ページ 80 | 今日もだらだら、読書日記。

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金星特急3

 

錆丸達の車両に新たに言語学者のアルベルトが加わった。頭の回転が早く口が達者な彼は、早速砂鉄と犬猿の仲になる。そんな中、金星特急が停車したのは草原のど真ん中、砂鉄の属する傭兵集団・月氏の幕営地。傭兵の入れ替わりの祭“羊追い祭”の開催期に居合わせた花婿候補達は、強制的に祭に参加させられることになる。傭兵の一人に挑戦しこれを倒せなければ、草原の彼方に追放され列車の出発に間に合わない。腕に覚えのない錆丸、この危機をどう乗り越える…。 (「BOOK」データベースより)

 新キャラ・アルベルトを加えて砂鉄の故郷を舞台に繰り広げられる金星からの試練。傭兵集団“月氏”の誰かに挑んで勝たなければいけないという試練に頭脳を使って相手の意表をつくアルベルトや腕っ節には覚えのある砂鉄・ユースタスとは違い戦闘慣れしてない錆丸が絶望的な状況でも突破口を探してなんとか立ち向かおうとがんばる姿が相変わらずかっこいい。それを見守る大人達や“月氏”の面々とのやりとりもよかった。

 しかし、彼らの素性が明らかになるのとは対象的に錆丸の過去や数々の特異体質など、金星を取り巻く謎は深まるばかりだなあ。ユースタスのアレもただの外見上だけの話ではなさそうだし、彗星をはじめとした女性達が導かれた謎の場所も気になる。それにしても、ユースタスの砂鉄への態度は…………だと判断して良いのですか!(ニヤニヤ)

 そしてまたいいところで引きすぎですよねこれ!!一難さってまた一難すぎる。マスゴミの悪意が大爆発すぎる。フキンシンどころの騒ぎじゃねーぞ!!!

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金星特急2

 

金星特急には途中乗車も下車もできない。強行すれば樹に姿を変えられる。次々と困難に襲われる中、錆丸は砂鉄とユースタスに助けられてばかりの己を腑甲斐なく思い始める。強くなりたい、せめて自分を守れるくらいに―。金星特急の次の停車地は密林のど真ん中。金星の所望する“王の火”なるものを手に入れるため、密林の奥深くに分け入った錆丸達だが…!?三人の関係も動き出す、人気シリーズ第二弾。 (「BOOK」データベースより)

 絶世の美女『金星』の婿に選ばれたら栄華が約束されるけど今だ誰も帰ってきた事のない謎の婿取り列車「金星特急」に乗り込んだ人たちのお話。

 しょっぱなから途中下車/途中乗車者の末路を聞かされたり……で胆が冷えた後、今度は密林の真ん中で宝探しをすることに。“王の火”とはなにものか、そして消えた列車の行方……と謎解き満載な展開でとても楽しかったです。

 力足らずを自覚しながら少しでも自分の出来る事を…と頑張る錆丸が健気可愛いかった。錆丸やユースタスの素性も少しずつ顔を覗かせてきて、ますますこの後どう転がってしまうのか楽しみ。それにしても砂鉄さんは口でなんだかんだいいながらすっかりただの保護者状態で可愛いなあ!!あとがきの「砂鉄運送」で腹筋崩壊した。

 謎の不審人物・月長石やら途中乗車できない筈の金星特急に乗り込んできた謎の男といい、物語が加速していく予感いっぱいでますます続きが楽しみです。あと地味に錆丸の家族関係の話が気になる……両親の行方もそうだけど、お兄さんは一体何をしているひとなのか。

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金星特急1

 

絶世の美女『金星』の花婿に選ばれれば、この世の栄華は思いのまま。だが花婿候補を運ぶ特別列車『金星特急』に乗って、帰ってきた者は一人もいない―。一目惚れした『金星』に会うため、入ったばかりの高校を中退して『金星特急』に乗り込んだ錆丸。やたらと腕の立つ正体不明の無愛想男・砂鉄と、天然大喰らいの美貌の騎士・ユースタスを仲間に、錆丸の途方もない旅が幕を開ける。胸躍る本格冒険活劇スタート。 (「BOOK」データベースより)

 絶世の美女『金星』の婿に選ばれたら栄華が約束されるけど今だ誰も帰ってきた事のない謎の婿取り列車「金星特急」。金星に一目惚れした錆丸は彼女にプロポーズするため東京駅に現れた金星特急に乗り込む……というお話。

 しょっぱなからのハードな展開にびっくり。予想以上に殺伐してるというか、少女小説らしからぬノリで少年向けレーベルから出てても全く違和感なさそう。香港でのオチが衝撃的すぎる。

 現代が舞台なのかと思いきや殆どの世界で共通言語が使われていて漢字が常用じゃなくなっていたり、日本と大陸の間に巨大な橋がかかっていたり……と、ちょっと不思議な世界観。旅を共にする錆丸・砂鉄・ユースタスの三人にもそれぞれ思うところがありそうで…。物語自体はまだまだ「俺たちの冒険ははじまったばかりだ!」という感じなのでこの後物語がどう転がっていくのか、とても楽しみです。

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「男子力」の高いライトノベル10選  ……という妄想。

「このライトノベルがすごい!2012」を読んでいてふと思いついたのでまとめてみる。

【 このエントリにおける「男子力」とは? 】

 男子キャラ/女子キャラランキングを比較して、男子が高順位なのに対して女子キャラのランキングが相対的に低い作品を示す。女子キャラのランク差が高ければ高いほど強い。だがしかし高いからといって特に何か良いことがあるわけではない。該当作品に自分が好きな物が多かったから便乗して布教したいだけの自己満足エントリです。


 参考にしたのは「このライトノベルがすごい!」2005年度版、2007〜2012年度版の計7冊。男女順位の分かれていないものは当方で女子のみの順位を算出しました。2006年度版は手元になかったためデータに一部抜けがあります。また、掲載年度とともにこれまで掲載された時の(多分)最高順位を併記しています。

 余談ですが全体的にこのラノの場合、投票者全体の男女比率が80%以上であるため、「男子に人気のある男子キャラが活躍するライトノベル」が多くなっているのではないかと思います。

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 下のほうになると割と強引にランクインさせていますがその辺はご容赦ください。
 ……それにしても、男子力高いはずなのにこの男子の表紙にいない具合……

歴代の男子キャラランキング覇者達

【2005〜2006年度版 男子ランキング1位】
いーちゃん (西尾維新「戯言シリーズ」)
男子:零崎人識(2007年度版男子3位) / 女子:哀川潤(2005・2007年度版女子16位)

「このラノ」初期の随一の人気男子キャラにして未だ新装版やら別シリーズやらで男子ランキングにちょくちょく名を連ねる「戯言遣い」。2007年度版では惜しくも2位でしたが、人識と共にTOP3を固めて見開きで戯言キャラが掲載されたりしていました。「戯言だよ」に代表されるどこか世界を斜めから見ているような言動と、そんな彼が世界を救うために動き出すという終盤の成長が見所。

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【2007年度版 男子ランキング1位】
佐山・御言 (川上稔「終わりのクロニクル」)
女子:Sf(2007年度版女子35位)

超かっこいい愛すべき変態。愛方の新庄に対して飛び出す数々のセクハラとバカップル具合もさることながら、Low-Gの全竜交渉代表として繰り出す交渉術と、終盤の演説のかっこよさにはもう惚れるしかないと思います。ところで愛方にしてヒロインの新庄君はこの場合どっちに投票したらいいんでしょうね……?

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【2008年度版 男子ランキング1位】
相良宗介 (賀東招二「フルメタル・パニック!」)
男子:クルツ・ウェーバー(2008年度男子10位) アル(2008年度版男子25位)
女子:千鳥かなめ(2008年度版女子5位) テレサ・テスタロッサ(2008年度版女子9位)

プロの傭兵にしてゴミ係兼カサ係。「ミスリル」の傭兵として仕事をこなす時の冷静沈着な兵士っぷりと、それとは裏腹に平和な日常に馴染めずトラブルばかり起こす残念っぷりが最大の魅力。数奇な境遇を辿り小さな頃から紛争地帯で育てられた彼が一人の高校生らしい感情を取り戻していく過程に胸が熱くなる。女子のランキング最高位もそれなりに高いんですが、宗介が2009年度まで連続でランキングトップ5入りしていたことを考えるとギリギリ「男子力が高い」と言っていいのかなあと。

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【2009〜2010年度版 男子ランキング1位/2010年度版女子7位】
木下秀吉 (井上堅二「バカとテストと召喚獣」)
男子: 吉井明久(2010年度版男子8位) 土屋康太(2010年度版男子19位)
女子:島田美波(2009年度版女子26位)

男子ランキング二連覇に加えて女子ランキングでもトップ10位入り経験を持つという最早意味のわからない記録を持つ第三の性別。ある意味もうヒロイン枠扱いでいいんじゃないのとか思わなくも無いけど、この作品って秀吉を「男子」として扱うとびっくりするほど女子のランキング入りがないんですよね。対して男子は秀吉・明久・ムッツリーニと3人がランクイン経験持ちというこの男子力の高さときたら……

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他、ランキング4位以下の中から男子力の高い(個人的判断)ラノベをピックアップ!

【2005年度男子4位】
オーフェン (秋田禎信「魔術士オーフェン」)
参考順位:なし

2005年度版だと実はギリギリ投票圏内だったことに驚愕しました。「スレイヤーズ」と共に富士見の黄金時代を築いたライトノベル。今年、会社を変えて復刊+新シリーズが始まりました。実は序盤しか読んでないのですが……本編の割りとシリアスなハードボイルド具合と、短編の振り回されっぷりがとても良いです。

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【2008年度版男子5位】
薬屋大助 (岩井恭平「ムシウタ」)
参考順位:なし  

多くの虫憑きを倒して畏怖される最強と呼ばれる虫憑きの一人。特環の虫憑き「かっこう」としての冷酷な姿は多くの虫憑きから畏怖の対象とされているけれど、それも不器用な優しさの裏返し。自分の身を削りながらも常に虫憑き達の戦いの真ん中を駆け抜け、自分の居場所が欲しいというささやかな夢のため、そして仲間達を一人でも多く守るために非情の仮面を被る姿が本当にかっこいい。

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【2011〜12年度版男子5位】
佐藤洋 (アサウラ「ベン・トー」)
女子:奢我あやめ(2012年度版女子16位) 槍水仙(2010・2012年度版女子26位) 

「終わクロ」とは別の意味で愛すべき変態。数々の強敵たちとの戦いを潜り抜けつつ数々のラッキースケベハプニングを巻き起こしつつ、白粉には腐小説のネタにされ、白梅に踏まれ、警備員のオッチャンに乾電池を挿入されそうになりながら半額弁当とSEGAに命を懸ける変態。ヒロイン2人の順位もそこそこ上がってきているのですが今後どうなるのかが楽しみだなあと思いつつとりあえず映像特典のためにベン・トーBD欲しいです(脱線した)

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【2010年度版男子5位】
杉崎鍵 (葵せきな「生徒会の一存」)
女子:桜野くりむ(2009年度版女子16位) 椎名真冬(2010年度版女子20位) 椎名深夏(2011年度版女子24位)

美少女だらけの生徒会でハーレムを目指す愛すべきバカ。ヒロイン達に弄られたり腐小説のネタにされたり(またか)…と色々残念な部分もあるけれど、その裏にあるのは意外に真摯な思いと大それた望みを実現するために常に欠かさない努力であったりする。言ってることとは裏腹にどこか憎めないしかっこいいから困る。ヒロイン達は女子ランキング10位以下でちょくちょく顔を覗かせてるんですが……あれ……知弦さn(うわなにをするやめ

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【2010年度版男子9位】
川村ヒデオ (林トモアキ「戦闘城砦マスラヲ」「レイセン」)
参考順位:なし

就職活動に失敗し続けているうちにおかしなPCを拾い、なしくずしに「聖魔杯」と呼ばれる大会に出場することになっちゃった引きこもり。就職活動にはネックだった、持って生まれた眼力と口先三寸でその場を乗り切っていくヒデオが、様々な強敵とのバトルを経て少しずつ成長していく姿が熱い。「聖魔杯」の前日譚となる「お・り・が・み」や彼の「就職」後の物語を描いた「レイセン」も楽しいです。

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【2010年度版男子15位】
葵・トーリ (川上稔「境界線上のホライゾン」)
参考順位:なし

同作者の「終わりのクロニクル」の主人公・佐山とはまた一味違ったカリスマをもつ愛すべき全裸。全裸だったり女装だったりセクハラだったりする。「不可能男」の二つ名をつけられ、自ら戦う能力は殆ど持ち合わせない彼が、しかし周囲の人間達を動かしてかつて愛した少女を「取り戻す」ため、世界を敵に回していく姿が胸に熱い。

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僕の妹は漢字が読める2

 

歴史の書き換えにより、萌え要素が奪われてしまった23世紀。萌えにあふれた“正統派文学”を愛する主人公イモセ・ギンは、歴史を書き換えた犯人を追って21世紀に舞い戻る。犯人の手がかりがなく困るギンたちのもとに、こんどは23世紀の文章で書かれた謎の手紙が届いて…。話題のぶんがく系ラブコメ第2巻、噂のオオダイラ文体も絶好調。 (「BOOK」データベースより)

23世紀の授業風景が想像以上だった。
すっごい楽しそうだけどマジで歪まないな23世紀の萌え文化ェ……

 23世紀の未来から失われた「萌え」を取り戻す為、再び21世紀に戻った一行が歴史を変えるきっかけとなった原稿を取り戻す為に奔走するお話。相変わらず23世紀の「現代文」の尖りっぷりは半端ないんだけど、文学がそういった形へと変貌していったきっかけとか、なんだかんだでしっかり理由付けられていて面白かった。終盤の犯人との“文学論”のやりとりとか納得してしまうような部分もあって、興味深い。

 何よりクロナがギンに惚れる切っ掛けになったエピソードが本当に可愛い。お互いの文学の好みを互いに「相容れない」「面白くない」と思ってそれを言葉に出せる気安さと、それでもその言葉を聞くことは出来るという二人の関係性にとてもニヤニヤした。まあその割には主人公の1巻での正統派文学以外に対するdisっぷりはどういうこっちゃとか思わなくもないのですが……今回はその辺の主人公の考え方もかなり軟化して、1巻よりも読みやすくなっていたなあ。

 しかし、ヒロインに関してはクロナの可愛さが鉄壁過ぎる分、正直ユズさんの存在意g(強制終了)2巻では変なキャラ付けされちゃったけどこれどうなるんだろう。

 オオダイラ先生曰く「神」なあの人や、ギンの未来の姿など垣間見えながらも過去にはきっちりと決着をつけて綺麗にまとまった感じなんだけどまだ続くの?2巻までが面白かったので楽しみなような、綺麗に終ってるから今度こそ蛇足になりそうで怖いような……

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だけど、ここには愛がある

 

ナルシストの佐宗は自分が一番好き。それを知った上で付き合う悠馬は、ウエディングドレス姿で陶酔する佐宗に抱かれて写真を撮らされたりと、振り回されてばかり。けれど、佐宗自身の次、二番目に好かれていればいいと思うほど、彼のことが好きだった。なのに、佐宗の従弟が居候したことで二人の仲がぎくしゃくし出した矢先、その嗜好を理解し彼に好意を抱く人物が現れて…。 (「BOOK」データベースより)

豆腐メンタル女装攻×ちょっとズルい包容力のある男前可愛い受とかなにそれ俺得

 こう、そんなに読んだことないですが、商業BLでここまで的確に自分の萌え属性をついてきた作品初めてな気がします!需要ないから商業にはないよねって思ってました!なにこれ俺得!!なにこれ俺得!!(大事な事なので3回言いました)

 しょっぱなから攻が花嫁さんで受に自分の写真を撮らせるという全力でマニアックなシチュエーションから始まってしかしこの鬼畜花嫁さんなかなか美味しいぞと思っていたら、ナルシストでやや天然気味な彼がとあるきっかけから長年恋人としてつきあってきた親友との関係を改めて考えることになり、だんだん「自分が一番」だった気持ちが変化していく……という二編目の一転シリアスな展開に持っていかれました。二人が付き合うきっかけとなった一言こそどこかズルいものを感じたけど、なんだかんだで懐広く佐宗を受け止める悠馬の姿にとてもニヤニヤする。

 しかし、それ以上に佐宗の従兄弟・颯とその恋人の関係を描いた3編目「かわいいきみ」の俺得具合がたまらない。ゴリマッチョ(本人談)な攻を女装させてその羞恥する姿を見て可愛い可愛い可愛い言う颯とは美味い酒が飲めそうです。本編でのかませ犬っぷりもとても良かったけど、もはやどっちが攻だか解らない精神的逆転具合にニヤニヤが止まりませんでした。

 似合わない女装は正義!!!(←結論)

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饒舌に夜を騙れ

 

SATの制圧班班長・橋埜祐海はクールな外見によらず中身は熱く、同期の犬伏和樹に対してはとにかく口が悪い。その犬伏は、橋埜とは対照的にパワフルな体育会系で面倒見のよい性格。部下の高梁が犬伏を密かに慕っていることに橋埜は気づいていたが、自分もまた犬伏を憎からず思っているため複雑な心境だった。そんな時、ハイジャック事件が発生して!?―。 (「BOOK」データベースより)

 SATを舞台にした相棒物というか戦友物というか。優等生タイプが本能で動くタイプのカリスマ系に惹かれちゃってどうしようもなくなったり俺の背中はお前にしか預けられないぜ的な話は大変好物なので美味しくいただきました!

 同僚である犬伏への気持ちをひたかくしにしていた橋埜が、とある事件で怪我をしたのを切っ掛けに弱気になって思わず……な展開美味しい。それまで気持ちを隠していたのは当然犬伏と対等に並びあいたかったからだろうし、こういうきっかけがなければ微妙な関係を続けていたんだろうなあと想像するとニヤニヤする。経験あるフリして実は慣れてない〜な初体験のやりとりも可愛かった。

 しかし、犬伏は恋愛モードに切り替わった途端に急に演出が一昔前のキザ男になるのはどういうことなんですかニヤニヤするぞ!!終盤の本人が聞いたらキレられそうなノロケっぷりといい、正直くっつくまでの戦友関係目当てで読み始めたのにくっついてからの方がキャラ関係的には楽しかった気がする。両想いになってからの犬伏が実に変態的なイケメンでとてもよかったです。

 唯一、橋埜が「遊んでる」という設定の割にカタブツにしか見えないのには微妙に首をかしげたなあ。素直に犬伏が遊んでる設定で橋埜がカタブツって話にしても何の問題もなかった気がするのですが……(いや、ちゃんと橋埜が遊んでる設定を描写してくれてたらそっちのほうが好みなんだけど!)あと高梁の放置されっぷりが酷い。続編が出るなら是非ともその辺はフォローしてあげて欲しい感じでした。

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キケン

 

成南電気工科大学機械制御研究部略称「機研」。彼らの巻き起こす、およそ人間の所行とは思えない数々の事件から、周りからは畏怖と慄きをもって、キケン=危険、と呼び恐れられていた。これは、その伝説的黄金時代を描いた物語である。 (「BOOK」データベースより)

 新入生の元山・池谷が上級生に勧誘されて連れて行かれた部は成南電気工科大学機械制御研究部、略称「機研」。快適空間を謳う部室や設備の数々に惹かれて入部を決めたが、そこは“敵に回してはいけない”と周囲に恐れられるアクの強い部活で……!?男子大学生達が部室を根城に“本気の”遊びを繰り広げるお話なんだけど、色々と本気すぎる彼らの巻き起こす騒動の数々と最初は上級生達に振り回されるだけだった下級生達が段々『機研』の部員らしくふてぶてしく成長していく姿が楽しい。

 特に文化祭を前にした彼らの大人気ないまでの本気っぷりが本気でやばかった。それでさえヤる気マンマンだったところに、(自称)ライバルのPC研が露骨に企画をぶつけてくるんだけど、相手が可哀想に思えるほど正攻法で本気出してくる機研の面々の死角のなさときたら……やぶれかぶれに直接攻撃を仕掛けてくるPC研にもひるまない下級生達の本気の怒りにもニヤニヤが止まりませんでした。

 そして、最後を締めくくる「卒業後の文化祭」の話がとても爽やかな終り方でまた素敵。どうしようもない位に楽しかったからこそそこに自分の居場所が無くなってしまっている事を、自分達の知っている場所ではなくなってしまった事を認めたくない気持ちとか、とてもあるあるすぎてしんみりするんだけど、そんな心配をぶっとばすような最後の黒板にホロリとした。

 なんかこいつら、大学卒業してもなんだかんだで仲良くやってくんだろうなあ。良い友情モノでした。いつまでもお幸せに!

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デュラララ!!×10

 

「最近のダラーズ、おかしいとは思いませんか?半年前、黄巾賊に起こっていた事が、今度はダラーズに起こっているかもしれない…」東京・池袋。この街からダラーズに関わる者たちが徐々に消えていく。それは、かつての親友同士がお互いを想いながらも自らの信じる道を突き進み、加速した混乱のせいなのか。もしくは、街の中に渦巻いている、粟楠会、闇ブローカー、情報屋など大人たちの謀略のせいなのか。それとも、ダラーズの顔役として頼られる男気溢れる青年が陥った意識不明の重態のせいなのか―。様々な思惑を抱えた事件が始まる中、首無しライダーが取る道とは―!?さぁ、みんな一緒に、デュラララ!!×10。 (「BOOK」データベースより)

 ドタチンが何者かによって車に撥ねられたのを切っ掛けに池袋の様々な人たちが動き出すシリーズ第10巻。

 ダラーズ内の内部分裂らや杏里を「親」としない罪歌の一団をはじめとして、独自勢力が次々に増えてきた所に彼らを利用しようと動き出した『大人たち』の思惑が絡んできて今まで以上にわかり辛い構図になっていた気がする。彼らの動きに火をつけた門田はなんだかんだでとても愛されてるよなあ。

 一方、ダラーズを“元のように”戻そうとして元ブルー・スクエアの面々と共謀しながら一人で迷走する帝人は本当になんというか……紀田や杏里が本気で心配しているのが見えるだけに、もう少し彼らのことも振り返ってあげてと言いたくなる。色々と結局空回りのまま終りそうな気配がひしひしとするのがなんとも。わざと“元のようなダラーズ”を壊すような動きをしてるのは、“一度壊して”のための伏線なんですよね。わざとなんです……よね……?っていうか“一度全部壊して僕の理想のなんちゃら”って完璧に最後に倒される悪役のセリフだよ帝人!!

 これまでのように我武者羅にただ暴れるだけじゃない、静雄の「静かな戦い」がかっこよかったです。

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熱愛

 

成績優秀で綺麗な日浦は、小学生の時、ガキ大将だった佐津に乱暴された過去を持っていた。五年後、佐津は日浦を追って同じ高校へ入るが、日浦は佐津を許さなかった。二人の立場は逆転し、激しい怒りをぶつける日浦に対し、佐津は優しい愛情で受け止めようとするが…。燃え上がる恋の行方は…!?波瀾の愛憎劇。 (「BOOK」データベースより)

 小学生時代に一線を越えてしまった佐津と日浦は中学時代に偶然再会を果たし、同じ高校に入学するが、過去の因縁が絡み合ってきて……というお話。

 実際には両想いなんだけど佐津の過去の行いを「許せない」という日浦と、そんな日浦の現在の状況に「負い目」を感じている二人がお互いの気持ちを確かめもせずに互いの関係に贖罪という大義名分をもって依存しあい睦みあうというドロドロっぷりが凄かった。日浦の思いつめっぷりも相当なんだけど、佐津の自己犠牲精神というか自己満足的というかなアレも相当凄い。「相手のためなら死んでもいい」という二人の気持ちのたいへんねっとりとした気持ち悪い(※褒めてる)依存ぶりときたら。

 最後までいいところ無しの苛めっ子・久我原の病みっぷりといいどこまでもドロドロとしてる人間関係はとても楽しかったですが、久我原はあそこまできたらもうちょっとはっちゃけてくれてもよかったのにと思わなくも無い(べ、別にNTR展開なんか期待してないんだからねっ!)。すれ違う二人の関係を結果的に結びつけた国見先輩のいい人っぷりが唯一の癒しでした。

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