ることでその勇気を得て、どんなことがあっても生きたいと決意を新たにしていく展開がアツかった。主人公であるライナ・フェリス・シオンの三人は言うまでもないけれど、この伝勇伝という物語に登場するキャラクターたちって本当に誰も彼もが自分のことが好きになれない/自信を持てない故に自身の好意を他者に伝える勇気が持てなかった人たちばっかり(クラウとノアとか、カルネとエスリナですらそう)なんですよね……それが、ライナがフェリスに気持ちを伝えたことをきっかけに少しずつ隣りにいる大切な人に気持ちを伝える勇気を持てるようになって。そこかしこでカップル成立していく展開は色んな意味で最終回感がありましたが、最終章って短いながらもこれまでの本編で掛かった以上の時間が作中で流れてますし、むしろ「どうして両思いにすらなってなかったんだ」ってカップルも多かったので割と納得感高い。

最後の5年間で様々な登場人物たちのその後が語られましたが、個人的にめちゃくちゃ好きなのはミルク隊長のその後。いや、彼女とキファの話については賛否分かれるのかもしれないなあとは思うのですが、ああなったらああなったで存外ドライなミルク隊長が妙に「らしく」感じてしまったし、ライナのことをふっきったミルクとライナの、それぞれに別々の帰るところを見つけた二人の会話がめちゃくちゃ性癖に刺さったので個人的にはめちゃくちゃ良かったです。いやあれ、ミルクの心の整理が付かない限りどこまでも拗れる問題でもあったとおもうのでそこに至るまでに彼女だけに作中経過5年が与えられたの凄く良かったなあと……(他のメンバーは5年前の時点で何かしら決着が付いていたので)

あと、ここは割とコメディな部分ですがライナとシオンが下手かつ雑すぎる下ネタ会話をしようとして、フェリスとフロワードに聞かれてしっちゃかめっちゃかになる展開めっちゃ好き。ガチでショックを受けるフェリスと目を輝かせるフロワードが微笑ましすぎるのもありますが、ここまで紆余曲折あったライナとシオンが、そしてこの巻の冒頭でおきた惨劇によって一度は全てに絶望して死んだ目で虚空を見ているばかりだったふたりが──ただの年頃の男の子達みたいにしょうもない下ネタ言ってるのめちゃくちゃな感慨深さあった。たとえそれが全く心のこもってない「女とやりまくりて〜」だったとしても。

ライナとフェリスの結婚ももちろん嬉しかったけど、この物語が最後まで「ライナとシオンとフェリスの物語」として二人の結婚後もシオンを含めた三人で一緒に居てくれたことが嬉しかった。

みんなで最後まで足掻き続けて、掴み取った最良の結末

とにかくこの最終章に至っても最後の最後まで全然ハッピーエンドの兆しが見えなくて、少し希望が見えてはそれ以上の絶望で押しつぶされるような展開の連続なのがしんどかった。状況を整理すれば整理するほどただの人間だけど寿命を超えて300歳まで生きたいみたいな無理ゲーであることが明らかになっていくのがただただ辛かった。

最終的に突きつけられたのは「多大な犠牲を払い外世界を敵に回してでも状況の根治を目指す」「成功率は低いが全員が個を保ったまま現状を大幅に先延ばしにする」の2つ。もう本当にあの結末に辿り着いたのは他に選択肢がなかった以上のなにものでもないのですが、そこにたどり着くことが出来たのはライナ達の必死の頑張りと、最後まで絶対に全員で生き抜きたいという強い意志と頑張りがあったから。

状況が根本的に解決したとは言えないし今回の戦いでやったことが未来にどのような影響を及ぼすかは全く未知数なままではありますが、少なくても現在のライナ達が笑って暮らせる世の中になったのは事実で、そうだとしたらそれこそがどうしようもなく彼ららしい最良のエンドだったんじゃないかな。そして、そこにたどり着くための鍵となるのがライナがシオンやフェリスや仲間たちが自身を愛すことができるかという一点に収束していくの凄かったです。ひょっとしたらサブタイの「みんなが昼寝王国民」、そういうことだったのかもしれないね。

2021年という大分最近になったところから追いかけ始めた新参読者でしたが、ちょうど良いタイミングでドラゴンマガジンでの連載がはじまり、その連載を見届けた末にこうして書籍版として完結する姿を見ることが出来たのが本当によかった。楽しかったです!

……それはそうと、本編が完結して本当に綺麗に終わったのでそこは本当に嬉しい限りなのですが、どう考えても短編で読みたいエピソードめちゃくちゃあるよなあ!!???いや、レムルス帝国からローランドに戻るまでの楽しい帰還の旅とか!ローランドに帰って神からの干渉が再開するまでの期間とか!!最終章なんか1冊で5年分も月日流れてるんですよ!?その間にあらゆるところでカップル成立してるんですよ!!???幕間挿入チャンスだらけじゃないですか!!!あと、完結後の物語も蛇足と言われようが読みたい。

もう10冊……とはいわなくてもあと1〜2冊くらい短編集出してくれてもいいと思うんですけどどうですか!!ああ、ドラマガが休刊したのがタイミング悪すぎる!!!

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ベル・プペーのスパダリ婚約〜「好みじゃない」と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!〜 1

 

旦那様。これからは蕩けるほど私の愛に溺れてくれ。
ベル・プペー《美しい人形》とあだ名される公爵令嬢レティシア。その儚げな容姿とは裏腹に、中身は男女問わず魅了する屈指のスパダリだった!?魔導具によって最強の傭兵騎士に変身し『氷の竜帝』としても活躍していたが、正体を知るのは一部の者たちだけ。そんな彼女が婚約したのは素行に難ありと噂される『呪いの皇子』ジルベール。初対面から冷たい態度で接してきたジルベールだが、彼の孤独と不器用な優しさに触れたレティシアは心を射貫かれてしまい――。「必ず幸せにするよ、旦那様」最強スパダリ令嬢と愛が重たい旦那様の波乱万丈な新婚生活が今始まる!

儚げな美貌を持つ美少女・公爵令嬢レティシアは「ベル・プペー《美しい人形》」と呼ばれて貴族の男性達から絶大な人気を誇る。でもその中身は、豪胆で最強の武力を持ち合わせる「スパダリ」だった!?家族たっての願いで無口な令嬢を演じ、時に正体を隠して「最強の傭兵」として活躍したりてきた彼女だが、浮いた噂と赤い瞳を持つ「呪われた皇子」ジルベールと婚約することになり……。

見た目儚げ中身男前スパダリ気質脳筋最強美少女(TSあり)×幸薄め愛重め策士系美青年のイチャラブファンタジー

面白かった〜!!漢前すぎるスパダリヒロイン・レティシアがその深すぎる愛と圧倒的な包容力と国内最強と謳われる武力で「呪いの皇子」として疎まれ続けて愛されることを知らずに育った旦那様をメロッメロに蕩けさしていくのが楽しいし、はじめて自分を愛してくれたレティシアに対してヤンデレと思える程の激重感情をこじらせていくジルベールの様子が大変美味しい。

ジルベールが初手でドロドロに蕩けてしまってヤンデレみたいな発言しはじめた時は正直どうしようと思ったのですが、基本脳筋で正面からの力押しタイプで回りくどいことが苦手なレティシアに対してジルベールは喧嘩は強くないけど陰で暗躍して策謀を巡らせて最後は勝つ、頭脳タイプの最強であり、時にはレティシアをもってしても御しきれない人物であることに気がついてにっこりしました。これ共依存要素や重い境遇もさることながら、根本的には強い女×強い男のつよつよカップルじゃん!!大好きなやつだ!!そしてジルベールの方が語彙力が高くてわかりやすいのでひとりでヤンデレこじらせてるように見えますが、レティシアも同じくらい激重感情拗らせてる。激重感情の相思相愛でバランス取れてるの良いね。

ジルベールの何気ない一言に内心照れてるレティシアがいたり、男女逆転カップルのようでいて要所要所でレティシアがヒロインしてるのもとても可愛かったですね。「人形姫」と称される外見に惑わされず彼女の男前すぎる中身も愛してくれたジルベールが、その奥に隠されたレティシアの少女としての一面までガッツリ引き出して暴いてくれるの強かった。レティシアのキャラが強すぎるんだけど、それに飲まれすぎない形でジルベールもちゃんと強キャラなんですよね。

最強火力の美少女×最強頭脳の美青年、もはや敵なしの状態で国家を揺るがす謀略や自身を脅かす陰謀を暴いて蹂躙する!!というストーリーがどこまでも楽しかったです。

性転換した超イケメン(中身は女子)×全力女装の魔性の美女(中身は男子)の倒錯カップル最高

「反転の魔道具」によって変身したレティシア扮する正体不明の最強の傭兵『氷の竜帝』がとにかく絵に描いたようなスパダリ攻なので見た目だけだと銀髪スパダリ攻×黒髪儚げ受BLみたいなことになってるの最高に興奮する……とかいってたら、中盤からジルベールを女装させて氷の竜帝様と犯罪の証拠を掴むために人には言えないカップルたちの集いに潜入……みたいな展開になって手叩いて喜んだ。大好きなシチュなんですが!!魔道具のパワーと全力の化粧によって線の細いイケメンから一転して魔性の美女と化したジルベール最高かよ。女装させられていることに不満を感じつつノリと勢いで後戻りできないところまで来ちゃうし隙あらばイチャイチャする展開最高かよ見せつけてやるといいつつ互いの艶姿に嫉妬し合う展開までありがとうございますそういうのヘキです!!!!!

もうそれでさえ本編の女装潜入展開がヘキなのに、巻末に入っていたオマケマンガで更に大喜びしました……いや、ここまで全力でもりもりの性転換イケメン女子×女装男子を堪能した後に似合わない女装まで頂いちゃって良いんですか!?そのふたつは両立しないと思ってたのに両立した!!同じ顔なのにおまけマンガの方だとジルベールの女装が全然似合わないの興奮するんですけど!!!

とにかくヘキの全部盛りみたいな勢いの物語で楽しかったな〜!!1巻で綺麗に終わっていて満足度の高い物語ではあったのですが、タイトルのうしろに「1」と付いてるので2巻もあるのかな?と期待してしまう。いいんだよね!?ナンバリングしたからにはあるんだよなあ!?(これまで「1」と付いてたのに「2」が出ないまま終わった作品群にもだもだされ続けてきたラノベオタクの咆哮)

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声優ラジオのウラオモテ DJCD

 

声優からマネージャーまで、本編にはないウラ話を聴けるスピンオフ!
声優事務所のマネージャー、加賀崎りんごは思い出していた。自分がこの業界に入るきっかけになった大学の先輩のことを。「わたしでは、あの子たちを幸せにできない」と言って事務所から去って行った、優しすぎた先輩のことを……。 コ―コーセーラジオのやすみ誕生日回! 朝加の担当しているラジオで修羅場が巻き起こる! 乙女がライブ後に行う”堕落の会”とは……? 由美子や千佳といったメインキャラも、いままであまりスポットライトが当たってこなかったあのキャラも……。 TVアニメやコミカライズなどメディアミックス展開が目白押しな『声優ラジオのウラオモテ』、そのキャラクターたちのウラ話を描く、スピンオフ作品!

10月12日は声優・歌種やすみの誕生日!コーコーセーラジオでも彼女の誕生日回が放送されることに。それに合わせて由美子にプレゼントを送ろうと決意した千佳だったが、何をあげたら彼女が喜ぶのかわからず悩んでしまう。対して、3月15日は渡辺千佳の誕生日。誕生日に何が欲しいか直接聞いた由美子は、千佳からこっぴどく怒られてしまって……!?

一般声優ファン女性藤井杏奈ちゃんの短編定期的に摂取したい

主役ふたりの微笑ま可愛い相互誕プレ話から始まる、「声優ラジオのウラオモテ」シリーズの短編集。由美子のマネージャー・加賀崎りんごの過去と現在の物語を中心に、本編の裏話や幕間・サブキャラたちの意外な素顔を描くスピンオフとなっていました。

どの話も良かったけど、特に職業声優一般声優ファン女性藤井杏奈ちゃんもとい柚日咲めくる先輩関係の短編の安定感が凄まじい。本当に彼女の話って何やっても面白すぎるので今後も定期的に摂取したい。タイトル通りの内容の『めくる、佐藤家にお泊まりする』、出張で新幹線に乗ったら桜並木乙女と夕暮夕陽に左右を挟まれてしまう『柚日咲めくるのサンドイッチ』どっちもホントに最高でした。いやもうタイトルとあらすじで色々と察して欲しい。たいへんだ。

あとはやっぱり主役二人のドタバタ話は別の意味で安定感というか安心感がある。一番最初に入っていた誕生日プレゼントの話とか本当に可愛かったですね。興味がないといいながら必死にサプライズしようとがんばるけどな〜んか納得いかない千佳、良くも悪くも自然体すぎて千佳にキレ散らかされるけどなんだかんだで最後はしっかり完璧なプレゼントによって千佳のハートを掴んでいく由美子……良い意味でいつもの関係性が詰め込まれていて最高に可愛かったです。

加賀崎りんごの因縁話、今読むと色んな意味で沁みる……

とにかくどのお話も可愛くて面白かったのですが、一見繋がりのない短編集の物語達をまとめて読んでいくと加賀崎りんごと彼女が声優のマネージャーをやることになるきっかけを作った大学の先輩・南雲沙希の因縁の物語『加賀崎りんごのウラオモテ』に帰結していく構成が凄い良かった。明るく楽しい物語の裏でこっそりと進行する、南雲が立ち上げた声優事務所カラメル・プロモーションによる引き抜き騒動。かつて憧れた先輩の背中を忘れられずにいたりんごがその変貌に大きく心を揺らされながらも、由美子のために彼女の手を取らないという選択をする姿が印象的で。

加賀崎の視点から語られる声優・歌種やすみの過去と現在も凄く良かった。本編はデビュー三年目崖っぷち声優の状態から始まるのでわからなかった、デビュー直後の彼女が見せた不思議な魅力。担当声優に対してできる限り私情を挟まないようにしようとしていた加賀崎の心の障壁を打ち破り、なんとしてでも売ってやろうと入れ込んでしまったのに、事務所の意向や何やらもあってなかなか機会に恵まれなくて……もどかしい思いを隠して由美子に接する姿に胸が熱くなりました。いや、彼女が由美子のことを高く評価してくれているだろうことは知っていたけど、こんなにも推してもらえてたんだなあ。

南雲の立ち上げた事務所が作り上げる所属声優に優しくて温かい世界では多分ダメだった、これまでの様々な逆境がなければ「声優・歌種やすみ」は輝けなかった──結果論かもしれないけど絶対にそうだとおもうんですよ……。でも一方で本編最新刊(12巻)を先に読んだ身としては、「あの展開」を受けたりんごちゃんがなにを思ってたのかに思いを馳せてしまう……いやあの話の前にこの話やったのめちゃくちゃ人の心がないでしょ絶対りんごちゃんあの事件の時にこの件思い出しちゃうでしょ……。

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リスナーに騙されてダンジョンの最下層から脱出RTAすることになった2

恋狸
 

リスナーの一人に騙されて(自業自得)、 最下層に転移してしまった、新人ダンジョン配信者の世迷言葉。 中華鍋でスキーをしたりなど、 吹雪フィールドもエンジョイ(?)しつつ、 配信を続けながら、リスナー頼りで強くなっていく。 そしてついに、世迷言葉救出の名目で、 アレン・ラスター、ユミナ・ラステル、シエンナ・カトラルといった、 ランキング上位者たち(全員世迷リスナー)が動き出す。 かくして、救出という名の世迷言葉オフ会が始まる……!? コミカライズも好評連載中の、 ダンジョン最下層からの脱出RTAストーリー、待望の第二弾!

リスナーの冗談を真に受けて、ダンジョン探索初日にうっかり誰も足を踏み入れたことのない最下層に飛ばされてしまった世迷言葉。なんとか五百階層をクリアした彼は相変わらず面白半分でいまいちあてにならないリスナー達のコメントを頼りに上層に進んでいく。一方、一連の事件に責任を感じて言葉救出のために下層攻略を進める風間雪音は言葉リスナーとなって「オフ会をする」という名目で下層攻略に乗り出したトップランカー達と合流して……?

脳筋ゴリ押し感と狂気はそのままに、戦略性広がってきた

いや〜2巻も引き続き面白かった!1巻を読んでいた時に個人的に懸念していたのが基本戦略が脳筋ゴリ押しなので戦闘関係がワンパターンになるのではないかという部分だったのですが、絶妙に毎回違う流れで敵を倒していく展開になってて先が見えない。1巻のラストでゲットした四肢を犠牲にして超火力を出すスキル(犠牲になる四肢はランダム・一定時間回復不可)をはじめ、追加で取得するスキルが絶妙に無双にならない範囲で戦略性を広げてきて上手いな。いや、本当に言葉自体の戦闘能力が殆ど成長しなくて頭脳戦も出来ないこの物語で、リスナー達の酔狂と主人公の狂気だけでこんなにおもしろいの色々な意味でズルいな……!!

相変わらずの「一歩間違えれば死」のヒリつきはそのままにやれることが増えていったのが面白かったです。何より面白かったのが合縁奇縁によって可愛らしいウサギの見た目から進化してキモッキモの筋肉ウサギになってしまった「キモラビくん」とのアレコレ。色々とひどすぎる出会いから始まりこれは終盤で手酷い反撃を喰らうパターンか……!?と思いきやキモくなって戻って来るの死ぬほど笑ったし、なんだかんだ戦いの中で絆が芽生えていくアツい展開になるのズルかったし、オチがヒドすぎて笑ってしまった。容赦ねえな!!いやあの流れからアツい共闘展開になるのマジで先が読めないよ!!

一方、彼のリスナーである世界ランクの探索者たちが「オフ会」とかいいながら救出に向かい始めて……流石にひとりで500階層上がる必要なさそうなのは本当に良かったよね。というか1巻で1〜2階層しか登れてないのを考えるとどう考えても490とか480階くらいでランカー組と合流しそう。ランカー組、これやりながら結構ガッツリ言葉の配信にコメントも入れまくっているので余裕がすごかった。

どのくらいで合流できるのかまだまだ先が見えない感ですが、新しい仲間(笑)も得て色々な意味で先が見えない展開で、続きがますます楽しみになりました。

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このライトノベルの続きが読みたい!2025


こちらの企画に参加したので企画に投票した内容をもう少し文章長めにして(というか先にこっちを書いて投票コメントの方を削った)公開します。
投票対象は「2020年以降に1巻が発売された作品」なので(細かいレギュレーションはリンク先を参照)まだここから状況によってはワンチャンある作品群であると思ってるので興味があったら気軽に手にとってみてください。2年ブランクくらいなら今なら全然なんとかなるので人の目に止まってほしいし書籍化作品はちゃんと続きも読めますのでこの機会に興味を持ってみてほしい。書籍のみ刊行or諸処の事情で書籍で続きがでないと続きが読めないもの9選+なろうに続きがあるのは知っているが最初に書籍で読んでしまったため出来れば書籍で読みたいのでなんとかしてほしいタイトル5選の計14作品になります。本当は投票範囲外の続編が読みたい未練作品の紹介とかもまとめてしようかとおもっていたのですが2020年代の作品に絞っても相当あった。そんなに読んでないはずなのにおかしいな……。

ところで、Web小説の書籍化で続きが読みたい6作品ちゅう5作品がファミ通文庫なのは流石にちょっとどうにかならないものかとおもいました。右肩上がりに面白くなるやつ多いしWeb原作は3巻くらいまで確約してくれないもんかな。

続きが読みたい(続きがない)

二丸 修一「君はこの「悪【ボク】」をどう裁くのだろうか?」→感想
「生まれながらの悪」と「行き過ぎた正義」の衝突、男男のクソデカ感情が最高
殺人衝動を持て余す主人公と行き過ぎた正義感を持つ親友が共に異世界転生をし、ファンタジー世界で別々の勢力に与して殺し合う物語。男同士の執着・クソデカ感情を描く物語が刺さっただけでなく彼らの周囲に居る女性キャラクター達が随所で刺してくるので大変によかった。主人公ふたりの対決としてはこの上なく綺麗に単巻で終わっているのですが4巻以上のシリーズ化を想定した戦記物だったとのことで、どう転がっていくのか気になる。続きが読みたい。
楽山「俺の召喚獣、死んでる」→感想
「最強の召喚獣(でも死んでる)」を巡って繰り広げられる試行錯誤が楽しい!
最強の存在だけど死んでるので動かせない召喚獣をパートナーにしてしまった主人公がそれを活かすために様々な試行錯誤をしていく物語。とにかくその試行錯誤が楽しく、ちょっと偏屈で面倒くさい主人公を支える愉快なチームメンバーたち、ライバルでありヒロインのサーシャとの掛け合いがとても楽しかった。単巻完結かもしれないんだけど、キャラクター達のわちゃわちゃがもっと見たいので続きが読みたい。
心裡「魔王のJK冒険者育成計画! 〜お前をトップ冒険者にしてやろう〜」→感想
異世界魔王とフツーの女子高生の現代ダンジョン探索系動画配信もの。
現代にダンジョンが出現しダンジョン探索系動画配信が盛り上がっている現代日本で、異世界からやってきた魔王が底辺配信者の女子高生をプロデュース!するお話。異世界のチート知識で無双…というよりは100均活用動画系の動画というか、誰にでもできる系の知識を使うことでバズらせていくのがめちゃくちゃ面白かった。続き……は一応カクヨムにあるんですが、2巻分の内容まで連載されたあと続きのプロットだけ残して断筆宣言されてしまっているんですよね。あまりにも悲しくてカクヨムの続きがいまだに読めない。
小路 燦「VTuberのマイクに転身したら、推しが借金まみれのクズだった」→感想
リアルと配信の二軸で進む、無機物憑依系ラブコメ!
なぜか「推しVtuberのマイク」に転身できるようになった主人公がイマイチ売れない推しを盛り上げようとする物語。実はバイト先の同僚だった推しと現実・転身中の両側面から関わっていく展開が面白く、絶妙にクズ感が高くて目が離せなくなるVtuber・加々宮エリンのキャラクターがとてもよかった。この作家さんの作品、デビュー作も2巻を待ってるんですが……おのれスニーカー文庫……。
朝依 しると「VTuberのエンディング、買い取ります。」→感想
「炎上」で事件を解決していく、ダークヒーロー的立ち位置が印象的だった
既刊2巻。推しVtuberの突然の引退をきっかけに闇堕ちしたオタクの主人公が、Vの炎上を扱う闇のブロガーとして様々なVtuberに引導を渡し、それによって様々なトラブルを解決しながら推しの真実に迫っていく物語。炎上によって事件を解決するというダークヒーロー的な主人公の立ち位置がとにかく印象的で、物語の裏に秘められた推しV引退にまつわる謎も気になる物語でした。結構いいところで続きが出なくなってしまったので続きが読みたい。
小田 一文「貴サークルは“救世主”に配置されました」→感想
マイナージャンルのサークル主が世界救済のため「100部完売」を目指す!
既刊2巻。平均1桁頒布のマイナージャンル同人作家が世界を滅ぼす魔王復活を阻止するため「1イベント100部完売」を目指すお話。一見トンチキに見える設定が説得力のある描写によって違和感なく溶け込んでおり、弱小同人作家としては「あるある」的に刺さる部分が多かった。2巻の小説サークル周りの描写は違和感が高かったんだけど、1巻は素晴らしかったので3巻が読みたい。
夏目 純白「純白と黄金」→感想
《邪気威(ヤンキー)》を燃やせ!!トンチキ現代異能テリトリーバトル!!
既刊2巻。今流行りのスタイリッシュ・ヤンキー・テリトリーバトル的なものを想像して本を開くと突然ヤンキーがヤンキー(オーラ)を放出して激突して大量に吹き飛んだりするのでそういうトンチキ現代異能バトルだと思って読んだほうがいいです。ネットの評判真っ二つだったけど私は好きだった。3巻が読みたい。
三河 ごーすと「顔さえよければいい教室」→感想
才能だけでは成り上がれない現代SNS社会の動画配信バトル
2巻。バーチャル・シンガーとしてコアな人気を誇る妹と彼女の才で金を稼ぐ兄が「顔出し動画配信」必須の芸能学校に入学するところから始まる物語。圧倒的な才能を持つ天才達の芸能バトルである反面、その動画をどうやって魅せるかという部分が大きな意味を持ってくるのが現代風で面白かった。つい最近打ち切り宣言を見かけたのですが動画配信物の中でもちょっと違う味わいで面白かったので続きが読みたい。
朱雀 伸吾「はたらけ!おじさんの森」→感想
ひとのいい「おじさん」たちの、異世界無人島サバイバル。
既刊4巻。某人気無人島サバイバルゲームを買いそこねた人の良い「おじさん」達4人が某人気無人島サバイバルゲームにそっくりな世界に転移させられ、そこで「あにまる」達と無人島サバイバルをするお話。とにかく人の良いおじさんたちのスローライフが読んでて気持ちよく、徐々に広がっていく世界観も興味深かった。2年弱新刊が出てないのですが、同作者の別作品が4年ぶりに新刊出たという情報があったので新刊が出ると信じて待ってる。

続きが読みたい(続きがある)

烏丸 英「Vtuberってめんどくせえ!」→感想
Vtuberモノで男女カップリング売りってまだ珍しいよね
女性ばかりの箱からデビューした男性Vだという理由で炎上してしまった主人公がヒロインである同期の女性Vや同箱のVtuber達の問題を解決していく物語。主人公がいろんなトラブルを体当たりで解決してかっこいい所を見せるたびにどんどん同性のガチ恋ファンとヒロインとのカプ推し勢を増やしていく展開めちゃくちゃ面白かったので書籍で続きが読みたい。Webで概ね2巻分くらいの所まで読んだけど続きが出るかもと思って続き読んでないので頼む……。
下垣「自作3Dモデルを売るためにサキュバスメイドVtuberになってみた」→感想
クリエイターのジレンマが印象的×バ美肉男子可愛い
タイトル通りの理由でVtuberデビューした主人公が本人の意向とは裏腹にVtuberとしてウケてしまってやはり3Dモデルは売れない……というお話。クリエイターとして成功したいのにVtuberとして売れてしまって引っ込みがつかなくなるジレンマが印象的でクリエイターモノとしても面白かったし、何よりバ美肉ショコラちゃんが可愛いすぎるので有罪!!カクヨムで最近完結した……したのはしってる……書籍で挿絵付きで読みたい……。
節トキ「悪役腐令嬢様とお呼び!」→感想
相手がどんな性癖でも見守り育む腐女子ムーヴが良かった
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した生粋の腐女子が「どうせ断罪されて死ぬならそれまでに好き勝手しよ」と周囲の令嬢たちにBLを布教していく物語。序盤はイタタな腐女子ムーブも目立つけど、仲間にした令嬢達が何に目覚めても見守り育てるスタンス、徐々にこの世界の友人達に愛着を持っていく姿が大変好感度高かった。あと転生者仲間の百合オタ王子との共闘関係好き。続きはなろうにある……あるのはしってる……。
佐遊樹「TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA 嫌われ追放エンドを目指してるのに最強無双ロードから降りられない」→感想
とにかくパワーで押し切っていく最強系主人公が良き
悪役令嬢に転生して早々に追放されれば幸せなセカンドライフを確約!それなら全員ぶちのめして追放されてやるしかないッ!!……なんか皆の好感度がMAXになってるんですけど!?というお話。とにかく勢いのある私TUEE展開と強くてかっこいい主人公に骨抜きにされる登場人物たちとめちゃくちゃな勢いで思惑と真反対方向に流されていく展開が面白かった!続きがあるのは知ってる……まだ完結は多分してない……ッ!!
栗原 ちひろ「死んでも推します!! 〜人生二度目の公爵令嬢、今度は男装騎士になって最推し婚約者をお救いします〜」→感想
推しについて語るオタクを眺めるのは健康に良い
既刊2冊。「推し」と婚約したのもつかの間、襲撃に遭って生命を落としたヒロインが人生やりなおしの機会を得て今度は彼を護るために女がてら彼が隊長を務める騎士団に入隊する、というお話。とにかく「推し」のためなら何でも出来る!で推しの近くに行けて楽しそうなヒロインの姿を見るだけで健康によく、彼女に感化されて周囲まで限界オタク化していく展開にニヤニヤしました。なろうで完結してるのは知ってる、知ってるんだ……。

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成り代わり令嬢のループライン 繰り返す世界に幸せな結末を

 

『Unnamed Memory』著者が贈る、大本命ループファンタジー!
「ユール・ラキス、お久しぶりね。これを機に私と二年くらい婚約しましょう」「分かった。その婚約を受けましょう」 派遣社員だった八瀬咲良は、ある日友人の真砂からお願いを受ける。「異世界に行って二年後に起きる惨劇を止めて欲しい」と。『妖精姫物語』の主人公ローズィアとして新たな人生をスタートさせた咲良を待ち受けるのは、”妖精契約”の失敗により世界が破滅する未来――。一度は失敗し、気づけば二年前に死に戻ったローズィアは、何度もループする悲劇の歴史を打破するため、もっとも信頼する人物に助けを求めた。 ユール・ラキス――ローズィアの幼馴染であり、身分を偽る隣国の王子とともに、咲良はもう一度人生をやり直す。願わくは、死んでしまう運命のこの人も救えるように。 大切な人を救うためには手段を選ばない成り代わり令嬢と、彼女に振り回される不遇な青年の知られざる駆け引きと戦いが幕を開ける。 大ヒット『Unnamed Memory』の古宮九時が贈る、圧倒的に面白いループファンタジー!

webに投稿されていたループもののファンタジー小説『妖精姫物語』をきっかけにして知り合った派遣社員の咲良と小説の作者である真砂。その出会いから十ヶ月後、真砂から彼女自身が『妖精姫物語』の主人公・ローズィアであったこと、投稿された小説は彼女自身の体験談であり、15回のループをもってしてもなお物語はバッドエンドのままであると知らされる。彼女の意志を引き継いで主人公のローズィアに成り代わり、物語世界を変えようと動き出す咲良。彼女には妖精姫ティティの他にもうひとり救いたい人がいて……。

絶望を前にしても歩みを止めない主人公がかっこよかった

2年でループを繰り返す『妖精姫物語』の世界に転生した主人公が、親友である妖精姫・ティティと隣国の王子ユール、そして物語世界を救うために奔走する物語。友人・真砂が描いたその物語が大好きでそれを読み込んで得た世界の知識、派遣社員として苦労しながら生きてきた現代の人間としての経験が自然に彼女の異世界での行動の助けとなっていくのが良かった。ペーペーの派遣社員では上司やら何やらに阻まれて上手く活かせなかった「人と人を繋ぐ」という才能が貴族令嬢として一定の地位を得たことで花開いて彼女の助けとなっていくのが感慨深いし、ティティだけでなくかつての「推し」だったユールも救いたいというエゴが事態打開の鍵となっていくのが印象的でした。

ループを重ねる毎に状況が悪くなっていくというか物語の裏側が明かされる度にティティやユールを救うことがいかに無理ゲーか明らかになっていって、時に過去の選択を悔やみながら……それでも彼女達を救うことを絶対に諦めず、前を向いて歩み続ける主人公・ローズィアの姿が最高にかっこよかったです。そして、彼女の「推し」であり物語世界での唯一無二の相棒であるユールとの関係性が良かった……!2周目の世界でこれまでの知識を駆使して人脈と権力を手に入れて最強モードな主人公が隣国に出向いて「儀式王」としてループの途中で死ぬ運命にあったユールの死亡フラグをバッキバキにへし折りにいく所とかかっこよすぎて、これはユールにも好意が魂に刻まれてしまうわ……いや多分この後の三周目、特に言及されてないけどユールの魂に好意が刻まれてましたよね?そうじゃないと説明できない感じありましたよね?現実の人間として関わっていくうちに二次元のキャラクターとしてではなくリアルな人間として彼に好意を抱いていくけど、かつて「推し」であったが故にリアルの恋愛対象にしたくない咲良のジレンマ、3周目のユールが知らず知らずに2周目のユールに嫉妬していくさまにもニヤニヤしてしまった。推しとの恋、やり直しファンタジーでの恋愛の美味しいところきっちり拾ってくるのが実にニクい。

どうして儀式が失敗するのか、何故2年間しかループできないのか、「ローズィア」だけが記憶を保持しているのはなぜなのか、どうして「ローズィア」への成り代わりが何代にも渡って異世界の人間達に引き継がれていくのか、そもそも最初の「ローズィア」はどうなってしまったのか……すべての疑問に答えが与えられ、世界の本当の姿が少しずつ姿を見せていくのが気持ち良かったです。そして世界の謎を解く鍵として、「魔女」「聖女」「妖精姫」といった超常の存在達が綺麗にハマっていくのも良かった。

特に聖女まわりのアレコレは本当にズルいわ…………。

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