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猿渡さん家のラグナロク

[著]田口 仙年堂  [絵]日向 悠二

「では、家族会議を始めよう」遡ること数日前。MMORPG『ライブライフオンライン』で念願のマイホームを手に入れたサワタリ家はお隣のイヌガミ家とすっかり意気投合。ところが引っ越し祝いの狩りでレアアイテムを巡り大喧嘩!口論の末PvPトーナメントで決着を付けることに!!さらに、対お隣さん用装備の製作に励むサワタリ家を予期せぬトラブルが襲う―!?『吉永さん家のガーゴイル』コンビが贈る、VRファンタジー・コメディ堂々開幕!! (「BOOK」データベースより)

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 「吉永さん家のガーゴイル」コンビの新作。製造スキル特化の主人公一家と戦闘スキル特化のおとなりさんが狩りの報酬分配で揉めてしまい、PVで決着をつけることになるお話。

 戦闘特化のお隣さんに戦闘で勝つために、装備を強化したり、戦闘補助をするアイテムを製造したり……あくまで自分達のフィールドである製造部分で勝負するのにニヤリとする。勝ち目がないように思えて、決して侮れる一家じゃないことがイヌガミさん一家にも読んでいた読者にも少しずつ伝わってくるのが楽しい。

 今の時代よりもよりMMORPGが日常生活に密着している世界の話で、ネトゲ世界だけど現実の世界での人間関係が深く結びついている世界観も面白かった。引きこもりの子がゲームの中で授業を受けられたりと良い方向に変化した側面もある一方で、当然ながら現実と深く結びついてしまったからこそのデメリットもあって。特にコノカの“いじめ”の話は、ネットワークゲームが生活に深く結びついてしまったことへの弊害のように思えて、辛かった。

 それでも、事件の原因を突き止めたのも、困ったときに助力の手を差し伸べてくれたのも猿渡一家がリアルやネットワークの中で築いてきた人間関係で。田口先生の作品らしい、「家族の絆」と「ご近所さんとの絆」にあふれる暖かいお話でした。普段はいがみあっていた猿渡一家とイヌガミ一家の連携プレイが爽快で、読んでてめちゃくちゃ気持ち良かったです。

 1巻で綺麗に終わってる話なのかとおもっていたけど、エピローグに「つづく」と書いてあるから2巻が出るんでしょう……か……?吉永さん家みたいにのんびりと末永く続いてくれるといいなあ。

銃皇無尽のファフニール9 セルリアン・エンゲージ

[著]ツカサ  [絵]梱枝 りこ

イリスだけでなく深月たちクラスメイトの竜紋も変色させてしまった悠は、他の“D”との接触を禁じられ、学園内で隔離されていた。悠のつがいになるか否か、それぞれの選択を迫られる少女たち。そしてついに、ニブルのロキ少佐が動き出す。“灰”のヴァンパイア―ミッドガル学園長シャルロットを討つために。差し向けられたのは、かつて悠とジャンヌが所属していたロキ直轄の特殊部隊スレイプニル。そして、欠けた破片を埋めるのは―。「―届けて」止められない想いと、止まらない運命の歯車。終わりの前兆と、終わらせないために叫んだ声。たとえ今、伸ばしたこの手が届かなくても、きっと―。アンリミテッド学園バトルアクション第九弾! (「BOOK」データベースより)

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 「あれ、これハーレムルートなの!?」とか言ってたんですけど今回は完全にハーレムルート確定の話だった。悠の古巣・ニブルとロキ少佐の手が迫る中、竜紋の変色が起こった少女達が悠と“つがい”になるかの選択を迫られるお話。

 ほぼ全員とこれまでの巻でしっかりフラグを立ててきていたのである意味形式上のやりとりという側面が強いのですが、ヒロインたちがそれぞれ悠とふたりきりの時間を持ち、お互いに納得の上で“つがい”になる姿には思わずにやにやしてしまうものが。それぞれの反応も可愛くてしかたないのですが、体面上の理論武装まで完璧にすでに考えてるフィリルさんが男前すぎて震えるしかない。最初は悠×イリス一択だと思っていたのでやや複雑な気持ちがあったんだけど、幸せそうな彼女たちの姿を見たら「悠なら幸せにしてくれるよ!!」っていうしかなくなってしまう。

 そして、ひとりだけフラグ立てきらずにハーレムルート入ったなぁと思っていたら……自分の望むものは手に入らないと諦めて、大切な人の幸せだけを願って去っていく彼女の姿が胸に痛い。幸せにしてあげて!!

 それにしても、かつて(ジャンヌ加入前)のスレイプニルが案外ほのぼの男子高校生ノリっぽかったのが衝撃すぎて、やっぱりニブル時代の悠の番外編が読みたいです。もっとこう、サツバツとしたお互いに会話のない人間兵器の集まりみたいなスレイプニルを想像してたらそうじゃなかった。おはようからおやすみまで(衛生回線で)暮らしを見つめるロキ少佐さすがです。

ロクでなし魔術講師と禁忌教典

[著]羊太郎  [絵]三嶋 くろね

アルザーノ帝国魔術学院非常勤講師・グレン=レーダスは、自習→居眠りの常習犯。まともに教壇に立ったと思いきや、黒板に教科書を釘で打ち付けたりと、生徒もあきれるロクでなし。そんなグレンに本気でキレた生徒、“教師泣かせ”のシスティーナ=フィーベルから決闘を申し込まれるも―結果は大差でグレンが敗北という残念な幕切れで…。しかし、学院を襲う未曾有のテロ事件に生徒たちが巻き込まれた時、「俺の生徒に手ぇ出してんじゃねえよ」グレンの本領が発揮される!第26回ファンタジア大賞“大賞”受賞の超破天荒新世代学園アクションファンタジー! (「BOOK」データベースより)

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 教師なのに遅刻や居眠りの常習犯で、しかも魔術を毛嫌いするような発言すらする非常勤講師グレン。当然生徒達からの評判は最悪、当人も早く辞めたいとまで思っていたのに、とある出来事をきっかけに本気を出して……というお話。

 魔術師としての才能や適正が低かったグレン。既存の枠から“落ちこぼれ”て、だからこそ出来る授業シーンの楽しさが、読んでいるこちらにまで伝わってくるようでした。ただ教科書を鵜呑みに教えるのではなく、もっと深い所からの魔術講義が面白い。そして、生徒たちが危機に陥ると魔術への深い理解とそれを埋めるための努力で能力を補って強敵を打ち倒していく姿が爽快。

 誰よりも魔術が好で、それ故に魔術が人殺しの道具として使われているという現実に絶望していたグレンが、ルミアの“夢”を聞かされて何を考えたのかと思うと、もう。かつて思い描いた理想を捨てることが出来ず、ルミアや生徒たちに夢を託そう、そのために彼女たちを護ろうとするグレンの素直になれない悪あがきっぷりがカッコよかった。

 色々物語にも謎がありそうで、これからの展開が楽しみです。

甘城ブリリアントパーク7

[著]賀東 招二  [絵]なかじま ゆか

エレメンタリオに隠された乙女の秘密って!?西也が下した運命の決断も、キャストたちはつゆ知らず。でも、前例のない動員数達成に燃える乙女たちが、甘ブリにはいる!雨も風も、腐れも炎上も乗り越えて、ヒロインたちは甘ブリに新たな輝きをもたらせるか?(公式サイトより)

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 アクアワーリオ改め「エレメンタリオ」の四精霊を中心とした短編巻。さりげなく四精霊のアトラクションの表記が統一されてたり、アニメで出てきたツッコミへのフォロー的なエピソードも多かったり、メイプルサモナーの方のキャラクターを拾ってきたりと各メディアミックスを踏まえてさらに世界感が広がった印象で、楽しかった。前巻から登場の鉄ひげ&ドロッ子さんみたいにアニメから生まれたキャラクターや設定が逆輸入されて原作作品世界に溶け込んでるの、面白いなあ。

「火の精霊なんだけど仕事から帰ってきたら自宅が炎上してた件」
 自宅が炎上(物理)したサーラマが、キャスト達の家にお世話になるお話。サーラマがミュースのこと好きすぎる……後のミュースの話でミュースがダメ人間ほっとけないタイプという話もありましたし、もう二人でゴールインすればいいとおもいます。あと、いすずのお風呂にツッコミ入ったので盛大に噴いた。シルフィーは唯我独尊キャラかと思いきや、かまってちゃんキャラだったんだな……。

 なお、ミュースの寝顔動画はアニメ14話(BD7巻に収録された未放送回)に話が続いてるので未視聴のかたはこの機会に見たらいいと思います。京アニ全力の作画でしどけないミュースの寝顔が見れます(さりげないステマ)。

「腐ってばっかりじゃないんですよ?」
 多方面に有能だけどそんな自分を表に出せないコボリーの、腐ってないちょっとした人助けのお話。その前のサーラマの話でのコボリーの修羅場エピソードとか、コボリーの私服がアナスイだとか、このお話で出てくるコボリーの得意分野とか全体的に同種をチクチクやられてるかんじやばかったです。PCとデザイン周りは特になんかこう、独学である程度詳しくなるひと多いよな……。

「普段ない組み合わせ」
 モッフルvsアーシェの本心が見えそうで見えない大人同士の駆け引きにすごいニヤニヤして、ミュースの複雑な乙女心にもニヤニヤするお話。っていうかほんとオフのアーシェさんのキャラの変わり方が凄く良いなあ。ワニピーがいろんな意味で不憫なのですが、やっぱりミュースにはサーラマとゴールインして頂きたいです(2回目)。

「しるふぃー・ちゃんねる!わくわくレビュー」
 シルフィーが通販でゲットしたもののレビューをしちゃうよ☆というお話なんですけどエレメンタリオの3人どころかパークの重鎮を巻き込んだ乱痴気騒ぎがどうかんがえても危ないオクスリやっちゃった雰囲気で、これギリッッッギリ(アウト)じゃないですか!?前巻のマッキーくらいのギリギリ感あふれる一発ネタでしたが、副作用とはいえ欝入って首吊ろうとする西也も結構ギリギリ(アウト)感ある……。

 しかし、最後の西也といすずのやりとりのなんともいえない不穏さが……嵐の前の静けさって感じで次巻どうなるのかが気になって仕方ない。というかもう少し巻数かけてキャラクター掘り下げるのかと思ったらもう本編動くのか。

銃皇無尽のファフニール8 アメジスト・リバース

[著]ツカサ  [絵]梱枝 りこ

無力化された深月。変色してゆくクラスメイトたちの竜紋。そしてヴリトラにより明かされた、ヒトという種の根源に関わる情報―。それらに揺れる悠たちを、ニブルが竜紋変色者の処分のため襲った。なんとか退けた悠たちの前に、いったんは封じたはずの、篠宮都とクラーケンの子―クラーケン・ツヴァイがふたたび現れる。悠はジャンヌたちとともに戦いをおさめようとするが、説得はうまくいかない。さらに、戦いの中で、イリスに新たな変化が生じて…!?「モノノベは―あたしがどんな風になっても、嫌いにならない?」たとえ何が起きたとしても、きっとこの想いは変わらない。その手だけは離さない―。アンリミテッド学園バトルアクション第八弾! (「BOOK」データベースより)

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 “第二世代”クラーケン・ツヴァイは「つがい」にするひとりを選ばず、接触したDの少女達の竜紋を次々と変色させてしまう。大ピンチのなか、今度はロキ少佐率いるニブルが竜紋変色者の処分の為に動き出す。更に、赤のバジリスクを倒して『終末時間』を得たイリスにとある変化が起き始めて……。

 人を捨て“ドラゴン”へと近づいてしまうイリスと、クラーケン・ツヴァイに見染められてしまったDの少女たち。そして絶体絶命の状況での悠の覚醒。それぞれが人としてお互いを思い合うが故に、逆に人から離れていってしまう姿が印象的でした。最後にどうなるかを知っても、悠のために、仲間のために力を使うことを惜しまないイリスがかっこよくて可愛くて、その覚悟の重さに胸が痛くなる。

 遂に物語が唯一の“男のD”である物部悠の正体に言及して、いろいろな意味でただのDでないのはなんとなく解っていたけど予想以上の展開にびっくりというか、えっハーレムルートなんです!?(困惑) 序盤からハーレム化の兆候はあったものの最終的にはイリスエンドだとおもっていたのになんだこれどうなってしまうんだ……。様々な謎が明かされた話だったけど、それ以上に伏線がばらまかれた感じのするお話でした。

 事情を知っていそうなヴリトラ、学園長、そしてロキ少佐あたりがどう動くのかも楽しみ。特にロキ少佐の思惑が読めないよなあ……ひとのかたちをしたものを殺す能力である『悪竜』を悠に与えたのは偶然なのか、それとも全てを見通してのことなのか。続きがとても楽しみです。

 それにしても、いよいよ正体がバレてしまったジャンヌちゃんの取り乱しっぷりが可愛すぎて、死んだ。ジャンヌもロキ少佐によって集められた人間ということは何らかの能力を持っている……というか未覚醒のDかと思っていたけどそういう話ではなさそうだし、彼女が今度どのような役割を持たされていくのかも気になる。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10.5

[著]渡 航  [絵]ぽんかん8

冬真っ盛りの総武高校。窓の外は寒空ながら、比較的のどかな雰囲気の奉仕部部室。雪乃、結衣、八幡のいつものメンバーのもとに、訪れる何人かの生徒たち。とある男子からのお願い事にげんなりしたり、いろはのわがままに振り回されたり、強行日程の締め切りに追われながら原稿を書いたり…!?今は遠くに感じる将来のことから、誰かと一緒に過ごす休日のこと、部活のこれからのこと…、悩みも苦労もときめきも不安も満載で現在進行中、日常という名のかけがえのない日々。八幡の短くも慌ただしい冬の数日を描く短編集。 (「BOOK」データベースより)

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 材木座が相変わらずだったり、生徒会長となった一色いろはデートすることになったり、生徒会で予算の調整をするためにフリーペーパーを作ることになって、八幡が締切に追われたりするお話。

 表紙の通りまさにいろはすに全部持って行かれた感じの短篇集。いろはすあざと可愛い!!すっかり奉仕部に入り浸り状態になってて準レギュラー感はんぱないんだけど、雪乃や結衣と過ごすときとはまた少し違った感じの、遠慮がなく、それなのにどこか甘い感じが漂っているのがとても好きです。総選挙の件も含めて共犯者関係というか、扱いこそぞんざいだけどお互い頼られたら無下にはしないかんじというか。葉山と同じく、いろはにとっても八幡は自分を偽らないで接する事が出来る数少ない相手なのかなという雰囲気を感じる。

 フリーペーパーの締切に八幡が追われる話が割と他人ごとじゃなさすぎて辛い。あとちょっとで終わるはずなのに集中力切れて何も出てこなくなるとか、あるあるすぎて死んだ。材木座の話での意識の高い就活ブログの話とか、「大人になったら結婚できると思ってた」とかなんか全体的に今回ジワジワと抉られますよ!?

 ところで本当にちょっとしか出番がないうえに全然メインの話じゃないんですけど、フリーペーパーのインタビューの際の八幡と葉山のやりとりが好きすぎて私は。雨降って地固まるというか、マラソン大会の出来事を経てなんかお互い本音で接することができる関係にステップアップしたよねこの2人。本当に短いやりとりなんですが、正直とても動揺しました……。

銃皇無尽のファフニール7 ブラック・ネメシス

[著]ツカサ  [絵]梱枝 りこ

学園への帰還までの間、悠と深月の故郷に行くことになったブリュンヒルデ教室のメンバー。自らの秘密―記憶の喪失のことを深月に告白した悠は、“緑”のユグドラシルの支配権を得たティアの力により、ついに記憶を取り戻した。だが、そんな悠たちを、目覚めた二つの厄災が襲う。それは再臨した最初の竜災たる“黒”ヴリトラと、もう一つ、ヒトとドラゴンの新たな世代を紡ぐ存在で…!?記憶のヴェールは取り払われ、よみがえる想いがあふれ出す。ふたりが初めて出逢った、あの場所で―。アンリミテッド学園バドルアクション第七弾!(「BOOK」データベースより)

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 “緑”のユグドラシルを支配したティアからユグドラシルとの取引によって失われた記憶を取り戻すことが出来ると告げられ、戸惑う悠。そんな中、ミッドガルに帰還する前に悠と深月の実家を尋ねることになった一行は人間の姿をした2つの災厄と出会う。1つはダークマターにより少女の姿を模した“黒”のヴリトラ。そしてもう1つはかつて深月が討伐した“紫”のクラーケンのつがい・篠宮都から生まれた“第二世代”のドラゴンの少女。新たなる脅威だった。

 目下最大の敵とも言えたユグドラシルを打倒して目の前に見えていた問題が全て片付いたとおもいきや一段落する間もなく一気に畳み掛けてきたなあ。次々と明かされていく真実に圧倒される。しかし、宮沢所長は憎みきれないけどほんとろくなことしないな……。

 いざ記憶を取り戻せるという段になったら、自分の知らない記憶を持っている本来の「物部悠」は記憶を失った悠にとってはやはり別人である印象が強くて、記憶を取り戻した自分がどうなってしまうのか解らない不安に苛まれていく悠の姿が胸に痛かった。そんな悠を受けて、お互いに遠慮しあうイリスと深月のやりとりにもだもだするし、ティア・リーザ・フィリルをふまえた恋のさやあてにもニヤリとするし、一方でキーリやらジャン(ヌ)やら新たなフラグが乱立して本当にこれはどこのエンドに落とすつもりなんでしょう私気になります。かつて殺し合いをした仲であるキーリとリーザのやりとりが物凄く好きです。リーザいい女だ……。

 それにしても悠が黒のヴリトラと対峙した際、現れた『悪竜』は何だったのか。あれって一種の精神制御技術というか、意識して人格の切り替えていくような一種の「殺すための技能」だと思っていたんだけど、むしろヒトの形をしたものに対してのみ発動する「特定の存在を殺すための異能」なのか。悠をそんな得体のしれない存在へと育て上げたロキ少佐の正体含めてますますきな臭くなってきた。

 そして“第二世代”の持つ本当の特異性が明かされる衝撃のラスト。急展開に次ぐ急展開に本当に目が離せない。続きがどうなってしまうのか、とても楽しみです。

銃皇無尽のファフニール6 エメラルド・テンペスト

[著]ツカサ  [絵]梱枝 りこ

強まる“緑”のユグドラシルによる悠への干渉。これ以上の侵食を防ぐため、悠たちは東京にあるアスガルの研究所に向かう。そしてレンの父親でもある宮沢所長は、本体を破壊するだけでは倒せないユグドラシルに対し、悠が継承したフレスベルグの能力―“霊顕粒子”での攻撃を提案した。そのためには悠と高い上位元素生成能力を持つレンとの協力が必要になるが、ふたりの連携はなかなかうまくいかない。そこで、悠たちはみんなで遊園地に行くことになり…!?失われたコミュニケーション。たった一つの欲しかった答え。天才少女の心を開く鍵は―。アニメ化決定のアンリミテッド学園バトルアクション第六弾! (「BOOK」データベースより)

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 “緑”のユグドラシルの干渉を受け、大切な仲間に牙を剥いてしまった悠。学園長の協力により一時的に干渉を抑えることに成功はしたものの、干渉は少しずつ強まっていく。ユグドラシルを倒す方法を模索しながら日本へ向かうことになり……。

 ユグドラシルを倒すためにはレンと悠の協力が不可欠、ということでこれまで一歩引いたポジションだったレンとアリエラ、2人の事情に迫るお話。絵に描いたようなマッドサイエンティストであるレンの父親・宮沢所長がもう色んな意味でゲスいというかなんというか。それでいて物凄く回りくどい、娘への愛情が見え隠れするのがずるい。

 ドラゴンの存在をはじめとして物語の核心に少しずつ近づきながらの総力戦が熱い。ミッドガルでの様々な経験を経て、他者から押し付けられた使命ではなく自らの意志で、そして悠のことが好きな一人の女の子として「ドラゴンになる」ことを選ぶティアの強い想いに胸を打たれた。今回のレン・アリエラとのやりとりもそうだけどほんとこの作品はヒロイン達がみんないい子すぎるんだよ……。

 まだまだ明かされていない謎は多いものの前半でばら撒かれた伏線が集約して、みんなの想いを合わせて悠と因縁の深いユグドラシルを打倒する展開は思わず「いい最終回だった」と言いたくなる程の展開!もう途中からノンストップにぐいぐい物語の中に引き込まれる展開で、どんどん面白くなってくるなあ。

 そしてラストでティアが落とした爆弾。物語の中で度々描写されてはいたけど、物部の中では記憶を失う前の自分と今の自分は完全に別人なんだなと思い知らされる。記憶を取り戻さないままでいることは無いと思うんだけど、そのことがイリスや深月との関係にどんな変化をもたらすのか、楽しみで仕方がない。

まじかる漢の娘

[著]栗城 偲  [絵]中井 アオ

世界征服を目論む秘密結社のボスを襲名した光煌は、宿敵であり、初恋の相手である魔女っ娘戦隊のピンク・雅と対峙するのが楽しみだった。ところが初対戦の日、現れたのは逞しく成長した体をピンクの衣装に包んだ漢!!光煌は夢破れ激昂する。そして悪の秘密結社と魔女っ娘戦隊との戦いの火蓋は切られた―はずだが、光煌の企みはことごとく失敗し、その度に雅に宥められて!? (「BOOK」データベースより)

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ドキッ★敵も味方も女装っ子だらけのニチアサ系戦隊!触手もあるよ!!

 表紙のインパクトにつられて購入。色んな意味で悪者にはなれないあほのこ主人公(※悪の秘密結社の首領)が穴だらけの悪事(?)を働こうとしてはひとりでスベりまくり、敵の魔女っ子戦隊のメンバー(むきむきピンク、ツンデレブルー、おじさんイエロー)からめちゃくちゃ雑にあしらわれ、気づいたら初恋の相手だったピンク(当時はショタショタ美少女だったが時の流れは残酷だった)と距離感を縮めていくお話。

 魔女っ子戦隊ものエロ作品のお約束を色々踏襲していく展開が頭悪くて楽しい。敵の攻撃を受けると服が破れる仕様とか、暴走して敵味方構わず襲いかかる触手とか、書き手のノリノリっぷりが伝わってくるのが大変楽しかった。触手が見事に女装似合ってる方をターゲットにしてくるのジワジワ来る。絶対あの触手、顔面で選んで襲ってたとおもうんだ!!なんかもう全体的に細かい設定回りがツッコミ所だらけみたいなところはあるんだけど、軽いノリで頭をからっぽにして楽しめる感じで楽しかったです。

 ただ、正直これ魔女っ子側を戦隊にする必要性があんまりなかったよな…。イエローとブルーがデキてて、今回のメインの2人含めたダブルカップリングものとして想定されていた話だったのが半分ボツ食らったみたいな大人の事情を邪推する程度にイエローとブルーが不自然に空気なのが気になってしまっていた。唯一といっていい活躍どころが触手エロの所だったんだけど、あれも光煌がヤられるオマケでしかなかったので……。

 触手の後に絶対黄色と青はヤってたと思うんです。作者さんの傾向的にはイエロー×ブルーと見せかけて年下強引攻×流されゲイ受のブルー×イエローだった気がするんですがどうなんでしょうか正解だけでも教えて欲しい。

銃皇無尽のファフニール4 スピリット・ハウリング

[著]ツカサ  [絵]梱枝 りこ

ユグドラシルとの契約。そして、代償としての記憶の喪失。それらの秘密を打ち明けられたイリスは、悠の記憶を取り戻すことを決意する。その時、姿をくらましていた災害指定の“D”の少女キーリが、フィリルの故郷・エルリア公国に姿を現した。ミッドガルの保護を求める彼女のため、悠たちはエルリアへ向かう。国王であるフィリルの両親たちのもと、舞踏会などひとときの異国の非日常を楽しむ悠たち。だがその前に現れたのは、魂を喰らう黄金の魔鳥―“黄”のフレスベルグで―。たとえ何を失っても、守ってみせる。魂のすべてをかけて―。アンリミテッド学園バトルアクション第四弾! (「BOOK」データベースより)

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 ミッドガルの保護を求めてきたキーリを護衛するため、フィリルの故郷・エルリア公国へと向かう悠達。同じ頃、エルリア公国ではフィリルの祖父である国王が逝去し、その死を悼むための賑やかな式典が始まろうとしていた。つかのまの非日常を楽しむ彼らだったが…。前巻の展開からリーザ回かなとおもっていたけどフィリル回だった!任務の一貫で来ている上にキーリの存在や悠の記憶など様々な不安事項はあるものの、異国情緒溢れるフィリルの故郷でつかの間の休日を楽しむ姿が微笑ましい。

 災害指定の“D”であるキーリを狙ってロキ少佐が放った刺客“フレイズマル”に苦戦する悠。ニブル時代の悠の話が軽く出てくるけど、ロキ少佐のやり口が想像以上に洗脳教育っぽくてヤバイな。しかも、人の魂を食らう“黄”のドラゴン・フレスベルグにフィリルが見染められてしまうという四面楚歌な展開に。

 記憶の欠損が生じるとわかっていても大切な仲間たちを護るためにはユグドラシルとの取引をしないわけにはいかない悠。最後の、失った記憶の大きさにぞっとした。ある意味、完全に失ってしまうよりも残酷な結末。過ごした時間の違いがあるので仕方ないのだけど、悠がイリスや他のヒロイン達と新しい思い出を作っていく中、深月と悠に関わる記憶ばかりが失われていくのがやるせない。

 しかし、記憶の件を打ち明けられたイリスと悠が完全に出来上がりかけてる雰囲気の中、周囲でフラグばかり乱立していくのどうするんだこれ。キーリやリーザとも若干のフラグ感あるし、ニブル時代からの刺客・ジャンも現れてますますフラグ乱立の気配を感じる。

 ラストのフィリルのハーレム発言が男前すぎて震えました。抱いて!!!(悠を)



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