ページ 2 | 今日もだらだら、読書日記。
須藤・堀北のどん底からの再起がアツい(ただし全て主人公の手のひらの上だ)

ようこそ実力至上主義の教室へ5

 

長い夏休みを終えたDクラスを待ち受けていたのは体育祭。だが、高度育成高等学校の行事が生半可なものであるはずもない。全学年が赤と白の二組に分かれ勝敗を競う体育祭で、DクラスはAクラスと共にB&Cクラス連合と戦うこととなった。さらに全ての競技に順位がつけられ、順位ごとにポイントを得られるという。ここまで足を引っ張る存在だった須藤が一躍Dクラスの切り札となり、運動自慢達が腕を鳴らす。一方、自分のやり方を変えず周囲と軋轢を生む堀北。その隙をCクラスの首魁たる龍園と影に潜む裏切り者が見逃すはずもなく―!?大人気クリエイターコンビが贈る、新たな学園黙示録第5弾!?究極の実力勝負の体育祭が始まる。 (「BOOK」データベースより)

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夏休みを終えた生徒達を待ち受けていたのは、学年の垣根を超えた体育祭。DクラスはAクラスと組んで、Bクラス・Cクラスと戦うことになった。全員参加の競技と幾つかの選抜出場種目で構成される中、数値調整をミスった綾小路も不本意ながらいくつかの選抜競技に出る羽目に。体育に自信のある須藤を中心に順調に練習を重ねていくDクラスだが、運動会当日彼らを待ち受けていたのは、Cクラスによる卑劣な罠で……。

体育という普段とは少し違う評価軸の中、綾小路が普段からいかに実生活で本気を出していないというか周囲に合わせようとしているのかが透けて見えるのが面白い。テストは一問ごとに正解・不正解を繰り返してぴったり半分に合わせてたみたいだけど体育だと「過程」が見える分そうはいかないもんな。握力測定のくだりなんかそれが顕著で笑ってしまった。あれ多分須藤に聞いたのは教えてもらった数値の測定結果をそのまま出しても須藤ならおかしく思うまいっていう綾小路なりの策だったとおもうんですが見事に策に溺れてしまっている。

Dクラス内に存在する裏切り者の存在からはじまり、Cクラスの卑劣な攻撃で大きく戦力を削がれ、龍園の煽りもあってクラスの結束もバラバラにされてしまう展開がとてもしんどい。ただ、その結果としてどん底まで追い詰められてしまった堀北が仲間を頼ることをついに覚え、そのはじめての仲間として須藤を選ぶ流れが熱い。正反対のようで似た者同士、孤立していた二人が手を取り合う姿が印象的でした。しかしまあ綾小路も堀北のことを仲間だとは思ってないんだけど、堀北もなんだかんだいって綾小路のことを「仲間」とは認識してないんだなーと改めて感じる展開だ……。

負けを経て大きく成長する回だったけど、並行して敵側もインフレしてるというか余計に先が見えないと言うか。Dクラスが上に上がるための当面最大の壁である龍園一味、姿を表した「裏切り者」、不穏な動きを見せる新生徒会長、綾小路の過去を知る少女の登場…と強敵も盛りだくさんの一冊でした。そんな中、これまで表立って活躍するのを避けてきた綾小路がいよいよ表に出てきて……波乱ずくしの二学期、どうなっていくのか楽しみです。

余談ですが4.5巻を踏まえると平田と葛城のコンビに癒やししか感じない(平田も色々不安要素あるけど現状は無害なので…)。百合かな?


一番の萌えキャラは葛城(ハゲ)なのでは?

ようこそ実力至上主義の教室へ4.5

 

色々な事件が起こりつつも夏の特別試験は無事終了。高度育成高等学校の面々にも遂に正真正銘の夏休みがやってきた。しかし、夏休みの楽しみ方は人それぞれで―!?謎に包まれたA&Cクラスの生徒の意外な一面を描き出す「意外と伊吹澪は常識人である」&「意外と葛城康平は悩んでいる」突然のアクシデントから始まった堀北鈴音苦難の1日を描く「さりとて日常に潜む危険性」佐倉愛里のほんのちょびっとの勇気の結果は?「女難、災難の1日。天使のような悪魔の笑顔」夏といえばのプール回!「他クラスとの交流会」そして、シークレットな番外編も1本収録!大人気クリエイターコンビが贈る、新たな学園黙示録特別版、ショートストーリー集!(「BOOK」データベースより)

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今度こそ試験なしの夏休みを描く短編集。あの4巻の終わりかたからあとがきで「次は明るいお話」と言われても本当か!?と思ってしまったのですけど、今後への伏線を匂わせつつCクラスの伊吹と占いに行ったり、堀北の意外過ぎるピンチを救ったり、山内の恋愛相談に乗ってあげたり…と、夏休みのなんてことない日常のエピソードを中心にして各キャラクターを掘り下げていくお話でした。

短編集だけど、一部を除くほとんどのお話がAクラスの葛城が妹に誕生日プレゼントを送ろうとする「意外と葛城康平は悩んでいる」に伏線が集約される感じで、時系列を前後して語られるそれぞれの短編同士の繋がりが楽しかった。っていうか葛城がこんな萌えキャラだとか予想外なんですけど!?スキンヘッドのごつい人物像とは裏腹な家族想いの姿がかわいすぎる。

そして、学園物の夏休みの定番・プール回こと「他クラスとの交流会」。下心アリアリな男子達と夏を満喫する女子達のキャッキャウフフの裏側で、しっかり次巻への伏線をばらまいてくるのが実にこの作品らしい。生徒会役員になった一之瀬や今後の敵になりそうな先輩の存在も匂わせされ、一方で綾小路は爆弾発言ぶん投げてくるし…で続きがますます楽しみになってしまった。

仲間に引き込んだ過程が過程だけに、堀北よりも本音に踏み込んでる感じの軽井沢と綾小路のやりとりがすごく興味深いんだけど、それにしても不穏な会話多すぎるな!?「誰かを退学させる」発言が衝撃すぎるんだけど、それはそれとして短編集を読んでいると綾小路もなんだかんだで現在の人間関係を大切にしたいような気配や年相応の男子らしい発言も見受けられて。ただ、Aクラスを目指すというかこの学校に在籍し続けるという自分にとっての大義と私情がきっぱり切り分けられすぎてるというか。

その辺は今後のお話で掘り下げられていくと思うのだけど、彼らが2学期を迎えてどう動くのか。楽しみだなあ。


ちょっと闇が深すぎるクラスメイト多すぎない!?

ようこそ実力至上主義の教室へ4

 

夏休みを利用した特別試験前半戦―無人島サバイバルは無事終了。舞台は豪華客船でのグループ戦に移る。後半戦の試験内容は打って変わって、思考力が試される頭脳戦。A~Dクラスの全ての学生を干支になぞらえた12のグループに分け、各グループごとに一人だけ存在する『優待者』を見つけるというもの。クラス対抗という考え方を破壊する試験に驚愕する生徒たちだったが、葛城、龍園といった各クラスの実力者達は試験の狙いを見極め、暗躍を開始する。一方、清隆は同じグループに入ったクラスメイト軽井沢恵の持つ異質さに気づき―!?「私は―寄生虫。ひとりで生きることの出来ない、弱い生き物」清算できない過去との決別!学園黙示録第4弾!? (「BOOK」データベースより)

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無人島でのサバイバルが終了したのもつかの間、クルーズ船内を舞台に各クラス3人×4クラス=12人のグループ毎で行う新たな「特別試験」を提示される。Dクラスのカースト上位に君臨する女子・軽井沢と同じグループになった綾小路は、この機会に彼女が自分にとって「使える」人材か見極めようとして――

特別試験の内容はグループの中に一人だけいる【優待者】を1時間の話し合いを繰り返すことで探し出すという頭脳ゲーム。「人狼ゲーム」ライクなシステムにこの作品独自の要素である「クラスポイント」「プライベートポイント」のシステムが加り、更に各クラスの思惑と個人の思惑が交錯して……ただ犯人当てをすればよいというゲームにはなっていないのがちょっと(かなり)複雑だけど面白かった。

それにしてもクラスメイトの闇がどんどん出てくる。平田も3巻の時点で割と怪しい気配を漂わせていましたがだいぶ危なっかしいし、軽井沢の過去がまた壮絶。そしてその軽井沢の深い闇をわざと引き出してそれ以上の闇で屈服させようとする綾小路がもう完璧に主人公ムーブをしてないんですけど!?っていうかほんと綾小路はどんだけ深い闇を身の内に秘めてるんだよ。いやなんか、いちおう一之瀬や平田あたりの目はあるものの、堀北・櫛田と別行動になっているぶん逆に好き勝手やってるなという印象がありましたね今回。まあいくら共犯者関係でも堀北の目のあるところであれはできないよな。3巻も大変にひとでなしの顔をしていましたが、4巻もクライマックスで軽井沢さんを壁ドンする綾小路の顔が大変にひとでなしで最高です。本文では一切描写せずに挿絵のみで伏線バラまいてくる序盤の櫛田といい、ほんと挿絵がいい仕事している。

クラスメイトだけでなくBクラスのカリスマ女子・一之瀬がなかなか食わせ者感出して来たり、今回は綾小路がそっちまでカバーする気がなさそうだったとはいえCクラスの龍園にはすっかり出し抜かれた形だったり。先生たちにも色んな思惑があるようで、本当にこの学園まだまだ闇深そうな人いっぱい出てきそうですね!?大丈夫か!?ラストの堀北しか見えてない須藤が唯一の癒し。

最後の最後で龍園に出し抜かれた綾小路が初めての「感情」を得る姿が印象的というかでもほんとこの感情の得方は主人公としてどうなんですか最高だな!?ここめっちゃ挿絵ほしかったやつだ…。


主人公が完全にひとでなしの顔をしている(最高)

ようこそ実力至上主義の教室へ3

 

季節は夏。期末テストを乗り越え夏休みを迎えた清隆たちに高度育成高等学校が用意していたのは、豪華客船による2週間のクルージングの旅だった。喜ぶ面々だったが、完全実力主義の学校が単なる旅行を計画するわけもなく、船は無人島に到着。そこで本年度最初の特別試験―無人島でのサバイバルが通達される。生活物資は試験用に与えられたポイントで購入可能。だが試験終了まで保持したポイントは2学期からの学校生活にプラスされるという。上位クラスとの差を埋めるため、最底辺のDクラスはポイントの不使用を画策、サバイバルな生活に乗り出そうとするが、特別試験は甘いものではなく―!?大人気クリエイターコンビが贈る、新たな学園黙示録第3弾!?(「BOOK」データベースより)

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期末試験を乗り越えた生徒たちを待っていたのは夏休みという豪華なクルーズ船で行くバカンス休暇――などというわけはもちろんなく、「特別試験」という名の無人島での一週間の集団サバイバル生活が始まるのだった。そこには、クラス同士を争わせ/クラス内部の結束をかき乱す「ルール」が存在していて……。

いよいよ全クラスがそろい踏みのシリーズ3巻。拠点占拠やリーダー当てのシステムを使ってクラス同士で争わせつつポイントの使用を巡ってクラス内の結束も搔き乱すという基本ルールが秀逸で、初日から結束に欠くDクラスに対して他のクラスがそれぞれのやり方でクラス内部の統制を取っていくのが面白かった。個々の基礎値が高いが結束に掛けるAクラス、一之瀬のカリスマ性を中心とした結束が強みのBクラス、2巻から引き続き龍園を中心に様々な手段で裏をかくCクラス…と、どこも油断ならない。

それにしても、いつもの「事なかれ主義」と嘯くこともなく綾小路がやたらと積極的にクラスの行動に介入してくるとおもったら……いよいよ本性見せてきたー!!!食わせ者だとは思っていたけど、期待以上にヤバいやつでテンション上がってしまう。わざと味方を窮地に陥らせることで事態をコントロールし、影で美味しいところを全部持っていってその功績を更に人に押し付けるあたり、本当にタチが悪いな。「本音で語ろう」のところの挿絵の綾小路がまた最高に人でなしの顔をしていて最高だった。 最高だった!!!(大事なことなので2度)

綾小路が学園に入学した理由やバックグラウンドが薄っすらと見えてきて、その上で「本性」を知ってしまった堀北と改めて共犯者関係を結ぶのが美味しい。綾小路の本心はともかく、堀北が割とそういう利害の一致だけの関係性維持出来るのかなどうなのかな……とは思うけど、それも含めてすべて手のひらの上なのかもしれない。

ほぼ絶望的な状況からひっくり返してくる展開がめちゃくちゃ爽快感あったし、いろんな意味でここからが本当のスタートだいわんばかりの物語だった。ストーリーも面白かったし本性出した綾小路最高だったし他クラスのキャラクター達の掘り下げも多くて面白かったし、クラスメイト達の掘り下げもまた一段階進んだ感じでこの後の展開に期待が高まる。というか安牌だと思っていたあの人からヤバそうな気配がプンプンするんですが!?確かにこんなに人間的にも成績的にもハイスペックな人間がなんでこのクラスに居るんだろうとは思ってたけど……。


今後への匂わせ多くて楽しい。それで主人公一体何者なんだ(期待)

ようこそ実力至上主義の教室へ2

 

生徒の全てを実力で計る、完全実力主義の教育学校・高度育成高等学校。最底辺のDクラス所属の綾小路清隆は、心優しき美少女・櫛田桔梗に懇願され、Cクラスの陰謀で停学の危機に陥ったクラスの不良・須藤を助けることに。隣人たる堀北鈴音にも声を掛けるが、彼女はなぜか消極的。聡明な鈴音から唯一示されたヒントは、クラスメイトの地味少女・佐倉愛里の存在。事件の鍵を握る彼女を追跡するうち、清隆達は愛里の隠された秘密に気付き…。さらにはBクラスの謎の美少女・一之瀬も加わり、須藤の救済に挑む!大人気クリエイターコンビが贈る、新たな学園黙示録第2弾!?(「BOOK」データベースより)

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クラスメイトの須藤が、Cクラスの生徒を一方的に殴ったと告発されて停学の危機に。それは須藤と同じバスケ部のメンバーが、彼の実力を羨んで仕組んだ罠だった。正当防衛だったという須藤の言葉を信じて平田・櫛田を中心に冤罪の証拠探しに動き出すD組だが、堀北はどこか乗り気でない態度を見せる。極めて不利な状況の中、事件を目撃していた人物の存在が浮かび上がって……。

引き続き面白かった!いくら相手側の罠だったとはいえ、頑なに正当防衛を主張して自分の非(生徒を殴ったこと)を棚に上げて悪びれない須藤の態度に少しもやもやしていたんだけど、そういう部分まで含めて「ここに落とす以外ない」くらいの絶妙な落とし所にたどり着いたので読み終わった後の爽快感が凄い。ただ冤罪を晴らすだけでは終わらない展開が良かった。

1巻から喰わせ者感を漂わせまくっていた綾小路がますます胡散臭くなってきていて読んでて楽しい。自称『事なかれ主義』発言についてもそうなんですけど、特に一人称でやたらと出てくるぼっち発言や櫛田や一之瀬に対するミーハー発言が妙に言葉に感情通ってない感あるんですよね。実際全く興味なさそうというか。堀北との会話での「ボロを出した」という話もそうですけど、「無理やり平凡な男子高校生の皮を被ろうとしているそれ以外のなにか」という感がますます強くなってきて期待しかない。

ストーリーもそこに登場するキャラクターも面白かったんだけど、それをふまえて、章毎に主要人物達の学校側の評価が載っているのがまた楽しかった。学園側がどういう基準で生徒たちを評価しているのかもわかるし、今度に向けて色々匂わせてくるのがたまらないなあ。綾小路がワケアリなのは伝わってきてたけど、櫛田ちゃんもワケアリなのか。


テストの点だけじゃない評価軸が面白い。学園待遇カーストもの。

ようこそ実力至上主義の教室へ

 

希望する進学、就職先にほぼ100%応えるという全国屈指の名門校・高度育成高等学校。最新設備の使用はもちろん、毎月10万円の金銭に値するポイントが支給され、髪型や私物の持ち込みも自由。まさに楽園のような学校。だがその正体は優秀な者だけが好待遇を受けられる実力至上主義の学校だった。ある理由から入試で手を抜いた結果、主人公・綾小路清隆は、不良品が集まる場所と揶揄される最底辺のDクラスに配属されてしまう。同じクラスで成績は優秀だが性格に超難ありの美少女・堀北鈴音、気遣いと優しさでできた天使のような少女・櫛田桔梗らと出会うことで清隆の状況も変化していって…。大人気クリエイターコンビが贈る、新たな学園黙示録!?(「BOOK」データベースより)

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入学すれば望み通りの進路に進めるといわれる学園に入学した主人公・綾小路清隆。学校からは高額な生活費が支給され、私語や居眠りをしても怒る教師はいない。ほとんどの生徒が夢のような学園生活‐‐‐と思っていたのだが、その実態はクラス全体の評価を独自の基準で「ポイント」として反映し、その評価が毎月の生活費として反映されるという“実力至上主義”の学園だった。最底辺のクラスに振り分けられた主人公たちが、0ポイントから下剋上を狙うお話。

「成績」が校内での待遇に直結する学園ラノベはここ何年かでちょくちょく見るようになったけど、加点減点の基準すらわからない所から手探りで「点数」を上げていこうとする展開が一筋縄ではいかなくて面白い。基準がテストの点数とかなら割とわかりやすいんだけど、授業態度・生活態度や果てはコミュ力まではっきりと数値化できない部分を評価される上、その評価がクラス全体の連帯責任になっているので否応なしにクラスメイト同士で協力していくことを余儀なくされる。ただ試験の成績を上げるだけでなく、教師や先輩の匂わせをしっかり受信していくと抜け道もしっかり用意されているのがどこかゲームチックで面白かった。

成績以外の原因で底辺クラスにいる主人公達が、成績不振でドロップアウトしかけている生徒たちが赤点で脱落する事のメリットとデメリットを天秤に乗せ、最終的に彼らを「救おう」と判断して動き出す。「友達が欲しい」と漏らす反面どこか周囲を俯瞰的に眺めている主人公の綾小路、成績優秀だが他人への気遣いが出来ず壊滅的に人間づきあいが下手な堀北、コミュ力の権化のような少女だが天使の顔の裏に別の顔を隠し持つ櫛田という3人が微妙な距離感を置きつつも同じ目標のため協力していく姿が楽しかったです。明らかに裏に何かありますよ食わせ者ですよと言わんばかりの綾小路のバックグラウンドも大変気になるし、大変わかりやすいツンデレをしてくれる堀北もかわいいけど、個人的に櫛田さんの裏の顔が好き。

まだ見えてこない部分が多くこれから〜という感じの話だったけど、どうなっていくのかがとても楽しみです。


「悪役令嬢」vs「ヒロイン」の一時共闘展開がご褒美すぎる!!

悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました4

 

外遊中の転生悪役令嬢・アイリーンが、陰謀でアシュメイル王国後宮入り!?ここはゲーム3作目の舞台で、主の聖王バアルに魔王クロードの魔力がきかない設定のはず。あせるアイリーンの前に、バアルの正妃・ロクサネの護衛としてクロードが現れる。「他の男の妃になるとは、僕に泣かされたいとみえる」陰謀もゲームのフラグもそっちのけで、はた迷惑な溺愛モード発動!?WEB発・最強のラスボスを何度でも攻略する物語!(「BOOK」データベースより)

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外交のため中立国の神聖ハウゼル女王国に向かおうとしていたアイリーン達は海賊に襲われ、なぜか折り合いの悪い隣国・アシュメイル王国に連れ去られ、あろうことか聖王バアルの後宮に入れられてしまう。状況を打開しようと動き出した彼女の前に現れたのは、なぜか留守番をしてるはずのクロードで…。

今回は乙女ゲームの三作目の続編が舞台。『神の娘』と『神剣』を巡り、外国でアイリーンとリリアがまさかの共闘!!というお話。とにかく作中これっきりであろう二人の共闘展開がめちゃくちゃ楽しい!いちいちゲーム視点でツッコミを入れてくるリリアのツッコミに笑いつつ、クライマックスでの『聖剣の乙女』二人の戦いぶりににんまりしました。いやもうほんとこれさいこうでは……!?

今回はリリアが味方ということで、割とリリア側の人間の掘り下げが行われたのが楽しかった。セドリックは前巻ですっかりキャラクターを確立した感じあるけど、1巻から登場しているレギュラーなのに影が薄すぎたマーカスがついに「影の薄いキャラ」というキャラ付けをされてしまっているの笑うしか無い。なかなか恋路が進展しないレイチェル&セレナのそれぞれのお話も楽しかったけど、セドリックの話が出てくると若干いつもの調子が出てない感じのリリア可愛い。

それにしても、最後で色々爆弾振りまかれた感がすごくて、これも結構佳境に差し掛かってきた感じなのかな。リリアとアイリーンの聖剣の乙女コンビの活躍はめちゃくちゃ楽しかったけど、やっぱりエピローグを読むとリリアこそがラスボスの貫禄が凄い(というかこの作品の悪役は例によって初登場時ちょっとキャラ薄めであるのだけど……)ので次こそ決戦なのか。Web版はここが最新のようなので暫く時間かかりそうだけど、続きを読めるのが楽しみです。

それにしても、リリアの「クロードとアイリーンが一線越えられない理由はゲーム側に全年齢フィルタ装備されてるから説」がしっくりきすぎて困る。


フラグ乱立する中ラブラブなリカルドとブリトニーがめっちゃかわいい!!!

転生先が少女漫画の白豚令嬢だった 3

 

少女漫画の白豚令嬢に転生しながら、再びダイエットに成功し堅実に暮らすブリトニー。しかし社交界デビューの場で、自身を処刑に導く諸悪の根源ヒロイン・メリル(超美少女)と遭遇!彼女と距離を置こうとするも、リカルドと親しくする様子を見てモヤモヤが止まらない。そんな折、リュゼから突然「僕と婚約してみないかい?」とプロポーズされて!?(「BOOK」データベースより)

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いよいよ少女漫画の本編がはじまった。婚約を取り消されたリカルドと一緒に居たいブリトニーは、マンガのあらすじ通り王都でアンジェラやノーラと共に学校に通うことに。そこで、アンジェラの妹姫にして少女漫画の主人公・メリルと出会うことになるのだが……。

そろそろ粗筋からも「白豚」要素が消えつつあるのでは…!?と勝手に心配していたのですが、途中でしっかりリバウンドしていて笑った。ダイエット要素は流石に影が薄くなってきたけど、「肥満体系のモブに転生してしまった主人公がダイエットしつつ破滅フラグを折る」という下手すると一発ネタで終わりそうな要素を3巻になってもなんだかんだと絡めつつ悪役令嬢・モブキャラ転生物としてもラブコメとしても両立させてくるの凄い。

もともとの破滅要因は既にほぼ折られているのでどうなるのかと思ったけど、なにかと形を変えながらも概ね「原作通り」に襲来するトラブルの数々に対処していくのが面白かった。外部から悪役令嬢であるアンジェラの体面を悪くしかねない状況があったりして性格が丸くなっただけでは回避しきれないトラブルが発生するのは納得の流れだし、何よりブリトニーの友人として良い方向に向かっていたはずのノーラが自らの劣等感を制御しきれずに暴走してしまう流れが印象的。アンジェラにせよブリトニーにせよそれぞれが生来持っているコンプレックスを完全に克服できたわけではなくて、自分の難儀な一面とずっと向き合いながら生きていかないんだなと思わせる展開が印象的でした。

また、他の「転生者」の登場によって「少女漫画だから」ということで済まされていたちぐはぐな世界観に肉付けがされていくのが印象的で、ただこうなると同時に「破滅フラグを阻止すれば良い」という話でもなくなってきた感じがする。彼らが世界そのものに文化的・技術的な革新を引き起こして不自然な進化を遂げさせているいるのならブリトニー達の存在には別の意味が出てくるわけで……。

などと、本編は割と真面目にファンタジーやってる中で気持ち的には両思いになったブリトニーとリカルドのやりとりが!!超可愛い!!今回は従兄弟のリュゼや王太子マーロウからの求婚みたいな展開もあり、逆ハーレムルート突入か!?の気配も感じたのですけど、ブリトニーがリュゼからの求婚で貴族としての立場と自分の気持ちの間で揺れ動く反面、しっかり気持ちはリカルドに向いているのが大変美味しかったです。新キャラのエミーリャとアンジェラ王女が物語の横で着々とフラグを積み重ねている感じにもニヤニヤするんですけど、あとはノーラに幸せになってほしいなあ。正直今回、ノーラの婚約者の掘り下げが一切なかったの不穏に感じるんですよね……。

物語としては結構巻きに入ってる感じもして、ブリトニーの少女漫画本編での処刑フラグを叩き折ってきれいに終わるのかなとも思うんだけど、一筋縄では終わらなさそうな雰囲気だよなあ。どうなるのか楽しみ。


ガウェインのそこはかとないポンコツぶり、好きです。

ラストラウンド・アーサーズ2 聖女アーサーと赤の幼女騎士

 

「5000万あったんだぞ、どうしてそれが0になってんの!?」“アーサー王継承戦”に備え、一緒に住む提案をした凛太朗に、瑠奈はあろうことか凛太朗の全財産を使い込み屋敷を買うという相変わらずのロクでなしっぷりを発揮する。そして出会う次なるアーサー王候補は―「師匠!お久しぶりです」凛太朗がかつて戦い方を教えた弟子のエマ=ミシェーレ。エマに仕える“騎士”ラモラック卿の圧倒的な実力に劣勢を強いられる瑠奈は「貴方、凛太朗の身請けにいくら出す!?」まさかの保身と金儲けに走り始め!?納得できないエマは瑠奈と凛太朗を賭けて、王としての器を勝負することになり―。(「BOOK」データベースより)

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凜太朗の弟子を名乗る少女・エマ。“アーサー王継承戦”に参加するためにこの町にやってきた彼女は、実力ならトップクラスの円卓の騎士ラモラックを連れていた。凜太朗を慕うエマと凜太朗を振り回す瑠奈は、いつしか凜太朗を巡って王としての器を競うことに。

ぶっちぎりの強さを持つ円卓の騎士・ラモラック卿を相手に一度は苦境に立たされながら、史実をなぞった展開と凜太朗らしい意地の悪いひっかけで追い詰めていくのがとても楽しい。というか、他の作品だと強キャライメージが強い気がするガウェインが割とポンコツ感漂わせてるのが新鮮でした。戦いで疲弊してるところを多人数で襲撃したってそりゃあラモラックにも恨まれるし、この仲間にしれっと混ざっているモードレッドやアグラヴェイン、一体どんなキャラになってしまうんだ……。それでも、そんなガウェインもいざとなればしっかりキメてくれるのが大変美味しかったです。

一方、何故かエマと瑠奈が凜太朗を取り合って恋の鞘当て(?)が始まってしまう学園パート。ラモラックからの後方支援を受けてポイントを稼ぎまくるエマと、そのエマに心配されるほど見事に地雷を踏みまくっていく瑠奈の空回りっぷりが楽しすぎるんだけど、それはそれとしてラモラックの「おしゃれ」に対する価値観が説得力ありすぎてすぎて身につまされるな……「オシャレは他人への気遣い」という言葉、心に刻みます……。ラモラックは色々な思惑があってエマの《騎士》をしているのだけど、この辺りの描写が本当に楽しくて、100%悪意でエマに近づいたとも思えないんだよなあ。

恋愛的にも継承戦的にもぶっちぎりの強敵ラモラック&エマの登場に凜太朗と瑠奈のコンビも解散の危機か──と思わせておいて、すれ違ってばかりいるように見えながら結局最初から最後まで心は結びついたままだったふたり。エマの過去とそれに対する凜太朗の悔恨は衝撃的だったけど、最後はなにもかも懐の深い瑠奈の元にまとめて抱き込まれるラストにほっこりしました。

どんな強い敵でも、一度倒してしまったら強引に味方にしてしまう暖かさと懐の深さこそが、彼女が「王」たる所以であり凜太朗が瑠奈に仕える理由なんだろうな。ロクでなしだが芯は強くて真っ直ぐな瑠奈と、なんだかんだで瑠奈を高く評価している凜太朗の主従関係が良かったです。


猫猫のキャラが可愛い!1章完結形式で気楽に読めるミステリー。

薬屋のひとりごと

 

大陸の中央に位置するとある大国。その皇帝のおひざ元にその娘はいた。猫猫(マオマオ)、花街で薬師をやっていたが、現在後宮で下働き中である。けして美人とはいえぬその娘は、分相応に何事もなく年季があけるのを待っていた。まかり間違っても帝が自分を“御手付き”にしない自信があった。そんな中、帝の御子たちが皆短命であることを知る。存命の二人の御子も重い病と聞いた猫猫は、その原因を調べ始める―。大絶賛されたあの痛快ミステリーが待望の文庫化。中世の東洋を舞台に「毒味役」の少女が宮中で起こる難事件を次々に解決する。(「BOOK」データベースより)

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後宮の最下層で才能を隠して無難に過ごしていた主人公の猫猫が、ひょんなことから才能を見出されて皇妃の「毒見係」に取り立てられ、持ち前の薬(というか毒)の知識と好奇心で後宮の中で起きる様々な事件を解決に導いていく。

淡々としたそっけない態度とは裏腹に情に厚い猫猫のキャラクターと、そんな彼女が繰り出す推理が心地良い。面倒なことは徹底的に避けて通ろうとする反面、人買いに売られるという経緯があったとしても後宮での勤めはしっかり任期が終わるまで果たそうとする義理堅さを持っていたり、自傷行為ですら上等なマッドサイエンティストだったり……と、章を追うごとに様々な一面を見せてくれるのが楽しかった。章立ての細かさはいかにも原作Web小説だな〜という感じだけど、その分気軽に読める短編ミステリーになっていて個人的にはよかったです。ミス・マープルとか思い出す。

また、猫猫の才能を見出した美形宦官・壬氏との関係がとても楽しい。最初は胡散臭い美人だった彼がだんだん猫猫の前で素の「男」としての姿を見せていくのが楽しいし、はっきりそうだと描写されるわけではないけどそれとなく気のある素振りを見せる壬氏と、その気持ちの機微に気づかない猫猫の鈍感ぶりにニヤニヤしてしまったり。

壬氏や仕えることになった宮廷の人たちとの交流を持つことで、少しずつ猫猫が後宮勤めに愛着を感じていく姿も良かった。それだけに、クライマックスでの壬氏とのすれ違い具合にはもだもだしてしまうんですけど!なんとか元サヤに収まってくれて(?)良かったなあ。楽しかったです。