波乱だらけのシリーズ4巻。今巻で錆丸が金星特急に合流してめでたしめでたしかと思ったらそれどころじゃなかった!錆丸&月氏組といい特急の残存花婿候補組といい波乱万丈すぎる。
それにしても、花婿候補はいつのまにかここまで目減りしてたんだなあ……と思う。残った候補者達のギリギリの攻防が凄かった。それにしても月長石は1巻からあれだけ危険人物視されてきた割には随分とあっさり。お亡くなりになったわけではないので5巻あたりで一矢報いる展開が来てもおかしくないけど。いやしかし、彼の狂気を上回ったアルベルトの知識狂いぶりこそを畏れるべきなのか。砂鉄を心配するユースタスが一部始終可愛すぎる。
一方、次の停車ポイントで金星特急に合流することを目指す錆丸達にも不穏な影が。乗り遅れた者に対し発動する「ペナルティ」に関する脅威がなくなったと思いきや、一転今度は同じ人間達(しかもてだれ)から命を狙われる事になるこのスリリングな展開が凄い。誰が敵に回るかわからない状況の中、夏草の活字中毒っぷりが唯一の癒しでした。
一方、各地から集められた女性達の方も気に掛かるわけだけど本当にその結論だとしたら金星さん可愛すぎて思わずときめいちゃうよ!?例によって酷いヒキで終っているので続きを早く早く!!
▼ 最近の記事
読了記録まとめ[2011年11月分]
11月のラノベ(?)読了冊数は13冊でした。そのうち4冊BLだけど多分気にしちゃ駄目だ!少年向けラノベレーベルの作品だけでトータルすると4冊しかなかったことも気づいちゃだめだ!!
漫画を節約した結果、おそろしくBLと少女小説ばかり読んだ月になりました不思議。もう暫くは積読消化月間が続きそうです。自宅にあったBLを読み終わってその直後にブックオフでうっかりもう少し買い込んでしまったなんてそんなことはちっともない。
4冊しか読んでないマンガのうち2冊が「屍姫」と「そらのおとしもの」なあたりに業を感じます……あと「Pandora Hearts」の最新刊は本当に良かった。
11月の読書メーター
読んだ本の数:17冊 / 読んだページ数:4306ページ / ナイス数:64ナイス続きを読む
金星特急3
新キャラ・アルベルトを加えて砂鉄の故郷を舞台に繰り広げられる金星からの試練。傭兵集団“月氏”の誰かに挑んで勝たなければいけないという試練に頭脳を使って相手の意表をつくアルベルトや腕っ節には覚えのある砂鉄・ユースタスとは違い戦闘慣れしてない錆丸が絶望的な状況でも突破口を探してなんとか立ち向かおうとがんばる姿が相変わらずかっこいい。それを見守る大人達や“月氏”の面々とのやりとりもよかった。
しかし、彼らの素性が明らかになるのとは対象的に錆丸の過去や数々の特異体質など、金星を取り巻く謎は深まるばかりだなあ。ユースタスのアレもただの外見上だけの話ではなさそうだし、彗星をはじめとした女性達が導かれた謎の場所も気になる。それにしても、ユースタスの砂鉄への態度は…………だと判断して良いのですか!(ニヤニヤ)
そしてまたいいところで引きすぎですよねこれ!!一難さってまた一難すぎる。マスゴミの悪意が大爆発すぎる。フキンシンどころの騒ぎじゃねーぞ!!!
金星特急2
絶世の美女『金星』の婿に選ばれたら栄華が約束されるけど今だ誰も帰ってきた事のない謎の婿取り列車「金星特急」に乗り込んだ人たちのお話。
しょっぱなから途中下車/途中乗車者の末路を聞かされたり……で胆が冷えた後、今度は密林の真ん中で宝探しをすることに。“王の火”とはなにものか、そして消えた列車の行方……と謎解き満載な展開でとても楽しかったです。
力足らずを自覚しながら少しでも自分の出来る事を…と頑張る錆丸が健気可愛いかった。錆丸やユースタスの素性も少しずつ顔を覗かせてきて、ますますこの後どう転がってしまうのか楽しみ。それにしても砂鉄さんは口でなんだかんだいいながらすっかりただの保護者状態で可愛いなあ!!あとがきの「砂鉄運送」で腹筋崩壊した。
謎の不審人物・月長石やら途中乗車できない筈の金星特急に乗り込んできた謎の男といい、物語が加速していく予感いっぱいでますます続きが楽しみです。あと地味に錆丸の家族関係の話が気になる……両親の行方もそうだけど、お兄さんは一体何をしているひとなのか。
金星特急1
絶世の美女『金星』の婿に選ばれたら栄華が約束されるけど今だ誰も帰ってきた事のない謎の婿取り列車「金星特急」。金星に一目惚れした錆丸は彼女にプロポーズするため東京駅に現れた金星特急に乗り込む……というお話。
しょっぱなからのハードな展開にびっくり。予想以上に殺伐してるというか、少女小説らしからぬノリで少年向けレーベルから出てても全く違和感なさそう。香港でのオチが衝撃的すぎる。
現代が舞台なのかと思いきや殆どの世界で共通言語が使われていて漢字が常用じゃなくなっていたり、日本と大陸の間に巨大な橋がかかっていたり……と、ちょっと不思議な世界観。旅を共にする錆丸・砂鉄・ユースタスの三人にもそれぞれ思うところがありそうで…。物語自体はまだまだ「俺たちの冒険ははじまったばかりだ!」という感じなのでこの後物語がどう転がっていくのか、とても楽しみです。
「男子力」の高いライトノベル10選 ……という妄想。
「このライトノベルがすごい!2012」を読んでいてふと思いついたのでまとめてみる。
【 このエントリにおける「男子力」とは? 】
男子キャラ/女子キャラランキングを比較して、男子が高順位なのに対して女子キャラのランキングが相対的に低い作品を示す。女子キャラのランク差が高ければ高いほど強い。だがしかし高いからといって特に何か良いことがあるわけではない。該当作品に自分が好きな物が多かったから便乗して布教したいだけの自己満足エントリです。
参考にしたのは「このライトノベルがすごい!」2005年度版、2007〜2012年度版の計7冊。男女順位の分かれていないものは当方で女子のみの順位を算出しました。2006年度版は手元になかったためデータに一部抜けがあります。また、掲載年度とともにこれまで掲載された時の(多分)最高順位を併記しています。
余談ですが全体的にこのラノの場合、投票者全体の男女比率が80%以上であるため、「男子に人気のある男子キャラが活躍するライトノベル」が多くなっているのではないかと思います。
下のほうになると割と強引にランクインさせていますがその辺はご容赦ください。
……それにしても、男子力高いはずなのにこの男子の表紙にいない具合……
歴代の男子キャラランキング覇者達
他、ランキング4位以下の中から男子力の高い(個人的判断)ラノベをピックアップ!
【2005年度男子4位】 オーフェン (秋田禎信「魔術士オーフェン」) 参考順位:なし
2005年度版だと実はギリギリ投票圏内だったことに驚愕しました。「スレイヤーズ」と共に富士見の黄金時代を築いたライトノベル。今年、会社を変えて復刊+新シリーズが始まりました。実は序盤しか読んでないのですが……本編の割りとシリアスなハードボイルド具合と、短編の振り回されっぷりがとても良いです。 |
【2010年度版男子15位】 葵・トーリ (川上稔「境界線上のホライゾン」) 参考順位:なし
同作者の「終わりのクロニクル」の主人公・佐山とはまた一味違ったカリスマをもつ愛すべき全裸。全裸だったり女装だったりセクハラだったりする。「不可能男」の二つ名をつけられ、自ら戦う能力は殆ど持ち合わせない彼が、しかし周囲の人間達を動かしてかつて愛した少女を「取り戻す」ため、世界を敵に回していく姿が胸に熱い。 |
僕の妹は漢字が読める2
23世紀の授業風景が想像以上だった。
すっごい楽しそうだけどマジで歪まないな23世紀の萌え文化ェ……
23世紀の未来から失われた「萌え」を取り戻す為、再び21世紀に戻った一行が歴史を変えるきっかけとなった原稿を取り戻す為に奔走するお話。相変わらず23世紀の「現代文」の尖りっぷりは半端ないんだけど、文学がそういった形へと変貌していったきっかけとか、なんだかんだでしっかり理由付けられていて面白かった。終盤の犯人との“文学論”のやりとりとか納得してしまうような部分もあって、興味深い。
何よりクロナがギンに惚れる切っ掛けになったエピソードが本当に可愛い。お互いの文学の好みを互いに「相容れない」「面白くない」と思ってそれを言葉に出せる気安さと、それでもその言葉を聞くことは出来るという二人の関係性にとてもニヤニヤした。まあその割には主人公の1巻での正統派文学以外に対するdisっぷりはどういうこっちゃとか思わなくもないのですが……今回はその辺の主人公の考え方もかなり軟化して、1巻よりも読みやすくなっていたなあ。
しかし、ヒロインに関してはクロナの可愛さが鉄壁過ぎる分、正直ユズさんの存在意g(強制終了)2巻では変なキャラ付けされちゃったけどこれどうなるんだろう。
オオダイラ先生曰く「神」なあの人や、ギンの未来の姿など垣間見えながらも過去にはきっちりと決着をつけて綺麗にまとまった感じなんだけどまだ続くの?2巻までが面白かったので楽しみなような、綺麗に終ってるから今度こそ蛇足になりそうで怖いような……
だけど、ここには愛がある
豆腐メンタル女装攻×ちょっとズルい包容力のある男前可愛い受とかなにそれ俺得
こう、そんなに読んだことないですが、商業BLでここまで的確に自分の萌え属性をついてきた作品初めてな気がします!需要ないから商業にはないよねって思ってました!なにこれ俺得!!なにこれ俺得!!(大事な事なので3回言いました)
しょっぱなから攻が花嫁さんで受に自分の写真を撮らせるという全力でマニアックなシチュエーションから始まってしかしこの鬼畜花嫁さんなかなか美味しいぞと思っていたら、ナルシストでやや天然気味な彼がとあるきっかけから長年恋人としてつきあってきた親友との関係を改めて考えることになり、だんだん「自分が一番」だった気持ちが変化していく……という二編目の一転シリアスな展開に持っていかれました。二人が付き合うきっかけとなった一言こそどこかズルいものを感じたけど、なんだかんだで懐広く佐宗を受け止める悠馬の姿にとてもニヤニヤする。
しかし、それ以上に佐宗の従兄弟・颯とその恋人の関係を描いた3編目「かわいいきみ」の俺得具合がたまらない。ゴリマッチョ(本人談)な攻を女装させてその羞恥する姿を見て可愛い可愛い可愛い言う颯とは美味い酒が飲めそうです。本編でのかませ犬っぷりもとても良かったけど、もはやどっちが攻だか解らない精神的逆転具合にニヤニヤが止まりませんでした。
似合わない女装は正義!!!(←結論)
饒舌に夜を騙れ
SATを舞台にした相棒物というか戦友物というか。優等生タイプが本能で動くタイプのカリスマ系に惹かれちゃってどうしようもなくなったり俺の背中はお前にしか預けられないぜ的な話は大変好物なので美味しくいただきました!
同僚である犬伏への気持ちをひたかくしにしていた橋埜が、とある事件で怪我をしたのを切っ掛けに弱気になって思わず……な展開美味しい。それまで気持ちを隠していたのは当然犬伏と対等に並びあいたかったからだろうし、こういうきっかけがなければ微妙な関係を続けていたんだろうなあと想像するとニヤニヤする。経験あるフリして実は慣れてない〜な初体験のやりとりも可愛かった。
しかし、犬伏は恋愛モードに切り替わった途端に急に演出が一昔前のキザ男になるのはどういうことなんですかニヤニヤするぞ!!終盤の本人が聞いたらキレられそうなノロケっぷりといい、正直くっつくまでの戦友関係目当てで読み始めたのにくっついてからの方がキャラ関係的には楽しかった気がする。両想いになってからの犬伏が実に変態的なイケメンでとてもよかったです。
唯一、橋埜が「遊んでる」という設定の割にカタブツにしか見えないのには微妙に首をかしげたなあ。素直に犬伏が遊んでる設定で橋埜がカタブツって話にしても何の問題もなかった気がするのですが……(いや、ちゃんと橋埜が遊んでる設定を描写してくれてたらそっちのほうが好みなんだけど!)あと高梁の放置されっぷりが酷い。続編が出るなら是非ともその辺はフォローしてあげて欲しい感じでした。
キケン
新入生の元山・池谷が上級生に勧誘されて連れて行かれた部は成南電気工科大学機械制御研究部、略称「機研」。快適空間を謳う部室や設備の数々に惹かれて入部を決めたが、そこは“敵に回してはいけない”と周囲に恐れられるアクの強い部活で……!?男子大学生達が部室を根城に“本気の”遊びを繰り広げるお話なんだけど、色々と本気すぎる彼らの巻き起こす騒動の数々と最初は上級生達に振り回されるだけだった下級生達が段々『機研』の部員らしくふてぶてしく成長していく姿が楽しい。
特に文化祭を前にした彼らの大人気ないまでの本気っぷりが本気でやばかった。それでさえヤる気マンマンだったところに、(自称)ライバルのPC研が露骨に企画をぶつけてくるんだけど、相手が可哀想に思えるほど正攻法で本気出してくる機研の面々の死角のなさときたら……やぶれかぶれに直接攻撃を仕掛けてくるPC研にもひるまない下級生達の本気の怒りにもニヤニヤが止まりませんでした。
そして、最後を締めくくる「卒業後の文化祭」の話がとても爽やかな終り方でまた素敵。どうしようもない位に楽しかったからこそそこに自分の居場所が無くなってしまっている事を、自分達の知っている場所ではなくなってしまった事を認めたくない気持ちとか、とてもあるあるすぎてしんみりするんだけど、そんな心配をぶっとばすような最後の黒板にホロリとした。
なんかこいつら、大学卒業してもなんだかんだで仲良くやってくんだろうなあ。良い友情モノでした。いつまでもお幸せに!